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1949-04-26 第5回国会 衆議院 厚生委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月二十六日(火曜日) 午前十一時零分
開議
出席委員
委員長
堀川
恭平君
理事
大石 武一君
理事
幡谷仙次郎
君
理事
床次 徳二君
理事
田代 文久君 青柳 一郎君 高橋 等君 中川
俊思君
奈良 治二君 西村 直己君 畠山 鶴吉君 原田
雪松
君
丸山
直友君 岡
良一
君 堤 ツルヨ君 中島 茂喜君
苅田アサノ
君 河野
金昇
君
出席政府委員
厚生政務次官
亘 四郎君
厚生事務官
(
保險局長
)
宮崎
太一君
厚生事務官
(
國立公園部
長) 飯島 稔君 厚 生 技 官 (
医務局長
) 東 龍太郎君
厚生事務官
(
医務局次長
)
久下
勝次君
委員外
の
出席者
專 門 員 川井
章知
君 專 門 員
引地亮太郎
君 ――
―――――――――――
四月二十一日
社会保險診療報酬支拂基金法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七四号) 同月二十五日
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一一一号)
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二一号) 同月二十二日
医療法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七七号)(予)
医師法
及び
歯科医師法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七八号)(予) 同月二十三日
健康保險法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇一号)(予)
厚生年金保險法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇二号)(予) 同月二十二日
國立都城病院施設拡充
の
請願
(
瀬戸山三男
君
紹介
)(第四四六号)
患者自治会解散指示撤回
に関する
請願
(
松谷天光光
君外四名
紹介
)(第四五一号)
結核回復者
の後
保護
に関する
請願
(
松谷天光光
君外四名
紹介
)(第四五二号)
遺族
の
援護対策確立
に関する
請願
(
川野芳滿
君外四名
紹介
)(第五〇五号)
戰爭未亡人
の
生活保障
に関する
請願
(
志田義信
君
紹介
)(第五三二号)
傷疾者
の
給食費國庫負担撤回
に関する
請願
(
岡良一
君
紹介
)(第五三四号) の
審査
を本
委員会
に
付託
された。 四月二十一日
遺族
の
援護強化
に関する
陳情書
(第二二八号)
優生保護法
一部
改正
の
陳情書
(第二三二号)
國立病院
に対する
特別会計制度実施反対
の
陳情書外
二件(第二四二号)
クリーニング業
の
大衆化等
に関する
陳情書
(第二四六号)
癩特効藥プロミン
の
癩患者施療
に関する
陳情書
(第二六五号) 京都市の
ジフテリア予防注射事故
に関する
陳情書
(第二六八号)
保健婦検定試験
に
臨時特例設定
の
陳情書
(第二六九号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
社会保險診療報酬支拂基金法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七四号)
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一一一号)
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二一号)
医療法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七七号)(予)
医師法
及び
歯科医師法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七八号)(予)
健康保險法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇一号)(予)
厚生年金保險法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇二号)(予)
厚生省設置法案
に関する件
堀川恭平
1
○
堀川委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
厚生省設置法案
に関する件を
議題
といたしまして
審査
を進めることにいたします。
厚生省設置法案
に対する
修正案
がお手もとに配
つて
あると存じまするが、実はこの
厚生省設置法案
に対する
修正案
に対しましては、この
法案
は
内閣委員会
に
付託
にな
つて
おりますので、われわれ
厚生委員会
といたしましては、その
設置法案
に対して、ここに
皆さん
にお配りしてあるような
修正案
を申入れたい、かように存じておるのでありまするが、これに対しまして御
質疑
がありましたら
質疑
を許すことにいたします。
逢澤寛
2
○
逢澤委員
設置法案
に対する一部の
修正案
なのでありまするが、これは
原案
と対照して見まするときに、あまりその性格においては違いがないと思うのであります。ただ字句の
修正
だとか、あるいは第十一條中の七号を次のように改める。「毒物及び
劇物
の
取締
を行うこと。」同條中第八号「藥事」の下に「
麻藥及び大麻取締
」を加えたといつた、具体的に何々を
取締
るのだ、こういうことを加えておるだけなのでありまして、
原案
とその本質的には相違のないように思いまするので、私
ども
はこの
修正案
を採択いたしますのに
異議
がないと思います。從いまして本
委員会
といたしまして、
内閣委員会
にこの
修正案
を提出するということに対しましては
異議
がありませんからさよう御
承知
を願いたいと思います。
堀川恭平
3
○
堀川委員長
ただいま
逢澤委員
からこの
修正案
を
内閣委員会
に申し入れるのに
異議
がないというお話でありますが、
皆さん
御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
4
○
堀川委員長
それではこの申入れの
取扱い方法等
につきましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
5
○
堀川委員長
それではさよう決定いたします。
堀川恭平
6
○
堀川委員長
次に
社会保險診療報酬支拂基金法
の一部を
改正
する
法律案
、
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案——念
のために申し上げますが以上二件は本
付託
であり、これより以下申し述べまする
法案
は
予備審査
