○加藤
説明員 この前
特別調達庁の
支拂いの
取扱いについて申し上げてお
つたのでございますが、その後今日までいろいろ
取扱い上改善したような点もございますので、この点を
お話申し上げたいと存じます、
特別調達庁の
支拂いの
遅延については、先刻來いろいろ
お話も出ておりまして、われわれまことに恐縮しておる次第でございますが、大体この
終戰処理費の
支拂いは、
一般の國内の普通の
官庁の
支拂いと非常に違つた
取扱いを命ぜられているとい点に
おいて、いろいろの
支拂い遅延の原困が多く出て参るのでにないかと思うのであります。昨年の十月の未でございましたか、少し
資料は古うございますが、
支拂い遅延の原因がどこにあるかということを
大蔵省が調達庁その他にお命じになりまして、一件百万円以上のものにつきまして、仕事がもう済んでおる。しかるにもかかわら代金の
支拂いがかないというものを全部調べたのでございます。その結果によりますと大体
支拂い遅延の問題が三つの問題にな
つたのでありまして、その一つに軍側のレシーテイング・オフイサー、いわゆる受領官でございますが、受領官が普通われわれがキイーヤーと称しております受取書をくれないというのが大体二九%占めておるのであります。それからいレシートをもらいましたけれども、
業者の方で請求の
手続をまだしてないというのが三九%ございまして、その
あとがいわゆる
官庁側が
支拂う
手続が遅れておる。あるいは
手続中であるというようなことで、
官庁側に
責任があると思われるものが、大体三〇・三%といつたような数字にな
つておりまして、この
状況は昨年の十月の末でありますけれども昨年度はこの
状況で進んで参つたと思うのであります。その後本年度に入りましてから、これらの点につきましてそれぞれできるだけの改善にいたして参
つたのでありますが、先ず軍側のレシートの発出が非常に遅いという点にきましては、具体的に八軍当局に申出まして、管下の受領官に対しまして、仕事が済んだならば、レシートを早く出すようにということを軍の方からも現地部隊に命令されておるのでございます。しかしながら現実の問題といたしますと、レシーテイグ・オフイサーも非常に
責任がありますので、そのレシートには詳細なる内訳を書くのでありますが、それを詳しくチエツクするあるいは品物を納めるような場合でも、納めるところの倉庫が指定にならぬために、なかなか
業者が納めることができないとか、あるいはできましても軍側の檢査に合格しないというようなことで、レシートをもらえないようなものが
相当あるようでございます。大体工事等につきましても最近は毎月レシートをくれるということにな
つておりますが、それがやはり
相当遅れまして、ものによりますと数箇月要するような場合もございます。ことに全國的にや
つております仕事をまとめて、東京のレシーテイグ・オフイサーがレシートを出すというような場合は非常に遅れて参りますので、こういう点につきましてはさらに軍側の方に要求いたしまして、早くレシートをもらうようにいたしたいと存じております。それからいよいよレシートが一とれますと、先日ほど申しましたように
業者側から請求書を出すわけでございますが、
進駐軍関係の仕事に初めから工事内容がはつきりいたしまして、その見積りによりまして入札をする。從
つてその落札によ
つて工事を引受けるというような仕事につきましては、今度法律の百七十一号の改正によりまして、
委員長 請求の際に内訳書をつくらなくてもよろしいということに相な
つたのでありますが、しかしこの法律は施行されてから有効でありまして、その前にできておりました契約については、從前の通り内訳をつけなければならないことにな
つておるのでおります。そんな
関係で現在この法律百七十一号の改正の効果がまだ本格的に現われて参
つておりせん。また仕事の性質上
予定價格を完全に見積ることができないで、結局仕事をやつた
あとにおきまして、その実費を精算して
支拂うというような仕事が
相当あるのであります。たとえて申しますると、向うの
