○
福田(昌)
委員 先ほど
田代委員の
質問でいろいろ問題が起こりましたが、要する
ところ、
災害復旧に対しての御熱心のあまりであろうと存ずるのであります。また
政府当局の御答弁によりましても、わずかにこの緊急
対策が十億であるということに、だれが聞いても納得の行かない点でありますが、これも現下の日本の情勢、またほんの
應急処置であるという観点からいたしまして、一應諒といたしますが、とにかく私は治山治水というものは最も日本の國にと
つての大きな問題であろうと考えます。國は破れても山河ありということが昔は言われておりましたが、こういような調子で参りますと、國が破れた上にしかも山河を失うというようなことにまで至らないかを心配するのであります。
從つてせめて残された山河を私
たちの手で守るということは、当然の國民の責務であろうと思う。
從つて治山治水に対します
ところの
委員会は、この
委員会の総意でもありましようが、ますます熱心に根本的な
対策に向
つて討議されなければならない問題であろうと思います。
從つて今後の
対策については、
政府当局も御熱心な惜置があろうと思いますが、私といたしましては、
希望條件を二、三述べさしていただきたいと存じます。
日本の天災地変は、日本國民にと
つてはま
つたく日常の茶飯事にな
つておりますが、このような天災地変はおそらくは諸外國の方には納得の行かない
ところだろうと思います。
從つて災害復旧費公共事業費というものは、日本には諸外國とは比べものにならぬほどの多くの
予算が要る、このことに対しましては
政府当局が
関係当局に対して、十分御了解の行くような完全なる御
説明がなければならないと思うのであります。先ほどの十億云々の点がその筋の命令であ
つたというようなお言葉を聞いたのでありますが、これは今日の
状態としては当然でありましようけれども、その
説明のいかん、また
政府当局としての御熱心のいかんにこの
関係筋の考えに変更を來すことができるわけでありますから、その点十分なお考えのもとに御
処置あらんことを切望するものであります。
また私どもは素人でありますが、あの
災害地を見せていただきまして、農村の人々が繰返し繰返し起されたあの天災にもめげず
努力しておる姿を見て、ま
つたく涙なくして見ることができなか
つたのであります。ただいまの情勢から見まして、
政府当局の今日のやり方は、いかにも不満であります。從いまして私どもは今後積極的に
政府当局にと
つていただきたい
処置について
希望を申し述べたいと思います。
第一にこの
予算の割当でありますが、各
地方に向
つて総花的の
予算の割当ということは私といたしましては不満とする点であります。日本は緯度経度の点におきまして、また地質的に画一的なものを持
つておりません。そういう國土の
ところにおきましては天災地変も、また変
つた特徴を持
つた何と申しますか
破壊現象が行われるわけであります。
從つてこの
土木復旧事業にいたしましても、同じ金額をもちましては必らずしも同一量の
仕事はできないということが言えるわけでありますから、そうい
つた地質的な面を考え合せまして、各縣に同一
程度の総花的な
予算の割当は今後とも十分お考えをいただきたいと思うのであります。またその土地柄、ことに地質的な
関係を十分学問的に御研究の上におきまして、先ほど
床次委員がおつしや
つておりましたように、他の方面にわた
つての余波的な影響も考慮いたしまして、十分完全な
対策を講じていただきたいと思うわけであります。
それから申すまでもなく配付税の減額に、
地方負担の過重とな
つて、今日の
應急対策においても非常な不
都合を来しておりますから、
地方配付税の減額に対しても早急な御配慮をいただきたい。また
被害人に対する
ところ生活保護法によります生活援助も早急に果敢な政策をと
つていただきたいと私は思うのであります。ここは当然
被害を受けるから立ちわかねばならぬということを村の役人なりから聞いておりましても、結局立ちのくための費用もない、また立ちのく家もないので、みすみす
被害を受けたというようなことも
現地において聞いたのであります。そういう立ちのきにしても、あるいは生活のある
程度の保護にしましても、そういう
予防的な援助が與えられでお
つたならば、人的な
被害、また家屋の
被害も少くて済んだのでないかと考えられましたので、これらについて十分なる
措置をと
つていただきたい。もう
一つは、測候所が定員法によ
つて定員が減らされました。従
つて、天気予報がまことに不完全である。そういう
意味でも天災を
予防することができなか
つたということを地元においてよく聞いた問題であります。これは
災害復旧とは直接の
関係はないかもしれませんが、
予防する上において測候所の縮小ということは大きい問題であろうと存じます。こういう天災地変に対して、測候所を画一的に定員法によ
つて制限することは私はとんでもないと考えるのであります。この点についても
政府の適当なる御配慮をお願いいたします。
それから衛生方面の
報告ですが、
政府当局から今日衛生方面の
報告があると思
つてお待ちしおりましたが、何らございません。しかし
現地に行
つて聞いてみますと、破傷風にかか
つたとか赤痢患者が出たといことを聞いたのであります。
宮崎縣の某保健所においては取扱
つている患者が二十数名出ていると開いた、にもかかわらず厚生当局から何らそういう
災害地につきものの流行病に対する
措置についての何らの御
説明を聞かなか
つたのであります。今日
地方におきましては保健所というものは
機動性を持
つていないのが
一つの欠点でありますが、ことにこうい
つた災害を受けた場合においては、その
機動性のない点がますますはつきり悪い結果とな
つて現われて来るのでありまして、こういうものはせめて
災害の場合においては
政府当局の特別の
措置がとられなければならないと考えます。いずれにいたしましても、私は治山治水に対しましては、ほんの補強
工事ではなく、もつと根本的な大きな
対策のもとに、日本の山河を守るという
対策が打ち立てられなければならぬものであろうと考えるのであります。