○鈴木
証人 あとで考えれば戸を入れることも考えられるわけでございますが、実はそのときはそういう考えもなか
つた。ただ傍聽音が表に出たけれども窓際にみな立
つておるという状態であ
つては、何ら非公開も公開もかわりない状態であるということを感じたわけでございます。そういう状態で
会議が続行したわけでございまして、それから、大体十分ぐらい経ちましてから、さつき出られた傍聽者の方がまたぞろぞろ入
つて來たわけであります。私はちよつと默
つてお
つたのでございますが、どんどん入
つて來られ、ちよつと経
つたら出て
行つてもらう前と同じような状態にな
つて、傍聽者の方が全部部屋に入
つて來たような状態になりましたので、それでは困る。ひ
とつ出てもらいたいと申し上げたわけでありますが、私の制止もきかなか
つたような状態で、私が一言言えば二言、三言、返り
言葉が來るという状態になりまして、実は私もそれ以上はもう制止しなか
つたわけであります。そこで今申し上げましたようないきさつによ
つて、続いて討議を開始したわけでございます。その当時の討論の目標といたしましては、第五回の
鬪爭委員会で支部の指令として時期尚早、何らかの通知あるまで
ストを含む実力行使は待てという指令があ
つたわけでありますが、当然八王子支部の
鬪爭委員会として、こういう状態にな
つた現在おきまして、何らかの新しい態度をきめるか、それともけさ四時にきめましたところの時期尚早という態度を持続して行くか、この二つを討論の目標にきめまして、それに向
つて鬪爭委員会がおのあの討論をや
つたわけでございます。これは時間は
はつきり記憶がなく、議すが、大体その
会議は今申し上げた通り三時過ぎから始まりまして、それが傍聽者の問題が今
言つたようないきさつになりまして、大体五時ちよつと過ぎであ
つたと考えております。当時私は
鬪爭委員会の議長といたしまして、今
委員長の坐
つておられるような状態で、各
鬪爭委員と向い合
つて坐
つてお
つたわけでございます。そのときに、
——これが支部の
会議といたしましたならば、議長の横、一間ぐらいを除きまして、
あとは
鬪爭委員のまわりは全部ぎつしり傍聽者が身動きのできないほど入
つているという状態でございます。そういう状態で、たしか五時ごろでございましたか、
——これは新聞に載
つた脅迫の内容の問題でございますが、これは私は鉄道
職員だと考えておりますが、
あとからいろいろ聞いた話によりましても、たしか制服を着てお
つたということを
言つておリますが。ある一人の青年、二十五、六ぐらいの男であ
つたと思いますが、議長をや
つておりました私のもとに、「鈴木」という大声を発しまして、大体一間ないし一間半ぐらい離れてお
つたのですが、半間ぐらいの間に迫
つて來た。そのかつこうでございますが、そのかつこうにつきましては、檢察廳にも呼ばれて実演して申し上げたわけでございますが、少し前ここみにな
つてうありまして、たしか左の手で帽子のようなものを持
つており、帽子の下に何か隠すような状態で、「鈴木」と大声して近寄
つて來たわけでございます。そこで私、こういう状態で前を見てお
つたのでございますが、当時の
空氣といたしましても、そうとう險惡なものが感じられましたので、周囲にはいろいろ目を見張
つておりました。そこで、その男が今申し上げたようなかつこうで、私の法に目を向けて近寄
つて來たので、実は殺氣のようなものを感じた。私立も上りまして、何をするか暴力を振うかという発言をいたしました。その男それで一、二歩うしろに退きまして、私のうしろにいた平林という
鬪爭委員が、私の前に出て何か
言つてあ
つたようでございますが、そのうちにほかの
鬪爭委員の方々もよせよせと言われましたので、その男は自然にもといた位置にさがるという状態にな
つたわけでございます。その際、その男が短刀よう、あいくちようのものを持
つてお
つた、内容につきまして、私檢事局に行きましても、たしか光
つたものを見たような氣がすると申し上げたのであります。ただ光
つたものが、
あとで開きましたならば、制服ということを
言つておりましたので、ぼたんであ、
つたか、あるいは帽子に金具がついておるとすれば、帽子の下に隠して
——こういう状態でありましたので、その金具が光
つたのか、当時傍聽者も多勢おりましたし、うす暗い状態で、晝間も電氣をつけておるようなところでありますので、それらのものが光
つたのではないかとも考えられるのでありますが、私としては光
つたという感じを受けたが、それがどういうものであ
つたかは確認しておりません。そこで私もそのとき若干動揺いたしまして、立ち上
つてどうしようかと考えたわけでございます。ところが続行々々、早くやれというような声がしましたので、そのまま続いて次の議事を続行したわけでございます。