でありますから、さよう御了承を願いたいのであります。
医療法
の一部を
改正
する
法律案
、
医師法
及び
歯科医師法
の一部を
改正
する
法律案
、
健康保險法
の一部を
改正
する
法律案
及び
厚生年金保險法等
の一部を
改正
する
法律案
を一括して
議題
といたしまして
審査
に入ります。
質疑
に入ります前に、まず各
法案
の
提出理由
の
説明
を順次聽取いたしたいと存じます。
提案理由
の
説明
をお願いいたします。
苅田アサノ
7
○
苅田委員
厚生省設置法
の
審議
はまた別に時間をと
つて
いただくでしようね、この前は
内閣委員会
との
連合審査
をやりまして、また
厚生委員会
でも
つて
こまかい
質疑
をもう一ぺん
審査
してほしいということだ
つたの
ですけれ
ども
、その
審査
の方はいずれここでや
つて
いただくことになるわけでありますか。
堀川恭平
8
○
堀川委員長
時間の許す限りさようにいたしたいと存じております。
苅田アサノ
9
○
苅田委員
これは当日の
委員会
でも
厚生委員会
でまたこまかい
質問
はや
つて
ほしい、きようはこの
連合委員会
を一應閉じてほしいからということで、それで私
ども
は
質問
を
簡單
にして
打切つたの
であります。ぜひ時間をつく
つて
もう一ぺん御検討願いたいと思います。
堀川恭平
10
○
堀川委員長
それでは
提案理由
の
説明
を願います。
亘政府委員
。
亘四郎
11
○
亘政府委員
ただいま
議題
となりました
社会保險診療報酬支拂基金法
の一部を
改正
する
法律案
について
提案
の
理由
を御
説明
申し上げます。
社会保険診療報酬支拂基金法
は、昨年八月から
実施
されて來たのでありますが、その
実施
の成績に徴しまして、
診療報酬支拂資金
の
潤沢化
と
診療報酬請求書
の
審査
の
適正化
を期して、
基金法
本來の
目的
を完遂する必要が認められるものであります。ここにおきまして
政府
といたしましては、
基金
が各
保險者
から委託を受ける
診療報酬支拂資金
の一箇月分を一箇月半分に増額いたしまするとともに
診療報酬請求書審査委員会
の
委員
に
学識経験者
を加えて、
委員
を増員し、
かつ
、
診療報酬請求書
を提出した
診療担当者
に対しては、
一定
の
出頭説明
を求め得る等の
権限
を認めまして、
診療報酬請求書
の
審査
の適正を期する等の
改正
をはかろうとする次第であります。 何とぞ御
審議
の上すみやかに可決せられんことを希望する次第であります。 次にただいま
議題
となりました
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案
について
提案
の
理由
を
説明
いたします。 わが國の
傳染病対策
は明治三十年に制定されました
傳染病予防法
を基幹として、コレラ、赤痢、腸チフス、パラチフス、痘瘡、発疹チフス、猩紅熱、
ジフテリア
、
流行性脳脊髄膜炎
、ペストの十種の
急性傳染病
の防遏を
規定
いたしましたが、その後この
法律
に準じまして、
結核
、
癩等
の
慢性傳染病
にはそれぞれ單行法が制定されているのであります。
爾來傳染病予防法
は時代の進展とともに
部分的改正
が行われて参りましたほか、
終戰後
におきましては、右の十種の疾病のほか、日本脳炎を新たに
指定傳染病
として適用しておるのでありますが、最近の
機構
や
制度
の改革に伴いまして、一部
改圧
を必要とするに至りましたので、この
法案
を
提案
するに
至つた
次第であります。 次にこの
改正
の大体を申し上げます。第一に最近衞生
行政機構
は
保健所
を中心として
運営
されておるのでありまして、
從つて保健所
の衞生
行政
上の責任を明確にするために、
從來傳染病
の
発生轉帰
の
届出受理者
は
市町村長
でありましたものを、このたび
市町村長
を経由し
保健所長
といたしました。第二に、
防疫
の
國家的要請
により、
都道
府縣に駐在させておりました
防疫職員
を、
地方出先機関整理
の
閣議決定
に基き、
防疫監吏
及び
防疫医
として、
都道
府縣に移讓し、
厚生大臣
に
傳染病予防
上必要があるときは、これを指揮する
権限
を與ました。第三に
地方財政法
が昨年制定されまして、
國家
と
地方公共團体
との
費用負担
を明らかにしましたほか、
用語等
の統一に伴いまして
関係規定
を
改正
いたしました。第四に、昨年
夏解散
を命ぜられました衞生
組合関係規定
その他現在適用されてない
規定
を削除または
改正
をいたしました。 何卒御
審議
の上可決せられんことを御願い申し上げます。 次にただいま
議題
となりました
医療法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案
の
理由
を
説明
いたします。
医業
、
歯科医業等
に関する
廣告
につきましては、それが適正に行われる場合は、一般國民が
診療
を受ける上において有益でおることはもちろんでありますが、反面これらの
廣告
を
自由放任
にいたしますときは、とかくその内容の適正を期しがたく、これらの
業務
が人の健康及び生命に関するものであるだけに、
國民保健
上著しい弊害を生ずるおそれがあるのであります。この点にかんがみ、
医療法
におきましては、
医業
、
歯科医業等
に関し
廣告
し得る
事項
をきめて、
嚴格
に
制限
していることは御
承知
の通りであります。しかしながらこのような
嚴格
な
制限
のために、たとえば他の
法令
の
規定
の
施行
を円滑にする等のために、
廣告
を適当とする
事項
であ
つて
も、これを
廣告
し得ない場合を生じ、不都合と存ぜられる場合がありますので、
厚生大臣
が特に必要と認めて定める
事項
は、これを
廣告
することができるようにいたしたいのであります。なお
厚生大臣
が右により特定の
事項
を定めるにあた
つて
は、必ず
医道審議会
の
意見
を聞くを要することとし、そのみだりに流れることを防止することといたしておるのであります。 次に
現行規定
におきましては、もつ
ぱら往診
のみによ
つて診療
に従事する
医師等
に対し、必要に感じ報告を命じ、または
診療録等
の
帳簿書類
を検査のため提出させることの
根拠規定
がないのでありますが、
医療行政
の円滑な
運営
のためには、かような
規定
が必要でありますので、新たに設けることといたしました。さらに右のような
改正
に伴い、
罰則規定
の必要な整備を行うことといたしているのであります。 何とぞ御
審議
の上すみやかに可決せられるよう御願い申し上げます。 次にただいま
議題
となりました
医師法
及び
歯科医師法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を
説明
いたします。
現行
の
医師法
及び
歯科医師法
には、
行政廳
が
医師
または
歯科医師
の
業務
に関して
指示
をなし得る
根拠規定
がないのでありますが、
公衆衞生
上重大な
危害
を生ずるおそれがある場合において、その
危害
を防止するため特に必要があると認められる場合には、
