○堤
委員 この前のときに新しく次長になられました援護廳の宮崎さんに申し上げまして、斎藤長官の方へ御連絡があつたと思うのでございますが、私がこの前の
厚生委員会で申し上げておきました事項、これは
一つ一つ詳しく申し上げないとわからないかもしれせんけれ
ども、さつそく手を打つというところの御返答をしておられますので、どういうふうになされたか、その後の経過が聞きたいと思うのでございます。
私が申し上げた要綱を簡單に申し上げますと、第一、あの
職員が引揚げ終了後にどうしてもわれわれは首にならなければならないのではないかということで、どうもおちつかない。それが引揚げて來た人並びに留守家族、今なお留守家族である
人たち、あるいは今まで引揚げに盡力して來た
人たちに非常な悪感を抱かせておるということをよく聞きます。腰がおちつかない
関係上誠意を欠いておるとか、どうも援護局内の空氣がおもしろくないという点をひとつ何とかしていただきたいということを申し上げたのであります。その次には、あの郷土室の中に職業
相談所というものがございます。私はあの中に
行つてつぶさに聞いたのでありますが、あの中に
おいでにな
つておる舞鶴の職業安定所は、労働省の命令によ
つて臨時にあそこへ出先として出張しておるという
お話でございます。あなた方はここでそうした
相談所を設けて
おいでになるが、今まで実際においてお取扱いに
なつた結果だとか
状態というもに対する記録を持
つて、ちやんと労働省の
本省と打合せられて、さらに援護廳とも打合せて、今後のためにも統計あるところのまた
計画あるところの
相談所としての使命を十分果しておられるかということを
質問いたしましたが、何ら持
つておらない。ただ私たちに職業安定所が臨時的にここに來ているので、何もそういうものは持
つて來ていないというような御返答でありました。あの沖合いに帰
つて來る
人たちの一番深刻な問題に、何とい
つてもあすからの就職の問題であります。すき焼を食べさしてやるとか、DDTを散布してやるとか、シヤツやパンツをかえてやるとか、これはけつこうでございますけれ
ども、根本的な問題は就職の問題であります。とにかく政府があの埠頭において示される程度いかんによ
つて、今後のあの
人たちの意欲も左右されるので、もつと労働省並びに援護廳、
厚生省などと横の
関係を密になされて、あそこに設けた職業安定所というものは、窓口でこれだけ扱
つて、お帰りに
なつた何人のうち、これだけはこういうところにおちついた。これだけは政府がこうした。またはこれだけはどうしても失業者であるというようなしつかりしたデータをも
つて、今後の就職
指導またはあつせんに当
つてほしいという希望を、あの場所でも申し上げておいたのであります。またこの前
厚生委員会で次長にそれをお願い申し上げておいたのでございますが、それに対しては、向うへ
行つて一度
調べてさつそく手を打つというような御返答をして
おいでにな
つたのであります。もう
一つには、あの援護局というものの中に、あまり外部の
人たちを入れるのをお好みにならないというような空氣がある。たとえば
責任ある衆参両院議員などが行きましても、司令部の許可がないと入れられないということをおつしやるのでございますが、それ以外にどうも入
つて來るのをお好にならないでいらつしやるのではないか。今まで引揚げ促進を一緒にや
つて來た人が、全國からあそこに集まることが多いのでありますが、そうしたときにもあすこの中の空氣だとか実態を知りたいという
人たちを、どうしてもあすこへ入れてもらえない。何とかもう少し開放してもらえないか。何とかしてそういう方向へ持
つて行つていただきたいということを申し上げておつた。
それから文部省あたりが、帰
つて來た人の前でいろいろ
説明したり、内地へ帰られてから今後いろいろの心構えのつもりでございましようか、新憲法の
説明をしたりや
つておいでになりますが、あの
人たちが
説明なされるまではおやりになるのでありますが、一たび引揚者がそれでは……というので
質問いたしましても、
質問に対しては答える
責任は私たちはないので、
説明だけでごめんしてもらいたいということで引き下
つてしまいなさる。いかにもたよりない派遣員である。また見方によれば誠意のないやり方であるという感じを引揚者に與えておりますので、もう少し親切に、もう少し自信たつぷりな派遣員を派遣してもらいたいということを、これも大切な問題なので申し上げておいたのであります。
それからあすこでお見せになるいろいろな映画とか催しでございますが、あの筋金入りで帰
つて來たというところの
人たちに、ずいぶんじやらじやらとした映画を見せたり、ピントはずれの慰問をしておるという非難が多いので、何とか手を打
つてもらいたい。
それから第一引揚收容所として今使命を果しておる舞鶴の
國立病院に、あまりにも予算が少な過ぎるという訴えが私たちにございまして、
看護婦並びに
從業員と私たちがあすこで座談会を持
つたのでありますが、それでは私らは今度
病院船が入つたときに実態を見せてもらいますというので、高砂丸から三百三十二名下りますときにしさいに私は見せてもらいました。ところが
病院船が入りますときに、非常にあの仕事はむりであります。
看護婦が二人で担架をかついで重労働をいたします。そうしてなおかつ
看護婦の使命または衣食住のせわを全部いたしておりますが、予算が少いので應援が來ないというような不誠意なことをしいられるという告白があ
つたのが事実でございます。この收容所
病院に対する予算をどういうふうになさ
つていらつしやるか、徹底的にお
調べを願いたいと申し上げてお
つたのでありますが、こうした点を次長と長官とは御連絡にな
つて、当然舞鶴にいらつしやるか何かの方法でも
つて策を講じていらつしやるものと私は思うのでございますが、今後もなお続く引揚げでございますので、ひとつ御返答を願いたいと思うのでございます。