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林國務大臣 ジフテリアの問題は、私が就任いたしまて一番遺憾に考えた問題であります。しかしながら私はそれについて、謝罪をいたすがごとき言辞をはつきり申上げたことはございません。責任をとるにおきましては、もし私
どものときにおきましてそういう問題が起きたものといたしまするならば、私もちろん責任をとります。しかしながらできました事柄が、私
どもの就任いたしまして早々できた問題でありまして、製薬その他の責任につきましては、私
ども就任以前の問題であ
つたのであります。
それからなお責任の問題につきまして
お話がありました。つまり製薬その他については、今刑事問題にな
つて、私の名前によ
つて起訴にな
つております。
從つてその結果を見るにあらずんば、私
どもとやかく申し上げることはできません。しかしながらこの予防、その他の関係に基きまして、その責任をとるべき経路にあられる人は、すでに責任をとる意思表示をいたしております。その結末につけられた上において、本人が責任をとられることにな
つております。
從つて私
どもがこれが責任をとることは、自分の時であれば当然のことと考えますけれ
ども、たまたま起きたのは私が就任をいたしたということによ
つてそういうことにな
つておりますだけ、私
ども責任をとる必要はあるまいかと今日考えておるわけであります。
なおジフテリヤの問題について、患者の問題でありますが、もちろんかわいいお子さんの御生命のことでありますから、金額によ
つてこれは云々すべきところの問題ではございません。しかしながら今まで種々の方面で起きました事情を十分斟酌いたしまして、今まで
政府から五万円、そのほかから出ましたものが二万五千円、それで七万五千円のものが出ております。それからなお府、市その他に対しては多大の御迷惑のかかつたことを考えまして、でき得るだけの
方法を設けまして府、市に多くの
負担のかからないようにということにつきまして
努力をいたしました。なお今日大蔵省の方に対して
努力をいたしております。なお
予算にも物質上にも関係する問題でありますので、ただ厚生省の方といたしましても大蔵省との折衝もございましたので、これを全部打切
つてしまつた問題にあらずして、事務的に今日におきまして、何とかしていま少し出し得られる問題ではなかろうかということで折衝いたしておる今の
実情にな
つております。それはせめて総額で十万円くらい與えられるようになればという気持で、私
どもは大蔵省といまなお折衝中にあるわけであります。
それから島根縣の方の
お話があつたようでありますけれ
ども、決して一万円くらいしか
行つておらないということは、役所の方ではないはずであります。その点は御注意もありましたので、とくとさつそく調べまして、先般もそういう
お話を京都とそれから島根縣の罹災者の父兄の方が見えられまして
お話がありました。さつそく調べてみましたところが、島根縣において決してそういうことはない、こちらの方としてはすでに金をや
つておるはずだ、こういうことでありましたので、今間におきましてはそういう
お話までもなく、当然われわれの支出すべき今日の立場の金額というものはすベて出ておる。なお懸案にな
つているものだけは少し残
つているかと思いますが、京都と島根縣と区別をいたしているようなことはございません。それですから、もし御本人のところへ届いておらないものとすれば、厚生省としては島根縣の方に渡し、島根縣の方の関係においてまだ渡
つておらぬということでありますれば、なお取調べをいたしまして、ただちに罹災者の方々にお手渡しのできるようにとりはからいたいと考えております。