○渡辺證人 非常にむずかしい
質問でして、われわれ國際的に見ると申しましても、現在全労連は世界労連に加入しております。一月一日から加入を認められて、現在加入しておりますが、われわれといたしましては、世界労連
関係の資料を大体
中心にして國際的な情勢というものを見ているわけです。ただこれを全部うのみにするとか、これだけで世界の情勢をすべて到断してしまうというのではありませんが、われわれ
労働者といたしまして、よりどころはそういうふうにしております。そこで、残念ながら
國電ストの詳細なものがまだ来ておりません。世界労連傘下の各國の機関紙が、もう少したてば來るのではないかと思いますが、六月十日前後のものが來ておりませんので、大体こういうように見ているだろうということを申し上げたい。権威があるかないか存じませんが、そういう
意味で申し上げたいと思います。
ます第一に、われわれ日本に対する感じというものが、世界各國非常に強いということです。どういう点で強いか、いろいろの点で関心が強いと思いますが、特に日本が再び戰爭を始める國、あるいは戰爭に参加する國であると非常に困るという点で関心が非常に強いようです。特に世界労連あるいは世界労連参加の國におきましては、日本に対するこのような
意味での関心におきまして、どうしても日本を非軍事化し、かつ
民主化しなければいけない。そのようにして再び日本をして戰爭を起させ、あるいは戰爭に協力させるようなことをしないようにさせるために一番頼りになるものは日本の中において何かということにつきましては、世界労連としては日本の
労働者階級である、これこそが最大の平和を守る組織である、もちろんその他にもありましようが、世界労連が
労働者の
立場から見た場合には、日本において平和を維持する最大の力は日本の労働階級である。であるからどうしても日本の
労働者を強力に統一し分裂させないようにしなければいけない。そのためには日本の
労働者に正当の生活を守る権利を確保させ、それから民主的な諸権利を確保させなければいけない。このようにして日本の
労働者の生活水準が確保され、いわゆるこの組合を守る、組合
運動を民主的にや
つて行く、彈圧を受けないでや
つて行くということをほんとうに確保しなければだめである。このように世界労連としては考えて参りました。でありますから日本における
労働組合運動に対しましては非常に強い関心があるのです。特に世界労連参加の國の中におきまして、アジアにおける世界労連参加の國といたしましては非常な関心があります。北の方から言えばソヴイエト、朝鮮、中國その他南へ
行つてずつとあるわけですが、大体現在世界労連に参加しておるアジアの
労働者の数は千二百万くらいだというふうに私記憶しております。これらの
労働者は非常に強い関心を日本の
労働者にかけておる。そのような世界労連が日本の
労働組合をどのように見ておるかと申しますと、日本の、
労働組合運動は非常な彈圧を受けておる、自由な
労働組合運動がなされていないというようなことが言われております。このことに関しまして特に世界労連は國際連合に訴えて日本の
労働運動を自由にすくすくと発展させなければいけないということを非常に強調しておりますし、また最低生活を保障しなければいけないということも強調しておるわけであります。もしこのような最低生活なり
労働組合運動の自由というようなものが阻害され、自由に発達できないときには、それこそがファツシズムであり、ファツシズムの大きな原因である、このように世界労連は考えておるようであります。それでありますから、もし日本の
労働組合が抑圧を受けて自由に
労働組合運動ができない、最も初歩的な
ストライキ権すら與えられないというようなことでは、これは非常に重大問題である。その重大問題というのはただ單に
労働者にと
つて重大であるだけでなくて、日本の平和というものが非常にあやしくな
つて來るし、またこれによ
つてアジアその他の平和が脅かされ、諸民族の独立が脅かされる、このような重大な要因というものをこの
労働組合の
運動の彈圧の中に包藏されておる。このように、世界労連は見ておるようであります。でありますから今度の
國電ストに関しましては詳報はわれわれは得ておりませんが、おそらくわれわれの考えるところでは、非常にあたたかい同志的な理解と支援をこの
國鉄労働者に注いでおると私は考えております。
大体これが世界労連の考えではないかと思いますが、一應補足的に申し上げますと、本年の六月末から七月初めにかけましてイタリーのミラノで世界労連の第二回大会が持たれましたが、ここに参集いたしました
労働組合は五十九箇國の
代表として七千万以上の
労働者を
代表する
代表が集りました。このような大きな組織を持
つておるのが世界労連であります。われわれはこの第二回大会に出席すべくあらゆる努力を拂
つて参
つたのでありますが、残念ながら出席することはできませんでした。それに対して世界労連の大会はこの日本の
労働組合が参加できないことに対しまして、國際連合その他に対しまして非常な抗議を発することを満場一致で決定したというようにわれわれに電報をくれております。このようなものが世界労連であります。だからわれわれといたしましては、七千万以上のこの
労働者が結集しており、五十九箇國の
労働組合を
代表しておりますから、多分地球上における全世界の非常に多くの人たちがこの
國電ストに対して同志的な理解と支持を惜しまないものであるのではないかと私は考えております。