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飯山説明員 最初に小松
委員の御
質問にお答えいたしたいと思います。
今回のキティ台風の被害が、特に関東
方面に甚大であつたことはお話の
通りであります。そうして伊豆牛島、静岡縣と神奈川縣が特に被害が甚大であつたということも、お話の
通りであります。しかし現在までに判明しておりまする被害の数字は、神奈川縣、静岡縣だけにとどま
つておりますので、水産庁からは資料課長と
沿岸漁業課長と二班にわけまして、資料課長が静岡、神奈川、
沿岸課長が千葉、東京、茨城、こういうふうに、見舞を兼ねて調査に出しておるのでありますが、本日帰
つて来ましたので、今調査の材料を集めております。
從つて現在詳細なる数字を申し上げかねるのでありますが、ただいままでに水産庁の手に入りました資料によりますると、静岡縣が先ほど約四億というお話がありましたが、私の方の数字では三億七千六百八十七万六千円という数字が出ております。それから神奈川の方は四億五百九十八万三千円という数字が出ております。そのうちやはり一番大きいのは漁港
関係でありまして、両方あわせて約六億二千五百万円という数字にな
つております。で、これが
対策いかんということでありますが、御
承知の
通り、災害
対策につきましては政府が一括してこれを立てるというような
考え方にな
つておるのでありまして、先般の九州を襲いましたあの六月のデラ台風に対しましては、預金部から約十一億三千万円の短期
資金と、それから公共
事業費として十二億万円の貸付、約二十三億三千万円というものを、政府が
資金の融通をはか
つておるのであります。それからヘスター台風のときには預金部から六億万円、ジユデイス台風の際にも同様六億万円、こういうふうに
資金は出してあります。しかもこれは預金部の短期
融資ということにな
つておるのであります。この額がどれだけ水産
方面に融通されたかということは、これを各府縣に分配して、これを知事の裁量において各産業にわけることにな
つておりますので、現在照会しておりますけれ
ども、まだ正確な数字が参
つておりません。しかしわれわれといたしましては、できるだけ水産係り及び知事に対して、水産
方面に対する高率の分配をやるようにということを要望しておるのであります。デラ台風の方は、水産
関係でも約二十億という被害を受けておりますので、かような少額な数字ではとうてい不可能ではないかと思いますが、しかし政府の財政の
関係で、これ以上の
対策ができなかつたことと思うのであります。小松
委員から、政府は応急
対策としてどうか、恒久
対策としてどうかというようにわけて御
意見があつたのでありますが、キティ台風に対しましては、資料が整わないために、水産庁としては、まとめて幾らということはいまだ、要求ができませんが、調査
理事が帰
つて参りましたから、一両日中に資料がまとまることと思いますので、それと、さらに各孫の報告をまとめまして、それに基いて、今まであつたところの台風のときのような預金部
資金の率、あるいは公共
事業費の増額というような線で、応急の
対策を進めて行きたいと考えております。
それから恒久
対策につきまして、今までの政府の工事が彌縫的であつた、ために、非常な損害をもたらしたであろうという御
意見はごもつともと思うのでありますが、全國の漁港を修築するといたしましても、百何箇所というものがあげられるのであります。これを二十箇所とか、あるいは十五箇所というようにすれば、確かに御
意見のようになるのでありますが、しかしわれわれといたしましては、全國からの要望がありますので、
重点的にある地方だけに主力を注ぐということは、
現状においては非常にむずかしいのでありまする
從つて予算が十分に許されるならば、できるだけ多数を完全にするということは当然でありますけれ
ども、今の公共
事業費の漁港に対するわけ前の程度におきましては、恒久
対策について、ただちに御
意見のようなふうにはなかなかしにくいと思いますけれ
ども、しかし結局は
國家としては非常な損失を招くことでありまするので、できるだけ御
意見のようになすべきものだと、われわれも考え薫るのであります。
それから漁港の方は、漁港
法案というものが各位の非常な御努力で、いずれ上程される運びになるのではないかと思いますが、大体重要な漁港は
國家が百パーセント持つべきものだという
見解を漁港
