○多田證人 その日の模様を申し上げましよう。今申し上げました陳情等はさように変更いたしたのでありますが、その日の当初から——その日は実は前の定例の
市会である議員より発案されました、私
どもも長いこと、四年目の選挙に当選いたしました際に、記念撮影をしてお
つたのであります。二十二年の当初には、いろいろな事情でできなか
つた。六月定例
市会に写すということに約束いたしておりました。私の名前をも
つて各議員に通達をいたしておきましたので、それを市長提案といたしまして、その準備にかか
つたのであります。そのころから傍聽席騒然として、さようななまぬるいことはなかろうというような罵詈雜言がございまして、それはそのままにいたしまして、予定の通り記念撮影は終りました。その後先ほど申し上げました経済復興
会議とか商工
会議というようなことにつきまして、各職場から私の方には七名ほど、つまり三菱とか
國鉄とか全逓とかいうふうに、各職場々々から選出をされました議員がございまして、その議員がいずれも今申し上げましたような趣旨の市長に対する質問、陳情に対する説明等を加えまして、非常な傍聽席の声援、拍手等がありました。それに対しまして市長及びその他の列席
委員、事務当局の答弁は非常に罵詈を受けたようなかつこうで進行いたしてお
つたのであります。その際に特に険惡だというような
感じを持ちましたので、要望もありましたので、労組の
地区の
代表と
共産党の
郡山地区の
代表、この二名に本
会議を一時休業いたしまして、君
たちは本
会議に思う存分陳情し給えということで陳情させました。こういたしまして
会議のすみやかな進行をはか
つたわけであります。結局はそれはむだで終りました。いろいろと先ほど申し上げましたようなかつこうで議場が非常に騒然としまして、議事を進行することがなかなか困難で、再三静粛なることを促したのですが、どうしても聞き入れない、しまいには私
個人への暴言、公然と議案に対する可否の意見等を出しまして、まことに容易でないと考えましたものですから退場を命ずるということの注意を再三促しました。そういたしましてだんだん議事を進行して参りましたが、午後の六時ごろかと思いますが、私の方に
共産党に党籍を有しておりまする十八番という議員がおりますが、その十八番が登壇するに及びまして、さらに一層猛烈なる傍聽席から
應援がありました。あまりに騒々しさに私はたえかねて、十八番に注意と協力を求めた。それは先ほどから何時間もかように議事が議長としての宣告が一般に徹底しないほどやかましいから、十八番の友人がたくさん來ているらしい、ぜひともひとつ十八番も議場の静粛のために協力を願いたいということを十八番に話をいたしましたのですが、その際の十八番からは、あえて暴言や何かをや
つているのじやない、生活のために騒いでいるので、議長はそんなに紳経質にならなくてもいいじやないかというようなことでありましたために、かえ
つてそれに拍手を送る、騒ぎの方が大きくなりまして、私の注意と協力を求めたのがかえ
つてあだになりまして、私としましても多少心外に思いましたので、一時休憩を宣告いたしました。あるいは自治法の命ずるところによ
つて最後の
手段をしようとも考えておりましたが、しかしそれは穏当を欠くと考えましたし、またこれでは議事進行は不能だと考え、散会するよりほかないと思いまして、開会後すぐに散会を宣告した次第であります、その散会の宣告が突然であ
つたということで、それが適当か不適当かということで騒ぎが出ましたが、私はさしつかえないと思いまして、そのまま議長室に引揚げて参りました。私が議長室に引揚げました
あとは、議場内は傍聽人のためにし占領されたがごとき観で、囂々たる騒ぎ、そこへ一、二の議員が出て何か
言つてお
つた模様であります。議事録の写しの一部を持
つて参
つておりますが、大体今申し上げたようなことで、十八番その他のいわゆる労組
代表の議員が一、二とりしずめるために何か発言してお
つたように書いてございます。そういたしましていろいろ別な議員を通じまして再開を私に迫
つて参りましたが、私はこれを拒否いたしました。副議長も心配をして参りましたけれ
ども、どうしてもできないということでそのまま押し切りました。そうして帰宅をいたそうと考えて玄関前に参りましたところが、スクラムを組みましてどうしても私の帰宅を許さない。そこで裏口に廻りますと、裏口にもスクラムを組んでいて帰えさない。やむを得ず議長室にもどりまして、話があるなら議長室に來てくれということで再三議員を使わして呼びにや
つたのですが、一人も議長室に現われません。だんだんに夜もふけて参りましたのでやむを得ず
警察に
電話をかけまして、三名の
警察官の護衞をも
つて帰宅をいたしたような次第であるというのが当日の大体の状態であります。