○松井(政)
委員 時間がありませんので、きわめて簡單に要点だけを申し
上げて、お答えを願いたいと思います。ただいままで各
委員の
質問に対しまして、
大臣が親切な答弁をされていることにつきまして、私は非常に感謝いたしております。そこで第一の問題は、前回及び前々回の
商工委員会におきまして、
通産省の事務当局から
大臣の答弁に至るまで、
公團を
廃止するときにはいわゆるつなぎ金融の
措置の問題、失業の問題及び
貯炭処理の問題、それから來る價格の競争の問題に対する混乱の起きないような万全の処置をして
公團を
廃止したい、こういう全部の御意見だ
つたと記憶いたしております。それが九月十五日に
廃止するということになりして、本日の
委員会におきまして
大蔵大臣まで
出席を
願つて、
金融措置に対する御答弁も承
つたのでありますが、その当時おつしや
つたように、まだ
整備が完全にできていないと解釈しなければならないのでのります。從いまして
準備ができなければ、前々回の
商工委員会におきましては、九月三十日になりましても十月にな
つても、
公團の事務を継続する
考え方だとまで、われわれ御答弁を
願つて記憶いたしているのであります。從いましてこの問題につきまして、もし
準備ができなくとも、九月の十五日にやるとすれば、それに対するいろいろの御答弁をお伺いしましたが、
準備のできない部分がかなり多いように
考えますので、この点について前及びその前の
商工委員会において御答弁なさ
つたごとく、
準備の万全が期せられるかどうかという点について一点お答えを願います。
第二点は
資金の問題でありますが、前回の
商工委員会には、事務当局からは百六十億
程度の
資金が必要であり、その見通しは大体つくように思われるという答弁をいただいておるのであります。さらにまたこの
資金の問題につきまして、主として
中小炭鉱にいわゆる
つなぎ資金がなければ困るので、その
方面にめんどうを見なければならないように、
大臣もおつしや
つたように記憶をいたしておるのであります。そういたしますと、本日の池田
大蔵大臣の答弁は、まだそのときにな
つてみてから金融というものは段取りするのであ
つて、今から想定のもとにそういうことはやれないというお
考えであ
つたのでありますが、そのいろいろ問題がありましたときに、
通産省の
大臣の方で
安本、大蔵及び通産
関係の
政府の
考え方を全部統一いたしまして、先ほど申し
上げました
資金及びその他の混乱の起きないように、
対策の万全を期したいということに相な
つてお
つたのであります。本日
大蔵大臣がお見えになりましたから御答弁願いたいのでありますが、本日の
大蔵大臣の御答弁だと、商工
関係の当局の
方々が見通しも百六十億、二百億を予定して、つなぎ金融の
措置を講ずる
考え方であり、そのために努力しており、大体見通しはついたという答弁に対して、本日
大蔵大臣からはそのときにな
つて準備をする、しかしできるだけそういう混乱のないようにしたいという
程度の答弁しか、いただかなか
つたのであります。そうしますと、九月の十五日を控えて、ただいまのところ
準備がないという解釈にも相なりますので、この点大藏
関係と通産
関係のいろいろな食い違いがあるのか。同じであるが現在のところそういう
考え方であるのか。これを明瞭にお答え願いたいと
考えております。
次に第三番目でありますが、これは低品位
炭鉱に対しまして、ただいままでの
石炭の價格は御
承知の
通りプールの
関係、いろいろな
状態におきまして、
政府からの補助が行われておるのであります。從いましてこれが價格も
公團買
上げも
廃止されますと、常磐及び宇部の中小品位
炭鉱におきましては、一トンについて現在の山元で
公團が買い
上げている値段よりも、
公團が現在賣
つている價格でよいならば、自賣をしても六百円、七百円、多い所で九百円から値段が下るのであります。そういう形が起ります場合に、ことに
中小炭鉱は両手をあげて、
経営者みずからつぶれなければならないということに追い込まれることは必至であります。というのは、御
承知の
通りその事柄は
炭鉱全体に大きく響くのであります。たとえば今日
石炭を
公團が買い
上げている山元價格が二千七百円の
石炭だといたしますと、今度はその
石炭が自賣をいたしますと、
公團が
需要者に販賣をしている價格で賣りましても、二千円にしか賣れないという例が出て承るのであります。そうすると一トンで七百円の
石炭の値段が下がるということに、二百人で千七百トンか二千トンしか掘
つてないところの收入がきわめて減るのであります。そこで自主自立の事業
経営をやろうといたしますと、必然的に労働者の賃金を四〇%下げるか、五〇%下げるか、さもなくば首切りを行
つて少数の人に労働強化をさせて、
從來の
石炭を維持するかという二つの道しかないことになります。そういたしますと、何とか金融
関係のつなぎもつけて、高カロリーの
石炭を掘
つている
炭鉱と、低品位
炭鉱を掘
つている労働者が、より苦労しながら切羽に働いておりましても、生活不可能な低賃金で働かなければならないという混乱が起きて参り、ひいては
経営者が手をあげたために失
業者が出る、こういうことになるのでありますが、この問題についての具体的な善後策がございましたら、通産
関係の
稻垣大臣からお答えが願いたいと
考えております。
第四番目でありますが、これに前回の
商工委員会におきまして、生産局長は
中小炭鉱の六・七%はつぶれるであろうと思われる。それに対する失業の予定が三万から三万五千であると明瞭に答えております。速記録を見ればわかるのでありますが、そうすると六・七%、これを七%といたしまして、一箇月三百万トンといたしましても二十万トンからの生産
炭鉱が参る。それによ
つて三万から三万五千の者が失業するということの数字が、明瞭に出ておるのであります。これをつぶさないようにやはりもり立てて行かなければならないということに、この前次官からの御答弁でもお伺いいたしております。しかし生産局長はその
程度はつぶれて行くだろうということは明瞭に言わた。
從つてこの点につきましてもしそういうことになりますれば、もし一〇%だということになればトン数にして三十万トン、失
業者の数がそれに加えられまして四万五千、こういうことに相なります。そういうような具体的なことを事務当局に発表しておるのでありますが、
大臣としてこの問題に対して、その
通りであるのか、それとも六・七%という数字の根絶が生産局長の場合どこから出て來たのか、これを明瞭にお伺いしたいのであります。なぜかなれば二十万トンといたしますと、一番影響をこうむるところに中小低品位
炭鉱でありまして、宇部十万トン、常磐十万トンがかりに影響があるということになりますと、これは
炭鉱数にしても、常磐の
中小炭鉱六、七十がつぶれて行かなければならないことに相なるのであります。これに非常に重要でありますから、どこを根拠にして、どの地域を根拠にして六・七%がつぶれるであろうという数字が出たか。これをひ
とつ明瞭にお答えが願いたいと
考えております。大体ただいま申し
上げた四つの点についてお願いを申し
上げます。