○砂間
委員 水産物の
統制について、いろいろな弊害や欠陷があるということは、私も認めております。しかし今すぐ
統制を撤廃するということについては、共産党は別の
見解を持
つておるわけであります。たとえば高級魚なんかは
統制を撤廃しましたけれども、しかし生産者の、実際たいやいろいろな魚をと
つておる人たちの賣渡し價格というものは、決してそういい値段では買われておらないのであります。そこはやはり
申請に立
つておる魚市場だとか、仲買いだとか、問屋だとか、こういう中間
機関が非常に権力を持
つていて、それが買いたたいて、そうして片方で賣るときには、非常に小賣價格を高く賣るという、いわゆる中間
機関の搾取が多い。この点やはり生産者は、資金の面において、あるいはいろいろな面において非常に力が弱い、そこに問題があるわけです。ですから、その方へ資金やなんかを十分に潤沢に供給してやるとか、あるいはせつかくつくり上げて来たところのこの
協同組合をもつと育成しまして、もつと強化して行く、こういう処置をとらずして、今ただちに
統制を撤廃するということについては、私は相当疑問を持つわけであります。それで、その
統制の問題に関連してお伺いしたい点は、寒天原藻の
統制の撤廃の問題であります。つまりてんぐさですが、聞くところによりますと、物價廰、安本におきましては、この寒天原藻の
統制を撤廃するという御意向があるそうですが、はたしてそういう意向があるかどうかという点をはつきりお伺いしたい。
それからこのてんぐさは今すでに採藻期に入
つておるわけですが、この場合、今すぐ
統制を撤廃され、そうして加配米、リンク物資も来ないということになれば、業者は非常に大きな混乱に陥るわけです。これにちようど石炭の場合、四千カロリー以下の石炭は、配給公團の扱いから除外するというのと同じ結果をもたらすものです。これはやはり賣行きが悪いとか、あるいは輸入品のストックが非常に激増しておるとかいうことが言われておるらしいのですけれども、これには日本の寒天の品質が粗悪であるとか、いろいろな点がありましよう。しかしそうだからとい
つて、たとえば中國との貿易というような方面に、輸出場所を開拓して行くならば、まだこの輸出の方面についても相当開拓の余地はある。それから原藻の捻出を許すという点について、
政府ではそういう原藻の輸出をする意向はないかどうか、これは外國バイヤー筋の
権威ある言によ
つても、日本
政府は原藻輸出を拒むならば、将来日本の寒天原藻はその特産物であるにもかかわらず、世界の市場から締出される結果を招くだろうというようなことを、ある外國の有力なバイヤーの
権威ある筋では言
つておるということを聞いておるのであります。こういう点からいたしましても、この寒天原藻の
統制を今ただちに撤廃するということに、てんぐさを採集する実際の
漁民にと
つて、非常に大きな打撃と混乱を與える。この問題をいろいろ論じて行くと長くなりますけれども、單に寒天原藻という点でありますから、また別の機会に申しあげることといたしまして、これだけお伺いしておきたいと思います。
それからもう一点は、加配米やリンク物資の問題でありますが、この点につきましては、過日森
農林大臣にも
質問いたしまして、そうして沿岸
漁民がリンク配給を受けておる点が、非常に不合理であるという点は大臣も認められた通りであります。たとえば二十トン以上の
漁船については基本配給をや
つておる。ところが零細な
漁民に対しては基本配給をやらない。なかんずく加配米は重大な問題である。今この沿岸の零細
漁業も加配米のために非常に大きな困難に陷
つておるわけです。これを安本や何かの方で聞くと、いろいろ理由があると思いますけれども、これに技術的にも決して困難なことではない。たとえば
漁船船員手帳というもの発行して、実際に定置なら定置に從事している
漁業労働者や
漁民に手帳をやる。そうして定置
許可をや
つて、
あとはどこへ行
つて働くというような
制度にすれば、加配米に決してこの
制度でできないことはないと思う。そして大きな資本に対しては基本配給をや
つておりながら、零細
漁民に対しては、加配米でも資材でもリンク
制度にしておる。これはまつたく
漁業の生産を不可能にさせるものです。せつかく沖へ出て行
つても、漁のことですから、とれない場合もある。しけを食う場合もある。にもかかわらず、魚をとらないから、配給しない、こんなむちやなことはない。こういう点についてに、ぜひ船員手帳をつくるなり、しかるべき技術的な
方法を講じまして、基本配給をや
つてやるというようにしていただきたいと思うのです。この寒天原藻の問題とただいまの基本配給の点について、もう一ぺんお伺いしたいと思います。