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1949-10-18 第5回国会 衆議院 選挙法改正に関する特別委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年十月十八日(火曜日) 午前十一時四分
開議
出席委員
委員長
生田
和平君
理事
栗山長次郎
君
理事
山本 猛夫君
理事
立花 敏男君
理事
逢澤 寛君
理事
小平 忠君 千賀 康治君 田中 重彌君 中川
俊思君
橋本登美三郎
君 平澤 長吉君 藤枝
泉介
君
淺沼稻次郎
君 鈴木
義男
君 並木 芳雄君
佐竹
晴記
君 中野 四郎君
委員外
の
出席者
全国選挙管理委
員会事務局長
吉岡 惠一君 法 制 局 長 入江 俊郎君
法制局参事
三浦
義男
君
法制局参事
川口
頼好君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
選挙法改正
に関する件 —————————————
生田和平
1
○
生田委員長
これより
会議
を開きます。
選挙法改正
に関する件を
議題
といたします。本日も前回に引続き小
委員会
の成案について御
審議
をお願いいたします。
淺沼稻次郎
2
○
淺沼委員
協議に入る前に、心づいた点ですが、第二章の一
選挙権
及び被
選挙権
」の中の「
市町村
の
区域
」というのを、東京に
限つて
は区を入れておかないといけないのじやないですか。ただこれだけ問題を提供しておきます。これはあとでもよろしいです。
生田和平
3
○
生田委員長
第三章、
選挙
に関する
区域
の問題を
議題
といたします。
栗山長次郎
4
○
栗山委員
第三章の
区制
に関する案件は、小
委員会
としても、
留保
してありますので、この
委員会
としても
留保
せられんことを望みます。
生田和平
5
○
生田委員長
これは
参議院
及び
衆議院
の
区制
だけが
留保
にな
つて
おるつもりでありますが、その他の御
審議
はいりませんでしようか。全部
留保
しますか。
参議院
と
衆議院
の
区制
の問題だけを
留保
したいと思うのですが……。
栗山長次郎
6
○
栗山委員
その他の
区制
について
審議
せられんことを望みます。
生田和平
7
○
生田委員長
さようにいたします。ただいま申し上げました
通り
、
衆議院
及び
参議院
の
区制
の問題は小
委員会
においても
留保
せられておりますから、この両院の
区制
を除きまして、その他の点について
審議
を進めたいと思います。 まず朗読いたさせます。 〔
参事朗読
〕 第三章
選挙
に関する
区域
(
選挙
の單位) 第十二
衆議院議員
、
参議院
(
地方選出
)
議員
及び
都道府県
の
議会
の
議員
は、それぞれ
選挙
区において、
選挙
する。 2
参議院
(
全国選出
)
議員
は、全
都道府県
の
区域
を通じて、
選挙
する。 3
都道府県知事
及び
市町村長
は、
当該地方公共団体
の
区域
を通じて、
選挙
する。 4
市町村
の
議会
の
議員
は、
選挙
区がある場合にあ
つて
は各
選挙
区において、
選挙
区がない場合にあ
つて
はその
市町村
の
区域
において、
選挙
する。 5
都道府県
及び
市町村
の
教育委員会
の
委員
は、
当該地方公共団体
の
区域
を通じて、
選挙
する。 (
衆議院議員
の
選挙
区) 第十三
衆議院議員
の
選挙
区及び各
選挙
区において
選挙
すべき
議員
の数は、
別表
第一で定める。 2
別表
第一に掲げる郡の
区域
又は支庁の
所管区域
に
変更
があ
つて
も、
選挙
区はなお、
従前
の
区域
による。但し、
市町村
の境界の
変更
があ
つた
ため又は
町村
が市となり若しくは市が
町村
と
なつ
たため郡の
区域
に
変更
があ
つた
ときは、この限りでない。 (
参議院地方選出議員
の
選挙
区) 第十四
参議院
(
地方選出
)
議員
の
選挙
区及び各
選挙
区において
選挙
すべき
議員
の数は、
別表
第二で定める。 (
地方公共団体
の
議会
の
議員
の
選挙
区) 第十五
都道府県
の
議会
の
議員
の
選挙
区は、郡市の
区域
による。 2
前項
の
区域
の
人口
が著しく少いときは
條例
で数
区域
を合せて一
選挙
区を設けることができる。 3
都道府県
の
議会
の
議員
の任期中あらたに第一項の
区域
の設定があ
つた
場合において、
従前
その
区域
が属していた
選挙
区の
配当議員数
が同項の
規定
による
関係選挙
区の数に達しないときは、同項の
規定
の適用については、次の
一般選挙
までの間、その
区域
は、なお、設定されないものとみなす。 4 前二項の場合において必要な
事項
は、
政令
で定める。 5
市町村
は、特に必要があるときは、その
議会
の
議員
の、
選挙
につき、
條例
で
選挙
区を設けることができる。但し、
地方自治法
第百五十
五條
第二項の市については、区の
区域
をも
つて
、
選挙
区とする。 6
市町村
の
議会
の
議員
の
選挙
における
選挙人
の
所属
の
選挙
区は、その
住所
により定める。第九第三項の
規定
による
選挙権
を有する者で
市町村
の
区域
内に
住所
を有しないものについては、
当該市町村
の
選挙管理委員会
は、
本人
の
申請
により、その
申請
がないときは職権により、その
所属
の
選挙
区を定めなければならない。 7 各
選挙
区において
選挙
すべき
地方公共団体
の
議会
の
議員
の数は、
人口
に比例して、
條例
で定めなければならない。 (
行政区画
の
変更
と
現任者
の地位) 第十六
現任
の
衆議院議員
、
参議員
(
地方選出
)
議員
及び
地方公共団体
の
議会
の
議員
は、
行政区画
の
変更
に因りその
選挙
区に異動があ
つて
も、その職を失うことはない。 (
投票
区) 第十七
投票
区は、
市町村
の
区域
による。 2
市町村
の
選挙管理事委員会
は、必要があると認めるときは、
市町村
の
区域
を分けて数
投票
区を設けることができる。 3
前項
の
規定
により、
投票
区を設けたときは、
市町村
の
選挙管理委員会
は、直ちに告示しなければならない。 (
開票
区) 第十八
開票
区は、
市町村
の
区域
による。 2
衆議院議員
、
参議院
(
地方選出
)
議員
、
都道府県
の
議会
の
議員
及び長並びに
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
につき必要があると認めるときは、
都道府県
の
選挙管理委員会
は、
前項
の
規定
にかかわらず市の
区域
を分けて数
開票
区を設け又は数
町村
の
区域
を合せて一
開票
区を設けることができる。 3
市町村
の
議会
の
議員
、市長及び市の
教育委員会
の
委員
の
選挙
につき特別の事情があると認めるときは、
当該市町村
の
選挙管理委員会
は、第一項の
規定
にかかわらず、市は
町村
の
区域
を分けて数
開票
区を設けることができる。 4 前二項の
規定
により
開票
区を設けたときは、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
は、直ちに告示しなければならない。
佐竹晴記
8
○
佐竹
(晴)
委員
衆議院議員
の
選挙法
の
別表
問題は、今
留保
するというお話でありましたが、
委員長
としてはいかがでございますか。この
委員会
において
改正
を企てられる腹なのでございますか、これをひとつ承
つて
おきたいと思います。
留保留保
と
言つて
、しまいにぽかつとだれかが
緊急動議
のようなもので案を出して来て、検討するひまもなしにやられてしまう、私
ども
はそういう苦い経験を過去においてなめている。従いまして、もしそれを
留保
しておくのだが、実はやはり
別表
もいじる腹なのだということであれば、今から私
ども
も準備を要しますが、
委員長
としてはそれに触れないお
考え
であるといたしますならば、おそらくこの
委員会
においては問題にならな事いと思う。
委員長
といたしましては、
別表
をかえられる腹でございますかどうか、ひとつそれを承
つて
おきたいと思いまする
生田和平
9
○
生田委員長
私はこの
区制
の問題は政治的に非常に重大だと
考え
ておるのであります。よほど
愼重
を期さなければいけないのではないかと、かねて
考え
ておるのであります。小
委員会
におきまして
皆さん
の御
意見
を承
つて
みるど、やはり
皆さん
の御
意見
もそこにあるのであ
つて
、よほど
愼重
を期さなければならぬ、こういうことで
留保
されて参
つたの
であります。ただ
委員長個人
としての
意見
はどうであるかという
お尋ね
でありまするが、
個人
としての
意見
を申し上げておくことがいいか
惡いか
は別といたしまして、もししいての
お尋ね
であれば、
私見
の一端を申し上げてもよろしいのであります。私はかねてから
選挙
区についてはいろいろの案を持
つて
おるのでありますが、そのうちでどうしても修正を要するという点は、御
承知
のように一県一区のものが九県あるのであります。この九県は大
選挙
区制
を採用しておるのであります。これはおそらく五人区というので、従来御採用にな
つたの
ではないかと思うのであります。ところが
参議院
の
地方選挙
区が全県一区であります。これを重複いたしておりまするから、なるべくこれは二つぐらいに割
つた
方がいいのじやないかという
考え
を持
つて
おります。しかしこれとてもやはり政治的に大きな
関係
がありますから、今日まで公式に
発言
はいたしておりません。もしできまするならば、
最小限度
において一県一区の分はかえた方がよいのではないかと思いますが、これは
皆さん
の御
意見
によるのでおりまして、單に私の
私見
にとどまるのであります。 また
参議院
の
区制
につきましても、
全国
区は廃止すべしという新聞の輿論が大分強くな
つて
来ているのでありますが、これについても相当の考慮を拂う余地があるのではないかと思います。しかしこれまた政治的に非常に重大な意味を持
つて
おりますから、二十五日の
召集日
に各政党の
議員
の方たが御上京になるのを待
つて
、
皆さん
の御
意見
を聞いて公平なところに
決定
すべきものでないかと
考え
ておりますから、みだりに
発言
をしていないつもりであります。さよう御
承知
を願いたいと思います。
衆議院
、
参議院
の
区制
の問題を
留保
いたしまして、その他の
区制
については、別に御
意見
がなければ
原案
の
通り
決定
いたしたいと思います。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
10
○
生田委員長
御
異議
なければさよう
決定
いたします。 次は第四章、
選挙人名簿
であります。朗読いたさせます。 〔
参事朗読
〕 第四章
選挙人名簿
(
選挙人名簿
の種類) 第十九
選挙人名簿
は、この
法律
に特別の定がある場合を除く外、各
選挙
を通じて一の
基本選挙人名簿
及び
補充選挙人名簿
とする。
川口頼好
11
○
川口参事
2はちよつと御訂正願いたいのであります。「
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の
選挙
には
前項
に
規定
する
名簿
の
抄本
を用いることができる。」とありますのを、「
選挙
を行う場合において必要があるときは、」という字句に御訂正を願いたいと思います。 〔
参事朗読
〕 2
選挙
を行う場合において必要があるときは、
前項
に
規定
する
名簿
の
抄本
を用いることができる。 (
基本選挙人名簿
の
調製
) 第二十
市町村
の
選挙管理委員会
は、毎年九月十五日現在により、その日まで引き続き三箇月以来その
市町村
の
区域
内に
住所
を有する者の
選挙資格
を調査し、十月三十一日までに
基本選挙人名簿
を
調製
しなければならない。 2
前項
の場合において、
選挙人
の
年齢
は、
基本選挙人名簿確定
の
期日
により算定する。 3 第一項の
住所
に関する
要件
を具備しない
選挙人
は、
基本選挙人名簿
に
登録
されることができない。 4
基本選挙人名簿
には、
選挙人
の氏名、
住所
、性別及び
生年月日等
を記載しなければならない。 5 第一項の
住所
に関する
期間
は、
行政区画
の
変更
があ
つて
も中断されることがない。 6
基本選挙人名簿
は、
市町村
の
区域
を分けて数
投票
区を設けた場合には、その
投票
区ごとに
調製
しなければならない。 (
船員
の
基本選挙人名簿登録
の
特例
) 第二十一
船員
(
船員法
(
昭和
二十二年
法律
第百号)第一條に
規定
するものをいう。以下同じ。)で前條第一項に
規定
する
住所
に関する
要件
を具備しないものについては、毎年九月十五日現在により、その日まで引き続き三箇月以来その
船舶所有者
に雇用されている場合に限り、同條同項及び第三項に
規定
する
住所
に関する
要件
にかかわらず、
船員
の
雇用事務
を取扱う
船舶所有者
の主たる
事務所
又はその他の
事務所
(いずれも登記されたものをいう。)の所在地の
市町村
において、その
基本選挙人名簿
に
登録
することができる。 2
船舶所有者
は、
前項
の
規定
により
基本選挙人名簿
に
登録
されるべき
船員
について、その
申出
により
船員名簿
を作製し、毎年十月十日までに
当該市町村
の
選挙管理委員会
に提出しなければならない。 3 前條第二項及び第四項の
規定
は、
前項
の
船員
の
名簿
の作製について、準用する。 4 第一項及び第二項に
規定
する
船舶所有者
に関しては、
船員法
第
五條
の
規定
を準用する。 5
基本選挙人名簿
のうち第一項の
規定
により
登録
された
部分
は、
衆議院議員
及び
参議院議員
の
選挙
に限り、その
効力
を有する。 6 前五項に
規定
するものの外、
基本選挙人名簿
に
船員
を
登録
する場合に関し必要な
事項
は、
政令
で定める。 (
基本選挙人名簿
の
縦覽
) 第二十二
市町村
の
選挙管理委員会
は、十一月五日から十五日間、市役所、
町村役場
、又はその指定した
場所
において、
基本選挙人名簿
を
縦覽
に供さなければならない。 2
市町村
の
選挙管理委員会
は、
縦覽開始
の日から少くとも三日前に、
縦覽
の
場所
を告示しなければならない。 (
異議
の
申立
) 第二十三
選挙人
は、
基本選挙人名簿
に脱漏又は誤載があると認めるときは、
縦覽期間
内に、文書で
当該市町村
の
選挙管理委員会
に
異議
の
申立
をすることができる。 2
市町村
の
選挙管理
、
委員会
は、
前項
の
申立
を受けたときは、その
申立
を受けた日から二十日以内に、これを
決定
しなければならない。その
申立
を正当であると
決定
したときは、直ちに
基本選挙人名簿
を修正し、その旨を
申立人
及び
関係人
に通知し、併せてこれを告示しなければならない。その
申立
を正当でないと
決定
したときは、直ちにその旨を
申立人
に通知しなければならない。 3 第二百十四の
規定
は、第一項の
異議
の
申立
について、準用する。 (不服の
申立
) 第二十四 前條第二項の
規定
による
決定
に不服がある
申立人
又は
関係人
は、
当該市町村
の
選挙管理委員会
の
委員長
を被告として、
決定
の通知を受けた日から七日以内に、地方
裁判所
に出訴することができる。 2
前項
の
裁判所
の
判決
に不服がある者は、控訴することはできないが、
最高裁判所
に、上告することができる。 3 第二百十三、第二百十四及び第二百十九の
規定
は、前二項の訴訟について準用する。 (
基本選挙人名簿
の
確定
) 第二十五
基本事選挙人名簿
は、十二月二十日をも
つて
確定
する。 2
基本選挙人名簿
は、
次年
の十二月十九日まで据えおかなければならない。但し、
確定判決
により修正すべきものは、
市町村
の
選挙管理委員会
において、直ちに修正し、その旨を告示しなければならない。 (
補充選挙人名簿
の
調製
) 第二十六
市町村
の
選挙管理委員会
は、
選挙
(第百十七第一項の
選挙
を除く。)を行う場合において、
基本選挙人名簿
又は
補充選挙人名簿
に
登録
されていない者で
選挙権
を有し、且つ、
当該選挙
の
期日
の現在によりその日まで引き続き三箇月以来その
市町村
の
区域
内に
住所
を有するものがあるときは、
申請
により、これらの者を
登録
する
補充選挙人名簿
を
調製
しなければならない。 2 引き続き三箇月以来
市町村
の
区域
内に
住所
を有していた者で
天災事変等
に因り、やむなくその
区域外
に
住所
を移したもの又はその者若しくは
海外引揚者
で新たに
市町村
の
区域
内に
佳所
を有するに
至つた
が
当該選挙
の
期日
までにその
期間
がまだ三箇月に達しないものについても、第九第三項の
規定
による
申出
により、
前項
の
住所
に関する
要件
にかかわらず、
前項
の
補充選挙人名簿
に
登録
することができる。 3 前二項の場合において、
選挙権
の
要件
は、
補充選挙
へ
名簿調製
の
期日
により調査しなければならない。この場合において第九の
規定
による
年齢
は、
選挙
の
期日
により算定するものとする。 4 第二十第四項乃至第六項の
規定
は、
補充選挙人名簿
の
調製
について準用する。 5 前四項の
規定
により
補充選挙人名簿
を
調製
する場合には第二十七第三項の
規定
により告示したその
登録
の
申請期間
中
基本選挙人名簿
を閲覽に供さなければならない。 (
補充事選挙人名簿
の
縦覽
) 第二十七
市町村
の
選挙管理委員会
は、
補充選挙人名簿
を
調製
したときは、その指定した
場所
において、これを
縦覽
に供さなければならない。 2 第二十二第二項の
規定
は、
補充選挙人名簿
の
縦覽
の
場所
の告示について、準用する。 3
補充選挙人名簿
の
調製
、
縦覽
、
異議
の
決定
及び
確定
に関する
期日
及び
期間
並びに
申請
の
方法
及び
期間等
は、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
が定め、予め告示しなければならない。 (
補充選挙人名簿
の
効力
) 第二十八
補充選挙人名簿
は、
基本選挙人名簿
が
効力
を有する間、その
効力
を有する。但し、
補充選挙人名簿
に
登録
されていた者で毎年十二月二十日現在により
基本選挙人名簿
に
登録
されないものがあるときは、その者に関する
部分
については、この限りでない。 2
市町村
の
選挙管理委員会
は、
前項但書
の
規定
による
補充選挙人名簿
を整理して作製し直さなければならない。 (
補充選挙人名簿
に対する
異議
、不服の
申立等
) 第二十九 第二十三、第二十四及び第二十五第二項
但書
の
規定
は、
補充選挙人名簿
について準用する。 (
選挙人名簿
の再
調製
) 第三十
天災事変
その他の事故に因り必要があるときは、
市町村
の
選挙管理委員会
は、更に
