○
龜田参考人 同じく
日立製作所の
亀田でございます。
ただいま
佐藤部長から概略の
実状を申し
上げた次第でございますが、その結論と言いますか、それに関連しまして要望の二、三点を特に申し
上げまして、お願いしたいと存じます。
例を今の
運輸省にとります。ほかの
官廰も大体
運輸省の例で律せられるであろうと思いますので、
運輸省に例をと
つて申し
上げますと、
運輸省が今度
公社になりまして、
機構改革の結果、
資材局というものができました。その中に
準備課、
購買一課、
購買二課というふうにおわけになりましたのでございますが、大体
準備課というところで物品の
購買計画、それに関連する
資金計画、こういうものをお立てに
なつて、
車両とかあるいは起重機という
製品関係は第一課で
購入契約をされる。それから
電線とかあるいは土木
工事的な
工事関係は第二課で
契約されるというふうに
なつたのでございますが、
契約をされまして
品物を納める時期になりましても、
資材局としての
資金計画から言いますと、一
應わくをと
つてあるから
支拂いが可能であるというふうに
なつておりますが、実際金を扱
つております
総務局の
会計課の方に場は金がない。現に先月、先々
月等におきましても、これはまだ
公社になりませんで、
運輸省時代の話でございますけれども、
わくはあるのでありますが、金は
会計課の
手元まで来ていない。そういうことのために
資材局、つまり買う方と拂う方の
連繁がぴつたり行
つていないがために、金の
支拂いが遅れるという実情もしばしば起るのであります。これは省の
予算をおきめになるのは年間
契約でおきめになりますが、実際の
契約の方は四半期づつ、三箇月単位に仕切りまして
資金計画をお組みになるので、その実際の
計画と年間の
計画との間にずれがどうしても来るからではないかと思います。つまり省の常業収入としましては、年間にこれだけの収入があがるという
予定のもとにいろいろの
計画をお立てになりますけれども、それが第一・四半期の終りごろには、まだこれだけしか金がない。第二・四半期の終りにも、
計画はこう
なつておるけれど実際に金にこれだけしかないというふうな実情で、そのたびに納品しますメーカーとしましては、足げりを食わされることになるわけでございます。要望と申しますのは、そういう場合には、運輸大臣なりあるいは今度ですと
公社の総裁のカ力なりから、必ずいつ何日には
支拂いをるからという証明書をお出しに
なつて、それによ
つて民間、われわれの方がそれぞれの市中銀行に融資をお願いして、つなぎの
支拂いをしてい
ただく。融資をしてい
ただくという手段をと
つてい
ただければ、非常に
資金繰りずれが救済されはせぬか、そういう要望が
一つあるのでございます。これは省の方で、あるいは
公社の方でつなぎの立てかえなり、あるいは
鉄道公債等の方法で
資金の捻出がおできになるのであればそれに越したことはないのでありまするが、特別会計に
なつておりますので、一般会計の方でたとえば日銀に
政府預金の残が数百億ありましても、特別会計であるがために、一般会計の方から流用をして立替えることができない。また公債を発行するということも、今度の
予算の編成方針に從いまして、あの
わく以上のことはできないというふうな制肘がございますので、
公社あるいは
運輸省の方でそういうお立て替えをい
ただくことができれば
けつこうでございますが、できなければ、せめて
公社総裁あるいは運輸大臣等の証明をい
ただきまして、納品しましたメーカーの方で金融機関と折衝いたしまして、融資をしてい
ただくという方法を事務的に
一つの制度としてい
ただければ非常にありがたい、こういうふうに存じます。今までも一、二そういう場合に出くわしまして、具体的にお願いはいたしたのでござい1すが、
官廰といたしましてはそういう前例がないとか、あるいは規定がないとかということのために、趣旨として承認してもなかなか、実行に移してい
ただけない。事務的にこういうことも、当分
資金計画を実際の金のまわりぐあい等の一致しない間は、こういう方法によ
つて、融資の便宜をおはからい願いたいということでございます。
第二の要望事項は、もしこういうような
資金立替えと言いますか、融資の方法を設けてい
ただくことができないとしましたならば、
官廰の
支拂い遅延が
相当巨額に上りますときには、われわれの方から
官廰の方にお
拂いしなければならないお金、一番大きなものは税金でございますが、そういつた税金の
支拂いも、
政府のお
拂いがあるまでお待ち願いたいということを認めてい
ただきたい。これは方法としましては私どももあまりいいこととは考えておりませんが、民間でわれわれが努力いたしましても融資をい
ただけないときには、やはりそういう何らかの緩和策を講じてい
ただきませんと、参
つてしまうというのが実情でございますので、あまりいい方法とは思えませんが、第二段の策としてこういうこともお考えを願いたい、これが要望の第二であります。
もう
一つ第三番目といたしまして、たとえば
車両とかあるいは
相当大物の
機械品、もしくは
工事を伴うようなもので一年証以上の期間にまたがらなければ納められないというふうな大口のものに対しましては、国家
予算をお組みになりましたときに、
継続予算としてお考え願いたい年間
計画といたしましてお組み願いましても、その年だけで
あとが打切られることになりますと、しかか
つている。
品物が
あとの保証が與えられない。さらに考えれば、そういう来年にまでまたがるものを、はたしてどこまでや
つていいのかという不安を非常に伴うわけでございますので、あらかじめ二年、三年にわたるような大物の場合には、特に
継続予算としてお考願いたいということでございます。たとえば
車両につきましても、現在内示、とかいうものがございますのは、要するになるべく少く、なるべく早く納められるようにするためには、メーカーといたしましてもなるべく手すきのときを利用して少しずつ作業を進めておけば、安くまた必要な時期にそれができ上が
