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飯山政府委員 ただいまの漁船保險の問題は、御説のように昨年
日本銀行から三千万円の
融資を受けて、ようやく支拂いをいたしたような状況であります。なお本年に入りましも、
日本銀行の借入の点を折衝いたしたのでありまするが、最近は
融資と財政と申しますか、そういう
関係は明確にされておりますので、容易にこれが
融資できないのであります。その結果保險金の支拂いが遅れておるといことは御説の
通りであります。その
一つの原因は料金が安かつたということであります。もう
一つは、昨年はリビーとかアイオンとかいうような非常な台風があ
つて、近年になく災害が多か
つたのであります。つまり災害事故が非常に多かつた。そのために拂
出しの
金額が非常に激増したということも
一つの原因に
なつておるのであります。いずれにしましても、損害を受けたところの漁船に対して、
國家関係においてこれがかなり遅れるというような点は、まことにこれは遺憾、またわれわれの責任を感ずる点であります。しかし先ほど査定漏れがあるというような話をちよつと伺いましたが、これはあるいは
鈴木委員が岩手縣における
一つの事実をとられたのではないかと判断いたすのでありますが、あの件については、実はある漁獲物運搬船が、リンゴを大半積んで運搬しておつた。そのために岩手縣の沖で沈没した。その船はきわめて老朽の船であ
つて、漁船保險組合が八百万円の査定をした。ところが実際はその船は、私
どものうわさに聞くところによれば、あるいは故意にそういう事態を起したんじやないかというふうにすら、これは現場の人々から私
どもの耳にも入
つておるのであります。これは四百万円を先拂いしましたけれ
ども、あとの四百万円について問題が起
つたのであります。これは決して
水産廳の漁船保險課といたしましては、金が拂えないから、財政がないから、故意にそういう不当なことをいたすというような
考えは、あ
つてもなりませんし、毛頭
考えておりません。懸案に
なつておることだけは事実でありますが、
事情はさようなわけであります。今後漁船保險をいかにするかという点については、実は
関係方面において相当問題に
なつておるのであります。かような保險は民間に移してやれ、
國家がこういうことをやつちやいかんじやないかというような強い指示があるのであります。しかしながら現状から見まして、小型の漁船は保險会社ではこれを取上げないのであります。先ほど
零細漁民の
金融の問題もありましたが、それを助長する意味におきましても、小型漁船はどうしても
國家的な見地から保險は持続しなければならぬ問題だと
考えております。しかし一面においてはさような
考えがあるために、日銀
当局においても、この貸出を非常にしぶるというような実情があるのであります。しかし料金も実は最近改正しまして、この借入は支拂うことに
なつております。ところが料金がまた一面から見ると、少し高過ぎるという批判も受けておるのでありますが、しかしわれわれといたしましては、できるだけ小型船の健全な
漁業の行われるようなためには絶対必要だ。こういう
考えのもとに目下これが
対策を練
つておるような次第であります。