選挙人名簿
を
調製
しなければならない。 2
前項
の
選挙人名簿
の
調製
の
期日
並びに
縦覽確定
に関する
期日
及び
期間等
は、命令で定める。
栗山長次郎
12
○
栗山委員
三箇月の
居住要件
に関連して、
天災事変
、
転勤等
により
住所
の
変更
を見た者に対する措置についてでありますが、それらの者は旧
住所
をも
つて
選挙権
を行使するようなはからいにな
つて
おりますけれ
ども
、新たに
移つた移り先きの市町村
において
選挙権
を行使するようにいたす方が、その
選挙人
は今後新たなる
市町村政
に関し関心をもつわけでありますから、いいように
考え
ます。そうしてまた
事務的処理
の上から言いましても、元お
つた所
でやるということよりも、
移つた先
で、
補充選挙人名簿
に入れてもらう方が
事務
が処理しやすいように
考え
ます。必ずしもこうあ
つて
ほしいというほどの強い主張ではありませんが、
研究課題
として出したいと思います。
生田和平
13
○
生田委員長
承知
いたしました。これは昨日も問題にな
つて
おりますが、その書き方によ
つて
おのずから御
意見
のようにな
つて
おります。また昨日の第九の第三項に「
選挙管理委員会
にその旨の
申出
をすることにより、
前項
の
規定
による
住所
に関する
要件
にかかわらず、
当該市町村
の
議会
の
議員
及び長並びにその
教育委員会
の
委員
の
選挙権
を取得することができる。」とな
つて
おりますから、
本人
が異動いたしますれば、申し出た結果によ
つて
御希望の
通り
の事実が生れて来る、かように存じております。
栗山長次郎
14
○
栗山委員
今
委員席
で、
入院患者
についての問題が出ておりますが、それについて
法制局
で整理されたことを報告願いたいと思います。
三浦義男
15
○
三浦参事
うしろ
から二枚目の二百七十というところをごらん願いたいと思います。
入院加療
中の者と
住所要件
との
関係
でありまして、これは
住所要件
に対する
特例
でありますので、補則の方に入れてございます。
原案
をかように直したいと思
つて
おりますが、それで御了承願いたいと思います。「この
法律
に
規定
する
住所
に関する
要件
は、
病院
、
診療所
その他の
療養施設
に
入院加療
中の者に対しては、
入院
当時の
本人
の
住所
によ
つて
、定めるものとする。」括弧のうち、以下「
場所
について」までを削除していただきます。従いまして、
入院
当時の
本人
の
住所
しの下に「によ
つて
、」を入れていただきます。 第二項は「
前項
の
規定
により
住所
に関する
要件
を定めることができない者に対しては、」とありますのを、「
前項
の
規定
によりがたい者については、」と直していただきます。そしてその下に「その
住所
は、
全国選挙管理委員会
の定めるところにより、
市町村
の
選挙管理委員会
が認定するものとする。」かように訂正していただきます。従いまして「その
住所
に関する
要件
は、
入院加療
中の
療養施設
の
場所
について、」とございますのを削
つて
いただきます。 すなわち直しました分を読み上げますと、第一項は「この
法律
に
規定
する
住所
に関する
要件
は、
病院
、
診療所
その他の
療養施設
に
入院加療
中の者に対しては、
入院
当時の
本人
の
住所
によ
つて
、定めるものとする。」第二項は、「
前項
の
規定
によりがたい者については、その
住所
は、
全国選挙管理委員会
の定めるところにより、
市町村
の
選挙管理委員会
が認定するものとする。」 その要点を申し上げますと、第一項におきましては、
病院
、
診療所
その他の
療養施設
に
入院加療
中の者の
住所
が、どこにあるかということの
原則
をきめたのでありまして、
入院
当時の
本人
の
住所
によ
つて
定めるという
原則
を、一項において確立いたすわけであります。この点に関しましては
選挙管理委員会
において、大分前でありますが、
解釈規定
を下しておりまして、それによりますると、こういう
病院
その他に
入院
している者については、
療養施設
内に
住所
があるというふうに
解釈
が下されたことがありますが、これを
入院
当時の
本人
の
住所
によ
つて
きめるということに改めるわけであります。そうしまして第二項におきましては、その
住所
によ
つて
定めがたい者につきましては、たとえば
入院
当時の
本人
の
住所
が、
入院
中にほかにかわ
つた
というような場合がありましたときに、それがはつきりいたしておればいいわけですが、それらの点が不明瞭な場合におきましては、その
住所
は
全国選挙管理委員会
が準則を定めまして、それによりまして
市町村
の
選挙管理委員会
が
住所
を認定してきめる。
市町村
の
選挙管理委員会
は
選挙人名簿作成
の当事者でありますので、そこに
認定権
を持たせる、かようなことにいたしたいと一応
考え
ております。
淺沼稻次郎
16
○
淺沼委員
そこで
住所
の問題は、もう一ぺん
選挙人名簿
の
作成
にまた返
つて
来るのでありますが、そういたしますと、
入院
当時の
本人
の
住所
ということになれば、そこに
入院
しておる
場所——
長き
療養
を要するもので
入院
しておる者でも、
入院
当時の
住所
に帰るということになれば、結局その
投票
が困難な地におるという形になると思うのでありますが、その
投票
と
住所
との
関係
はどうな
つて
おるのでしようか。
三浦義男
17
○
三浦参事
病院
に
入院加療
中の者に対しまする
投票
の
方法
は、
代理投票
の
方法
が認められておりますので、
郵便等
によりまして
代理投票
の制度を活用いたしまして、元の
住所
でできる。こういうことで、
投票
の方については
支障
がないと
考え
ております。なおこれをかようにいたしましたのは、理論的に申し上げますれば、
住所
というのは
生活
の
本拠
であります。
病院等
に一時
療養
のために入
つて
お
つて
、そこが
生活
の
本拠
だと見ること
自体
がどうかと
考え
られるので、やはり
生活
の
本拠
は
病院
以外のところによ
つて
きめるべきであろう。こういう
観点
から、一応二百七十を先ほど申しましたようにいたしたわけであります。
淺沼稻次郎
18
○
淺沼委員
その
生活
の
本拠
というのは、
健康体
の人間であれば、
生活
の
本拠
というものは
自分
の住んでおるところが
本拠
になろうと思うのでありますが、
自分
から健康を回復することができなか
つた
ものについて、それが
生活
の
本拠
ということになれば、必ずしも健康の時にお
つた場所
が
生活
の
本拠
であるかどうかということについては、大きな
疑義
が出て来るのではないでしようか。たとえば
自分
でなくて、他人から
治療費
を得てそうして
病院
に入
つて
おるということになれば、案外
病院
それ
自体
が
生活
の
本拠
にな
つて
おるかもしれぬ。
收入
がある
場所
、あるいは自己の
收入
をも
つて
生活
をしておる
場所
は
生活
の
本拠
と言えるけれ
ども
、そうでなしに
病院
に入
つた
場合には、みずから
生活力
をなくしておるのだから、そこを今言
つた
ような
考え
方で行くと
疑義
がありませんか。
三浦義男
19
○
三浦参事
その点に関しましては、
病院
あるいは
診療所
その他の
療養施設
というのは、
療養
が主目的でありますので、性質上それは
療養
中そこにかりにおるという観念であろうかと思うのでありまして、
生活
の
本拠
と
加療
中の
場所
というものは、一応理論上に別個のものとして
考え
るのが正しいのではないかというような
観点
から、先ほど申し上げたようにいたしたのでありまして、その点については
支障
がないのではないかと思
つて
おります。
淺沼稻次郎
20
○
淺沼委員
私の申し上げるのは、五、六箇月あるいは一年ぐらいでなおる見込みのあるものについては、今の行き方に必ずしも反対するものではありません。しかしいわゆる不治の病とい
つた
ような形において、三年、四年、五年かかる、しかもその人は歩行その他
自分
のいわゆる元の
居住地
に帰
つて
投票
できない、そういうのが集団的に行われる所があるじやないでしようか。かりに肺結核
療養
所、あるいは、そうでなく島なら島にあるらいの
療養
所とい
つた
ようなところにおる人たちは、またおのずから
考え
方をかえなければならぬ。そこ
自体
が案外
居住地
にな
つて
おるかもしれない。居住する
場所
がなくな
つて
、
本人
が
療養
しておる所
自体
が
居住地
にな
つて
おる人もあるかもしれない。
三浦義男
21
○
三浦参事
長く
療養
中の者に対しましては、いわゆる
住所
とそれから
生活
の
本拠
というものとが、大体密接いたしまして、
病院
の中にありそうに一応
考え
られる場合もあり得るかと思
つて
おりますが、御
承知
の
通り
、たとえばこれを別の例で申し上げますれば、相続というような問題が起りました場合におきましては、
病院
が相続の
場所
になるということにはなり得ないのでありまして、やはりその人の
生活
の
本拠
と
法律
上みなされる
住所
にそういう法定相続なりの事態が起ると
考え
なければならないので、多少長く
入院
しておる人については、不便な点があるかもしれませんけれ
ども
、この点は
選挙権
を剥奪しようというようなことではなくて、
代理投票
の
方法
によ
つて
それを行使させるというようなことによ
つて
補
つて
行け、ばいいのではないか、かように
考え
ております。
淺沼稻次郎
22
○
淺沼委員
生きるということは、
場所
が條件であるけれ
ども
、相続というのは、その
場所
が條件でなくして、單におやじのものをおやじが死んだゆえをも
つて
子供が相続するという形が行われる。それは何も
場所
が問題にならぬと思います。居住の條件ということは、
病院
におるけれ
ども
、ただ形式的に
場所
がとられるというだけの話であ
つて
、
投票
の行使を行うというあとのものが行われて来ないわけで、これはやはり住居の
決定
によ
つて
投票
をどこでするかという大きな私権に関する問題だから、そういう点をもう少し深く
考え
てや
つて
おかないと、案外知らざる結果、おるいは徹底せざる結果ということから、ないしは居住の観念が明確でないとい
つた
ような
観点
から棄権者を多く出して、病人でも持
つて
おられる私権を放棄する形が現われて来る。これはもう少し
考え
ないと私はにわかに賛成しかねる。大体一箇月、二箇月、あるいは一年、二年、程度のものなら、私は原文において了承できます。しかし不治の病と称せられる人たちの
選挙権
をどうするかということについては、もう一ぺん
考え
、住居と
選挙権
との
考え
方においては、もう少し検討する必要があるのではないかと思います。
三浦義男
23
○
三浦参事
その点はまことにごもつともでございます。従いまして三百七十の第二項の方にそういう場合におきましての特別な定め方を
規定
いたしておりますので、御懸念の点はそちらの方の
規定
の運用によ
つて
支障
なく行われる、かように
考え
ております。
立花敏男
24
○立花
委員
特別の事情のある者の三箇月に達しないものについての一例が、
申出
により
登録
することができるとあるのですが、今までの例で見ましても、たとえば引揚者なんかは
市町村
に
登録
をしておりましてはつきりわか
つて
おるのです。しかるにやはり
申出
がないからというようなことで落ちておる例が多々あるのです。各
市町村
には
投票
にすら行かない者の多いのが実情なんです。それをさらに
申出
によ
つて
登録
するというようなことをいたしますと、落ちる者が多いと思いますが、この問題に関しまして
申出
により
登録
することができるというようなことではなしに、
市町村
に相当の義務を負わせてもいいのじやないかと思いますがその点はいかがですか。
三浦義男
25
○
三浦参事
その点は
補充選挙人名簿
調製
の問題だろうと思うのでありますが、元来人
名簿
の
調製
の問題につきましては、職権主義と
申請
主義と
考え
られるのでありまして、
基本選挙人名簿
につきましては職権調査主義によ
つて
おりますが、
補充選挙人名簿
は従来長く
衆議院
、
参議院
の
選挙法
におきましても
申請
主義によ
つて
おるわけであります。これは場合によりましては職権によ
つて
調査いたしますことがさほど困難でない場合もありますけれ
ども
、その都度その都度の
選挙権
の條件を具備しておるような人たちを
選挙人名簿
に
登録
いたします
関係
上、
申請
主義をとる方が漏れなく人
名簿
の
調製
ができるというようなことから行
つて
おると思
つて
おるわけであります。従いまして、この案におきましても
基本選挙人名簿
は職権調査主義によりますが、
補充選挙人名簿
は
申請
主義による、こういうことにいたしたのであります。しかしながら、たとえば
海外引揚者
その他の人につきましては、そういう一々従来なりにいたしますと、
選挙権
の
要件
を獲得するためにまず第一に
申出
をする、しかしそれだけでは
選挙人名簿
に載らないのでありまして、なおさらに
補充選挙人名簿
が
調製
される場合に、さらに
補充選挙人名簿
に
登録
を
申請
するという二重の
申請
手続がい
つたの
であります。ところがそれは非常にその人たちの
選挙権
行使のために不便であろうと
考え
まして、この案におきましては、二十六の第一項、二十六の第二項を御参照くださいますればおわかりの
通り
、二十六の第二項におきまして、「第九第三項の
規定
による
申出
により、
前項
の
住所
に関する
要件
にかかわらず、
前項
の
補充選挙人名簿
に
登録
することができる。」かようにいたしまして、
選挙権
の
要件
獲得のための
申出
をすることによ
つて
職権的に
補充選挙人名簿
に
登録
させることができる、かように訂正いたしておりますので、大体御懸念の点は緩和されると思
つて
おります。
立花敏男
26
○立花
委員
しかし実際問題として、引揚者の方なんかは、すでに配給その他住居なんかの
関係
で
登録
されて、おる。なおさらに
選挙
だけのことで
登録
をやるということは、役所は何をしておるのかということに結局なるわけなんです。しかしそういう方々にとりましてはいろいろな事情がありまして、特に
選挙
に関する
登録
などはやはり怠りがちになる。そういう点を
考え
まして、実際にはこの間の
選挙
に現われましたように、その方たちに
選挙権
がない場合が多うございましたので、何とかそこを調整される必要があるのではないかと思うのですが、その点は何も具体的にお
考え
にな
つて
、いないのですか。
三浦義男
27
○
三浦参事
その点は全体に関しますと、
選挙人名簿
の脱漏等の問題とも関連するのでありますが、
選挙管理委員会
におきまして十分に調査をいたしまして、できるだけ人
名簿
から漏れることのないように運営の面において考慮する、こういうことによ
つて
補
つて
行
つた
らどうかと思
つて
おるのであります。
法律
上の問題としましては、先ほど申し上げましたように、一応
地方公共団体
等の
選挙権
につきましては、
住所要件
が
選挙権
の
要件
であります。国会
議員
等につきましては、そういう
要件
がありません点が相違いたしておりますので、それらの点からやはり根本問題として
選挙権
獲得のことだけは
申請
によるという
原則
を確立することが必要だろうと思います。
栗山長次郎
28
○
栗山委員
淺沼委員
から指摘されました
入院加療
中の者の
住所
、
選挙権
行使、これに関して
全国選挙管理委員会
に一応希望を申しておきたいと思います。この問題の提起されましたのは、患者が多数
病院
に入
つて
お
つて
、その患者は自己の自由意思を行使するのに不適当な條件下にありますがために、往々にして
病院
の、ある者たちの
考え
方に支配されて、自由の
投票
という理想を達し得ておらぬがために、
関係
町村
の自治体の発展に好ましからざる影響があ
つた
と認められるので、提起された問題であると
考え
ますが、一方においては自治体の健全なる発達を
考え
、他方においては私権を尊重しなければならぬ、この二つの間にはさま
つた
自治体を考慮するがための政治的処置に端を発しておるわけであります。そこで法理論としての
住所
の問題が起
つて
来ます反面、自治体の健全なる発展ということも政治的に
考え
なければならぬのであります。ただいまの部長の御報告によりますと、
全国選挙管理委員会
でありましたか、その前の行政庁でありましたかが、患者が
病院
の中で
住所
を有するという
解釈
のもとに扱われたことがあるそうでありますが、私
ども
の
私見
をも
つて
すれば、
三浦
部長の見解のごとくにそこに
住所
があるという認め方は、他の場合はいざしらず、
選挙権
の行使に関しては多大の疑問がある。今申しましたような理由のもとに、自治体の健全なる発展を一方においては期し得るし、他方においては
選挙権
の行使を全くせしむるという両方のかね合いの点から
考え
ますと、
住所
がそこにあるという認定でない方がよろしいと
考え
ます。さような次第で、第二項において第一項の
規定
によ
つて
定めがたいものは
全国選挙管理委員会
の定めるところによるとありますが、
全国選挙管理委員会
はその定めをなして準則を立てなければなりません。その準則を立てられる場合には、私権を尊重するという点とあわせ
考え
て、自治体の健全なる発展ということにも重点を置いて、ややデリケートな問題でありますが、その両者を誤らざるように準則の
決定
を願いたいのであります。この点を要望しておきます。
淺沼稻次郎
29
○
淺沼委員
私はその問題は、私権というものは何人も制限し得ないものだと
考え
るのであります。私権をだれかが制限するようなことを
法律
の上において定めるということは、あり得ないことだと思うのでありまして、やはりその
解釈
の上から
言つて
どこが住居であるかということを明確にして、その私権にわれわれは
法律
上制限を加えない、この大
原則
だけはこの
法律
で守
つて
いただきたいと
考え
ております。従
つて
もう少し研究をして、私は一週間、二週間あるいは一箇月、一箇年、この程度のことについてはこの説に同意するものでありますけれ
ども
、三年、四年、五年、長きにわた
つて
は十年もおる人もあるのでありまして、そういう人たちの私権を一体どうするかということについては、慎重な扱い方をしなければならぬと思うのであります。それを十年も同じ
場所
に住んでお
つて
、しかも仕送りを受けておる、このような働く余裕のない人たちというものは、それだからとい
つて
制限を受けるようなことがあ
つて
はならぬと
考え
るのであります。その点は自治体の健全なる発展ということを
考え
なければなりません。しかしそのことのために持
つて
いる私権を制限される理由にはならぬと私は思います。私権を尊重するのに、一体どうや
つた
らよいかということで、にわかにきめがたい問題だと思
つて
おります。できればこの問題だけあとに残しておきまして、これは補則の点では一応きめてさしつかえないと思いますが、ただこの
選挙権
の
