○阪田(泰)
政府委員 ただいま税金のことにつきまして、いろいろお尋ねがございましたが、実はこの
委員会の方から御連絡があ
つて、主計局の方に出て參れという話でありましたので、
所管の方は主税局の方でありますので、明確な責任おる御
答弁はいたしかねますが、一應
承知しております
程度のことを申し上げます。
漁業の税金につきましては数年間を平均したところでとれというようなことは、一應
お話を伺いますとごもつともな点もございますわけでありますが、御
承知のように先ほど前年度の実績によ
つて課税するとかいう仰せでありましたが、最近はさような形でありませんので、当年度の実績によ
つて予算課税をして行くというような建前をと
つております。それでさようなことに相なりましたのは、結局終戦後におきますいろいろの物價の変動、そのほか経済の実情は非常に変
つておりまして、前年度の実績によ
つて課税して行くというようなやり方では、経済の変化に対処しきれない。そういう事情がありまして、そういう
制度に変つたものと
承知いたしております。さような経過からいたしますと、今日におきまして数年間を平均したところを見て課税をきめて行くというやり方をとることは、
漁業自体の利益の増減というようなことのほかに、経済界の変動という要素も入
つて参ります。これは主税局の
関係の
当局の方にもよく話を傳えまして、
研究をしてもらおうと思いますが、実際問題としてなかなか至難ではあるまいかと
考えます。
のりの方の
物品税の
お話でありますが、これは実情を十分
承知いたしておりませんので、
関係の税務
当局の方に
お話をお傳えいたしまして、しかるべく御返事するようにいたしたいと思います。所得税の必要
経費として、自家労賃を引く、この問題でありますが、これは最近いろいろの税金が相当重くな
つてまいりましたので、そういうところも切実に感ぜられるようにな
つて参つたわけであります。
從來から自家労賃というものは営業損益の計算上
経費としていない、これは税法上の建前であります。これはもちろん勤労所得というものに対して税金がかか
つている。そういうふうな振合いからいたしましても、理論上は当然のことだろうと思いますが、ただ実際問題として最近税金の負担が相当重くな
つて來ているというような情勢からいたしまして、実際の課税面の上において相当考慮して行くというようなことが
研究せらるべきであると思います。詳細の点は私直接その方をや
つておりませんので、この際御
答弁いたしかねる次第であります。それから免税点の引上げ等についても
お話がございましたが、これはいろいろ新聞紙上等にも出ております。大体の経過は御存じのことと思いますが、前年度に比較いたしまして、今年度は物價の水準その他も変
つて來るわけでありますから、そのような点からいたしましても、免税点の引上げ、控除の引上げというようなことをはか
つて行くことは、あえて
漁業に限らず全般的に認められているところであります。ただそういう税法の改正をいたしまして、今日におきまして税収を減らすということは、九原則に示されました絶対に均衡を得た
予算をつくるという面から行きまして、今日におきましてはまだ無理である。そういう段階にあるというふうに
関係方面の強いいろいろな意向がございまして、今日におきましてはそういうことが
実現できるということは、われわれの方から申し上げかねる
立場にあるわけであります。これはしかし今日このまま問題が済んだわけではありません。今後十分に
研究いたしまして、今後の情勢に應じて何らかの税制の改正案等も
考えて行きたいと思
つております。