○神山
委員 ただいま
委員会が再開されまして、この間約二時間た
つたわけであります。殖田
法務総裁は多分たいへん忙しいのでありましようが、他の
証人の場合ですとこういうことは
ちよつと考えられないことではないかと思うのです。考査
委員会は当然超党派的に運営されておるように聞いておるのでありますが、今日この一時間の時間をむだに費さなければならなか
つたということの中にも私としては問題があるのですが、私がここで強調したいのは、
法務総裁を今日ここに
証人として尋問するにあた
つては本
委員会としてはこれらの点について考えなければならぬと思うというのは、第一に私たちは
法務総裁に彼の
法律的見解を聞く必要があるかないか。これが
一つ問題だと思うのです。
法務総裁は政府の
法律的な問題について顧問的な役割をや
つておるのでありますから、政府の側から見れば大いにあると思う。また與党の諸君にと
つては大いにあるかもしれないが、今度のような
事態をもつと高い観点から見ることこそ、本考査
委員会の当然の任務でありますので、この点についでは政府が
法務総裁に聞くのとは違
つて、
國会の特別
委員会が聞くのであるということを十分考慮された上に
法務総裁に聞く必要もありましようし、また発言させる必要があると思う。この点に若干問題があると思
つたので、まず第一に指摘した点であります。
第二には彼の所管
事項、また現に起
つておる事実、またこの事実に基いての一定の報告、こういうようなものを
法務総裁が持
つておるあるいはこういうような事実を中心にして私は当然論議を進めるべきだと思う。そうでないと
法務総裁が持
つておる
法律的見解について、またわれわれが持
つておる
法律的見解についてここで論議すべき
事態ではないと思うのであります。というのは、これは猪俣君のような專門家もおるから明らかだと思いますが、
法律上の
解釈が問題になる場合これを何とかお互いの間で話合いをつけ、あるいは適正な運用をするためにはむしろ私は考査
委員会よりも法務
委員会で、この問題を扱うべきだと思う。さらにこの方の実施に伴
つていろいろの違憲論が起るばかりではない。また事実として違憲論が出て来た場合にもこれを最後に
決定するものは本考査
委員会ではなく、当然最高裁判所がやるべきである、こう思うのであります。從
つて私が強調したいのはどの観点より見ても本考査
委員会が問題を取扱う場合にあた
つては、
法務総裁の法的の見解その他が重点となるのではなくて、あくまでも事実の審理を中心にして行うことこそ本考査
委員会の任務にふさわしい。こういうことを強調したい。先ほど一時間延びたということについて
ちよつと私は軽い形で不服を旨
つておいたのでありますが、本考査
委員会の名誉のために強調したいとは、早くから
証人として喚問しておるにもかかわらず、時間も
委員会を待たせるようなやり方があるとすれば、本考査
委員会は
民自党の
機関であるという誤解をますます深めるので、そういうことのないようにひとつお願いいたしたい。