登録
をする場合においては、問題が残
つて
いるということだけを指摘しておいてもらわなければならぬと思います。
生田和平
30
○
生田委員長
ちよつと参考のために淺沼君にお聞きしますが、あなたの御
意見
では何年くらい以上の者だけが……。
淺沼稻次郎
31
○
淺沼委員
これは何年ということで
決定
するのではなくして、病人というものは自活能力のない者だ。要するに人から仕送りを受ける形になるのでありまして、その仕送りを受けている行為が、二年も三年も四年も五年も十年も続いて来れば、一体どこが住居になるかということについては、やはり新しい
考え
方が生れて来なければならないのではないかと思います。
生田和平
32
○
生田委員長
今までお聞きした説では、一箇月、二箇月、六箇月くらいのものはさしつかえないというふうに聞えたのであります。そうしてみると、そこに期限が生ずるわけでありますから、半年以下の者は
自分
の住居だということに御
解釈
になるか、あるいは十年以上の者はほとんどそこに永住しておるから、
選挙権
をそこに持
つて
おるというようにお
考え
になるのか。
淺沼稻次郎
33
○
淺沼委員
今までの慣例もあるでしようし、それからこの議案が正しいということになれば、今まで行われたことは全部
選挙
違反をしてお
つた
という形になる。今までの慣例というか慣習は、そこを住居と定めて
投票
したことに何ら矛盾を感じなか
つた
が、今一挙にこれをかえてしまうということは、今までの住居に対する
考え
方の慣習を放
つて
しまうという形になる。その歴史的なものを少し調べなければ、にわかに同意できない。
栗山長次郎
34
○
栗山委員
淺沼君の御所見に対して、あえて抗弁をするわけではございませんが、淺沼君も新しい事態に対しては新しい
考え
をしなければならぬということを肯定のようであります。社会
生活
がだんだんと広く行われるにつれまして、一箇所に集団的に多数の患者が集まるという現象は、さらに広く現われて来るわけであります。こういう新しい現象に対して、前になされたる
判決
なり、扱いなりの前例が、必ずしもこれを律するということではなかろうと思います。いま一つの点は、私権は尊重せられなければならぬものであることは論をまちません。しかしながら私権の行使
方法
については、国として法によ
つて
しかるべくそこにみぞをつくることはさしつかえないことであると思います。同時にまた公の福祉ということを
考え
て、私権の行使をいかなる
方法
によ
つて
なさしむべきかということも、当然われわれとして
考え
てよいことであると思いますので、これは前回の
発言
において
選挙管理委員会
に希望いたしましたごとく、自治体の健全なる発展という公共の福祉の範疇に入る事柄と、私権の尊重というこの両方面を考慮に入れて、新たに起きつつある現象に対する新たなる措置として臨むべきが至当であると私は
考え
ます。
淺沼稻次郎
35
○
淺沼委員
私は議論はいたしませんが、今までの慣例あるいはその取扱い方もあ
つた
と思うのであります。もしそれを今かえなければならぬということになれば、住居として集団的に
登録
をや
つて
お
つた
不治の病を
療養
している人たちに対しては、非常に大きな過失を犯していたことになる。従
つて
そういうようなことが行われて来たのは、
選挙権
の重大性にかんがみてそういうようなことが行われてお
つたの
です。なおかつ制限をされたその時代、明治憲法のもとにおいても、そういうような待遇を受けておりながら、新しく主権を
自分
たちが把握した場合において制限がもつとひどく加わるということは
考え
なければならぬ問題だと思うのであります。それでこれは問題があるということを——今の條文の中にこれがあるわけではありませんから、問題があるということを提起しておきまして、あとは補則のときに議論をしてもいいわけです。
佐竹晴記
36
○
佐竹
(晴)
委員
私
ども
は
選挙人名簿
と題しております第四章には
異議
はありませんが、先ほど
三浦
さんが引出されました二百七十であります。そのとき私は論議しようと思
つて
お
つたの
ですが、これを今持ち出されたのでございますから、これに関連してこの際私
ども
の
意見
を提起しておきたいと思います。元来
選挙
というものはその
選挙
する当時における、あるいは
名簿
なら
名簿
作成
当時におけるその
住所
というものが何でも基本になる。
名簿
をつくるときには、その
名簿
をつくる当時におけるところの
住所
の地において
登録
されることが
原則
なんです。ところが、この二百七十によると、その根本
原則
をひつくり返して、
入院
当時の
本人
の
住所
によ
つて
定めると、こうある。これは先ほど淺沼君がおつしや
つて
おります
通り
、旧来の大
原則
を
変更
する、根本的な理念をひつくり返すのでございますから、これはよほどお
考え
にならなければならないと思う。つまり
選挙人名簿
をつくる当時における
住所
を基準とて
名簿
をつくるということが大
原則
であります。ところが、補則のところへ持
つて
行
つて
、二百七十によ
つて
、
入院患者
については
入院
当時——
入院
当時と言
つた
ら、五年前やら十年前やらわからぬ、そのずつと前の
本人
の
住所
によ
つて
定めるのだと物事をきめてしまう。そして例外
規定
第二項へ持
つて
行
つて
、「よりがたいものは」とある。なるほどよりがたいものはというような
規定
でこれを補充してはおりますけれ
ども
、
原則
をひつくり返すということについてはこれは重大問題だと思う。この点については私は最後に二百七十の検討の際に
意見
を申し上げたいと思いますが、とりあえず関連しておりますので……。
生田和平
37
○
生田委員長
大分補則について御議論が盛んに
なつ
たようでありますが、本論へ入りまして、第四章の
選挙人名簿
については御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
38
○
生田委員長
異議
なければ、
原案
の
通り
決します。 午後は一時から開きたいと思います。暫時休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時二十七分
開議
生田和平
39
○
生田委員長
休憩前に引続き
会議
を開きます。 第五章、
選挙
期日
に移ります。朗読いたさせます。 〔
参事朗読
〕、 第五章
選挙
期日
(総
選挙
) 第三十一
衆議院議員
の任期満了に因る総
選挙
は、
議員
の任期が終る日の前三十日以内に行う。 2
前項
の
規定
により総
選挙
を行うべき
期間
が国会開会中又は国内閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、その総
選挙
は、国会閉会の日から三十一日以後三十五日以内に行う。 3
衆議院
の解散に因る
衆議院議員
の総
選挙
は、解散の日から四十日以内に行う。 4 総
選挙
の
期日
は、少くとも三十日前に公示しなければならない。 5
衆議院議員
の任期満了に因る総
選挙
の
期日
の公示がなされた後その
期日
前に
衆議院
が解散されたときは、任期満了に因る総
選挙
の公示は、その
効力
を失う。 (通常
選挙
) 第三十二
参議院議員
の通常
選挙
は、
議員
の任期が終る日の前三十日以内に行う。 2
前項
の
規定
により通常
選挙
を行うべき
期間
が
参議院
開会中又は
参議院
閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、通常
選挙
は、
参議院
閉会の日から三十一日以後三十五日以内に行う。 通常
選挙
の
期日
は、少くとも三十日前に公示しなければならない。 (
一般選挙
、長の任期満了に因る
選挙
及び定例
選挙
) 第三十三
地方公共団体
の
議会
の
議員
の任期満了に因る
一般選挙
又は長の任期満了に因る
選挙
は、その任期が終る日の前三十日以内に行う。 2
地方公共団体
の
議会
の解散に因る
一般選挙
は、解散の日から四十日以内に行う。 3 前二項の
選挙
の
期日
は、
都道府県
の
選挙
にあ
つて
は少くとも三十日前に
市町村
の
選挙
にあ
つて
は少くとも二十日前に告示しなければならない。 4
地方公共団体
の
議会
の
議員
の任期満了に因る、
一般選挙
の
期日
の告示がなされた後その
期日
等に
当該地方公共団体
の
議会
が解散されたときは、任期満了に因る
一般選挙
の告示は、その
効力
を失う。 5
教育委員会
の
委員
は、二年ごとに、その半数を改選する。 6
前項
の
規定
による定例
選挙
は、
委員
の任期が終
つた
日の翌日行う。 7 第三項の
規定
は定例
選挙
の
期日
の告示について、準用する。 (その他の
選挙
) 第三十四
衆議院議員
及び
参議院議員
の再
選挙
又は補欠
選挙
は、これを行うべき事由を生じた日から四十日以内に、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長の再
選挙
、補欠
選挙
(第百十四の
選挙
を含む)若しくは第百十六の
規定
による
一般選挙
又は
教育委員会
の
委員
の再
選挙
若しくは補欠
選挙
(第百十五第七項の補欠
選挙
を除く。)は、これを行うべき事由が生じた日から五十日以内に行う。 2
前項
に掲げる
選挙
のうち、第百九、第百十又は第百十三の
規定
に、よる
衆議院議員
、
参議院議員
、
地方公共団体
の
議会
の
議員
又は
教育委員会
の
委員
の再
選挙
又は補欠
選挙
は、その
選挙
を行うべき事由が当該
議員
又は
委員
の任期(
参議院
員議及び
教育委員会
の
委員
については、在任
期間
を同じくするものの任期をいう。)が終る前六箇月以内に生じたときは、行わない。但し、
地方公共団体
の
議会
の
議員
の再
選挙
又は補欠
選挙
については、
議員
の数がその定数の三分の二に達しなく
なつ
たときは、この限りでない。 3 第一項に掲げる
選挙
は、
衆議院議員
及び
参議院議員
の場合にあ
つて
は、その
選挙
を必要とするに
至つた
選挙
についての第二百四又は第二百八の
規定
による訴訟の出訴
期間
若しくは訴訟が
裁判所
に係属している間、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の場合にあ
つて
は、その
選挙
を必要とするに
至つた
選挙
についての第二百二、第二百三、第三百六又は第二百七の
規定
による
異議
の
申立
期間
、訴願の提起
期間
若しくは訴訟の出訴
期間
、
異議
の
決定
若しくは訴願の裁決が
確定
しない間又は訴訟が
裁判所
に係属している間は、行うことができない。 4 第一項の
期間
は、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
が、その
選挙
を必要とするに
至つた
選挙
につき第二百三、第二百四、第二百七又は第二百八の
規定
による訴訟の提起があ
つた
場合においては第二百二十第一項の
規定
により訴訟が係属しなく
なつ
た旨の通知を受けた日から、第百九第五号に掲げる事由に因る再
選挙
については第二百二十第二項の
規定
による通知を受けた日から、第百九第六号に掲げる事由に因る再
選挙
については、第二百五十四の
規定
による通知を受けた日から起算する。 6 第一項の
期間
は、同項の補欠
選挙
については、
前項
の
規定
の適用がある場合を除く外、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
が最後に第百十一第一項の
規定
による通知又は国会法(
昭和
二十二年
法律
第七十九号)第百十條の
規定
による通知(
参議院
全国選出
議員
の場合に限る。)を受けた日から起算する。 6 第一項の
選挙
の
期日
は、特別の定があるものを除く外、
衆議院議員
、
参議院議員
、
都道府県
の
議会
の
議員
及び長並びに
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
にあ
つて
は少くとも三十日前に、
市町村
の
議会
の
議員
及び長並びに
市町村
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
にあ
つて
は、少くとも二十日前に告示しなければならない。
生田和平
40
○
生田委員長
別に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
41
○
生田委員長
原案
の
通り
決します。 第六章、
投票
を朗読いたさせます。 〔
参事朗読
〕 第六章
投票
(
選挙
の
方法
) 第三十五
選挙
は、
投票
により行う。 (一人一票) 第三十六
投票
は、各
選挙
につき、一人一票に限る。但し、
参議院議員
の
選挙
については、
地方選出
議員
及び
全国選出
議員
ごとに一人一票とする。 (
投票
管理者)、 第三十七 各
選挙
ごとに、
投票
管理者を置く。 2
投票
管理者は、
当該選挙
の
選挙権
を有する者の中から
市町村
の
選挙管理委員会
の選任した者をも
つて
、これに充てる。 3
参議院議員
の
選挙
について、
地方選出
議員
の
選挙
と
全国選出
議員
の
選挙
を同時に行う場合においては、
市町村
の
選挙管理事委員会
は、
地方選出
議員
の
投票
管理者を同時に
全国選出
議員
の
投票
管理者とすることができる。 4
投票
管理者は、
投票
に関する
事務
を担任する。 5
投票
管理者は、
当該選挙
の
選挙権
を有しなく
なつ
たときは、その職を失う。 (
投票
立会人) 第三十八
市町村
の
選挙管理委員会
は、各
選挙
ごとに、各
投票
区における
選挙人名簿
に
登録
された者の中から、
本人
の承諾を得て、
投票
立会人三人乃至五人を選任し、その
選挙
の
期日
前三日までに、
本人
に通知しなければならない。 2
投票
立会人で参会する者が
投票
所を開くべき時刻にな
つて
も三人に達しないとき又はその後三人に達しなく
なつ
たときは、
投票
管理者は、その
投票
区における
選挙人名簿
に
登録
された者の中から三人に達するまでの
投票
立会人を選任し、直ちにこれを
本人
に通知し、
投票
に立ち会わしめなければならない。 3
当該選挙
の公職の候補者は、これを
投票
立会人に選任することができない。 4 同一の政党その他の団体に属する者は、一の
投票
区において、三人以上
投票
立会人に選任することができない。 5
投票
立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。 (
投票
所) 第三十九
投票
所は、市役所、
町村役場
又は
投票
管理者の指定した
場所
に設ける。 (
投票
所の開閉時間) 第四十
投票
所は、午前七時に開き午後六時に閉じる。 (
投票
所の告示) 第四十一、
投票
管理者は、
選挙
の
期日
から少くとも五日前に、
投票
所を告示しなければならない。 2 天災その他避けることのできない事故に因り
前項
の
規定
により告示した
投票
所を
変更
したときは、
選挙
の当日を除く外、
投票
管理者は、
前項
の
規定
にかかわらず、直ちにその旨を告示しなければならない。 (
選挙人名簿
の
登録
と
投票
) 第四十二、
選挙人名簿
に
登録
されていない者は、
投票
をすることができない。但し、
選挙人名簿
に
登録
されるべき旨の
決定
通知書又は
確定判決
書を所持し、
選挙
の当日
投票
所に到る者があるときは、
投票
管理者は、その者に
投票
をさせなければならない。 2
選挙人名簿
に
登録
された者であ
つて
も
選挙人名簿
に
登録
されることができない者であるときは、
投票
をすることができない。 (
選挙
当日
選挙権
のない者の
投票
) 第四十三
選挙
の当日、
投票
権を有しない者は、
投票
をすることができない。 (
投票
所においての
投票
) 第四十四
選挙人
は、
選挙
の当日、自ら
投票
所に行き、
選挙人名簿
又はその
抄本
の対照を経て、
投票
をしなければならない。 (
投票
用紙の交付及び様式) 第四十五
投票
用紙は、
選挙
の当日、
投票
所において
選挙人
に交付しなければならない。 2
投票
日票用紙の様式は、
衆議院議員
及び
参議院議員
の
選挙
については命令で定め、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の
選挙
については、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
が定める。 (
投票
の記載
事項
及び投函) 第四十六
選挙人
は、
投票
所において、
投票
用紙に自ら
当該選挙
の公職の候補者一人の氏名を記載して、これを
投票
箱に入れなければならない。 2
投票
用紙には、
選挙人
の氏名を記載してはならない。 (点字
投票
) 第四十七
投票
に関する記載については、
政令
で定める点字は文字とみなす。 (
代理投票
) 第四十八 身体の故障又は文盲に因り、自ら
当該選挙
の公職の候補者、の氏名を記載することができない
選挙人
は、第四十六第一項及び第六十八第一項の
規定
にかかわらず、
投票
管理者に
申請
し、
投票
管理者が
投票
立会人の
意見
を聽いて選任する者をしてその候補者一人の氏名を記載させ、
投票
箱に入れさせることができる。 2
前項
の場合において必要な
事項
は、
政令
で定める。 (不在者
投票
) 第四十九
選挙人
で左に掲げる事由に因り
選挙
の当日自ら
投票
所に行き
投票
をすることができない旨を証明するものの
投票
については、第四十二第一項
但書
、第四十四、第四十五第一項、第四十六第一項及び第五十の
規定
にかかわらず、
政令
で特別の
規定
を設けることができる。 一
選挙人
がその属する
投票
区の在る郡市の
区域外
(
選挙
に
関係
のある職務に従事する者にあ
つて
は、その属する
投票
区の
区域外
)において職務又は業務に従事中であるべきこと。 二 前号に掲げるものを除く外、
選挙人
がやむを得ない用務又は事故のためその属する
投票
区の在る郡市の
区域外
に旅行中又は滯在中であるべきこと。 三 前号に掲げるものを除く外、
選挙人
が疾病、負傷、妊娠若しくは不具のため又は産褥に在るため歩行が著しく困難であるべきにと。 (
選挙人
の確認及び
投票
の拒否) 第五十
投票
管理者は、
投票
をしようとする
選挙人
が
本人
であるかどうかを確認することができないときは、その
本人
である旨を宣言させなければならない。その宣言をしない者は、
投票
をすることができない。 2
投票
の拒否は、
投票
立会人の
意見
を聽き、
投票
管理者が
決定
しなければならない。 3
前項
の
決定
を受け
選挙人
において不服があるときは、
投票
管理者は、仮に
投票
をさせなければならない。 4
前項
の
投票
は、
選挙人
をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して
投票
箱に入れさせなければならない。 5
投票
立会人において
