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川村委員 ただいま
水産長官の御
答弁にありました
通り、本問題はやはり過去の実績、慣習を織り込んで行かなければ解決ができないことは、私も同様と
考えておるのであります。そこで私は一言この問題に触れてみたいのでありますが、私は原則的には北海道に入漁させるということは大反対であります。しかしながら、ただいま
水産長官も言われました
通り、戰時中この機船底引漁ばかりでなく、北海道に許されておりますところの小型手操網
漁業のごときは、
違反をしておることを認めながらも、奬励金を交付してまでも、一も増産、二も増産とい
つて、食糧増産に寄與させたのであります。
從つてその当時の漁民たちは、自分の犠牲をも顧みず、あの
資材が困難な、資本がなか
つたときに、悪戦苦闘を続けて、勝たんがために、日本の食糧
事情を緩和せんがために、
漁業を継続して参
つたのであります。今や食糧はやや緩和されたといえとも、まだ日本の蛋白質給源は必ずしも万全を期しておるとは申されませんと同時に、この戰爭中増産に寄與して來ましたところの漁民を、このまま放置するわけには絶対参らないと私は思
つております。過去の日本でありますならば、いずこの
漁場に行
つても
漁業を
経営することもできますので、何らわれわれは苦痛を感ずることはありませんけれ
ども、敗戰の結果はラインが引かれて、それ以上出ることはできません。
從つてこのライン内で作業をさせて、
漁業者の経済も
生活権も保障して行かなければならないと同時に、日本の蛋白質の増産をしなければならぬという、痛しかゆしの現状であるのであります。がような自主的情勢、客観情勢からいたしまして、おそらくあの問題を何とか最善の方法で解決づけて行かなければ、とうてい漁民も納得しがたいのでありますが、その中に入
つておる
水産廳も、非常な苦痛な立場になるだろうと思いますし、また一方入漁を防止しておるところの道廳も、その中に入
つて非常に苦しいのではなかろうか、こうしたことを
考えるときにおきましては、私はいささか自分の態度がにぶるのでありまして、これを幾分か
許可をして、いわゆる過去を認めて行かなければならない、かように
考えるのであります。ところでただいたずらに前悔を繰返すようなことがあ
つてはかえ
つて紛優をかもすのでありますから、ここに私は
一つの意見を申し上げておきたいと思います。その文を読みます。
一、北海道の
水産資源特に底魚にし
て機船底引網
漁業及び小型操網漁
業(以下機底
漁業及小型
漁業と言
う)等にて漁獲する魚族を十分に
調査しそれに基き北海道の魚田開
発
計画を樹立すると共に前記
漁業
の操作
計画を樹立すること。
二、北海道内接属
漁業及小型
漁業の
左記諸棟の隘路を打開し生産の増
強を図り得られる様方法を講ずる
こと。
(一) 慨存の機底
漁業及小型
漁業の
トン数並に馬力等を増加するこ
と ’
(二) 慨存の小型漁家を調整統合す
る場合は或程度数の機底
漁業を
許可すること。
(三) 北海道内に居住を有する機底
漁業者の操業区域制度はこれを
撤廃し全道置沖合一円とすりこ
と。
(四) 終戦後北海道内に居住を有す
る
漁業者より機底
漁業の出願者
が相当数あ
つたはずであるから
固
漁業の操業に適当なる漁船を
有する適格
漁業者に或程度数を
許可すること。
(五) 同一
漁業区域内において他の
漁業と相剋摩擦を生じない様に
十分其処置を講ずること。
三、沿岸
漁業の振興を絶対に妨げな
い様十分なる方法を講ずることす
なわち
関係他方
漁村の繁殖保護施
設並に其他の
漁業施行等の資金を
何らかの方法にて援助すること等
その
一つである。
四、東北
関係各縣の機底
漁業無
許可
船はすみやかに処断するとともに
慨存の
許可船も整備を断行するこ
と。
五、東北各縣より入漁する機底
漁業
の隻数及区域等は厳重なる制限を
加えること。
六、北海道應並に
関係者縣應又に関
係
漁業者は操業の安全性を
確保す
るため侵略
漁業を防ぎ資源の繁殖
保護をはかりかつまた同
漁業を恒
久的に維持し増量に奇興せしむる
目的をも
つて適当なる監視船を相
当隻数
配給しその的を十分に達
成すること。
七、東北
関係の監視船が監視を怠り
無
許可船を北海道沖合に侵入せし
めまたは
許可船といえ
ども條件等
を破り道内の漁薬を混乱せしめた
る場合は
関係各縣の連帯責任にお
いて
違反者の
許可を取消すととも
に無
許可船に対しては断固たる処
理を講ずること。
以上であります。こうした意見をつ、け加えるおきますから、どうかこの意を十分にくんで解決あらんことを切に希望いたします。
それからもう
一つあります。さんまの漁期禁猟の問題でありますが、過般もこの問題について質問いたしましたところ、
水産廳次長から
答弁があ
つたのでありますが、あの漁期あるいは制限は、北海道並びに青森縣、若手縣は最も大きな打撃を受けるのではなかろうか。今無
許可船といんどむこうした條件のもとに緩和をしなければならない、解決をつけなければならないというときに、何を苦んで一体この禁猟の條件をつけなければならないか。私にこの機会にこそ過去の慣習にとらわれず、それを
許可せられて、
漁場の総合的高度利用ということの一面からいたしまして、さんま
漁業だけは何でと
つてもよるしいというように開放しなければならないと
考えますので、この二点について御
答弁を願いたいのであります。