○風早
委員 そういうふうに断定してしまわれる限りは、この問題は水かけ論になりますから、私はこれでおきたいと思います。ただこの國会
審議権の問題というものは、ようやく戰後におきまして自主的な國会の
審議権というものを、少くも法的にわれわれが獲得した新しい國民の資産でありまして、これをこの一片の
法案によりまして今
年度から踏みにじ
つてしまうようなことになる危險だけは、十分に警告しておきたいと思います。その責任はすべて
政府が將來とも負わなければならない。
日本の歴史で負わなければならない問題があるということを警告しておきます。それで私は実はこう思うのです。もう少し、メモランダムもメモランダムでありますが、これだ
つて一通りあるのです。ですからせつかく
祕密会で全部、他の人もいないのでありますから、まだ今はいいのです。いろいろ交渉のいきさつ
——私はいつも言うのでありますが、
政府当局が交渉される場合におきまして、自分の頭と力でも
つてやろうというふうにいつもされておる。これが初めから今までのいわゆる官僚主義というものの傳統でありまして、
從つて國会なり、
委員会なり、こういう権限を持たされた主権者をほんとうに背景にし、この主権者の総力を結集して当
つて行くということをなされないか。そうすればもつと私は有利に交渉が展開されるのではないかと信じている。そういう意味で、何でも祕密々々でなさらないで、若干そういうような交渉の顛末なんかもこの際に打明けていただいて、そうしてそういうふうに実は今のところにな
つているのだということを、ざつくばらんに言
つていただければ、問題が問題でありますから、われわれもともどもに十分に心配し、そしてそれに対して知惠をしぼ
つて行きたいと思うのです。要はこれによ
つてさしずめまず國会の
審議権が奪われるので、その意味においても
日本の國会が、世界に対して非常な不名誉を負うということになるだけでなく、やはり実質上の問題がある。これは次に私は
質問いたしますが、実質上の問題としていろいろあるのでありまして、そういうふうな点を考慮いたしますと、実に重大な問題でありますから、ぜひともざつくばらんに
政府はそれらのいきさつを、われわれの前に披瀝していただきたい。そうして御相談を願いたいという趣旨であります。しかしまあ先へ
質問だけ進めて行きます。
次には、この前申し上げましたように、この
法案が結局もたらすでありましようわが國民経済に対する影響であります。これは法理上並びに憲法上の疑義の問題の
一つの裏づけをなすものでありまして、ただ私どもは概念法学的に、
法律論をも
つてあそんでおるわけではないのであります。そういうことで
政府をどうこうするというのではないのでありまして、実際この千七百五十億円というものをてことして、あるいはまた私に言わせれば單なる見せ金にすぎないのでありますが、見せ金でとにかく動き出す結果、
日本の國民経済にどういう影響を及ぼすか。この点について
政府はどういう見通しを持
つておるかという点であります。私はフランスやイタリアまたドイツというような國々において、一体どういうこの影響が
——ギリシャ、トルコにつきましては私自身もよく知らないので、先ほどから伺
つておる次第でありますが、このマーシャル計画というものが、結局たとえばフランスなんかの
産業に対して、一体どういう問題を起しておるか。こういう点については、先刻御承知と思いますけれども、これは御参考に申し上げておきたい。そうしてこれと同じようなことがやはり
日本でも起り得ないかどうか。そういう点についての
政府の見通しを伺いたいというわけであります。「速記をやめて聞いたらどうか」と呼ぶ者あり)たとえば
政府が向うさんといろいろ交渉される顛末は、われわれも絶対責任を持ちます。また向うさんにも
関係がありますから、そういうものはどこまでも、
祕密会でもよろしいし、速記をやめてもよろしいし、や
つてけつこうなのでありますが、今までのところは、何もさしつかえなかろうと思う。今までいろいろな
委員の方からも多少御要求があるようですから、議事の進行の点につきましては
委員長に私は御一任いたしまして、積極的にこの
法案が実際に運行し始めることによ
つて、
日本経済に対してどういう影響があるかということについて、私の大体見通しを
お話した上で、
政府の見通しをお聞きしたいと思います。それでありますから、食事の
関係もあるでしようし、その辺のことは一應
委員長の意見を伺いました上で、決定したいと思います。
〔「休憩」と呼ぶ者あり〕