異議
のある
選挙人
についても、また前二項と同様とする。 (退出せしめられた者の
投票
) 第五十一 第六十の
規定
により
投票
所外に退出せしめられた者は、最後にな
つて
投票
をすることができる。但し、
投票
管理者は、
投票
所の秩序をみだる虞がないと認める場合においては、
投票
をさせることを妨げない。 (
投票
の秘密保持) 第五十二 何人も、
選挙人
の
投票
した被
選挙人
の氏名を陳述する義務はない。 (
投票
箱の閉鎖) 第五十三、
投票
所を閉じるべき時刻に
なつ
たときは、
投票
管理者は、その旨を告げて、
投票
所の入口を鎖し、
投票
所に在る
選挙人
の
投票
の結了するのを待
つて
、
投票
箱を閉鎖しなければならない。 2 何人も、
投票
箱の閉鎖後は、
投票
をすることができない。 (
投票
録の
作成
) 第五十四
投票
管理者は、
投票
録を作り、
投票
に関する次第を記載し、
投票
立会人とともに、これに署名しなければならない。 (
投票
箱等の送致) 第五十五
投票
管理者が、同時に
当該選挙
の
開票
管理者である場合を除く外、
投票
管理者は、一人又は数人の
投票
立会人とともに、
投票
の当日、その
投票
箱、
投票
録及び
選挙人名簿
又はその
抄本
を
開票
管理者に送致しなければならない。(繰上
投票
) 第五十六 島その他交通不便の地について、
投票
の当日に
投票
箱を送致することができない情況があると認めるときは、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
は、適宜にその
投票
の
期日
を定め、
開票
の
期日
までにその
投票
箱、
投票
録及び
選挙人名簿
又はその
抄本
を送致させることができる。(繰延
投票
) 第五十七 天災その他避けることのできない事故に因り
投票
を行うことができないとき又は更に
投票
を行う必要があるときは、
当該選挙
、に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
は、更に
期日
を定めて
投票
を行わせなければならない。但し、その
期日
は、当該
選挙管理委員会
において、少くとも五日前に告示しなければならない。 2
衆議院議員
、
参議院議員
、
都道府県
の
議会
の
議員
及び長並びに
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
について
前項
に
規定
する事由を生じた場合においては、
市町村
の
選挙管理委員会
は、
当該選挙
の
選挙
長(
参議院
全国選出
議員
の
選挙
については
選挙
分会長)を経て
都道府県
の
選挙管理委員会
にその旨を届け出なければならない。 (
投票
所に出入し得る者) 第五十八
選挙人
、
投票
所の
事務
に従事する者、
投票
所を監視する職権を有する者並びに当該警察官及び警察吏員でなければ、
投票
所に入ることができない。 (
投票
所の秩序保持のための処分の請求) 第五十九
投票
管理者は、
投票
所の秩序を保持し、必要があると認めるときは、当然警察官又は警察吏員の処分を請求することができる。 (
投票
所における秩序保持) 第六十
投票
所において演説討論をし若しくはけん騒にわたり又は
投票
に関し協議若しくは勧誘をし、その他
投票
所の秩序をみだす者があるときは、
投票
管理者は、これを制止し、命に従わないときは
投票
所外に退出せしめることができる。
中川俊思
42
○中川
委員
第四十六條並びに第四十八條にあります
投票
の
方法
ですけれ
ども
、御
承知
のように各国の
投票
方法
を見ますときに、記号式にな
つて
おるのであります。これは私の研究が足りないのかもわかりませんが、日本はなぜに記号式にしないかということについて、どなたか詳しい御説明を願いたいと思
つて
おります。
委員長
おわかりにな
つて
おりますれば
委員長
から——記号式にしないために非常にこれは不都合が多いと思いますけれ
ども
……。
生田和平
43
○
生田委員長
この問題はいろいろ御
意見
もありましたが、結局記号式にしても、誤りが少くなるかといえば必ずしもそうでない。かりに順位を横に並べますと、はたの人は利益事になる。またまるのしるしをつけてみても、どうも弊害がある。この記名式は長い間の経験を持
つて
おりますから、この長い経験をこの際抹消して新しい
方法
にすることは、かえ
つて
新しい弊害を生ずるのではないか、こういうような御議論がありまして、やはり記名式にいたしたわけであります。
中川俊思
44
○中川
委員
最初は何事でもいろいろの弊害を生ずるおそれがあるわけでございますが、ひとりわが国ばかりでなく、各国でも記号式をや
つて
おりますから、逐次なれるに従
つて
、そういう弊害は除去されるのではないかと思います。 さらに私がこの問題についてお聞きしたいと思いますことは、同姓候補者が二人あ
つた
場合ないし三人あ
つた
というような場合に、名前がむずかしいからただ姓だけ書く、年寄りやあるいはあまり字のわからない人なんかは名前が非常にむずかしいために簡単な姓だけ書くというようなことが従来しばしばあ
つたの
であります。そのために、せつかく貴重な一票、清き一票を棄権しないで行使せよ、こういう宣伝をしておきながら、名前がわからないために、ただ姓だけといたしますと、結局どちらの候補者に
投票
したかわからない、こういう結果になりまして、せつかく清き一票を行使したものが無効になる、こういう結果になるのであります。これらの弊害を除くために、
選挙人
の意思を付度してやるという上から申しましても、せつかく清き一票を行使したのだから、これを有効にしてやらなければならない。こういう見地から申しましたならば、記号式にしてありますれば、字を忘れておりましても、どちらかに
自分
の思うところに
投票
することができて、無効
投票
を防止できる、こういう結果になりはしないかと思う。これらの点につきまして、たとえばこれを直すことができませんければ、そういう無効
投票
の生じた場合は、同姓の候補者が二人あ
つた
とすれば、これに同じように無効
投票
をわけるなり、ないしは
投票
の数に応じて比例的にわけるか、何らかの
方法
を講じて、その無効
投票
をなくするというような
方法
をさらに一條つけ加えてみたらどうかと
考え
ておけます。
委員長
はどういうふうにお
考え
になりますか。
生田和平
45
○
生田委員長
まことにごもつともなお説でありますけれ
ども
、その弊害はやはり同じことだと思う。かりに佐藤なにがしという人が二人ありまして、その際に文句の十分にわからない人がどちらにしるしをつけていいやらわからぬことができると思う。かりに佐藤五郎なら五郎という人ならば、佐藤五郎という人を手前の方から習
つて
行
つて
書くのでありますから、かえ
つて
誤りがないのでありますが、五郎という人と五兵衛という人とかりにあるといたしますれば、そのときに記号をつければ多くの間違いが生じやすいと思うのであります。これは私の県にもそういうふうな例が大分あ
つたの
でありまして、やはり古い習慣、長い間の経験を生かす方がよいのではないかという御議論におちついたわけなのであります。
中川俊思
46
○中川
委員
そうしましたら、今のそういう姓だけ書きました無効
投票
を生かす何らかの
方法
を講ずることはできないのですか。
三浦義男
47
○
三浦参事
ただいまの記号式
投票
の問題は、
委員長
からお話がありましたから省略いたします。無効
投票
の問題と関連いたしまして御質問がありましたからお答え申し上げますが、この六十八に書いてありますように、同姓同名の者がありました場合にそれを区別しにくい。従いましてその場合におきましては職業とか身分あるいは
住所
あるいは敬称の類を記入してそこで区別する。そういうことを記入してもそれは無効
投票
とならない、こういうふうに無効
投票
の
規定
を置いて、緩和しているわけでありまして、その線に沿
つて
この案におきましても六十八にそういうことを
規定
してございますので、同姓同名の場合ならばそれで処理がつくのではないか、かように
考え
ております。
中川俊思
48
○中川
委員
なるほど六十八にそういうことが書いてあるのでありますけれ
ども
、これがなかなか
選挙
民に徹底していないのじやないかと思うのです。どうしても先ほど
委員長
のおつしや
つた
ように、従来の慣例が頭に残
つて
おりますから、やはり
投票
人は
選挙
場に入りますと、名前だけを書くこういうことになりますれば、それによ
つて
生ずる弊害の方が多いのじやないでしようか。そういうような見地から言いましたならば、たとえば中川なら中川という同姓の者が二人立候補いたしました場合に、ただ中川だけ書いてあります
投票
に対しては、これは何らかの
方法
で区別することをお
考え
に
なつ
たらどうでしようか。実は私のことを申し上げて恐縮ですが、私はそれで苦い経験をしております。前回の
選挙
でありますが、私の同じ
選挙
区から私と同姓の者が立
つて
、あとで県庁へ行
つて
調べてみますと、中川という無効
投票
が五千票あ
つた
、しかも私は次点でこの前落選をしたのでありますが、私の前に当選している二人の者と私との差はわすかに千五百票の差です。ですから五千票の無効
投票
の半分をわけてもら
つた
ら私は楽に当選しているわけであります。そういうことのために落選の憂目にあ
つたの
ですが、そういうことは私だけではなくて、ほかにもあるだろうと思います。有権者が中川なら中川のどちらかの中川に
投票
しようという意思で中川と書いているのなら、その有権者の意思を蹂躙して無効
投票
にしてしまうということは、いかにも
投票
に向う有権者の意思を踏みにじるものではないかというふうに
考え
ます。これは私だけではなく、従来、あるいは将来同姓の候補者が二人、三人立つことがあろうと
考え
ます。そこで六十八十條に書いてありますけれ
ども
、先ほど来
委員長
のおつしやるように、従来の観念からやはり
投票
場に入りますと、候補者の身分、
住所
、職業、こういうことが書いてあ
つて
も、事実
住所
がどこなのか、どういう身分なのか、またどういう仕事をしているのかということは、そういう候補者のこまかいことまで
投票
人に徹底するわけはないと思います。ですから、これは有名無実だと思います。こんなことを書いてお
つて
も——敬称はいいと思いますが、どういう職業をしているか、どういう身分であるか、どこの市に住ま
つて
いるのかということはわからないと思います。それよりも簡單に同姓の者の二人、三人の立候補者がおりました場合は、これを
投票
率に応じてわけるとか、あるいは私が申し上げますように、折半するとか、何らかの
方法
を講じられることが、有権者のせつかくの清き一票を完全に行使させる結果になるのではないかと
考え
ております。
生田和平
49
○
生田委員長
御説ごもつともですが、現に私の県におきましても一つの
選挙
区から三木武夫、三木熊二、三木與志郎というふうに三木が三人出ましたので、相当苦い経験を持
つて
いるのですけれ
ども
、何としても
選挙
民の意思がどこにあるのかどうもわからないのです。かりにそれを御説のように、半々にわけるとか、三つにわけるということは、
選挙
民の意思を付度して
法律
でしわけるということはよほど困難だと思うのです。かりにそれが
選挙
民の意思が四分六であ
つた
ものを半々にわけたという場合には、非常な弊害がそこに生じはしないかと思うのでありまして、そういう場合にはどうも無効にするよりほかはないのじやないか、こういうふうに
考え
ておるわけであります。
中川俊思
50
○中川
委員
これは研究していただいたらどうですか。全然無効にしてしまうということは、どうかと思うのです。
生田和平
51
○
生田委員長
これは
選挙
民の意思がどこにあるかということはわからないのです。
中川俊思
52
○中川
委員
しかし
選挙
民はどの三木かに
投票
しておるのです。どの三木かに清き一票を行使したのですから……。
生田和平
53
○
生田委員長
選挙管理委員会
が、これはこの三木だということをわけることは困難だと思います。
中川俊思
54
○中川
委員
三分の一にな
つて
おるわけではないのですけれ
ども
、公平にいえば三分の一にわけるとか、得票率に応じてわけるとかして、せつかく清き一票を行使したものを無効にしてしまうということはどうかと思います。
千賀康治
55
○千賀
委員
その問題は私の方でも、愛知県のわれわれと前後して行われました県会
議員
の
選挙
で、明らかに二つ例がございました。落選しておるはずの人が事実は出てしまつで、当選したはずの人が、同姓のために落ちておる。私もこれははつきりした得票の按分に不明なものをわけて、それで
決定
にしたらどうかと思うのです。たとえばここに和歌仙という候補が一人お
つて
、中川という候補が二人あ
つた
。その中川という二人に、はつきりわか
つた
得票に不明な票を半分つけておくと、中川の一人が勝つべきはずが、それを全部無効にしたために和歌山が出たという、そういう例がはつきり二つあ
つたの
です。これも暗中模索はできぬとはいうものの、やはりはつきりわか
つた
得票が中川Aに何票、中川Bに何票ということは、その率ははつきりわかるのですから、不明なものをその率によ
つて
くつつけておいたら、これは大体数字の原理から
言つて
も大きな開きはないだろうと思います。大きな誤差はないと思います。按分で等分にわけるとか、あるいは三つあ
つた
ら三等分するということは非常に問題があるのですが、明白に
なつ
た得票の率で行けば、おそらくこれは議論が残
つて
も大きな誤差はないと思います。そういうことができれば修正をした方がよいと思うのです。 次は第六十で、
投票
場において演説討論をしたり、喧騒をしたり、勧誘したり、その他
選挙
運動のようなことをや
つて
はいかぬ、「秩序をみだす者があるとき」などということもあるのですが、これは
選挙
運動の方で、
選挙
当日は
選挙
運動はできぬということがはつきりしておりますから、特に
投票
場の中だけで
選挙
運動をや
つて
はいかぬということは、いかがかと思います。どこでも
選挙
運動をやればそれは罰せられる、警察権が発動する。またそれを認めた官憲なり、あるいは
選挙
委員会
なりが、警察権の発動を要求するということは当然だと思うので、特にこの
投票
場の中においてだけ、これをはつきり明徴しなければならぬというその根本が私にわからぬような氣がするのです。これはなくても、当然この目的は達しておると思う。それから喧騒のために
選挙
場内部が
選挙
遂行にどうも都合が惡いというような状況に
なつ
たとすれば、これはこんな
法律
はなくても、当然
選挙
長は
自分
で制止して、聞かなければ警察権の発動を要求する権能があると思うのです。特にここでこれをお書きにな
つたの
は、そういう権能がないという根本からこう
なつ
たと思いますが、どうでしよう。私の言うように、こういうような行いはすべて制止し得る権能を持
つて
おるのじやないでしようか、いかがでしよろか。
三浦義男
56
○
三浦参事
投票
所の秩序維持の問題は、
投票
所だけの問題でございませんで、
開票
所の
選挙
開票
につきましても、これと同様の
規定
を置いておるのであります。
選挙
運動とは全然別個に、
投票
所なりあるいは
選挙
会場におきまして、喧噪にわた
つて
本来の
選挙
事務
の執行に
支障
を来す、こういうことを抑制する意味においての
規定
でございます。 それからこの権限を行いますのは
投票
管理者なり、
開票
管理者なり、
選挙
長が行うのでありまして、これは
法律
の根拠がございませんと、直接これを制止する権限は出て来ないと
考え
ます。なおまたこれらの
規定
は現在の
衆議院議員
選挙法
、
参議院議員
選挙法
、
地方自治法
にもあるのでありまして、適当な
規定
ではなかろうかと
考え
ております。
千賀康治
57
○千賀
委員
いま一つ申し忘れましたが、過去の
選挙
におきましても、私のさつきの前段の質問ですが、同姓が二人あ
つた
ときには、適当に屋号でもよろしい、名前でもよろしい、その他あだ名でもニツク・ネームでも何でもよろしい、過去の取扱いにおいて励行されてお
つたの
ですが、しかしそういう取扱いができても、
選挙人
はぼんやりして姓を書いて出て来る。この票が一
選挙
区で何千票という大きな数字が出て来るのです。今度この
法律
をつく
つて
みたところで、やはり過去における例と違う現象が現われないと思うのです。姓だけ書いて来れば足りるという大勢の人のそういう
考え
方の
投票
が、みなむだにな
つて
しまうというのは、これはやはりも
つた
いないと私は事思うのですが、いかがでしようか。
吉岡惠一
58
○吉岡説明員 六十八に、特に屋号とか名称、敬称の類ということを
規定
しておりますが、相当広く認めてはお
つた
わけです。しなしながら今のお話のそれを書かないで来た場合、両方にわけるという問題は、やはり新たな問題として
考え
なければならないと思います。
中川俊思
59
○中川
委員
それと繰返して申しますが、六十八に職業、身分、
住所
、敬称等を書き入れることにな
つて
おるのでありますけれ
ども
、
選挙人
は一々こんなものは覚えていない。あの候補者の
住所
はどこだ、職業は何だ、身分は何だ、そんなことを一々覚えて
投票
所に入る者はほとんどないと
言つて
いいくらいでおる。こんなことを
規定
してあ
つて
も有名無実ですから、それよりか、先ほど来申し上げますような何らかの
方法
を講じて、無効
投票
を防止する。なおこの点につきましては、先輩諸士がたくさんおられるのでありますから、無効
投票
防止ということについての皆様方の
意見
を聞きたいと思います。
橋本登美三郎
60
○橋本(登)
委員
今の問題ですが、これは現在
投票
所の中にその
投票
すべき事人の名前を書いたものを持
つて
行くことはできない
規定
にな
つて
おるのです。問題は同姓同名の場合はめんどうでしようけれ
ども
、たとえば経歴、公報を切り抜いて持つ事て行くことを認めるとか、あるいはまたそうでなくても、候補者の氏名を書いたものを持
つて
行くことを認めるということは事実際上の弊害が大きくあるわけで、現在まではそういうものを持ち込むことを認めていないように
考え
るのですが、どういう弊害がありましようか。あるいはまた有識階級でない一般の層は記号式の方を希望しておるという輿論調査の結果が出ておるようですが、これに全幅的に信頼するわけではありませんけれ
ども
、相当に記号式を要求しておるということは、一般の連中がなかなかその人の名前を十二分に覚えることが困難である、そういうことからやはり記号式を大多数の人が希望しておるということになると思うのです。現在の民主主義の政治のもとにおいては、有識階級の一票であ
つて
も、あるいはそうでない階級の一票でも、同一の権利を尊重しなければならぬのですから、できるだけ無効
投票
を減らす
方法
を
考え
る必要があると思うのです。それには自書式は従来の経験もあり、また日本独自の
方法
でもありますから、これを生かして行こうということでありますならば、多少の弊害はあ
つて
も、そうした候補者の名前を紙に書いて持
つて
行くくらいの便利を認めた方式を
考え
る、あるいはまたそれでは運動者によ