つて行くという長所を生かす」めに内示制度を活用しておられるのだろうと思いますので、こういつたことも、この年間
予算の範囲を越えるような
契約になります場合には、
予算のために打切られます。たとえば今回のように内示をしてあるけれども
予算に計上してないから
契約としてはできないのだというような場面に出つくわすわけでございます。こういつたように、
計画といたしましては前
年度から継続的に発注をされておいた方が御便宜であるもの、またメーカーといたしましても、そういうようなやり方でやつ方が早く、しかもやすくできる見込みのものは、やはりそういう制度を続けてい
ただいた方がお互いに得策ではないかと存じますので、そういう場合には
継続予算あるいは何か年間
予算、ポツンとしたもの以外に多少の考慮の余地を残してい
ただくような
予算の建て方をお願いしたい、こういう要望でごいます。
それから二十四
年度から
官廰発注のものは
競争入札ということになるようにかわつたのでございますが、
競争入札になりまして
契約いたしましても、メーカーといたしましては、
資金繰りの苦しさは決して今
年度から非常に楽になるというわけでございませんので、当分
資金状態の逼迫しております期間は
契約は
競争入札で
契約してい
ただきまして
けつこうでございますが、お
支拂いの方を納品があ
つて後伐に初めて金額の
支拂いをするという戦前のやり方でなしに、ある出来高に基準を置いて中間
支拂いをしてい
ただく。あるいは何十パーセントかまでの
前渡金の
支拂いを認めてい
ただくというふうな運営を、まだ規定されていないと存じますが続けて御実施願いたいと今後の発注に対しては要望しておきたいと思います。
以上は
運輸省に例をとりまして一般
官廰の発注につきましての要望を申し
上げたのでございますが、
鉱工品貿易公團、つまり輸出
関係の金融につきまして、一、二要望させてい
ただきたいと思います点は、
契約の期間が非常に短期のものはあまり問題ないのでざいますが、半年とか一年とか、
相当長期にわたります、たとえば
車両の輸出というふうな例をとりますと、半年あるいは、一年の
納期がなければ、
相当の量まとまつた
注文は納められないというのが実情でございますので、こういつた場合に貿手の割引の幅をもう少し広げてい
ただきたいということでございます。現在の例で行きますと、大体
納期の三箇月ぐらい前でございませんと、貿手を発行いたしましても、銀行は割引してもらえないことに
なつております。日銀等におきましては市中銀行が割引に應じないときには、再割引の方法を考えるから相談に持
つてこいと言われますけれども、
納期の三箇月以前よりももつと早ければ、そういう窓口も開かれていないのでございます。
相当長
納期にまたがりますような輸出
契約のものは、金額も
相当かさみますし、また素材、資材を手当てすることも
相当大がかりな用意もいりますので、準備に
相当の金がかかることは、短
納期の
契約品よりもむしろ長
納期の
契約品において特はなはだしいので、金融のつなぎは長
納期のものほど必要性が多いわけでございます。それでできましたら、たとえば半分くらいでき上つたときには、その進捗率によりまして八〇%とか、上あるは九〇%までの分は中間
拂いをしてい
ただくことをお願いしたいのでございます。この中間
拂いが認められますと、中間
拂いを見返りにして、その三箇月前に貿手を発行して割
つてい
ただくということができますので、事実上早めに貿手を振り出して融資を受けることができるようになるのでございますので、中間
拂いをぜひ長
納期の輸出
契約の面については認めてい
ただきたい。
それから第二点は貿易手形の割引でございますけれども、現在の実情で行きますと、一般運営
資金の借入金、あるいは國内の商業手形の割引と同列に貿手の割引が取扱われておる
状況でございます。輸出優先という名目から行きましても、ぜひ貿手の割引は一般運轉
資金の借入れあるいは商業手形の割引よりも優先してできれば
わく外で割引してい
ただきたい。特別に優先して金融の道を論じてい
ただきたいという点でございます。一般のバイヤー・ベースの場合には、こういうことはバイヤーとエキスポートの間できめるべきことでございますが、国家貿易の場合は必ず鉱工業品
貿易公團が介在するので、
國家貿易の場合はぜひこの点を
政府の方でお考え願いませんと、われわれと、バイヤーの側で任意に
契約してとりきめをするといふうなぐあいに参りません。でございますから
政府の方でぜひこの点をお考え願いまして、
國家貿易については國家の力でこういう道を講じてい
ただくことにお願いしたいと思います。これは一般的に規在困
つておるのでございますが、シツピングが外國の船でやられておりますので、
品物を大際納めも段取りが来ましても外國の船の都合によりましてシツビングが遅れることがしばしばございます。從
つてシツピングか遅れたために納品代の
支拂いが遅るということは、結局輸出の振興の大きな阻害に
なつているわけでございまして、この解決はなかなかむずかしいと思いますが、われわれといたしましてはとにかく納品代をもらうのはシツピングを完了してからでなければもらえないのであります。せつかく
納期までにでき上りましても、先様の都合でシツピングが二月、三月遅れて、その際
支拂いをい
ただくことになりますと、
契約の
納期を前提にして、あらかじめ貿手を割引いてもらいましたその融資が納品代を受取らないうちにに銀行に返済を迫られるという
立場に遭遇するのでございます。それでシツピングの
遅延によ
つて納品代の遅れた場合には、ぜひそれを証明する方法をとりまして、あらかじめ貿手を割
つてい
ただきまして融貸してい
ただきました銀行への返済もその期間だけ御猶予を願うというふうなことも、できますれば御配慮願いまして、御便宜をはか
つてい
ただきたい、たいへんいろいろ要望のみを申し
上げまして恐縮でございますが、目立つた点を最近の実例について申し
上げまして御
参考に供したいと思います。