厚生大臣
が
医師
または
歯科医師
に対してその
業務
に関して必要な
指示
をなし得ることとすることが、
医療行政
の眞に円滑な
運営
を期するゆえんであると考えられるのであります。たとえ昨秋
新聞紙上
をにぎわせました輸血による
病毒感染事件
の
発生
にかんがみましても、この際新たに
医師
及び
歯科医節
の注意を喚起するとともに、これらのものが
医師
または
歯科医師
として当然に遵守すべき
事項
を明らかにする必要が痛感されるのであります。そのため
医師法
及び
歯科医師法
中の一部を
改正
し、かような場合に
厚生大臣
が
指示
をなし得る
根拠規定
を新たに設けることといたしたいのであります。もちろんかような
根拠規定
を設けるにあたりましては、この
規定
が不当に濫用されまたはこの
規定
に基く
指示
が適正を欠くものとなることは嚴に戒めなければなりませんので、
厚生大臣
が右の
指示
をするにあた
つて
は、必ずあらかじめ
医道審議会
の
意見
を聞かなければならないこととして、この
規定
の
運用
の
適正安当
をはかることといたしているのであります。何とぞ御
審議
の上すみやかに可決せられるよう御願い申し上げます。 次にただいま
議題
となりました
健康保險法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
について御
説明
申し上げます。
健康保險制度
におきましては、昨年八月に
法律
が
改正
され、また
社会保險診療報酬支拂基金法
が制定いたされまして、
保險診療
の
円滑化
がはかられた次第でありますが、それ
以來被保険者
の
経済生活
の逼迫と他面
診療担当者
の
全面的協力等
によりまして、
保險診療
の件数及び金額の異状な上昇を來しまして、
保險経済
の危機を招いている現状であります。ここにおきまして
政府
といたしましては、
保險経済
の
收支
の
均衡
をはかるために、
保険料率
を千分の四十から千分の五十に
引上げ
まして、
保険料收入
の増大をはかりますとともに、他両被
保険者
の
療養給付
について、一部
負担金
として初診料に相当する額を負担させることといたしまして、
保險経済
の
收支
の
均衡
をはかるようにいたした次第であります。また被
保險者
の
標準報酬
を
給與
の実情に合わせまして、最低二千円から
最高
二万四千円までの十九
等級
に整備いたしますとともに、
健康保險委員会
を
健康保險審議会
に改めまして、その
組織権限等
を明確にし、また被
保險者
の負担すベき
保險料
を
納期限
を過ぎても納付しない
事業主
に対して
一定
の
罰則
を認める等の
改正
をはか
つて
いる次第であります。 何とぞ御
審議
の上すみやかに御決定あらんことを希望する次第であります。 次にただいま
議題
となりました
厚生年金保險法等
の一部を
改正
する
法律案
につき、
提案
の
理由
を御
説明
申し上げます。
厚生年金保險
におきましては、
標準報酬
を基準といたしまして、各種の
保險給付
を行
つて
おりますが、現在支給している
障害年金
の中には、
標準報酬
の
最高制限額
が、六百円であつた当時のきわめて低い
標準報酬
に基いて、その額を算定したものがありますが、
経済状態
が著しくかわつた今日におきましては、その額はあまりにも少額でありまして、
生活
を保障するとは言い得ない
状態
におりますので、これをできる限り増額いたしまして、実
生活
に適合した
保險給付
をしようとするものであります。 また
標準報酬
につきましては、從來最低三百円から
最高
八千百円までを、二十七
等級
に
区分
してあ
つたの
でありますが、今回
健康保險法
におきましては、その
標準報酬
の
最高限
を
引上げ
、その
区分
を十九
等級
に整理しようといたしておりますので、
厚生年金保險
におきましては、その
最高限
は八千円にとどめ、その
区分
を
健康保險
の
区分
七同樣に整理いたしまして、
事業主
及び被
保險者
の利便をはかろうとするものであります。なお
標準報酬
の
算定方法
及び
延滞金
の
引上げ等
につきましては、
健康保險法
と同樣にいたしまして、
地方廳
の
事務手続
を單一化し、あわせて
事業主
の
事務負担
を軽減しようとするものであります。 その他
関係法令
の改廃に伴い若干の
改正
を企図しておりますが、何とぞよろしく御
審議
の上すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。
堀川恭平
12
○
堀川委員長
次にお諮りいたします。昨日
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
が当
委員会
に
付託
にな
つたの
でありますが、これを日程に追加いたし
議題
といたし、
政府
より
提案理由
の
説明
を聽取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
13
○
堀川委員長
御
異議
がなければ
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
審査
に入ります。まず
政府
より
提案理由
の
説明
を聽取することにいたします。
亘政務次官
。
亘四郎
14
○
亘政府委員
ただいま
議題
となりました
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を御
説明
いたします。
國立公園法
は
昭和
六年四月一日制定せられましてから、ここに十八年を経過いたしました。その間十三の
國立公園
が
指定
せられ、その
保護利用
がはかられて参
つたの
でありますが、
法運営
の結果に徴して、
かつ
はまた、現在並びに將來の
國立公園行政
の
運営
を円滑ならしめるため、
天與
の
景観
を
國立公園
として
保護
する面において、不充分な点を最少限補いますとともに、その
利用促進
をはかりますために必要な
規定
を追加する必要を認め、
かつ
は
関係方面
からの示唆をも
考慮
に入れて、ここに
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
を提出した次第であります。 今回の
改正案
のおもなる点は、第一は、
受益者負担
及び
原因者負担
の
規定
を加えたことであります。すなわち國または
地方公共團体
が
事業
を行う場合に、その
事業
で
利益
を受ける者がある場合、またはその
事業
を行わなければならないような
原因
と
なつ
た工事を
行つた者
がある場合には、その
利益
を受ける者またはその
原因
となる
行爲
を
行つた者
に
費用
の一部を負担させることが妥当である場合があり、
かつ
かくすることによ
つて事業
を行うことも経済的に容易となりますので、
國立公園事業促進
のため他の類似の
法律
の例になら
つて
本
規定
を設けたのであります。 第二は、
特別地域
内で。
水位水量
の増減を來す
行爲
を
制限
し得るよう
規定
を加えたことであります。すなわち最近の