つて
與えられる心配があるというならば、いわゆる経歴公報が出るのでありますから、それを切り抜いて持
つて
行くという便法が講ぜられるならば、それには職業も書いてあるので、同姓同名の場合でもこれを間違いなく記入することができるのであります。ただ従来そうしたものを認めておらないということは、運動者によ
つて
そういうものを與えられて、それがために
本人
の意思でないものが
投票
せられる危険がある、こういう見解から従来は認めておらなか
つた
ろうと思うのですが、今日ではそういう心配をするよりは、より多くの
投票
を求める、あるいはより多くの参政の実をあげさせるということ、広く
考え
て多少の欠陷があ
つて
もそういうことを採用するというか、
考え
る余地があろうと思います。これについて
委員長
なり
事務
当局の御
意見
をお伺いいたします。
生田和平
61
○
生田委員長
これは四十八の「身体の故障又は文盲に因り」というので、つまり字の書けない人は
代理投票
ができるという道を開いてあるのです。
橋本登美三郎
62
○橋本(登)
委員
それは人に書いてもらうほどの文盲ですが、私の言うのはそれほどでなくても、すいぶんむずかしい名があります。森矗昶というようなのは記憶して行
つて
も途中で忘れてしまうことがある。だからそれをもう少し拡大する。文盲として全然字が読めないというのでなく、これは
自分
で書けるのです。しかしややもすれば忘れる危険もあるし、ひよつとすると、あれは中川だれだ
つた
かというようなことがあると思う。そういうものについては、心覚えにそういうものを持
つて
行く。手のひらに字を書くということは、
皆さん
十分に御
承知
だろうと思う。そういうことは実際や
つて
おる。それくらいに字は書けるが、その人の名前を忘れる場合がある。であるから、ある程度まで法的に認める
方法
を考慮してやれば、そういう場合における無効
投票
はなくなるのではないかと思います。
代理投票
とは意味が違います。
鈴木義男
63
○鈴木(義)
委員
これは、依然重大な問題でありまして、私の方は党議で記号式ですることを
決定
しておるのであります。その理由は、先ほどからお話があ
つて
ほとんど盡きておるのでありますが、西洋では二十六文字をつづるのでありますけれ
ども
、それでも書くことをいとわしいのと、忘れるということがあるために、ほとんど全部記号式にな
つて
おる。ところが日本では今まで——自書式の欠点はここで中川君以下全部述べられてほとんど盡すところがないのでありますが、さらに加えて漢字制限が行われる結果、制限内にない字が候補者の名前に出て来ることがこれから多くなると思う。そのために特に手習いをするほどけなげな者があればよいが、そういう人はまず少い。そこで何とかして
投票
所で手習いをさせようというのが先ほどからの御議論で、候補者一覧表を持
つて
入
つた
り、
選挙
公報を持
つて
入るわけですから、表にしるしをつけることを拒絶する必要があるか。多少の弊害はありますけれ
ども
、自書式の弊害よりは少いと思います。ぜひこれはこの際記号式に——
選挙法
は現状維持のようでありますけれ
ども
、少し思い切
つた
改革もや
つた
方がいい。その点御考慮を願いたいと思います。
逢澤寛
64
○逢澤
委員
いろいろ
意見
があるようですが、今さきの中川君のお話は相当研究しなければならぬ重大な問題だと思います。記号式ということになると、根本的に
考え
方は違うが、中川君の話によると、相当
愼重
に
考え
なければならぬ点があると思います。他にも保留したのがありますが、これもひとつ保留して、いま少しく研究したいと思います。
生田和平
65
○
生田委員長
この問題は当方でよく研究をいたしまして、最後に
決定
の際に御相談いたします。
橋本登美三郎
66
○橋本(登)
委員
投票
所の問題ですが、「投粟所は、市役所、
町村役場
又は
投票
管理者の指定した
場所
に設ける。」
投票
所は執行者がきめておりますけれ
ども
、数は実際上きま
つて
おらない。それで最近普通
選挙
になりましてから、棄権防止という意味で、なるべく一般民に迷惑をかけないよう短時間のうちに
投票
を終らして、仕事に影響を與えないという建前から、実際上行政措置として増設を獎励しております。この
選挙法
は相当こまかい点まで書いてあるが、こういう基本的な、たとえば
人口
千名について一箇所の割合において、それ以上の
投票
所を設けるという
原則
論をここでうた
つて
はどうかと思うのです。こういう
投票
所を置けということは、主として総司令部の方から要望があ
つて
、前々回の総
選挙
から非常に数をふやしております。しかしあえて特別の基準が
法律
上あるわけではありませんから、その県により、あるいは
町村
によ
つて
その数は
決定
しておりません。さういうことのために、不公平が行われがちである。でありますから、これまで具体的なことを
法律
で
決定
するならば、これも
法律
として
人口
一千名に対して幾箇所の
投票
所以上を置くべしと、こういう意味のことを挿入されるならば、棄権防止の上からも、また民主主義的に広く
投票
せしめるという意味からも、非常な効果があると思いますが、それについて小
委員会
等で
意見
がありましたかどうか。またなか
つた
ならば、
委員長
並びに法制当局から御説明を願いたいと思います。
三浦義男
67
○
三浦参事
ただいまの御
意見
ごもつともでございまして、そういう線に沿いまして
選挙
の執行面において、
全国選挙管理委員会
においてできるだけ
投票
所の数をふやす、こういう建前を最近と
つて
来ておられます。実例を申し上げますれば、現在
市町村
の数が約一万有余ありますが、その四倍に当ります四万箇所の
投票
所を現在設置しておるような状況でございます。この点に関しまして、
法律
上その限定の
規定
を置くかどうかという問題につきましては、地方の実情等もありますので、法制的の見地からは、特にそういう
規定
を置かなくとも、もし必要がありますれば、この
法律
の執行面に関しまして、必要な
事項
は
政令
で定め得ますので、そちらの方である程度のものは置くなり何なりすることは可能かと
考え
ております。
立花敏男
68
○立花
委員
五十八ですが、
投票
所に出入し得る者として、「当該警察官及び警察吏員」というのがうたわれております。さいぜんお話がありましたように、
投票
所の管理は、
選挙管理委員会
あるいはその他の係員のやることでありまして、特に警察官、警察吏員を
投票
所へ出入し得る者としてあげるのは妥当ではないと思いますが、特にあげなければならない理由をお聞かせ願いたいと思います。
三浦義男
69
○
三浦参事
ただいまの点は、五十九、六十等と関連いたしておりまして、
投票
所の中でかりに
投票
所の秩序を乱り、
投票
を混乱に陷れようとするようなことがありといたした場合におきましては、
投票
管理者だけの処理によ
つて
は、それを整理したりすること事は十分ではございませんので、やはりそういう場合の必要に備えまして、
投票
所の中に警察官等が入り得るという
規定
は必要だろうと
考え
ております。ただそれに該当することが実際問題としてあるかどうかは、実際の情況によるわけでありますけれ
ども
、
法律
上の問題といたしましては、そういう
規定
を置いておくことが必要であろうと
考え
ております。
立花敏男
70
○立花
委員
不測の場合を予想して、あらかじめ入り得るということを
規定
する必要はないのではないかと思います。五十九にも「警察官又は警察吏員の処分を請求することができる」と
規定
してありますので、事犯が起きまして、請求いたした後において出入することは、これは当然であろうと思います。あらかじめそういうことを予想して、出入し得ることを
規定
して置かなくとも、そういう場合になりまして請求がありますれば、出入することは当然でありますから、そこに特にあげる必要はない。民主主義の建前から申しまして、やはり
投票
所に入りまして今でも非常に威圧を感ずるような仕組にな
つて
おります。そこにさらに警察官が居並びましては、
投票
者に與える心理は非常に非民主的な空気になるのではないか。これは五十八條の
規定
からはお除きに
なつ
た方が妥当ではないかと、
考え
ております。
三浦義男
71
○
三浦参事
その点はごもつともな御
意見
でございますが、五十八の
規定
は初めからそこに入
つて
居並んでいるというようなことを
規定
したのではないのでありまして、ただいまお話がありましたように、五十九の
規定
によりまして処分を請求する、こういう場合には警察官等もそこに入り得るということが五十八にあるのでありまして、五十九の処分請求権だけで警察官等が入り得るということも、一応出て来るとは思いますけれ
ども
、いずれにいたしましても、
投票
所等に警察官がみだりに入るというようなことは、
投票
所の神聖を害し、またはただいま御懸念になりました意味の感じもいたしますので、そういう場合には入り得るということの根拠
規定
を置いておきまして、万一の場合に備えるということが、
法律
の上においては万全の措置を講ずるゆえんだろうと
考え
ております。
立花敏男
72
○立花
委員
もう一つ四十八ですが、
代理投票
の問題です。代理を選びまして、
投票
を委託する場合に、真の
投票
者の意思が完全に果されたかどうか、これを確認する
方法
がないではないかと思います。代理人を選任する場合に、ここに
規定
がありますように、
投票
管理者が
投票
立会人の
意見
を聞いて選任するのではなしに、
投票
者の
意見
に従
つて
それを聞いて選任するというふうに改める必要があるのではないかと思うのですが、その点に関してひとつ御説明願いたいと思います。
三浦義男
73
○
三浦参事
その点に関しましては、
代理投票
をいたします場合におきまして、
本人
にかわりまして候補者の氏名を書きますことは、ま
つた
く機械的な仕事であります。その場合に
本人
の意思いかんによるということは、かえ
つて
そこに何らかの弊害を生ずるおそれもありますので、むしろ
投票
管理者が、
投票
立会人が相当おりますから、その
意見
を聞きまして、そうして適当な人を選任してやらせるということが合理的であろうと思
つて
おります。
立花敏男
74
○立花
委員
その場合に
投票
者の意思は全然考慮に入れないのですか。
三浦義男
75
○
三浦参事
一応四十八におきましては、
選挙人
が
代理投票
いたします場合におきまして、その
選挙人
は
投票
管理者に
申請
して、
投票
管理者が
投票
立会人の
意見
を聞いて選任した者をして候補者の氏名を記載させるということにな
つて
おりますので、結局かわ
つて
書きます者は、
選挙人
の意思
通り
に機械的に動くということでありまして、その問題に
選挙人
の意思を聞いてだれに書いてもらうかというようなことをやらない方が、かえ
つて
いいのではないかと思
つて
おります。むしろこの四十八の趣旨の方が、
選挙
の秘密保持その他の点から適当であろう、かように
考え
ております。
立花敏男
76
○立花
委員
機械的に候補者の氏名を記載するとおつしやる趣旨は、どういう
方法
で確認されるのですか。
三浦義男
77
○
三浦参事
その点は結局
投票
管理者が立会人の
意見
を聞いてそこに立ち会いまして、そうして書かせるわけでありますから、その間に不正とか、あるいは不適当な事態が起るようなことはあり得ないと思
つて
おります。
鈴木義男
78
○鈴木(義)
委員
第三十六の、
投票
は一人に限るという点でありますが、これも小
委員会
で十分御
審議
に
なつ
たろうと思いますけれ
ども
、われわれとしては連記ということをひとつ
考え
てもらいたいということを熱心に希望しております。連記制がいいか悪いかという問題は、理論的な問題はきりがありませんから省略いたしますし、理論的に欠点のあることはよく
承知
いたしておりますが、しかし今の中
選挙
区というものを維持する限りにおいては、何らかの形で比例式な要素を取入れなければ、
選挙
が公正に行かぬ。それより何より
選挙
運動が非常に苛烈になる。この
選挙法改正
のことが常に問題になるのは、どうしたならば安くて公正な
選挙
運動が行われるかということが根本の目的でありまして、その点から言うと、今の中
選挙
区で三人ないし五人の候補を立てて単記で行くということになると、同一党派の争いの方がむしろ他党派との争いよりもはげしくなる、そうして苛烈な
選挙
が行われてだんだん運動費がかさむというようなことにもなるのでありますから、
選挙
運動の方の條項を
改正
することも大切でありますけれ
ども
、この
投票
方法
について連記を採用することが一つの救済
方法
ではないか、こういうことを私
ども
は
考え
て常に連記を主張しておるわけです。その点について御考慮を願いたいと思います。
生田和平
79
○
生田委員長
連記制の御
意見
もありましたが、小
委員会
では実は
原案
の
通り
決しましたのです。この点については、小
委員会
ではそれ以上掘り下げての議論はなか
つたの
でありまして、満場一致で
原案
の
通り
決した次第でございます。本
委員会
におきまして、そういうことを御決議になりますれば別問題でありますが、小
委員会
の経過はさような次第であります。
鈴木義男
80
○鈴木(義)
委員
この
委員会
でも、その点については記号式とともにできるだけお
考え
願いたい。
生田和平
81
○
生田委員長
記号式の方は大体保留して、なお研究するという御
意見
が多数のようでありますから、これを保留いたします。また連記式の方は今鈴木さんから御
意見
がありましたが、その他の方の御
意見
によりまして適当に処置いたしたいと思います。 〔「
原案
賛成」「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
82
○
生田委員長
鈴木さんのほかは大体
原案
に御賛成のようでありますから、
原案
に
決定
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
83
○
生田委員長
御
異議
なしと認めます。よ
つて
さよう
決定
いたします。 次は第七章
開票
です。 〔
参事朗読
〕 第七章 (
開票
管理者) 第六十一 各
選挙
ごとに、
開票
管理者を置く。 2
開票
管理者は、
当該選挙
の
選挙権
を有する者の中から
市町村
の
選挙管理
委員
事会の選任した者をも
つて
、これに充てる。 3
参議院議員
の
選挙
について、
地方選出
議員
の
選挙
と
全国選出
議員
の
選挙
を一時に行う場合においては、
市町村
の
選挙管理委員会
は、
地方選出
議員
の
開票
管理者を同時に
全国選出
議員
の
開票
管理者とすることができる。 4
開票
管理者は、
開票
に関する
事務
を担任する。 5
開票
管理者は、
当該選挙
の
選挙権
を有しなく
なつ
たときは、その職を失う。 (
開票
立会人) 第六十二 公職の候補者は、
当該選挙
の各
開票
区における
選挙人名簿
に
登録
された者の中から、
本人
の承諾を得て、
開票
立会人となるべき者一人を定め、その
選挙
の
期日
前三日までに、
開票
管理者に届け出ることができる。但し、同一人を届け出ることを妨げない。 2
前項
の
規定
により届出のあ
つた
者(公職の候補者が死亡し又は公職の候補者たることを辞したときは、その届出に係る者を除く。以下同じ。)が十人を超えないときは、直ちにその者をも
つて
開票
立会人とし、十人を超えるときは、届出のあ
つた
者において
開票
立会人十人を互選しなければならない。 3
前項
の
規定
による互選は、
投票
により行い、得票の最多数の者をも
つて
開票
立会人とする。得票の数が同じであるときは、
開票
管理者がくじで定める。 4 同一の政党その他の団体に属する公職の候補者の届出に係る者は、一の
開票
区において、三人以上
開票
立会人となることができない。 5 第一項の
規定
により届出のあ
つた
者で同一の政党事その他の団体に属する事公職の候補者の届出に係るものが三人以上あるときは、第二項及び第三項の
規定
にかかわらず、届出により直ちに
開票
立会人を定め得る場合にあ
つて
はその者の中で
開票
管
理事
者がくじで定めた者二人、互選により
開票
立会人を定めるべき場合にあ
つて
は得票最多数の者二人(二人を定めるに当り得票数が同じであるときは、
開票
管理者がくじで定めた者)以外の者は、
開票
立会人となることができない。 6 第二項、第三項又は
前項
の
規定
により
開票
立会人が定ま
つた
後、同一の政党その他の団体に属する公職の候補者の届出に係る
開票
立会人が三人以上と
なつ
たときは、
開票
管理者がくじで定めた者二人以外の者は、その職を失う。 7 第二項の
規定
による互選又は第五項の
規定
によるくじは、
選挙
の
期日
前二日に行う。 8 第二項の
規定
による互選又は第五項若しくは第六項の
規定
によるくじを行うべき
場所
及び日時は、
開票
管理者において、予め告示しなければならない。 9 公職の候補者が、死亡し又は公職の候補者たることを辞したときは、その届出に係る
開票
立会人は、その職を失う。 10 第二項の
規定
による
開票
立会人が三人に達しないとき若しくは三人に達しなく
なつ
たとき又は
開票
立会人で参会する者が
開票
所を開くべき時刻にな
つて
も三人に達しないとき若しくはその後三人に達しなく
なつ
たときは、
開票
管理者は、その
開票
区における
選挙人名簿
に
登録
された者の中から三人に達するまでの
開票
立会人を選任し、直ちにこれを
本人
に通知し、
開票
に立ち会わしめなければならない。但し、第二項の
規定
による
開票
立会人を届け出た公職の候補者の属し又は
開票
管理者の選任した
開票
立会人の属する政党その他の団体と同一の政党その他の団体に属する者を当該公職の候補者の届出に係る
開票
立会人又は
開票
管理者の選任に係る
開票
立会人と通じて三人以上選任することができない。 11
当該選挙
の公職の候補者は、
開票
立会人となることができない。 12
開票
立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。 (
開票
所の設置) 第六十三
開票
所は、市役所、
町村役場
又は
開票
管理者の指定した
場所
に設ける。 (
開票
の
場所
及び日時の告示) 第六十四
開票
管理者は、予め
開票
の
場所
及び日時を告示しなければならない。 (
開票
日) 第六十五
開票
は、
投票
の当日又はその翌日(一
開票
区に数
投票
区があるときは、すべての
投票
箱の送致を受けた日又はその翌日)に行う。 (
開票
) 第六十六
開票
管理者は、
開票
立会人立会の上、
投票
箱を開き、先ず第五十第三項及び第五項の
規定
による
投票
を調査し、
開票
立会人の
意見
を聽き、その
投票
を受理するかどうかを
決定
しなければならない。 2
開票
管理者は、
開票
立会人とともに、
当該選挙
における各
投票
所の
投票
を
開票
区ごとに混同して、
投票
を点検しなければならない。 3
投票
の点検が終
つた
ときは、
開票
管理者は、直ちにその結果を
選挙
長(
参議院