進駐軍の家族住宅の修理、維持管理と申しておりますが、こういう仕事を考えますと、まず一箇月の間にどれだけの修繕料がいるかということはもちろん予想できないのでありまして、一箇月の間にたとえばガラスが割れたから直せとか、あるいはじゆうたんがいたんだから直せとかいうような個の軍側の作業命令によりまして、初めてその仕事をやるのでありまして、その仕事が一箇月まとま
つて、初めて何月分は幾らであつたというようなことになりますので、こういう場合はあらかじめ
金額をきめて
予定價格を立てて入札をするということには参りませんので、やはり実費精算式にやらなければならない。こういう仕事につきしては、法律百七十一号の適用による簡単な内訳書ということには参りませんので、全面的にこの法律百七十一号の改正の恩典に浴するような
取扱いができないという点が非常に多いのであります。こういう点も
特別調達庁といたしましては、なるべく法律百七十一号の適用を受けられるように方法を考えて着や
つておるのでありますが、現在まだ本格的に百七十一号の履行による
手続の簡素化ということが現われていないということを申し上げざるを得ない次第であります。
それから第三の
責任でありまする
官庁側の
取扱いの問題でありますが、これにつきましては
終戰処理費が
大蔵省の所管でありました
関係上、從来に毎月仕事の済んだもの等につきまして
資料を整えまして予算をもらう、その予算に上
つて初めて拂うというようなやり方でありましたので、從來は
相当遅延いたしたのであります。その後本年の二月になりまして
大蔵省の方からバルク・アロケーシヨンと申しておりますが、概括的に予算をいただきまして、各
支出官が概括的にいただいた予算でその
支拂請求がありました場合に拂
つて行くということになりまして、
相当改善されました。しかしその場合でも精算
支拂いのような場合には、やはり一件ごとの
関係書類をつけまして、
支拂いの承認を受けてからでないと
支拂えないというようなことでありまして、本庁支局からそれぞれ
書類をまとめて
大蔵省に持
つて行き、査定を受けて承認を受けるこういうような煩項なことでございましたが、本年度からこの
支出負担行為の認証制度が施行されましてからは、
支拂い予算というものが
相当大幅に融通のきくように、もら
つておりまするし、
支拂いの証認というような点につきましても、
大蔵省側ではもうその必要がないということにされましたので今後
支拂い上非常に簡便にな
つて参ると思うのであります。
大体こんな点がいろいろ改善されて参つた点でございますが、さらにこの八軍側の
終戰処理費よりの
支拂いにつきましていろいろむずかしい注文が出ておりまして、今後ますます
支拂い上の
手続を向うがうるさく
言つて來るというような
感じがいたすのであります。たとえば
支拂いましたときは
政府は必ず英文で書いた詳しい——ペイメント・データーと称しておりますが、
支拂いの明細書を英文で打たなければならないのであります。これは
業者の方につく
つてもらうのでありますが、
業者にとりましては法律百七十一号の内訳書と同じように、あるいはそれ以上に困難な問題でありまして、こういう点が
業者が
支拂請求書を出すのに遅れる一つの大きな原因じやないかと思うのでございます。また今まで前金拂いをいたしておつたものがあるのであります。これは会計の臨時特例によりまして、
進駐軍関係の仕事につきましては前金拂いができるようにな
つており、またスキャップ・イン一八七二号によりしてもこれを認めてお
つたのであります。最近軍側におきましてはそのレシートがないものに対しては拂
つてにいかぬという建前を強く
言つておりまする
関係上、前金拂いにつきましてもレシートをもらわなければならないというようなことを指示して参りまして、この点につきまして
特別調達庁から各契約者に対しまする前渡金の
支拂いの道が非常に制限されて來たというような点に、今後
支拂い促進上マイナスになるような趣旨でありまして、この点につきまして八軍にもよく日本経済の金詰りの
事情を話しまして、從來通り認めてもらいたいというふうにわれわれは考えておる次第であります。はなはだ簡単でございますが、その後の経過のおもなるものを申し上げた次第であります。