電力事情
によ
つて水力発電
のための水の
利用
が各所に計画されているのでありますが、ともすれば湖岸、
河底等
が露呈し、または
地貌
の変化を招來する等、
自然風景
の
損壞
を來すおそれがありまして、
國立公園行政
の面から、
景観
の
損壞防止
と
水力利用
との調整をはかる必要がありますため、特にこの
規定
を設け、
景観
の保持に万全を期したのであります。、 第三は、
特別保護地区
を設定し、これが
保護
に関する
規定
を設けたことであります。すなわち
國立公園
においては
自然景観
の維持は大きな眼目であり、
かつ
現在の
世潮
より見てもこれが
保護
の
徹底
を期さなければ悔いを後世に残すことになりますので、現在の
特別地域
内で特に
景観
の傑出した所を
特別保護地区
として
指定
し、
景観
の
損壞行爲
を抑制して
保護
の
徹底
を期せんとするものであります。 第四は、
國立公園法
の
準用地区
を設定する
規定
を設けたことであります。わが國においては
風景
のすぐれた
地域
が多く、これらを
國立公園
に準ずる区域に
指定
して
國立公園法
の一部を準用し、その
保護
のためさしあたりの措置を講じますとともに、これら
風景地
の
利用促進
をはからんとするものであります。 第五は、
國立公園審議会
に関する
規定
を挿入したことであります。すなわち
國立公園委員会
に関する
規定
は、
昭和
十六年の
改正
において戰時中の
委員会整理
のため
法律
から削除されていたのでありますが、
戰後國立公園法
の
民主的運営
の必要から、
昭和
二十二年
勅令
による
國立公園委員会
として復活し、今日に及んでいるのであります。
從つて
、今回の
法律改正
に際して、
國立公園審議会
として、その
職務権限
を
規定
することといたしたのであります。その他
特別地域
に関し、新たに補償の
規定
を設け、あるいは裁到所に関する
規定
を改める等、新憲法に伴う所要の
改正
をはかり、また最近の情勢に合せて
罰則
の限度を引下げたのでありますが、要は、いずれも
保護利用
の万全を期するためのものであります。 以上、
簡單
でございますが、
國立公園法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を御
説明
いたしました。何とぞ御
審議
の上、すみやかに可決あらんことをお願いいたします。
堀川恭平
15
○
堀川委員長
質疑
に先だちまして、皆樣方に
ちよ
つと申し上げておきますが、ただいま
宮崎保險局長
が参議院の
委員会
に出席しておりますので、今お
見え
にな
つて
おりません。そこで、
保險局長
以外の
政府委員
の方はお
見え
にな
つて
おりますから、一括して
議題
といたしております
関係
上、
皆様方
もさよう御了承願いたいと存じます。
丸山直友
君。
丸山直友
16
○
丸山委員
まず
医療法
の一部を
改正
する
法律案
に関して、お伺いいたしたいと思います。ただいまの
提案
の
理由
の御
説明
におきまして、
現行規定
の、
廣告
に関する
規定
が非常に
嚴重
である、これを
緩和
したいということでありまするが、その
緩和
になります一つの
條件
は、他の
法令
の
施行
を円滑にするためというような
理由
にな
つて
おると考えるのであります。しかし、先般私
ども
にお示しになりました
書類
では、
技能
、
治療方法
にわたる場合であ
つて
もということが、実は
改正
の
理由
の中に
説明
されておるのでありますが、今日御
説明
の中には、
技能
、
治療方法
にわたる場合であ
つて
もということがな
かつ
たようであります。
廣告
し得る範囲を、特に必要と認める場合は、他の
法令
の
施行
を円滑にするためということが
目的
にな
つて
おるのでありますが、ああいう
医師
または
歯科医師
の
技能
、
治療方法
、
経歴
または
学位
に関する場合であ
つて
もという方がおもなる
理由
になるのですか、これを
ちよ
つと御
説明
願いたい。
久下勝次
17
○
久下政府委員
私からお答え申し上げます。
廣告
の
規定
の
緩和
の
精神
は、御
質疑
のように
技能
、
治療方法
、
経歴
、
学位
に関しましては、一切
廣告
をしてはならないというのが
現行
の
規定
でございます。それに該当をいたしましても、特別の場合には
廣告
のし得るようにするのが適当である場合があり得ると考えまして、
改正案
を
提案
いたした次第でございます。しかしながら、いかなる場合でありましても、どんどん
厚生大臣
がこれを承認し得るようにするというつもりではないのでありまして、主として他の
法令
の
施行
のために必要なものというようなことを、私
ども
としてはさしあたり考えておる次第でございます。と申しますのは、具体的に例をあげて申しますと、顯著なものといたしましては、
優生保護法
という
法律
がございまして、これによ
つて人工妊娠中絶
をなし得る
医師
は、各
医師会
から
指定
をされることに相な
つて
おるのであります。その
指定
された
医師
以外の者は、
人口妊娠中絶
の手術ができないことに相な
つて
おります。一方におきまして、先ほど申し上げました
医療法
の
規定
を嚴密に解釈いたしますると、これは
技能
または
経歴
を
指定
されたということを表示すること自身は、
技能
あるいは
経歴
、
治療方法
、いずれかを表示するものと解釈されますので、せつかく
優生保護法
によ
つて指定
をされましても、そのことを表示
廣告
をすることができないという結果に相なるのであります。実際問題といたしましては、実は
優生保護法
の
施行規則
によりまして、
指定医
であることは、
一定
の規格を設けて表示し得ることにいたしておるのでありますが、
医療法
の建前から申しますと、この
省令
は
医療法違反
の
省令
になるのでございます。
從つて
、この際
医療法
にかような
規定
を加えまして、今のようなものを適法化するようにしたいというのでございます。この種の例は、
現行保險法
に基く
保險医
でございますとか、あるいは
國民健康保險法
に基く
保險医
でございますとかいうようなものにつきましても、同樣に考えておるのでございます。そのほか、なお私
ども
としても現に
考慮
中のものもございますけれ
ども
、主としてはそうした
法令
の
施行
の上において必要と認められますものを、さしあたり認めて行くようにいたしたいという考えでございます。これはあまりルーズにいたしますと、結局
廣告
の
制限
を
嚴重
にいたしております根本の
精神
に反して参りますので、できるだけこの
運用
は
嚴格
に
制限
をして参りたいと思
つて
おる次第でございます。
丸山直友
18
○
丸山委員
大体御趣旨は了解いたしましたが、これは
厚生省管轄
ではないかもしれませんが、
労働者災害扶助法
、いわゆる
労災
の
指定医
、これは労働省でありましたか、
指定病院
というものを先般つくられまして、これは
厚生省
でやることに
なつ
たことではないと思いますが、ある
一定
