○砂間
委員 日程第五三の
漁業法案に関する
公聽会開催の
請願外二件について申し上げす。まず最初の第一件についてでありますが、過日
國会に上程せられた
漁業法案は、今後のわが國の
漁業経営、漁村の民主化の方向に重大な要因となるべきものと思われますので、單にその審議を
國会内にとどめず、可能なる限り廣範囲の、全國各地の漁村におけるこの法案の
内容に対する
生産漁民の意見を開陳する機会を與えられる公聽会を開いていただきたいというのが
一つの
請願の趣旨であります。
次にもう
一つの
請願は、やはり同樣の趣旨でありますが、現在
國会で審議中の
漁業法案は、全國の漁民の將來の生活に非常に影響があります。そうして全國漁民はこれに深い関心を持
つておりまして、その
内容について十分に体驗に即した意見を述べる機会を得ることを痛切に望んでおるのであります。よ
つて左記によ
つてお取りはからいくださいますよう要望いたします。一、
國会の審議中に全國の主要な
漁業縣において、
漁業法に関する公聽会を開催していただきたい。二、右の公聽会には民主的
漁業團体、
漁業関係團体の代表を公述人として参加させていただきたいこと。
次に第三についてでありますが、これはかんてん原藻の統制撤廃反対の
請願であります。聞くところによりますと、
政府におきましてはかんてん原藻に関する統制を撤廃される準備中であるやに聞いておるのでありますが、現在の
状況におきまして、ただちにこの統制を撤廃することになりますと、このてん草の
生産漁民の生活に重大なる脅威を與えて行くことになるのであります。
漁業の中におきましても最も封建的
生産関係の強い原藻
生産の統制解除とともに問屋、仲買等の高利貸的商業資本の支配を助長いたしまして、漁民の利益と漁村秩序をはかる一連の
漁業関係法規改革の意図する精神に矛盾することになるのであります。また統制撤廃となりますと、採藻時期と原藻使用時期とのずれは徹底的にこれに拍手をかけまして、漁民はその全面的犠牲において
生産物を收奪される結果になります。また統制を解除されますと、加配米その他のリンク物資の配給がもらえなくなりまして、この面からも非常に
生産に支障を來すことになるのであります。それで、いましばらくの間ぜひ統制を続けて行
つてもらいたい。さらに原藻
生産者であるところの漁民に着業
資金を與えていただきたいということ、さらにかんてん原藻はこれをかんてんに
生産いたしまして、その
生産高の九割が輸出されているのでありますが、現在非常に賣れ行きが惡くて、ストツク品が堆積しておるのであります。これはメーカーの製品が惡いとかいろいろ事情がありますが、今後におきましては、單にかんてんばかりでなく、原藻の輸出ということも特に考慮していただきたというのがこの
請願の趣旨であります。
次に
日程第五四の
漁業制度改革に関する
請願でありますが、簡單に
内容について申し上げますと、第一は
漁業調整
委員会の経費を免許料に求めることに反対であるというのであります。元來行政費は税金、その他の一般会計によりまかなうべきでありまして、
漁業権の免許料のごとき特別收入によるべきではないと考えるのであります。漁民は税金を納めており、何ら特別の恩惠を受けておるわけではありません。行政費を免許料に含ませて徴收し、漁民の
経済的負担を過重させるという基礎の上に立つ
漁業法の
改正につきましては、漁民は一般に非常に困
つておるわけであります。
さらに第二点といたしましては、沿岸漁民を対象とする
金融制度を確立していただきたいということであります。この点詳しく申し上げますと、いろいろありますけれ
ども、大体
金融のことにつきましては、これまでいろいろ討議されて参りましたので、
内容の点につきましては省略いたします。第三点といたしましては沿岸漁民を対象とする
漁業保險
制度を確立していただきたいこと。第四番目といたしましては、
漁業権の凍結期間中、
漁業権の行使について協同組合の発言権を確立していただきたいことであります。
漁業法施行法案によりますと、新
漁業法施行後最大二箇年間現在の
漁業権は凍結されることになり、
漁業権の行使については依然その実権は資本家または漁村ボスに握られることになりますが、これでは民主的協同組合が成立しても協同組合の民主的経営は実現されません。このためには凍結期間中といえ
ども、
漁業権行使について協同組合が強力な発言権をもつことのできるような、法的
措置を講じていただくことが必要だと考えるのであります。以上が
漁業制度改革についての
請願の趣旨ででありますが、これは沿岸の零細漁民の切実なる要望であります。で、何とぞこの以上申し上げました
請願を御採択あらんことを希望いたします。