全国選出
議員
については
選挙
分会長)に報告しなければならない。 (
開票
の場合の
投票
の
効力
の
決定
) 第六十七
投票
の
効力
は、
開票
立会人の
意見
を聽き、
開票
管理者が
決定
しなければならない。 (無効
投票
)第六十八 左の
投票
は、無効とする。 一 成規の用紙を用いないもの 二 公職の候補者でない者又は第八十七乃至第八十九の
規定
により公職の候補者となることができない者の氏名を記載したもの 三 一
投票
中に二人以上の公職の候補者の氏名を記載したもの 四 被
選挙権
のない公職の候補者の氏名を記載したもの 五 公職の候補者の氏名の外、他事を記載したもの。但し、職業、身分、
住所
又は敬称の類を記入したものは、この限りでない 六 公職の候補者の氏名を自書しないもの 七 公職の候補者の何人を記載したかを確認し難いもの 2 第百九、第百十又は第百十三の
規定
による
衆議院議員
、
参議院議員
、
地方公共団体
の
議会
の
議員
又は
教育委員会
の
委員
の再
選挙
又は補欠
選挙
の場合においては、当該
議員
又は
委員
の職に現にある者の氏名を記載した
投票
も、また
前項
と同様無効とする。 3
参議院議員
の通常
選挙
において在任
期間
の長い
地方選出
議員
又は
全国選出
議員
たる
参議院議員
の職に現にある者の氏名を記載した
投票
並びに
教育委員会
の
委員
の定例
選挙
において在任
期間
の長い
委員
の職に現にある者の氏名を記載した
投票
も、また第一項と同様無効とする。 (
開票
の参観) 第六十九
選挙人
は、その
開票
所につき、
開票
の参観を求めることができる。 (
開票
録の
作成
) 第七十一
開票
管理者は、
開票
録を作り、
開票
に関する次第を記載し、
開票
立会人とともに、これに署名しなければならない。 (
投票
、
投票
録及び
開票
録の保存) 第七十一
投票
は、有効無効を区別し、
投票
録及び
開票
録と併せて、
市町村
の
選挙管理委員会
において、
当該選挙
にかかる
議員
、長又は
委員
の在任
期間
、保存しなければならない。 (一部無効による再
選挙
の
開票
) 第七十二
選挙
の一部が無効となり再
選挙
を行
つた
場合の
開票
においては、その
投票
の
効力
を
決定
しなければならない。 (繰延
開票
) 第七十三 第五十七第一項本文及び第二項の
規定
は、
開票
について、準用する。 (
開票
所の取締) 第七十四 第五十八乃至第六十の
規定
は、
開票
所の取締について、準用する。
中川俊思
84
○中川
委員
第六十九條に「
選挙人
は、その
開票
所につき、
開票
の参観を求めることができる」とありまして、これは非常にけつこうなことですが、これには別に制限を設ける必要はありませんか。非常に多くの者が入
つて
、先ほど問題になりました秩序を乱すということもあり得る。
選挙人
が全部入るということはあり得ることではないのですが、しかし一応はそういうことも予想して数において制限を設けるとか、あるいは何らかの
方法
において、そんなことのないように制限を設ける必要はありませんか。
三浦義男
85
○
三浦参事
その点につきましては、それぞれの
開票
所の設備等の実際の状況によりまして、適当に
開票
管理者において処理するという建前をとることの方が望ましいと
考え
まして、特に制限とか何とかい
つた
規定
は置かなか
つたの
でありますが、そういうお話のような点がありました場合に、かりに
開票
所の秩序を乱すような事態になりましたならば、
開票
管理の権限を行使して、それを制限するように行
つた
方が民主的ではないかと思います。
平澤長吉
86
○平澤
委員
第六十八條の無効
投票
の第五でいろいろ問題になりましたが、
但書
の中に「職業、身分、
住所
又は敬称の類を記入したものは、この限りでない」とありますが、これはあるいは日本社会党とかまたは民主自由党公認とかいうようなことが書いてあ
つて
も無効になるのですか、身分でよろしいのですか。
吉岡惠一
87
○吉岡説明員 有効であります。 〔「
原案
賛成」と呼ぶ者あり〕
生田和平
88
○
生田委員長
別に御
異議
がなければ
原案
の
通り
決します。 次に第八章、
選挙
会及び
選挙
分会。 〔
参事朗読
〕 第八章
選挙
会及び
選挙
分会 (
選挙
長及び
選挙
分会長) 第七十五 各
選挙
ごとに、
選挙
長を置く。 2
参議院
(
全国選出
)
議員
の
選挙
において、
前項
の
選挙
長を置く外、
都道府県
ごとに、
選挙
分会長を置く。 3
選挙
長は、
当該選挙
の
選挙権
を有する者の中から
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
の選任した者をも
つて
、
選挙
分会長は、
当該選挙
の
選挙権
を有する者の中から
都道府県
の
選挙管理委員会
の選任した者をも
つて
、これに充てる。 4
選挙
長は、
選挙
会に関する
事務
を、
選挙
分会長は、
選挙
分会に関する
事務
を担任する。 5
選挙
長及び
選挙
分会長は、
当該選挙
の
選挙権
を有しなく
なつ
たときは、その職を失う。 (
選挙
立会人) 第七十六 第六十二の
規定
は、
選挙
会及び
選挙
分会の
選挙
立会人に準用する。 (
選挙
会及び
選挙
分会の開催
場所
) 第七十七
選挙
会は、
都道府県
庁又は
選挙
長の指定した
場所
で開く。 2
選挙
分会は、
都道府県
庁又は
選挙
分会長の指定した
場所
で開く。 (
選挙
会及び
選挙
分会の
場所
及び日時) 第七十八
選挙
長又は
選挙
分会長は、予め
選挙
会又は
選挙
分会の
場所
及び日時を告示しなければならない。 (
開票
事務
と
選挙
会
事務
との合同) 第七十九
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の
選挙
に、おいて
選挙
会の
区域
と
開票
区の
区域
が同一である場合には、第六十一乃至第六十五、第六十六第三項、第六十七及び第六十九乃至第七十四の
規定
にかかわらず、
当該選挙
の
開票
の
事務
は、
選挙
会場において
選挙
会の
事務
に合せて行うことができる。 2
前項
の
規定
により
開票
の
事務
を
選挙
会の
事務
に合せて行う場合においては、
開票
管理者又は
開票
立会人は、
選挙
長又は
選挙
立会人をも
つて
これに充て、
開票
に関する次第は、
選挙
録中に併せて記載するものとする。 (
選挙
会又は
選挙
分会の開催) 第八十
選挙
長(
参議院
全国選出
議員
の
選挙
における
選挙
長を除く。)又は
選挙
分会長は、すべての
開票
管理者から第六十六第三項の
規定
による報告を受けた日又はその翌日に
選挙
会又は
選挙
分会を開き、
選挙
立会人立会の上、その報告を調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。 2 前條第一項の場合においては、
選挙
長は、
前項
の
規定
にかかわらず、
投票
の点検の結果により各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。 8 第一項に
規定
する
選挙
長又は
選挙
分会長は、
選挙
の一部が無効となり更に
選挙
を行
つた
場合において第六十六第三項の
規定
による報告を受けたときは、第一項の例により、他の
部分
の報告とともに、更にこれを調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。 (
参議院
全国選出
議員
の場合の
選挙
会の開催) 第八十一
参議院
(
全国選出
)
議員
の
選挙
においては、
選挙
分会長は、前條第一項及び第三項の
規定
による調査を終
つた
ときは、
選挙
録の写を添えて、直ちにその結果を
当該選挙
長に報告しなければならない。 2
前項
の
選挙
長は、すべての
選挙
分会長から
前項
の報告を受けた日又はその翌日に
選挙
会を開き、
選挙
立会人立会の上、その報告を調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。 3
選挙
の一部が無効となり更に
選挙
を行
つた
場合において第一項の報告を受けたときは、
当該選挙
長は、
前項
の例により、他の
部分
の報告とともに、更にこれを調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。 (
選挙
会及び
選挙
分会の参観) 第八十二
選挙人
は、その
選挙
会及び
選挙
分会の参観を求めることができる。 (
選挙
録の
作成
及び
選挙
録その他
関係
書類の保存) 第八十三
選挙
長は、
選挙
録を作り、
選挙
会に関する次第を記載し、
選挙
立会人とともに、これに署名しなければならない。 2
選挙
録は、第六十六第三項の
規定
による報告に関する書類(
参議院
全国選出
議員
の
選挙
にあ
つて
は第八十二第一項の
規定
による報告に関する書類)と併せて、当該事
選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
において、
当該選挙
にかかる
議員
、長又は
委員
の任
期間
、保存しなければならない。 3 第七十九の場合においては、
投票
の有効無効を区別し、
投票
録及び
選挙
録と併せて、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
において、
当該選挙
にかかる
議員
、長、又は
委員
の任
期間
保存しなければならない。 (繰延
選挙
会又は
選挙
分会) 第八十四 第五十七第一項本文及び第二項の
規定
は、
選挙
会及び
選挙
分会に準用する。 (
選挙
会場及び
選挙
分会場の取締) 第八十五 第五十八乃至第六十の
規定
は、
選挙
会場及び
選挙
分会場の取締について、準用する。 〔「
原案
賛成、御進行願います」と呼ぶ者あり〕
生田和平
89
○
生田委員長
別に御
異議
がなければ、
原案
の
通り
決定
いたします。 第九章 公職の候補者 〔
参事朗読
〕 第九章 公職の候補者 (公職の候補事者の立候補の届出等) 第八十六 公職事の候補者となろうとする者は、
当該選挙
の
期日
の、公示又は告示があ
つた
日から、
衆議院議員
、
参議院
(
地方選出
)
議員
、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の候補者にあ
つて
はその
選挙
の
期日
前十日までに、
参議院
(
全国選出
)
議員
の候補者にあ
つて
はその
選挙
の
期日
前二十日までに、文書でその旨を
選挙
長に届け出なければならない。 2
選挙人名簿
に
登録
された者が他人を公職の候補者としようとするときは、
本人
の承諾を得て、
前項
の
期間
内に、その推薦の届出をすることができる。 3
衆議院議員
、
参議院議員
、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び
教育委員会
の
委員
選挙
については、前二項の
期間
内に届出のあ
つた
公職の候補者が、その
選挙
における
議員
又は
委員
の定数を超える場合において、その
期間
を経過した後当該候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、前二項の例により、
衆議院議員
、
参議院
(
地方選出
)
議員
、
地方公共団体
の
議会
の
議員
及び
教育委員会
の
委員
の
選挙
にあ
つて
はその
選挙
の
期日
前三日までに、
参議院
(
全国選出
)
議員
の
選挙
にあ
つて
はその
選挙
の
期日
前十日までに、
当該選挙
における候補者の届出又は推薦届出をすることができる。 4
地方公共団体
の長の
選挙
については、第一項及び第二項の
期間
内に届出のあ
つた
候補者が二人以上ある場合において、その
期間
を経過した後当該候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、第一項及び第二項の例により、その
選挙
の
期日
前三日までに、
当該選挙
における候補者の届出又は推薦届出をすることができる。 5
地方公共団体
の長の
選挙
について第一項、第二項及び
前項
の
規定
により届出のあ
つた
候補者が二人以上ある場合において、その
選挙
の
期日
の前日までに当該候補者が死亡し又は候補着たることを辞したため候補者が一人と
なつ
たときは、
選挙
の
期日
は、第三十三第三項、第三十四第六項又は第百十九第三項の
規定
により告示した
期日
後五日に当る日に延期するものとする。この場合においては、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
は、直ちにその旨を告示しなければならない。 6
前項
及び第百二十六第二項の場合においては、その告示があ
つた
日から
当該選挙
の
期日
前三日までに、第一項又は第二項の例により、
地方公共団体
の長の候補者の届出又は推薦届出をすることができる。 7 公職の候補者は、
選挙
長に届出をしなければ、その候補者たることを辞することができない。 8 第一項乃至第四項、第六項及び
前項
の届出があ
つた
とき又は公職の候補者が死亡し若しくは第九十一の
規定
に該当するに
至つた
ことを知
つた
ときは、
選挙
長は、直ちにその旨を告示するとともに、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
に報告しなければならない。 (重複立候補の禁止) 第八十七 一の
選挙
区において公職の候補者と
なつ
た者は、同時に他の
選挙
区において、
当該選挙
における公職の候補者となることができない。 2
参議院議員
の
選挙
においては
全国選出
議員
の候補者と
なつ
た者は、同時に
当該選挙
における
地方選出
議員
の候補者となることができず、また
地方選出
議員
の候補者と
なつ
たものは、同時に
当該選挙
における
全国選出
議員
の候補者となることができない。 3 一の
教育委員会
の
委員
の候補者と
なつ
た者は、同時に他の
教育委員会
の
委員
の候補者となることができない。 (
関係
区域
内の立候補の制限) 第八十八 左の各号に掲げる者は、在職中、その
関係
区域
内において、
当該選挙
の公職の候補者となることができない。 一
投票
管理者 二
開票
管理者 三
選挙
長及び
選挙
分会長 (公務員の立候補制限) 第八十九 国又は
地方公共団体
の公務員は、在職中、公職の候補者となることができない。但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。 一 内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官及び政務次官 二
衆議院議員
及び
参議院議員
三 單純な労務に、雇用されている者 四 前各号に掲げる者の外專務として
委員
、顧問、参與その他これらに準ずる職にある者で、
政令
で指定するもの 2
地方公共団体
の
議会
の
議員
は、
前項
の
規定
にかかわらず、在職中、
地方公共団体
の
議会
の
議員
の候補者となることができる。
地方公共団体
の長の任期満了に因る
選挙
が行われる場合において当該長がその長の候補者となる場合も、また同様とする。 3
地方公共団体
の長又は
教育委員会
の
委員
の任期満了に因る
選挙
が行われる場合において当該長又は
教育委員会
の
委員
がその
選挙
における候補者となる場合も、また
前項
と同様とする。 4 第一項本文の
規定
は、同項第一号乃至第三号に掲げる者及び前二項に
規定
する者が兼ねている国又は
地方公共団体
の公務員たる地位に影響を及ぼすものではない。 (立候補のための公務員の退職) 第九十 前條の
規定
により公職の候補者となることができない公務員が、公職の候補者となろうとする目的をも
つて
公務員たることを辞する旨の
申出
をした場合において、その
申出
の日から五日以内に公務員たることを辞することができないときは、当該公務員の退職に関する法令の
規定
にかかわらず、その
申出
の日以後五日に相当する日に公務員たることを辞したものとみなす。 (公務員と
なつ
たため立候補の辞退とみなされる場合) 第九十一 第八十六第一項乃至第四項及び第六項の
規定
により公職の候補者として届出又は推薦届出のあ
つた
者が、第八十八又は第八十九の
規定
により公職の候補者となることができない者と
なつ
たときは、その公職の候補者たることを辞したものとみなす。 (供託) 第九十二
町村
の
議会
の
議員
及び長並びに
町村
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
の場合を除く外、公職の候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、公職の候補者一人につき、左の各号の区分による金額又はこれに相当する額面の国債証書を供託しなければならない。 一
衆議院議員
の
選挙
三万円 二
参議院議員
の
選挙
三万円 三
都道府県
の
議会
の
議員
の
選挙
一万円 四
都道府県知事
の
選挙
三万円 五 市の
議会
の
議員
の
選挙
五千円 六 市長の
選挙
一万五千円 七
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
二万円 八 市の
教育委員会
の
委員
の
選挙
一万円 (供託物の没収) 第九十三 公職の候補者の得票数が、その
選挙
において左の各号の区分による数に達しないときは、前條の供託物は、
衆議院議員
及び
参議院議員
の
選挙
にあ
つて
は国庫に、
都道府県
の
議会
の
議員
及び長並びに
教育委員会
の
委員
の
選挙
にあ
つて
は当該
都道府県
に、市の
議会
の
議員
及び長並びにその
教育委員会
の
委員
の
選挙
にあ
つて
は当該市に帰属する。 一
衆議院議員
の
選挙
当該選挙
区内の
議員
の定数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の五分の一 二
参議院
(
全国選出
)
議員
の
選挙
通常
選挙
における
議員
の定数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の五分の一 三
参議院
(
地方選出
)
議員
の
選挙
通常
選挙
における
当該選挙
区内の
議員
の定数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の五分の一。但し、補欠
選挙
については、その
選挙
すべき
議員
の数が通常
選挙
における
当該選挙
区内の
議員
の定数を越える場合においては、その
選挙
すべき
議員
の数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の五分の一 四
都道府県
及び市の
議会
の
議員
の
選挙
当該選挙
区内の
議員