の設備を持
つて
おるところを
労災指定病院
といたしまして、そこでなるべく
労災
は治療を受けるようにという意味で、
労災
による受診者の受診の病院の資格を認めたというようなことが行われたのであります。そのために、ある病院では
労災指定病院
という大きな看板を掲げておるのであります。こういうようなことは、今の御見解から言うとどういうふうになるのでありましようか。
久下勝次
19
○
久下政府委員
私
ども
、実は具体的に
労災指定病院
の内容につきまして、まだ調査をいたしておりませんので、的確なお答えをいたしかねるのでございますが、お話を伺いました程度でありますれば、先ほど申し上げました
健康保險
の
指定医
でございますとか、あるいは
優生保護法
に基く
指定医
でございますとかいうものと同じように扱
つて
よろしいかと思
つて
おりますが、お話の中にございましたように、
厚生大臣
がさようなものを
医道審議会
の
意見
を聞いて認める場合におきましても、その
廣告
の方法については、その
規定
に基きまして、嚴密な
制限
を付するようにいたしたいと思
つて
おります。
從つて
お話にございました、いたずらに大きな
廣告
をしてこれを誇示するというようなことは、必らずしも必要でもございませんし、また反面弊害を生ずるおそれもございますから、
廣告
すべき
事項
のみならず、その方法につきましても、必要な定めができるようにさせていただくようにしてあるのでございます。
丸山直友
20
○
丸山委員
労災
のことは労働省が取扱
つて
お
つて
、
厚生省
の所管でないことは
承知
しておりますが、
厚生省
がこういうことをやるためには、
医道審議会
に諮るとか、いろいろ愼重な態度をおとりになるのでありますが、労働省が
労災指定病院
を
指定
いたしますには、何らの機関に諮ることなく單独にやる。しかもこれは被
保險者
の
利益
というものを主体にしたものではございません。ただ取扱う自分の便宜上に
指定
したものであ
つて
、一般の医院、
診療
所、病院その他の
指定
を受けないものに対して、受診を
制限
するような結果を事実上生じている。これは
厚生省
においては、所管が違
つて
おりますために、これに対していろいろなことをなさることはできないかとは思いますが、しかし一方、
優生保護法
に関するものとか、
健康保險
に関するものとかでも、
医道審議会
に愼重にお諮りになるという建前から言いまして、
労災指定病院
というものは何らの機関に諮る二となく、か
つて
に單独に
指定
しておる。しかも大きな看板をも
つて
患者を集めたいということでや
つて
おる。こういうことで、同じものを取扱う法が二つにわかれて、かくのごとき差が生じて來るということは、おもしろくありません。これに対しては、何か手をお打ちになる
意見
はございませんか。
久下勝次
21
○
久下政府委員
先ほど申し上げました通り、私
ども
は的確に、どういうために
指定
し、またいかにこれを
運営
しておるかということにつきまして、調査しておらないのでございますが、お話のような筋合いでありましたなら、私
ども
もさつそく調査をいたしまして、いずれにいたしましても、これは
医療法
の建前から申しますれば、
現行
法ではさような
廣告
は許されないということにな
つて
おります。ことにこの
改正
に基きまして認める場合には、御指摘のように、十分私
ども
の方としては、その必要性を調査いたしまして、私
ども
がこれをやりますのは——法の適用は、一般國民の利便のためということを考えておるのでございますから、そういうことがない以上は、特に
廣告
する必要を認めないと考えますので、さような面も十分調査をしたいと思います。
堀川恭平
22
○
堀川委員長
それでよろしうございますか。
丸山直友
23
○
丸山委員
よろしうございます。
堀川恭平
24
○
堀川委員長
それでは河野
金昇
君。
河野金昇
25
○河野(金)
委員
私
ちよ
つと遅れて來たので、あるいは前に話が出たかもしれませんが、
厚生省設置法案
が
議題
にな
つて
おりますか。
堀川恭平
26
○
堀川委員長
厚生省設置法案
は
議題
にな
つて
おりません。
河野金昇
27
○河野(金)
委員
それでは、それはあとでお伺いしますが、
國立公園法
の一部
改正
に関連してお尋ねいたします。一体この
國立公園
というものは、
厚生省
の管轄なのか、それとも運輸省や何かの
関係
はどういうようにな
つて
おりましようか、そういう問題からお聞きしたいと思います。
飯島稔
28
○飯島
政府委員
ただいまお尋ねの
國立公園
の
行政
所管の問題につきましては、
厚生省
といたしましては、
國立公園
の
地域
内における施設の整備改善を、
國立公園
計画に基く
國立公園
事業
として、國あるいは
行政
官廳をして執行せしめる建前をと
つて
おります。これに反しまして運輸省といたしましては、
國立公園
その他の景勝地あるいは観光地帯に旅客を輸送するための観光バス、あるいは旅客輸送施設、その他旅客運輸に関する宣傳、誘致
事業
、さらに進んでは、從來は國際観光局におきまして、外客の誘致設備に関する
事業
をや
つて
おつたわけでございます。仕事といたしましては若干重複する面がございますが、現在の段階におきましては、
國立公園
あるいはそれに準ずる景勝地の施設の整備は
厚生省
で行い、それに関する旅客の誘致については運輸省で行うというふうに考えて、調整をはか
つて
おるわけでございます。
河野金昇
29
○河野(金)
委員
戰爭を放棄した日本が、これから立
つて
行くには、やはり
國立公園
というものは、外貨の獲得やら、いろいろな意味においても非常に必要なことだと思います。昨年米國の内務省から
國立公園
を調査に來た人の報告を、私はあるところから手に入れたのでありまするが、今度の
厚生省
の
機構
改革などを見て、非常に不満に思
つて
おられるやに承るのであります。あるいは
厚生省
へもすでにそのメモランダムが行
つて
おるかしれませんけれ
ども
、むしろ今日の段階においては、
國立公園
というものは、
厚生省
では今度は
公衆衞生
局の中の課か何かに置かれるように承
つて
おるのでありますが、
厚生省
だけでいけないものなら、あるいは
厚生省
と切り離してでも、もつと総合的な
國立公園
を考えて行くお考えはないか。
厚生省
としては、あくまでこの小さい
機構
のままや
つて
行かれるのか、それとももう一歩進んで、総合的なものにまで発展拡張されるところの氣持があるかどうか、承りたいと存じます。
亘四郎
30
○
亘政府委員
お説の通り、
國立公園部
というのは、現在
公衆衞生
局の一部に相な
つて
おるのでありまして、
機構
改革に際しましても、
國立公園部
は、現在の
行政
の重要性から見まして、当然存置させなければならないという考え方で、一應存置と相な
つて
おるのであります。將來の対策につきましては、
政府
といたしましても、これがまことに重要なものと認めまして、観光
行政
の一環といたして考えて参りたい。今まで
國立公園
は、戰爭中からずつと考えられておつたように、一つの國民の
