○野村
委員 委員各位から各観点より詳細に質疑應答があ
つたようでありますが、二、三の問題についてお尋ねをしてみたいと思います。
現在の
予算の編成過程から見まして、本案に対しまする
政府の苦衷もよく了承できるのでありますが、
地方にと
つてはこの
法案に関する
配付税こそ、
地方行政を経営する最も重要な対象であることは論をまたないのであります。こういう点からこの率を
改正するという客観情勢は、今各都道府縣に負託されております歳出の面には寸豪も現れていない。三三%一四というものに対してこれを引下げる情勢は見られない。この
裏づけとしてはさらに近く提案を見んとしておる、観点は違
つても、あるいは住民税なり、地租、家屋、あらゆるこれらの増徴もしなければならぬ。こういう点からかんがみても、この
配付税こそ
地方は唯一の対象にいたしておるのであります。これを根幹にして、
地方の
予算というものの
確立ができて來るのであります。しかし今回ドツジ公使の内示によ
つて、この
経済九
原則の完成、わが國の
経済的自立体制
確立という点から、この
改正案が出されたことについては、中央
地方を通じて、あらゆる耐乏のいばらの道もたえ忍ばなければならぬと思いますけれ
ども、現在おかれておる
地方自治体の状況は、るる今各
委員から質疑されたような深刻な段階にあります。しかも困難なことではあ
つても、ここ数代の
内閣が、積極的に、
根本的な
財政計画を樹立しなくて、遂にこの案に
結論が來た、こういう観点に対して吉田
内閣は、勇敢に現
内閣の
財政計画としてこれを取上げたということを、総理からも所管大臣からもお話があ
つたので、
根本的に流れる思想というものはよく私らもわかるのでありますが、しかし現在における
地方財政、特に六・三制の完成、このことこそ、いろいろ批判はありますが、文化
國家としてともあれ完成の直前におかれておる。どうしてもこの
予算は経営のできるようにして行かなければならぬということは、全國的の要望であります。われわれもこれに対しては強く要求いたしたいのであります。しかし現在この六・三制による、特に建設は寸毫も
予算の計上をすることができないような
事情のようでございます。さつき
木村大臣からお話のごとく、六・三制のみならず、各種の問題に対しても、追加
予算を機をみてこれを補正したいというような、しかも近く來朝するシヤウプ博士、これらの
税制の
改革によ
つて、優先的にこの
裏づけができることは大いに期待してやまないのであります。しかしこの九
原則の完成ということは、そうなまやさしいものではない。從
つてこれが全面的に安易に追加更正をして、この大綱が緩和されることは、私らとしてはそうは
考えられない。この
原則を取り上げて、そうしてインフレを最後の終止符として、この年度において完成するというように
考えておる
政府みずからは、これを國民にも了承さして行かなければならぬ、こういうことに
考えられるのですが、しかし実際問題は、全國市町村に至るまで、この六・三制の問題については、非常な深刻な段階に來ておるようですし、しかも子供の
教育ということに対して親の愛情は絶対であります。その結果勢いのおもむくところが寄附行為ということになると思うのであります。こういう点に対して、すでに三千百億の
所得税の増徴そのものが、非常なる問題でございまして、こういう点からして、さらにこの六・三制の完成ということに対して、
地方縣民にこれをしいるということは、ゆゆしい社会問題を惹起すると思うのです。今日のいろいろの寄附行為は主としてこの六・三制に関すること、これから警察に関すること、あるいは労働諸機関による施設の寄附行為が非常に要求されて、一般
地方民を苦しめておる。この
法案を強行することになりますれば、必然的にそこに行くことと思いますが、こういう点に対して、大臣はいかなる
考えをお持ちにな
つておりますか。
それから災害関係でございますが、現在、か
つて襲
つた災害の重点的完成すら見ておりません。やがて洪水期を目のあたりにいたしまして、これらは等閑に付し得ないのでして、
地方の
負担が相当伴うことに想到いたすときにおきまして、この
法案は峻嚴な要求のもとに提案を見ておるものと思います。現実はさような段階にあるので、この点において
木村國務大臣は、非常に困難な立場にお立ちになるが、
地方公共團体の困難を打開すべき方途は、この
委員会なり
木村國務大臣にかか
つておると思う。こういう点から、私はこの
法案に対しましては、非常な心配をいたしておるわけでございます。今申し上げました二、三の点に対して大臣の御
所見を承れますれば仕合せと思います。