の定数(
選挙
区がないときは
議員
の定数)をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の十分の一 五
都道府県知事
及び市長の
選挙
有効事
投票
の総数の十分の一 六
都道府県
及び市の
教育委員会
の
委員
の
選挙
定例
選挙
における
委員
の定数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の十分の一。但し、
選挙
すべき
委員
の数が定例
選挙
における
委員
の定数を超える場合においては、その
選挙
すべき
委員
の数をも
つて
有効
投票
の総数を除して得た数の十分の一 2
前項
の
規定
は、公職の候補が
当該選挙
の
期日
前十日以内にその候補者たることを辞した場合に、準用する。但し、第九十一の
規定
に該当するに
至つた
ときは、この限りでない。 (公営に要する経費の分担) 第九十四
衆議院議員
、
参議院議員
、
都道府県知事
又は
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
において公職の候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、
選挙
運動に関する公営に要する経費の分担として、公職の候補者一人につき、二万円又はこれに相当する額面の国債証書を、予め国庫に納付しなければならない。 2
前項
の
規定
により国庫に納付した物は、当該公職の候補者が
選挙
の
期日
までに、死亡し又は、その公職の候補者たることを辞した、ときその他いかなる場合においても、返還しないものとする。 3 第一項の
規定
による納付をした者が、
当該選挙
区(
選挙
区がないときはその
区域
)において第百九又は第百十の
規定
により再
選挙
が行われるとき、再び公職の候補者の届出又は推薦届出をする場合には、第二項の
規定
による納付をすることを要しない。
生田和平
90
○
生田委員長
ちよつとこの際御参考のために申し上げます。昨日冒頭において
衆議院
並びに
参議院
の
区制
の問題と第八十九の
地方公共団体
の
議会
の
議員
の現職立候補の問題が保留にな
つて
おることを申し上げておきました。また昨日午前中の小
委員会
におきまして、第九十二の
都道府県
の
教育委員会
の
委員
の
選挙
二万円とあるを一万円に修正し、第八の市の教育教育会の
委員
の
選挙
で、一万円を五千円と修正せられております。御記載願います。なお九十四の分担金のうち、教育
委員
は二万円を一万円と修正にな
つて
おります。これも御記入願います。
千賀康治
91
○千賀
委員
公職の
議員
の立候補に、保証金が三万円から五千円まであります。これは濫立を防ぐという趣旨だと思いますが、市の
議員
ですが、大阪、名古屋のごとき有力な市がある、こういうところの市の
議員
に当選したが最後、現金として
收入
するものは月々二万円を越すだろうと思います。公共機関から受けられる
收入
は、そういうところで五千円ぐらいは一箇月の四分の一ばかりである。同じ市と
言つて
も、
人口
二万ぐらいな市だと、まずたかだか年に五、六千円も受けられれば最高だと思います。そういうところだと、一年の
收入
を保証金にとられるということで、大分苦痛の分量が違うのです。これを一様に市と
言つて
おります。大阪、名古屋、京都、神戸、横浜と大分
法律
というものは一本で行くのは非常にやりにくいのですから、その矛盾も全部救済しがたいかもしれませんが、市をもう少し合理的にしたらどうでしよう。何かうまい
考え
が小
委員会
でなか
つた
でしようか。
生田和平
92
○
生田委員長
その点は実はあまり御議論がなか
つた
わけです。大体
原案
は通
つた
わけです。
千賀康治
93
○千賀
委員
大都市ではなきにひとしいことにな
つて
しまうし、小さい都市では非常に苦痛だということになる。
生田和平
94
○
生田委員長
これは供託金の問題ですから、供託金はあとで返
つて
来ます。負担金は返
つて
来ませんけれ
ども
、かりに五千円を二千円にしましても、大して差はないと思うのです。今日の貨幣価値からいたしまして、五千円とい
つた
らわずかな金であります。それがために立候補をやめるとか、やめぬとかいう問題でなく、また負担が大きいとか、小さいとかいう……。
淺沼稻次郎
95
○
淺沼委員
これは小
委員会
ではどういうふうにや
つて
おるかしりませんが、東京都はわか
つて
いるが、たとえば横浜市なら横浜市で立候補するものと、それから
人口
二万か五万の市で立候補するのと同じように五千円ということで、今までは上を多分二百円か三百円で押えてお
つた
と思いますが……。
佐竹晴記
96
○
佐竹
(晴)
委員
分担金二万円ですが、これは前の特別措置法をこしらえる時分に、私
ども
も賛成したのでありますが、どうも公営の趣旨に徹しないので、これはすべて国費をも
つて
すべきだという議論が相当に出てお
つた
と存じます。 せつかく公営を広げて、それから公営を徹底しようというのに
個人
に分担金をかけるとい
つた
ことは、その趣旨を貫くものではないと
考え
ますが、小
委員会
においてはいかがでしよう、そういう議論は出なか
つた
でしようか。
生田和平
97
○
生田委員長
小
委員会
では分担金の問題についてはあまり掘り下げて御議論はなか
つた
ようです。これは現在の案によりまする公営の費用は、相当莫大な費用に上るのじやないかと思います。かりに二十億円ぐらいになるのじやないかと思うのです。私は常にそのことを申しておるのでありますが、二十億円と言いますと、三千万票入りまして、一票について七十円の費用になるのです。実質的には違いますが、かりに
選挙
民が一人に
投票
するのに七十円ずつ持ち出す、こういう勘定になるのでありますから、公営の費用はなるべく少くしたいという気持もあ
つたの
でありますけれ
ども
、一般的には公営を強化しようという御議論もあ
つたの
で、そこはなかなかむずかしいところでありますが、そこへも
つて
来てこの分担金を減免するということは、国民に対して相当
考え
なければならぬ、こういうふうに思いまして、大体分担金をきめたわけであります。あなたの御説であれば、これを全部免除したらどうか、こういうように承るのでありますけれ
ども
、小
委員会
といたしましては、別にこれには御議論はなか
つた
わけであります。
佐竹晴記
98
○
佐竹
(晴)
委員
私は公営を徹底させる趣旨において、分担納付ということは、その精神を貫くゆえんでないと思いますから、ここでは少数
意見
かもわかりませんが、この分担金は削
つて
はどうかという
意見
を出しておきます。
中川俊思
99
○中川
委員
八十九條の公務員の立候補制限ですが、これはただ在職中の者だけでなく、公務員は退職してから少くとも一箇年間は立候補できないというようにしたらどうですか。これは御
承知
のごとく立候補せんとする公務員は、在職中に数箇年前から準備運動をやるのです。これは大きな問題ですから、実は前に問題にな
つて
一応消されたということは聞きましたが、重ねて
委員会
としては、この意向をも
つて
もう一度ぶつか
つて
みたらどうかと思います。
生田和平
100
○
生田委員長
どうも
選挙法
を
衆議院議員
がつくるのは適当でないという
意見
も第三者から受けるのでありますが、
議員
の便利な
法律
にすると、この
選挙法
は国会
議員
の
選挙法
にな
つて
しまうおそれがあるので、多少その辺も考慮いたしたいと思います。辞職すれば立候補し得るということにいたしたい、と思うのです。
中川俊思
101
○中川
委員
これはひとつ研究してもらいたい。
千賀康治
102
○千賀
委員
どうですか、議論もあるのですが、大体可としてはどうですか。
淺沼稻次郎
103
○
淺沼委員
八十九條の、前に問題の残
つて
お
つた
選挙
による公務員はこの限りでないという項は残してもらいたい。
生田和平
104
○
生田委員長
それはある方面からの示唆もあ
つて
、
選挙
により公選せられたる
議員
が立候補するのはさしつかえないじやないか、こういう話があ
つたの
でありますが、しかし
議会
の多数の
意見
は、地方団体の
議員
の立候補は、現職のままは禁止した方がいいという御
意見
もあるので、とにかく本問題だけは
留保
しておるわけであります。
淺沼稻次郎
105
○
淺沼委員
わかりました。
山本猛夫
106
○山本(猛)
委員
さつき中川君から話のあ
つた
公職にある者が立候補するときは一年間の
期間
を置くというのは、前に問題にな
つたの
であります。これはむずかしいことかもしれませんが、再度これを本
委員会
でおきめにな
つて
——実例を申し上げますと、公職にある者が立候補して、たとえば営林署におる者が立候補して営林署の役人全部がそれに携わ
つて
、営林署のトラックで物を配
つて
歩いたという実例をまのあたり見ておる。ほかにも幾多問題がある。これはたとえば
関係
方面でどんなに反対しても絶対
選挙
の公正が期せられないことを、われわれまのあたり見て来ておりますから、本
委員会
はもう一度これを公職にある、あるいは公職を退いてから一箇年を経過せずしては立候補できないというようにや
つて
いただきたい。
生田和平
107
○
生田委員長
山本
委員
の
意見
は、中川
委員
の御
意見
のように、一箇年くらいの期限を置きたい、こういう御
意見
なんですか。
山本猛夫
108
○山本(猛)
委員
そうです。
三浦義男
109
○
三浦参事
ただいまの点は、先般
衆議院
の
選挙法
の
改正
がありましたときに問題に
なつ
た点でありますが、いろいろこれをよく
考え
て見ますと、私の現在の
考え
では、在職中の者について制限いたしますことは、憲法上公務員が全体の奉仕者だというような点、あるいは特別の職権を持
つて
おるという点から、それは可能であろうと
考え
ておりますが、退職後ある一定の
期間
に及びまして、立候補の制限をするということは、憲法の條章に照しましてどうかというような
考え
を持
つて
おるわけであります。それは御
承知
の
通り
、憲法の四十四條によりますると、「両議院の
議員
及びその
選挙人
の資格は、
法律
でこれを定める。」とありまして、
但書
で、「人種、信條、性別、社会的身分、門地、教育、財産、又は
收入
によ
つて
差別してはならない。」こういう
規定
があります。これは社会的身分によ
つて
差別するというきらいがあると
考え
られるのでありまして、その点は憲法の問題とも関連いたしまして、御考慮願わなければならぬ問題だと
考え
ております。
生田和平
110
○
生田委員長
この問題は、小
委員会
でも大分議論がありました。
山本猛夫
111
○山本(猛)
委員
これはもう絶対にいかぬ。ま
つた
くさようなことでは公正が期せられない。
選挙
というものは、公正妥当な建前でやらなければならぬ。
生田和平
112
○
生田委員長
但し、公正はこつちばかりの公正でも困るのですから……。
山本猛夫
113
○山本(猛)
委員
これは、もう少し研究する余地がある。
生田和平
114
○
生田委員長
それではこれはなお研究することにいたしましよう。 その他は御
意見
はありませんか。
淺沼稻次郎
115
○
淺沼委員
八十九條第一項の前文は、人事院規則で
選挙
運動をやればみな首にな
つて
しまうから、結局候補者となることができない。これを
規定
することは形式的なことですね。実際は
選挙
運動をやれば、みんな首になるわけですから……。
生田和平
116
○
生田委員長
事実はやれないだろうと思うのですが……。
淺沼稻次郎
117
○
淺沼委員
事実上できないのだが、やはり
規定
が必要だろう。官吏の一年間というものを
規定
に設けるのは、そういうように上から押えて行くのがいいか、あるいは
選挙
事前運動の取締りとい
つた
ようなことで抑えて行くのがいいか、研究をしていただきたいと思うのですが……。
生田和平
118
○
生田委員長
事前運動はできないということに押えてあります。官吏は事前運動はできない……。
山本猛夫
119
○山本(猛)
委員
いや、りくつは事前運動はできないということでも……。
生田和平
120
○
生田委員長
官吏は一般的に
選挙
運動はできない。
淺沼稻次郎
121
○
淺沼委員
官吏たる地位を利用して、五箇月くらい前からや
つて
しまう。
生田和平
122
○
生田委員長
地位を利用して法を犯すのは別ですから……。
千賀康治
123
○千賀
委員
この問題は前の国会で、
選挙法改正
を地方行政
委員会
で取扱いまして、私はそのとき小
委員長
で、実は非常に困
つた
問題だ
つたの
です。一度はこれはむずかしいから小
委員
はやめようじやないか、この問題はやめようと除外にきめたのですが、そうすると、これは淺沼君なんかおられますが、運営
委員会
の方から何でもこれを決行せよということを強く
言つて
来られて、再び小
委員会
で取上げたのです。それで非常に困難ではあ
つたの
ですが、その案を持
つて
関係
方面に行
つた
ところが、一撃のもとにわれわれは撃退されて来ました。その理論としては大体官吏が次に当選したいために、よい官吏として幾らでも運動することはいいじやないか。その運動が
選挙
運動だ
つた
ら、幾らでも
選挙
運動取締りの方からやり玉にあげてしまえというようなことを強く主張せられたわけです。しかしあちらの方も存外話もよくわかるので、続いて何べんも同じ問題を押し返して行
つて
、やはりこれが日本の輿論だということになれば、話はわかり得ると思うですから、今回のこの
改正
も、
皆さん
が強くそういう意思を表示して行かれたら、だんだん道が近きにありと思うので、前回に撃退を受けたから今回もいけないということは必ずしもあたらぬと思います。そこで私も撃退を受けた一人でありましても、再びこれを取上げられるということならば、別に反対をするわけではありません。アメリカにおきましても各州がまちまちにな
つて
お
つて
、相当にある
期間
立候補をさせないという州もあると聞いております。それくらいでありますから、日本でこれを論議されることは別に行き過ぎでも何でもないと思います。
佐竹晴記
124
○
佐竹
(晴)
委員
この八十九條では、先ほど
留保
にな
つて
おる点をおつしや
つて
おられましたが、この
原案
をそのままに承認したということになれば、これによりますれば、第二項に「
地方公共団体
の
議会
の
議員
は
前項
の
規定
にかかわらず、在職中、
地方公共団体
の
議会
の
議員
の候補者となることができる。」と書いてある。従いまして
地方公共団体
の
議会
の
議員
は
地方公共団体
の
議会
の
議員
の候補者となることができるとありますから、そこでそれ以外のものはできないという趣旨にどうも
解釈
されますが、
留保
されるということになれば、これをそのまま承認しておきますと、
留保
という趣旨が抹殺されてしまうじやないか、この二項はそうでありますが、一項から行けば、「在職中、公職の候補者となることができない。但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。」一項ではま
つた
く自由なんです。一項によれば
参議院議員
がその在職中
衆議院議員
の候補者に立つこともできない、一項の
解釈
は当然そうなります。二項においては、今度は反対
解釈
でも
つて
、地方
議会
の
議員
が地方
議会
の
議員
の候補者となることができると書いてあるから、この反対
解釈
から行けば、それ以外のものは許さぬということになります。そこでこの八十九條の一項と二項とは、これはどうも小
委員会
の意向で修正したからこうな
つたの
だろうと思いますが、全然衝突をしておる。矛盾を来しておる。そうして
留保
されておるという趣旨がまた滅却されておる。この点について
法制局
の
事務
当局の御
意見
と、それから小
委員会
の御
意見
とを承
つて
おきたいと思います。
三浦義男
125
○
三浦参事
地方公共団体
の
議会
の
議員
につきましては、八十九條の第一項によりますれば、ただいま
佐竹
さんからお話がありました
通り
、いかなる公職の候補者となることもできないという禁止の制限を受けるわけであります。しかしながら現在
地方自治法
におきまして、
地方公共団体
の
議会
の
議員
が、
地方公共団体
の
議会
の
議員
、となるということを認めておるのでありまして、たとえば
市町村
の
議会
の
議員
が府県の
議会
の
議員
となるということはさしつかえないのでありますので、あまり第一項において広汎に禁止しますと、その点までも禁止
規定
が及びますので、
前項
の
規定
にかかわらずというようなことによりまして、第二項で
地方公共団体
の
議会
の
議員
についての特別の例外
規定
を置いた、こういうことがその趣旨でございます。従いまして
規定
の形式におきましては、「
前項
の
規定
にかかわらず」と第二項に
規定
してございますので、形式的な矛盾はあり得ないと思います。
佐竹晴記
126
○
佐竹
(晴)
委員
その点はよろしゆうございます。そうするとこの
原則
によれば、
衆議院議員
、
参議院議員
は、現職中でも
衆議院議員
、
参議院議員
に立候補ができる。このままこれを承認すればそういうことになりますね。
留保
ということにはならないわけですね。
生田和平
127
○
生田委員長
衆議院議員
、
参議院議員
は、現職中立候補できるのです。
佐竹晴記
128
○
佐竹
(晴)
委員
衆議院議員
が現職中に
参議院議員
になり、
参議院議員
が現職中に
衆議院議員
になるということになると、非常に問題である。そうい
つた
ことも
留保
されている範囲内じやございませんか、いわゆる
留保
ということは……。
三浦義男
129
○
三浦参事
ただいま
留保
になりました意味は、八十九の第一項の第二号の「及び
地方公共団体
の
議会
の
議員
」とありましたのを削
つた
わけであります。削りますと、
地方公共団体
の
議会
の
議員
は、現職のままで
衆議院議員
あるいは
参議院議員
に立候補ができないと、こういうことになりますが、その点につきましてはいろいろの御議論がありますので、それを
留保
する、かような意味だろうと解しております。 それから
衆議院議員
及び
参議院議員
につきましては、今日午前に御
審議
願いました
選挙
の
期日
のところの第三十一に
規定
してございますが、
衆議院議員
につきまして、新しく任期満了による総
選挙
を、任期満了前三十日以内に行うということに改めまして、現行の
衆議院
選挙法
の任期満了後に行うという建前をかえましたので、
衆議院議員
等につきましては、在職中
衆議院議員
に立候補する、こういう問題が起るわけであります。
淺沼稻次郎
130
○
淺沼委員
「單純な労務に雇用されている者。」こういうように書いてありますが、これは現実にはどういうような適用を受けるのですか。「單純な労務に雇用されている者。」の
解釈
ですね。たとえば、東京都なら東京都を一例にと
つて
みれば、電車の運転手あるいは車掌、こうい
つた
者は何も行政官でなくて、單なる労務の提供者であることは間違いない。それから衛生人夫、土木人夫とい
つた