公衆衞生
の立場からのみ強く考えられてお
つて
、國民の健康ということを主として考えて参
つたの
が実情でございます。しかし將來の日本におきましては、観光ということに一層重点を置いて
運用
して行くことが適当な段階に徐々になりつつあると考えるのでありまして、そういう意味から行きまして、將來この
國立公園
というものが、衞生という面、それから景勝保全という面からのみでなく、今のお説のような、日本の一つの目に
見え
ない、盡きない資源の輸出という意味にこれを活用することが最も適切だと考えますので、そうしたことを考えますときに、これは当然一つの單独の廳という形に取扱いまして、そうして現在の
國立公園部
、さらに運輸省の所管としてありまするところの観光局と、こうした
機構
が一体となりまして、一つの別個な総合的な機関と相なることが一番望ましいのではないかと、かように現在考えておる次第でございます。
河野金昇
31
○河野(金)
委員
この観光
事業
の問題は、いつも
厚生省
と運輸省との間に、何かなわ張り爭いのようなことがあ
つて
、かえ
つて
目的
をはずれる場合が多い。
從つて
昨年ですか、そういう運輸省とか
厚生省
にこだわらない、内閣直属の機関を設けるという話がありましたのですが、あれは一体できたのですか、それとも話だけで終
つたの
でしようか、もし
厚生省
の方でわか
つて
おつたらお聞かせ願いたいと思います。
飯島稔
32
○飯島
政府委員
昨年八月に、貿易再開後の観光客の來遊状況並びにこれの諸外國の通信報道によりますと、日本に対するツーリストの送出が相当計画的に、アメリカ並びに
関係
諸國で計画されておるという情勢に即しまして、
政府
におきましても、観光
事業
審議
会を早急に設立いたしまして、
関係
各省の総合統一した計画を具体化しなければならないという
目的
のもとに、昨年の八月、観光
事業
審議
会が内閣に設置されたわけであります。設置されまして以來、ほとんど毎週
審議
会の幹事会を開催いたしまして、一應の答申案を得たのでありますが、その答申も十数目にわた
つて
おりまして、今なお
審議
継続中であります。現在までその項目として取上げましたものは、大体六点ございまして、まず第一点は道路の整備に関する計画、第二点は宿舎の整備に関する計画、第三点は観光地における休養、保健、娯樂施設に関する計画、第四点は観光車輛及び船舶の整備に関する計画、第五点は國宝及び史蹟その他天然記念物の保存に関する計画、第六点は——項目の順序は前後しておるかもしれませんが、外資導入に関する資金の融資に関する計画というので、大体現在まで六項目を取上げまして、それぞれ結論に到達して、
政府
に答申の形で建議いたしたわけでございます。その中には資金資材面において日本の経済再建あるいは安本の計画に伴うわくの中に入るものと入らないものとあるのでございまして、一應三十五億ばかりの経費を、観光
事業
整備費として最初立案いたしたのでありますけれ
ども
、ドツジ・ラインで、そういうことを認めることはとても困難な情勢でありましたので、結局五億ぐらいに圧縮して、それを認めることにしたらどうかというような話にな
つて
お
つたの
であります。そこへ道路の整備に関する向うの指令があつたりいたしまして、これらはなお現在の段階においては、具体的に取上げる段階にはまだ至
つて
おらないということで、各省において努力中でありますけれ
ども
、まだ予算面あるいは
法令
の面において具体化しておらない現状でございます。
河野金昇
33
○河野(金)
委員
その内閣に置かれた観光
事業
審議
会でございますか、それは総理廳の中に事務局でもあるのでしようか、ただときどき
関係
各省の
委員
の方がお寄りにな
つて
、そういう
審議
をなさ
つて
、
政府
に答申なされるだけでございましようか。常設的に何かありましようか。
飯島稔
34
○飯島
政府委員
内閣におきます観光
事業
審議
会は、一應総理廳
審議
室で経常的な事務を取扱
つて
おりますが、なお民間の團体の協力を求めなければならないという趣旨から、官廳側及び民間側から常任幹事が出ておりまして、官廳側の常任幹事は官房次長がな
つて
おられ、民間側の常任幹事は、武部全日本観光連盟事務局長がな
つて
おりまして、この両幹事のところでそれぞれ幹事会あるいは
委員会
を招集いたして、事務を促進いたすことにしているわけであります。
堀川恭平
35
○
堀川委員長
岡
委員
。
岡良一
36
○岡(良)
委員
國立公園
の
改正
法案
について一点だけお尋ねいたしたいと思います。
改正
の要点の第二に、水位、水量の増減を來す
行爲
を
制限
し得るというような
規定
があるように
承知
いたすのでありますが、現在の日本におきましては、未開発電源の開発はすべての各党が党是として取上げている重要な問題であります。單に電力と動力を確保し補給するのみならず、治山治水の面において、農林産業の再建復興にも重要な役割を果し、ひいては農山村の
生活
文化の水準の向上にも、一石五鳥の策として各党が取上げている問題であります。現にわが石川縣におきましても、手取川の
國立公園
に
指定
されておる水源地帯におきましては、すでに未開発電力の開発
事業
の第一工事が進められておるのであります。このような点から申しまして、先ほど來の御趣旨のように、われわれが観光資源を活用して外貨の獲得をするということは、最も必要のことだと信じておりますが、あわせてまた産業の復興、民生の安定のために、未開発電源の開発という
事業
も当面重要な意義を持
つて
おると思うのであります。たとえば今申しましたような石川縣の
國立公園
地帯内において、すでに未開発電源の開発
事業
が進められておる。これは確かに五十メートルあまりのダムをつくりますから水位等の増減は著しいものがあるのでありまして、それがこれまでの風致原形を破壞することは当然でありますが、そういうような面におきまして、
厚生省
当局といたしましては、何らかの調査の策について具体的な用意がおありかどうか承りたいのであります。
飯島稔
37
○飯島
政府委員
お説の通り水位水準の
制限
をいたしますことは、日本の水力資源ひいては電力資源の開発を促進するかに一應見受けられるわけでありますが、
國立公園
の
風景
を
保護
する観点から
水位水量
を
制限
いたしますことは、私
ども
は
水位水量
の
制限
をするというよりも、むしろその工事の
施行
方法その他
風景地
帯の発電工事の態樣いかんによ
つて
、さらに
風景
を増すこともあり得るし、またその地方の運輸交通を促進する利点もありますので、それらを総合的に勘案いたしまして、
風景
の調和と水力の
利用
というものを総合的に計画的に開発して行くように、調整すべきではないかというふうに考えておりますので、必ずしも
水位水量
を
制限
することのみ主体として
規定
を設けておるわけではないのでございます。
岡良一
38
○岡(良)
委員
ただいまの御趣旨はよくわかりました。ただお願いいたしたいことは、そういうような大きな國是が、ともすれば対立的な立場に置かれて來ると、從來のセクショナリズム的な行き方でも
つて
