○池田國務大臣
大藏大臣の機構の問題におふれになりましたから、この機会に申し上げておきますが、私はただいまの大藏省内に、
金融部門をわけるとか、あるいは主計局の
予算、決算の
関係をわけるとかいう議論があるというお言葉でありますが、これは全然ございません。省外でそういう議論をする人があるやに聞いておりますが、私はただいまの制度が一番よいと
考えております。すなわち歳入歳出は一人の人で握るべきであり、また歳入歳出、すなわち財政部門と
金融部門との
関係は、今非常に密接であり、離すべからざるものと私は
考えておるのであります。
次に見返り
資金の窓口は
日本銀行にあるという
お話でございますが、これは誤解のないように申し上げておきます。対日援助見返
資金特別会計は
大藏大臣の所管でございまして、
日銀は何も
関係ございません。それは特別会計の預金を
日本銀行に置いておくというだけの問題でございまして、その点は誤解のないように願います。
資金の
運用その他については、全部
大藏大臣でやることに相な
つておるのであります。ただ扱い方の内部の手続の問題といたしましては、安本が総合
官廳であります
関係上、大藏省並びに各省の職員が集まりまして、どういう方面にこの金を使
つたがよいかということを、不
審議しておるだけの問題でございます。しかして私の新聞を通じて見るところによりますと、かなりピントがはずれておるのではないかと
考えておりますので、きようの閣議でも申しておきましたが、まだこれはどういう方面に使うとははつきりきめていない。ただどういう
考え方で行
つたがよいかということを、
事務当局で
審議しておるだけのものでございまして、私はそう権威のあるものとは
考えておりません。こういう問題は、
予算のときに申し上げておきましたように千七百五十億円、しかも二百七十億円を鉄道、通信の特別会計に使う。
あとの千四百九十億円は厖大なものでございまして、これは一一できますれば
國会の
審議を願うほどの重要な問題でございます。從いまして
関係方面と十分
連絡をとりつつ閣議できめたい。こう
考えておるのであります。新聞にときどき出ますように、これで見返り
資金のわくがきま
つたとか何とかいうようにお
考えになりますと、見当違いのことが起
つて來ますので、もう少しこの
使途につきましては愼重に
考えたいと思
つております。