者もそうですが、そういうような者は、法的にはどこで区別するのでしようか。
三浦義男
131
○
三浦参事
「單純な労務に雇用されている者。」という言葉の意味でありますが、これはか
つて
国家公務員法ができましたときの最初の
規定
にこういう文句があ
つた
わけであります。これの
解釈
につきましては多少の
疑義
がないとは言えないと思
つて
おりますが、ただいまお話がありましたような、東京都の都電の運転手なりあるいは車掌という者は、「單純な労務に雇用されている者。」には入らない、かように
考え
ております。ここにあげております「單純な労務に雇用されている者」は、ま
つた
く機械的な、しかもほんとうに職務の内容が、
自分
の意思を働かせてやるというようなそういう労務の内容に該当しない、機械的に動いておるというような労務者、かように一応
考え
ております。
淺沼稻次郎
132
○
淺沼委員
そうすると、具体的にはどういう労務者ですか。
三浦義男
133
○
三浦参事
たとえば、ある役所の小使と申しますか、そういうものに單純な労務に雇用されている者に該当すると思います。
淺沼稻次郎
134
○
淺沼委員
これは、国家公務員は
原則
として在職中は立てない。そうすると国家公務員法の適用を受けておる——まあ小使がはたして適用を受けておる
場所
があるかどうか知らぬが、
場所
によると国家公務員法の適用を受けておるものがあるかもしれぬ。その場合には除外例になるわけですか。
三浦義男
135
○
三浦参事
公務員法におきまして、最近公務員法の
原則
に基きまして政治的行為の制限の
規定
が置かれたりいたしましたし、なお公務員法の第百二條の二項に「職員は、公選による公職の候補者となることができない。」という
規定
がありますので、この八十九と公務員法との関連については、いろいろな問題もあり得ると思
つて
おりますが、一応八十九の
規定
は、この
選挙
基本法において
考え
ておりますところの
選挙
につきましては、そういうものも立候補し得るという
特例
を設けたのでありまして、その人がさらに公務員たる他の身分によりまして立候補の制限を公務員法によ
つて
受けるということは、またこれ別個の問題だと
考え
ております。
淺沼稻次郎
136
○
淺沼委員
そこでもう一つ尋ねておきますが「單純な労務に、雇用されている者」という中に、私が指摘した東京都の電車の従業員あるいは土木人夫あるいは衛生人夫、こうい
つた
ようなものは、單純な労務でないということが言われたわけですけれ
ども
、しかし実際から
考え
れば、何も行政の面を担当するのではなくして、單純な労務を提供することによ
つて
、それで賃金をもら
つて
おるのだから、そういうようなのは、いわゆる單純なる労務の提供者ということになるのです。そうでなくそれを監督する地位、あるいは行政を担当しておる者があれば、これは行政官という建前から公務員ということにもなろうと思うのです。それでなければこの條項を設けても、ほとんどこの適用を受けるものがないという結果になりはしないでしようか。かりにやり得るとしても、国家公務員法の適用を受ければ首にならなければならぬということがあるから、一体どつちに重きを置くかということが問題になるでしよう。そうすると、これが制定されれば、国家公務員法は適用されないということになるのですか。
三浦義男
137
○
三浦参事
一応
選挙
基本法におきましては、單純な労務に雇用されている者が、かりに国家公務員法に言いますところの職員であるといたしましても、それはこの八十九の特別
規定
によ
つて
例外的取扱いを受ける。従いまして公職の候補者となることができる、かようなことになるわけであります。この
選挙法
におきましては、もつぱらこの八十九においては特に立候補の問題を取上げておりますので、立候補の点につきましては、全般のこの
選挙法
の趣旨を勘案いたしまして、どの程度の人まで立候補の制限をすることが適当であるかという別個の
観点
から、規律をいたしてあるのでありまして、そういう点から見ますれば、單純な労務に、雇用されている者までも、候補者となることができないという制限をすることは、少し強過ぎはしないか、かように
考え
ております。
淺沼稻次郎
138
○
淺沼委員
私はこれに反対するものではないということを前提としてお聞きしておるので、それは御了承願いたいと思うのですが、そうなると、国家公務員法の
規定
においては、立候補することができないという
規定
にな
つて
おるが、これは立候補することができる。立候補することはできるが、
選挙
運動をやることはいけないということになりますか。
三浦義男
139
○
三浦参事
この法案におきまして
選挙
運動の制限をいたしておりますのは、特殊の人たちについて
規定
しておるのでありまして、單純な労務者等は、
選挙
運動ができるということになります。
選挙
運動につきましての
規定
は、百三十五と百三十六にあります。
淺沼稻次郎
140
○
淺沼委員
いやそうではなくて、單純なる労務に雇用されている者が立候補するということはよろしい。しかし立候補できれば自然に
選挙
運動をする。従
つて
選挙
運動が展開されるのだから、
選挙
運動が展開されれば、国家公務員法の適用を受けるという形になるのか。立候補ができれば、
選挙
運動も許されることになるのか。
三浦義男
141
○
三浦参事
單純な労務に雇用されている者は、立候補ができますので、この法案におきましては
選挙
運動もできる、かようなことになるわけであります。但し、その人が国家公務員法にいう職員である場合におきましては、百二條の一項によりまして政治的行為の制限による
選挙
運動の制限という適用を受けるかどうかは、別個の問題であろうと思います。
淺沼稻次郎
142
○
淺沼委員
職員ならざる單純なる労務に、雇用されている者があるでしよう。これは職員で單純な労務に雇用されている者の意味ではないのですか。これは国家公務員であ
つて
、單純な労務に雇用されている者は、立候補できるということじやないですか。
三浦義男
143
○
三浦参事
この八十九で
規定
しておりまする「国または
地方公共団体
の公務員」は、広い意味の公務員でありまして、国家公務員法におきまして、先ほ
ども
申しました百二條等の政治行為の制限を受けます者は、そのうちの一般職に属するものだけに限られるわけであります。従いまして特別職に属する者は入らない、ことに政治的行為の制限を受けないことになるわけです。たとえば、公務員法第二條の十三号によりますと、「連合国軍の需要に応じ、連合国軍のために労務に服する者」は特別職になるわけであります。これは広い意味においては、もちろん国家公務員法における公務員でありますけれ
ども
、特別職であれば政治的行為の制限を受けない、かようなことになりますので、必ずしも国家公務員法の一般職として立候補その他の政治的行為の制限を受けるというのとは、直接の関連があるとも限らないと思
つて
おります。
淺沼稻次郎
144
○
淺沼委員
そうすると案文
自体
が不明確です。そういう点がやつぱり明確にされなけれぱならぬ。今聞いておるように、公務員の性格の中には一般職と特別職があることは了承しますが、そうするとこの公務員の意味は、特別職のことだけを
規定
する、そうでもないでしよう。
三浦義男
145
○
三浦参事
そうでもございません。これは一般職と特別職とを含む、かようなことにな
つて
おります。たとえば、
衆議院議員
等は一般職ではございませんから特別職になります。ここにあげておりますのは、広く国または公共団体の職員で一般職、特別職を含んでおります。確かに淺沼さんのおつしやるように、多少の問題の点はあると思
つて
おります。従いまして三号の「單純な労務に雇用されている者」をここに掲げることがいいかどうかにつきましては、なおこの
委員会
において十分に御
審議
を願いましてけつこうだと思
つて
おります。
淺沼稻次郎
146
○
淺沼委員
私は「單純な労務に雇用されている者」というのは、あくまでも単純な労務で、行政面でない労務を提供することによ
つて
賃金をもら
つて
働いておる人、こういうことに
解釈
すべきである。それならば、たとえば郵便配達をや
つて
いる人が、はたしてあれが言われるような單純なる労務の提供者じやないかと言えば、郵便配達は單純なる労務の提供者であるに間違いない。しかもそれは国家公務員たることに間違いない。従
つて
この條文から行けば、郵便配達は立候補していいということになる。小使がかりに單純なる労務の提供者ということになれば、自然郵便配達であ
つて
も労務の提供者にな
つて
、彼も立候補していいという結論になる。だからそういう道を開くようにこしらえていただければけつこうだと思うのであります。
規定
はしたが、全然そういうふうな適用ができないというのでは困ります。
三浦義男
147
○
三浦参事
三号は單に労務に雇用されている者ということでなくて、「單純な労務」ということにさらに制限が加わ
つて
おるのでありまして、先ほど私が小使の例をあげましたが、これはあるいは適当でないのかもしれません。たとえば臨時的に一時ある山林
関係
なら山林
関係
におきまして人夫に雇う、こういうようなことが実際問題としてあり得ると思うのであります。農業
関係
等のそういう場合において、一時国との、雇用
関係
になりますれば、それは広い意味においての国の公務員というようなことになりまして、その適用を受けることになりますので、それらにまでこの制限を及ぼすことはどうかというので、ここで除外しましたのがその趣旨であります。
淺沼稻次郎
148
○
淺沼委員
それではこれをなるべく多くの人が立候補できるように、明確なる基礎を與えるように成文化していただきたいと思うのです。 それからもう一つは先ほ
ども
申し上げましたように、公選せられたる者の立候補ということも確保して、この中で二つの問題だけは議論を残しておいて、ほかの議論はいたしません。
藤枝泉介
149
○藤枝
委員
関連して——今の淺沼さんのお話を念のため確かめておきたいのでありますが、八十九の第一項の三号、これは国家公務員法の百二條を排除する意味ではないと法制部長はお
考え
でありますか。その点、結局国家公務員法の百二條で禁止されている者は、たといこれに該当する者でも立候補できないと
解釈
すべきなのか、それともこれで国家公務員法の百二條第二項を排除するつもりなのか、その点をひとつお伺いいたします。
三浦義男
150
○
三浦参事
その点に関しましては、先ほど申しました六十八の無効
投票
の問題の第一項の第二号とも関連いたすのでありまして、この
選挙法
の八十九において取扱
つて
おります問題は、こういう人が立候補ができる、従
つて
かりに公職の候補者となろうとする場合においては、その立候補の届出を受付けることができる、こういうことでありまして、六十八の第二号に書いてございますように、ここに該当しない者はその
投票
は無効となる、こういう意味を持
つて
来るわけであります。従いまして八十九の單純な労務者について例をとりますれば、その人は資格のある候補者とな
つて
立候補ができ、かりに
投票
が行われた場合において、その人に與えられた
投票
は有効の
投票
となるということを
選挙法
において
規定
しておるのでありまして、その人が公務員の身分によりまして、たとえば公務員法百二條の
規定
によ
つて
、公務員としての服務紀律に違反し、制限行為に違反して立候補したから、その人をどう処罰するかという問題は、この
選挙法
の規律するところではないだろうと思
つて
おります。従いましてその点に関しましては公務員法の規律に従う、かようなことになると思います。
藤枝泉介
151
○藤枝
委員
そういたしますと、国家公務員法の百二條の二項は、やはり公職の候補者となることができないと、こう
規定
しておるのでございますね。従
つて
この八十九條で、そのうちでも單純な労務に雇用されている公務員は立候補できるという形は、その百二條の二項を排除するというお
考え
と
解釈
してよろしゆうございますか。
三浦義男
152
○
三浦参事
さように
考え
ております。
佐竹晴記
153
○
佐竹
(晴)
委員
先ほどの八十九ですが、在職中公職の候補者となることができないと禁止をして、但し左の各号に掲げる公務員はこの限りでない。そこで
衆議院議員
と
参議院議員
は自由である。
参議院議員
が在職中に
衆議院議員
に立候補してもよろしいという
解釈
であるということをただいま承りました。そうするとこれによ
つて
立候補して当選いたしますと、次の章にあります百二によ
つて
、当選人の当選の
効力
は、前條第二項の
規定
による当選人の告示があ
つた
日から、生ずるということにな
つて
おけます。そこで今度百三で、もしそのときに兼職を禁止している職にある者は、「第百一の第二項の
規定
による当選の告知を受けた日から五日以内にその職を辞した旨の届出をしないときは、その当選を失う」とある。しかしその当選の
効力
を失う以前に、一応
効力
の生じておることは間違いない。ところが憲法四十八條には「何人も、同時に両議院の
議員
たることはできない。」と禁止してある。これは五日かそこらの問題ではありましようけれ
ども
、少くとも当選の
効力
を失うまでの間は憲法違反を犯したということになります。こういうことを肯定いたしますこういう
選挙法
をつくるということは、一体どうでしよう。これに対する
事務
当局の御
意見
を承
つて
おきたいと思います。
川口頼好
154
○
川口参事
ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。今仰せになりました五日間の猶予
期間
の問題でございますが、これは一方国会法によりまして、各議院の
議員
が他の議院の
議員
と
なつ
たら、同時に瞬間的に退職となるという
規定
を当然予想して書いたのでありまして、この五日間の問題は、実に一般的に
市町村
の問題とかいうことをおもに頭に置いて書いたものでございます。しかし今の理論を突き詰めて行けば、仰せの
通り
になるおそれもございます。
佐竹晴記
155
○
佐竹
(晴)
委員
一般的に書いておいてはぐあいが惡い、
衆議院議員
と
参議院議員
の兼職ができないものは、六十八條第二号の「公職の候補者でない者又は第八十七乃至第八十九の
規定
により公職の候補者となることができない者の氏名を記載したもの」というこれに一本にまとめて、最初から
衆議院議員
をやめなければ
参議院議員
の候補に立てないとか、あるいは少くとも当選の
効力
の生ずる以前に職を辞することを要する何らかの除外例がない限り、どうも矛盾して参りますが……。
川口頼好
156
○
川口参事
ちよつと補足いたします。今の理論を突き詰めますれば、八十九條において一般的に
衆議院議員
、
参議院議員
とあげませんで、一応二号から削りまして、任期満了前に
選挙
が行われる場合においては、当該議院の
議員
は現職のままで立候補ができる。つまり県知事のことは第二項に書いてございますが、これらと同じように扱いますれば、任期満了前でありますから、ほんものの
議員
にな
つて
いないわけでありますので、今のりくつは避け得ると思います。
佐竹晴記
157
○
佐竹
(晴)
委員
どうしても何かそこを明らかにしておかれる方がいいと私は思う。そうしないと、これは必ず問題にな
つて
来ると思います。
三浦義男
158
○
三浦参事
百三條の問題につきましては、今
川口
君からお話がありましたが、一般的に
規定
しておりますので、国会法の百八條に、各議院の
議員
が、他の議院の
議員
となりたるときは、退職者となるという
規定
がありますから、百三條の方で、この場合を除くほかというようなことで除外例をおくことによ
つて
カバーすればいかがでしようか。
佐竹晴記
159
○
佐竹
(晴)
委員
六十八條と関連させて、
衆議院議員
が
参議院議員
に立候補したときには、六十八條の第二号の
投票
の項で無効
投票
に入れるようにしてや
つた
方がはつきりすると思う。
生田和平
160
○
生田委員長
今御議論があ
つた
ように、はつきりするように字句の訂正をいたしますから御了承願いたい。
淺沼稻次郎
161
○
淺沼委員
初めからおらなくて今聞くのは惡いのでありますが、
衆議院議員
に在任中に立候補できるという
規定
に改めたその基本的な
考え
方、今までや
つて
来たことを急にかえなければならぬという基本的な
考え
方について伺いたい。
参議院
は半分残るのですから別ですけれ
ども
、
衆議院議員
に在任中に立候補をして
選挙
を行うということを
考え
たのは、どういうわけですか。
選挙
は任期満了後にやることにな
つて
お
つた
が、どういう理由でこのようにな
つたの
ですか。
三浦義男
162
○
三浦参事
新しい憲法によりまして、国会が国権の最高機関とな
つて
参りますと、
衆議院
の機能の活用ということが、非常に重要な意味を持
つて
来ると思うのであります。こういう重大な時期におきまして、できるだけ早く
衆議院
の構成を欠くことのないようにしたいというようなことから、任期満了前の
選挙
を認めたわけでありまして、それはまた他の一方から申しますと、
参議院
における緊急集会も緊急集会の
方法
によることをできるだけ避けて、両院が常にそろ
つた
上で国権の最高機関としての運用をやる方がよいであろうという
観点
から、かように
なつ
たわけであります。
淺沼稻次郎
163
○
淺沼委員
緊急集会——天災地変のときはおのずから別ですけれ
ども
、そうでなく緊急集会というものが一応予測されるときは、
選挙
が行われている過程において重大な問題が起きたときに、
参議院
に緊急集会をやる。これはこの前の第四国会において、
選挙
が行われるときに一体どうなるかということで非常に緊急集会の問題があ
つた
。従
つて
憲法の
解釈
及び憲法をつくるときには、やはり一ぺん
衆議院
の任期が終
つて
から
選挙
が行われるということが、その前提であ
つた
と思う。それを今そういうことがないようにかえた方がいいということで、おかえになるようですけれ
ども
、これも非常に私は議論があると思います。
三浦義男
164
○
三浦参事
その点は私ちよつと訂正いたしますが、緊急集会については、
衆議院
が解散されたときに
限つて
おりますから、任期満了による場合においての緊急集会は起り得ないと思
つて
おります。その点は先ほど申し上げました点を訂正しておきます。
生田和平
165
○
生田委員長
速記をとめて。 〔速記中止〕
生田和平
166
○
生田委員長
速記を始めてください。
栗山長次郎
167
○
栗山委員
第八十九の第一項第二号は全体として
留保
し、さらに研究することを要望いたします。それからもしできるならば今の
議題
にな
つて
おる章全体については賛否をお問いになり、それが決しましたならば本日は散会せられんことを望みます。
生田和平
168
○
生田委員長
ただいま栗山君の動議が出ましたので、第八十九の第一項の二号はこれを保留する、その他の問題は大体解決したと思いますが、さよう
決定
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
169
○
生田委員長
御
異議
なしと認めまして、さよう
決定
いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時一分散会