、民生の安定、産業の復興に大きな寄與をなすところの未開発電源の開発が、こういう法規によ
つて
大きな拘束を受けるということは、國民一般といたしましても、まことに不幸なことだと思います。で、そういう現実の問題に当りましたときには、大局的な観点からひとつ御
考慮
願いたい、このようにお願いいたしておきます。
丸山直友
39
○
丸山委員
先ほどは
医療法
の
改正
の
目的
とな
つて
おるところを御
質問
申し上げたのですが、今度お伺いしたいのは、
改正
目的
とな
つて
おらない
事項
なのです。
久下
さんにお伺いいたします。
医療法
第十三條には「
診療
所の管理者は、同一の患者を、四十八時間を超えて收容してはならない。但し、臨時應急の処置を施した患者であ
つて
四十八時間以内に移送することが著しく困難であるものについては、この限りでない。」そしてその場合には「当該
診療
所の管理者は、遅滞なく、その
診療
所所在地を管轄する
保健所
の長にその旨を届けなければならない。」とな
つて
おりますが、四十八時間以上にわた
つて
置かなければならない場合に、一回届け出ましたならばどのくらいの期間置くことができるのでしようか。患者が大体に動き得るようになるまで、その後は届け出なくてもいいのですか。この点の
運用
が実際はどうな
つて
おるかということ、また今までに届出がどのくらいの数にな
つて
おるかということを、まず第一にお伺いしたいと思います。 第二番目は附則におきまして、旧來の
規定
で許可を受けたものは三年間は今度の新しい
規定
の適用を免れておるのですが、新しく開設される
診療
所は適用されることにな
つて
おります。ところで実際の状況といたしましては、現在の病院の
規定
としては、ベツド数が二十以上とな
つて
おりますが、二十以上のベッドを持つ病院を新しくつくることは資金、資材の
関係
で非常に困難である。そこで地方に新しく病院をつくります場合においては、
診療
所の形体においてつくる場合が事実上多い。それを希望する者が多いのですが、そういうふうな人たちが新しく二十以下のベツドを持つ
診療
所をつくる場合には、その新しいものは全部四十八時間以上は置けないという
規定
が適用されるので、実際的には手術を必要とする耳鼻咽喉科とか、婦人科の人たちは、新しくつくるものは非常に困難を感じておるのであります。これに対して、何らか
緩和
規定
をつくられるような余地はないものでしようか。またそういうことは不都合であるとお考えになりますか、あるいはそんなことはないとお考えになりますか。
久下勝次
40
○
久下政府委員
診療
所の四十八時間
制限
に関する御
質問
でございます。まず先に一度届出をいたしたあと、さらに
制限
があるかということでございますが、届出をいたしましたあとは別段
制限
を考えておりません。眞にやむを得ざる事情があれば、收容してなおるまで置いて小ただいていいという建前でございます。それから次のお尋ねの届出が何件あつたかということですが、まだ報告が來ておりませんので数字を申し上げることができないことを御了承いただきたいと思うのであります。 それからお話の通りに、二十床以上のベツドを持つ病院をつくることは一今日の
経済状態
から困難である。しかも一方においては、新しくつくられる
診療
所は四十八時間の
制限
が適用されるために、
診療
上支障を生ずるおそれがあるということは、私
ども
も若干ないとは申し上げられないのですが、ただ四十八時間
制限
を設けました趣旨、並びにそれに関連する
医療法
全般の基本的な考え方を申し上げておきたいと思うのであります。この四十八時間以上を越えて
診療
所では患者を收容してはいけないという
規定
を設けましたのは、最近におきまする医学の進歩に伴い、医療の実体から申しまして、入院治療を要しますような疾病につきましては、それぞれ相当な設備を必要とする。その設備がないようなところで行います治療は、大体今日の医学から申しまして、不完全な医療たるを免れない。そこでこういうような設備を要求するということになりますと、どうしてもベツドの数は二十床以上でないと無理であろうというような考え方から、四十八時間の
制限
が生れたわけでございます。さらに付け加えて申しますれば、
診療
所におきましては、近代医学の要求するような設備を整えることは、経営的に無理であるということを考えまして、そうした設備の不完全なところにおいては、いわゆる入院治療というような完全な医療が行えないという考え方から出ておるものでございまして、從
つて診療
所における入院治療を四十八時間に
制限
をする。
医療法
ではかような点を
考慮
いたしまして、公的医療機関
制度
を設け、またこれに対する補助というような
制度
もつくりまして、一面において大きな病院施設を全國に普及するというような考え方をと
つて
おるのであります。かような考え方に基きまして
医療法
全体が組まれておりますが、そのために多少起きます実際上の不便はあると考えるのでありまするが、しかしながら日本全体の医療内容の向上をはかるという大きな方針からこの
制度
が生れたものと私
ども
は理解しておりますので、
從つて
私
ども
としては、できるだけ早く日本全國に適正な病院設備の普及をはかるような方面に努力をいたしたいと思
つて
おるのでございます。ただ本年度は御
承知
のような財政事情から、この方面における予算も僅少でございまして、
ちよ
つと首を出したという程度にも至らないわずかなものでありまするので、今申し上げたような基本的
診療
機関の整備というような点からは、本年一年間は、ほとんど見送らざるを得ないような実情でございます。基本的な
医療法
の考え方が実現し得ませんでしたことははなはだ遺憾に存じておりますけれ
ども
、できるだけ早い機会に、ただいま申し上げましたような構想に基いて医療の基本的な
制度
を確立したいと考えておるのでございます。
丸山直友
41
○
丸山委員
この法の
精神
はよく私
ども
承知
しておりますが、日本の公的医療機関を拡充してりつぱなものにして行きたいということは、
厚生省
へ他の方からの御要求もあると漏れ承
つて
おりますが、これは事実だろうと思います。しかし今の日本の情勢といたしましては、とてもその理想を実現するような施設が早急に行くとは考えられません。ただこの
法律
があまり
嚴重
に行われますと、現在の地方の実情を申しますと、これは耳鼻その他の実例でありますが、入院させる場合には、四十八時間以上置いてはならぬ、置く場合にはいろいろな手続がいるというので、まことに不都合であります。だから入院させないで患者の自宅で手術して、自宅に寢かして置くというような方法が行われておるのであります。これは手術後に医者が患者を看視するという面において、やはり医者の手元に置く方が都合がいいのでありまして、いろいろな危險を防止する上においても必要だと考えます。しかしこの
法律
がございますために、医者がその手数をいやがる、あるいはそういうような入院設備をつく
つて
も、実際にこれを
利用
することに
制限
を受けるから、あまり建築に
費用
をかけて、そういう病室などはつくらないで置こうというような考えから、事実上患者の自宅において手術することが行われておる。これは治療上かえ