法案においても盛られておりまするが、われわれも重要漁港に対しては常にそういう要望をしておるのであります。しかしそれが今日四十パーセントとか、あるいは五十パーセントというような程度にな
つているのは、まことに遺憾な点もありますが、これらの増率あるいは百パーセント補助というようなことにつきましては、ぜひとも水産常任
委員、会各位の御協力御配慮を仰いで、そして一日も早く今御要望のありましたように、百パーセント國庫でこれを持つというふうにして行きたい、かように考えております。
それからもう
一つは
資材の特配でありますが、補給金とからんで、お話があつたと思います。
資材の配給につきましては、わくをただちに増大するということは、いろいろ
関係がありましてむずかしいのでありますが、われわれといたしましては、
從来の台風
対策としては繰上げ配給をやる。たとえば四・三のものを四・二にする。あるいは四・四のものを四・三にするというような行き方で、実際の取扱いはしておるわけであります。
從つて資材の方では九州
方面における災害は割合に早く遊んだのであります。今回も
もちろんそういう
方法で
資材の取扱いはいたすつもりでおります。ただ問題は、
資材の場合に代金支拂いの問題であります。
もちろん非常な被害をこうむ
つておる際でありますからして、
資金の非常に困難なこともわか
つておるのでありますが、これはわれわれといたしましては、先般きめられたいわゆる
漁業手形の
制度によ
つてこれをや
つてもらう。こういうふうな運びをいたしております。九州地方も現にそれでやつたのでありますので、今回も
資材の手当、
資金についてはさような
方法でや
つて行こう。こういう考えを持
つておるわけであります。
それから無償でできるというようなことになれば、これはまことにけつこうでありますが、これは非常にむずかしいので、今の無償でできない場合には、かりに補給金がなく
なつた場合には、補給金のあつた当時の価格で売るというわけでありますが、補給金につきましては、過般来当常任
委員長を初め、
委員各位で非常に御努力にな
つております。またわれわれも事務
当局として、
関係当局とはいろいろ折衝しておりますが、現在のところまだ補給金を切るという確定はいたしておりません。
從つてわれわれは現在は補給金は継続しておる。こういう
考え方で今いたしておるのであります。補給金の問題はまだ未解決なのでありまして、未解決の間は補給金は
從来通りもらう。こういうふうに私
どもは考えております。
從つて今後も補給金は少くとも年度内、できるならば新年度においてもというような
考え方で要望しておりますが、もし補給金が切られるような場合において、これを從前の価格ですえ置くというふうにするためには、支出の面がありますので、これをどういうふうな
資金をも
つてこれに充てるか、つまり財政
方面の政府としての
資金をいかにするかというような点については、今具体策を持
つておりませんが、しかしこういう御要望も出ておりますし、また当然のことでありますから、われわれとしては、何とか補給金の切れた場合は特段の
方法を講ずるようにいたしたいと考えております。大体小松
委員の御
質問にお答えしたと思います。
砂間委員の御
質問の中で、全額國庫補助ということは先ほど触れておきましたが、その次に漁船
資材を無償でというようなことでありましたが、ただいま申し上げた次第で、ひ
とつ御了承を願いたいのでありますが、ただ生産
資金、あるいは住宅、その他の水産業者の手当というようなものについての御要望もあつたのでありますが、住宅というようなことになれば厚生省
関係というようなことにもなり、あるいはものによ
つては建設省と
関係するところが多いと思いますので、これらの
関係方面と御意思に
從つて折衝を進めて、これが実現をいたすようにいたしたい。かように考えております。
それからこれは先ほど川村
委員の御
意見であつたかと思うのでありますが、私
どもも、実は毎年きま
つて来るところの被害なのでありますから、何とか水産にも恒久的な災害
対策の政策を立て、それによ
つて台風の被害の発生した場合には、即時活動ができるというように、機関と申しますか、機構を持つことが必要だと思うのであります。被害を受けてからいろいろ相談したり、折衝しておるということであれば、漁期を失する、時期を失するというおそれも多分にありますので、私
どももできるだけの資料の収集なり、そういう
方面に努力いたしますから、ぜひとも当
委員会においてそういう御検討を願いまして、具体化するように御援助願いたい。かように考えるのであります。