ただここで申し上げますことは、私の考えといたしましては、当然國会もそうであろうと思いますが、議長の権威というものは、
鬪爭委員の諸君も
組合員の諸君も、これを守らなければならないという考えを持
つてお
つたわけでありますが、今申し上げたような次第で権威ある議長の席に詰め寄
つて、脅迫をしたような男をとがめ立てをしないような
鬪爭委員会の雰囲氣であ
つたことは、これは新聞にも出ましたが、私率直に事実を申し上げるわけでございます。そういう状態で
会議を続行し、先ほど申し上げた二つの目標に向
つていろいろ討論をいたしておりましたが、たまたま六時ごろでしたか、管理部長からちよつと話があるから來てもらいたいというので、今重大な
鬪爭委員会をや
つているので、待
つてもらえないかと言うと、一時も早く來てもらいたいということでございましたので、ちよつと休憩すると
言つて、管理部まで三分か四分の所でございますので、行きまして、その間休憩いたしました。若干休憩いたしまして管理部へ行きましてある書類を受取り帰
つて参りました。その書類の内容につきましては、帰
つて参りまして皆さんに御報告いたしました。続いてこれらの論議をめぐ
つて相当皆さんが活発な
意見を実はや
つてお
つたわけでございますが、大体七時半ちよつと前、最後の結論を出したわけでございます。そこで財御の結論についてはこういう内容でございます。さつき申し上げました通り、態度をきめるか、態度をきめないかこの二つでございます。態度をきめるということは新しい事態に備えて十日の朝四時ごろ出しましたところの、時期尚早であるというものから何らかの変更を加え、それに対して態度をきめるということ。それで
あとの態度をきめないというのは変更を加えないということで、そのままで行くということ。この二つを採決いたしました。態度をきめるというのが十六票でございます。これは大体何らかのかわ
つた行為をやるというふうにみんな解釈してお
つたと思います。態度をきめない、その前に出した時期尚早というのは指令十四号と申しますが、それに賛成の方が十九票でございました。そういう状態で一應その会の最後の決をと
つた次第であります。その採決をとりました当時は、ほとんどわあわ
あと言つて委員の発言も聞かないという状態にな
つておりまして、この決の済みました
あと当然その
会議をとじる状態になるわけございますが、ときたまこういう声のあ
つたことは事実でございます。それは
犠牲者、いわゆる三十三名がそのときに知られておりました。私がさつき申し上げた六時ごろ管理部に行きまして、部長から書類を受取
つて來て、皆さんに被露したというのが、中野
車掌区、
電車区、三鷹
電車区の三十三名の解雇通知でありました。この解雇通知を六時ごろちよつと休憩してもら
つて來て、すぐ皆さんに被露したわけでありますが、すぐこれが問題になりまして、この三十三名の
犠牲者をどうするのか、この問題を論議せよという
意見もたしか出てお
つたようでございます。それからこういう考えもございました。今の態度をきめないというぐあいに出たけれども、われわれとしてはとにかく何とか態度をきめる。もしきめなければ一晩中でもこの
鬪爭委員会をやらせるというようなことを
言つた人もある。だれがどういうことを
言つたのか、
はつきりその点は議事録にもないと思いますが、とにかくあつちこつちから発言が出ておりまして、議長の指名によ
つて発言するという状態ではなく、おのおの
鬪爭委員の人もみんな相当発言しておりました。そういう状態でありまして、そのとき私迷
つたのでございますが、ともかくこのまま会を続けられるかどうかということをきわめて疑問に思
つたのです。そのときこういう一つの声もございます。ここで少し休息して、十分か二十分た
つたら開けという声も実はあ
つたわけであります。当時の私の考えといたしましては、そのときその発言に答えまして、たしかこういうことを申し上げたと記憶しております。ただいまきま
つたことであるので、すぐこれを論議することはおかしいということを申し上げたわけであります。結論がつかなければ一晩中でもやるんだということも実はあ
つたわけであります。そういう雰囲氣において私もしようがないから、何とかして、
会議をこのへんでとじなければならないという考えも持
つておりましたので、一應こういうことではどうかということを申し上げました。それは大体八時から
会議をやるということを
言つたわけでございます。そう言わなければ承知できないという会場の雰囲氣であ
つた。そういう状態でございまして、八時から開くということを申し上げて、一應この第六回の
鬪爭委員会を打切
つたわけでございます。そこで冒頭の質問にもございました非民主的な
鬪爭委員会であ
つた。どういう点が非民主的かということを‥‥。