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宮幡説明員 川上
委員のお尋ねは事務当局の御要求でありますが、こまかい問題は事務当局にお答えさせますが、大体承
つておりますと、御
意見にわたる点が多いので、あるいはこれに対してお答えをするということの方が不適当ではなかろうかともおもうのであります。しかしお
言葉の中に全國民大衆の声であ
つて、あるいは川上
委員のお声でないというような
言葉もありますし、民主自由党の屋台骨がゆるむであろうという
言葉や、あるいはこれは政治でないというお
言葉、これはもちろん御
意見であると
考えております。
政府はどう
考えるかというだめ押し的な御
意見もありますので、その点についてちよつと申し上げます。
一般物資の
生産計画がくずれる、こういうことで
計画生産という
言葉が妥当であるかどうかということは、第一番の議論から生まれて來ることになるのでありますが、現在よいとか悪いとかの批判はしばらくおくといたしまして、ドツジ・ラインによります均衝予算で強行しております現在の
状態において、最大のねらいは
早期の
経済の安定であり、自立であり、
國際経済への参加である。この面から申しますと、ドツジ・ラインの以前に立てました
計画というものは
相当糧がかわ
つて來るであろう。川上
委員の仰せられまする
生産計画はくずれるという見方は、こういう
意味においては当
つているのではなかろうかと
考えております。それから炭價の撤廃につきましても非常な暴落を來すであろう、こういうことが先ほど事務当局への御質問によ
つても、ダンピングの問題を取上げて、ダンピングによ
つて中小企業が倒れるであろう、あるいは大
炭鉱は必ず炭價の協定をするであろう、こういうような
お話もあ
つたのでありますが、
石炭というものの
需給関係は、私が申し上げるまでもなく、戦前の平時
経済の時をごらんくださればわかりますように、
石炭は輸送距離というものが、そんなに二百キロも三百キロも伸びておりません。平均輸送距離というものが、
石炭の
需給の事情を鮮明に物語
つておるわけであります。
從つてその地区に最も有利な所に自然にさばかれるべき現象こそ尊ぶべきであり、またそれが自然の姿であると
考えておりますので、北海道にある山と九州にある山とがダンピングによ
つて、相剋摩擦によ
つて、一方が倒れるであろうということは御
意見としては拝聽いたし、さようなことのないように十分警戒をいたしまして諸施策を講じて参りたいと思いますが、一應こちらとしては戦前の
石炭輸送距離等を勘案いたしますと、
石炭のおよその
需給範囲というものは、自然のうちに限定されておるのではなかろうか、かように
考えておるわけであります。
それから二千四百万トン
計画がくずれる問題でありますが、これは
政府の表明が力弱くして御理解をいただけないことは遺憾でありますが、四千二百万トンの
生産は逹成できる確信的なお答えを大臣も申しておりますし、この
委員会においてもときどき申しておるわけでありますので、この点はぜひ御了解をいただきたいと思います。
また賃金体系がくずれる。これは低賃金になるので、賃金ベースというような問題ではない。私
どもに労働強化、あるいは労働の搾取という面から低賃金になることを絶対
希望していないものであります。また民主自由党内閣としてもさように
考えているのであります。名目的な高賃金よりも、実質が多くなる体系になりますと、われわれは喜んで低賃金の方に賛意を表せざるを得ないことはよくおわかりと思います。名目的な高賃金よりは、実質
資金の増大いたします低賃金、それこそ
経済の
早期安定、
早期自立への道であろうと
考えているのであります。
それから賃金の方が結論が出ておらないという
言葉は、
中小企業に対するものがないではないか。
中小企業と申されたのは
中小炭鉱の
意味か、あるいは全般的な
中小企業の
意味かちよつとわかりかねますが、一應小企業ということでありますから、さような面についてお答えをいたします。これこそ具体的に申し上げなければ、川上
委員の御性格といたしまして御納得いただけないわけであります。
中小企業の
資金が少しも出ないというおしかりをこの
委員会でも受けて参りましたが、幸いにいたしましていろいろ苦心の結果におきまして、ただいま農林五
公團に対しまして預金部
資金が増高しておりますし、その
増加の
資金を利用いたしまして九十億の融資をいたしました。そして九十億の融資の中から四十一億四千万円の復金價を償還させて、四十一億四千万円のうち四分の三に当ります約三十億円をもちまして、これを
中小企業の急を救います融資に充当しますことの了解が、昨日ようやく
関係筋の方から得られました。これも第五國会終了直後より、來ります金詰まり対策といたしまして、始終一貫
努力をいたして参りまして、ようやくにしてこの段階に参りました。また現在や
つておりますのが、復興金融金庫で持
つておりまする債権のうち優良なもの約百億円を目途といたしまして、市中銀行に肩かわりをいただきました。これによ
つて得られます所要の
資金をやはり
中小企業の
資金といたしまして運営し、おおむね三分の一を限度といたします
政府保障制度、もちろんこれらについては立法的
措置も必要であろうと思いますが、さようなことによりまして貸澁
つております銀行、川上さんのお
言葉を拝借するならば金融資本家の臆病さが、金融資本家の独占的な
考えが、そういうような
意味で貸澁
つているものを打開いたしまして、極力
中小企業の
資金繰りを円滑にいたすように処理いたし、これから求められますところの
有効需要によりまして、ぜひとも全面
産業に恐慌が生じないような方途に進みたくただいまや
つております。
中小企業の金融につきましても、ただいま申し上げたように順次段階はとり運びまして、ただいまではすでに実現の
態勢にな
つております。
從來十二億五千万の融資の面も二十五億に拡張し、現在では十四億の貸出しをいたしております。先ほど個々に檢討するという答えでは満足できないというおしかりもありましたけれ
ども、一應現存のこととしては差迫
つたものを個々に解決して行く、かようなことで工場事業場等の診断もいたしまして、八月十日をも
つて締切りまして、さらに一應全面的に
資金の檢討をいたしまして、
中小企業を中心といたします
資金繰りその他の悩みを解決するのに、必死の
努力をいたしたいと
考えておりますので、ぜひ御了承いただきたいと思います。
配炭公團の
廃止を單も
貯炭の
増加だけにと
つているのではないかということは、これまたいささか見解の
相違であり、
配炭公團の
廃止はとつくにきま
つているが、
貯炭の
増加に便乗しているのではないかというふうに私は承
つたのでありますが、
配炭公團というものが、先ほ
ども不正とか
損失とかいう御指摘がありましたように、
配炭公團を存続する意義それ自体がなく
なつたのではなかろうか。それで区々たる
貯炭の
増加とか、あるいはそれらの
言葉は、現在差迫
つた配炭公團を
廃止する場合においてどうなるのだ、
貯炭は凍結するのかどうするのだというような
言葉から出て來たのでありまして、
貯炭の
増加ということそれ自身が
配炭公團を
廃止すべきものでなくて、すでに現在の情勢におきまして、
石炭の
需給バランスその他
一般の
産業との均衝
状態を
考えまして、もはや
配炭公團を設けて
統制経済を存置する必要がないと、かように認めておるのが
政府の見解であることを御了承いただきたいと思います。
その他の点につきまして事務当局からお答えすることがございましたならば、再質問の形でも
けつこうでありますから、持
つております資料だけは
委員会の席でも率直に申し上げますから、どうぞお尋ねをいただきたいと思います。