つて
惡い結果を來す。この
法律
でよくしようということが、結果としてはかえ
つて
惡いことにな
つて
おるというようなことがありますので、この入院は四十八時間以上はいけないというようなことは、今急にかえるということは困難かと私は考えておりますが、この取扱いに対しては十分なる御留意をお願いしたいと考えます。
久下勝次
42
○
久下政府委員
御指摘のようなこと、あるいはその他の面につきましても、私
ども
としても実はこの四十八時間
制度
につきましては、いろいろな事情があることを聞いておるのであります。ただ先ほど申し上げたような根本的な考え方から出ておりますものだけに、これを再考するとかあるいは
改正
ができるのだということを
ちよ
つと申し上げかねるのでございますが、
運用
の面におきましては、御指摘のような点を注意して行きたいと思
つて
おります。
堀川恭平
43
○
堀川委員長
田代
委員
にお諮りいたします。今
保險局長
が
見え
ていないのですが、その他の点で何か……
田代文久
44
○田代
委員
保險
関係
はあとから
質問
さしていただくとしまして、ただいまそれ以外の点で
質疑
應答されておりますが、これはまだ正式に
審議
しておるわけはないのでございますか。
堀川恭平
45
○
堀川委員長
これは
理事
会でお話し申し上げましたように、実は一括して今
議題
に供しておるのであります。正式に
付託
されたものと、そうでなしに
予備審査
をや
つて
おるものと二つにな
つて
おるのでありまして、
予備審査
をや
つて
おる方は、御
承知
のように参議院が先議をいたしておるのであります。本
委員会
では
付託
になりましたら、でき得る限り早く
法案
を通過さしていただきたいと存じまして、
予備審査
をいたしておるような現状であります。
質疑
は皆さま方の御随意によ
つて
や
つて
いただいておるのでありますが、正式の
質疑
をや
つて
おると同樣のつもりで、ただいま
議題
に供しておるのであります。
田代文久
46
○田代
委員
わかりました。
堀川恭平
47
○
堀川委員長
では社会局長以外に御
質疑
はありませんか。
苅田アサノ
48
○
苅田委員
法律
の
質疑
ではないのですけれ
ども
、いろいろな手続のことについて、少し御
質問
したいのです。第一番に、
法案
なりそれについて参ります資料が非常に遅れているのです。私
ども
は始終このことについては、專門員の方や次官の方にも、できるだけ早く
法案
やそれに要する
関係
資料をまわしてもらいたいということをしばしばお願いしてお
つたの
です。
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案
やこれに関する資料も、この
委員会
へ來て初めて配付されたわけでありまして、これでは
審議
上非常に支障を來すと思いますが、これはどういうわけでありましようか、次官の御答弁をお願いいたしたいと思います。
亘四郎
49
○
亘政府委員
そうした予備知識をたくさん持
つて
いただくために、お手元に早く
書類
の配付ができることが最も望ましいので、
厚生省
といたしましても、できるだけ早くそうした処置をとるように努めて参
つたの
でありますが、私が持
つて
おります第五回國会提出予定
法案
の刷物を見ましても、ただいまお話の
傳染病予防法
の一部を
改正
する
法律案
という名前はありますが、現在の
状態
におきましては、御
承知
でございましようが、司令部の
関係
、しかもPHWS、あるいは、GS、あるいはESSというようないろいろな部門の承認を得て初めでここに
提案
になるのでございますが、これはまたPHWS、あるいはGSの承認も得ておらないでブランクにな
つて
おります。そういう
関係
で、はつきりと
提案
するだけの運びにならないために、正式なものを皆樣の手元に差上げることが非常に遅れ、承認を得ましてからただちに、まことに不体裁なガリ版ではございますが、こうしたものを大急ぎでつくるという差迫つたことになりまして、私
ども
の志と
ちよ
つと沿わない点がございますけれ
ども
、いろいろそうした情勢を御了解下す
つて
、惡しからず御了承をお願いしたいと思います。
苅田アサノ
50
○
苅田委員
次官の御
説明
は一應了解するのでありますけれ
ども
、しかし
傳染病予防法
の
改正
にしても、
國立公園
の
法案
にしても、公報によりますと二十五日には
委員会
に
付託
に
なつ
たと書いてあります。そうすれば、少くとも昨日はわれわれの手元に届いているわけではないかと思いますが、その点いかがですか。
亘四郎
51
○
亘政府委員
政府
から衆議院に
提案
にな
つたの
は一昨日でな
かつ
たかと記憶しておるのでございますけれ
ども
、私もその活版刷りを一昨日
政府委員
室で入手したような次第でありまして、そのときはもうすでにできておつたということを
承知
いたしております。
苅田アサノ
52
○
苅田委員
そうでございましたならば、
委員会
の席上で渡されるのでなくて、前日にでもせめて渡していただけば、われわれの方では勉強して
審議
する余裕もあつたと思うのです。いろいろ支障もありましようが、
政府
の方ではぜひそういう事務を早く運び、なるべくわれわれに便宜をはかるよう今後とも一應御努力をお願いしたいと思います。
從つて
私は
傳染病予防法
一部
改正
の
法律案
、並びに
國立公園
についての
質問
は保留さしていただき、いよいよ
審議
に入るときにあらためて
質問
さしていただきたい、こういうようにお願いいたします。 次にもう一つお願いいたしたいのは、これはたびたび申し上げるのですけれ
ども
、この
委員会
に
厚生大臣
がお
見え
にならないことについてです。今度の
法律
の
改正
はこの
國立公園
の問題でも、また今度出る
健康保險法
の問題にしましても、これがただちに國民の特に勤労大衆の健康の上に大きな重圧になる非常に大きな問題が含まれておるということを、おそらく
厚生省
としても考えておられるだろうと思うのです。しかも最近非常にたくさん
法律案
も出ておるのに、責任の衝にあられる
厚生大臣
が一度も
委員会
にお出にならない。以前私
ども
がこのことを要求いたしましたら、今予算を
審議
しておるので出られないということを言われまことがあ
つたの
ですけれ
ども
、最近また病氣で出られないというようなことを言
つて
おられます。われわれとしては
政府
がはたして國民の厚生
行政
にどれだけ熱意を持
つて
おられるかということに対して、非常に疑問を持つわけなのです。話に聞きますと、民自党の
厚生委員会
の方が、先だ
つて
厚生大臣
に会つたらば、
委員会
が要求すればいつでも出るよということを言われたと私はお聞きしているのですが、それではこの間からしばしば
厚生大臣
に出ていただきたいということ言
つて
いるのが、はたして通しておつたかどうかということさえも疑問だと思います。私は責任のある方がおいでにな
つて
、よくわれわれの
審議
にも加わ
つて
いただいて、それを閣議にも反映していただいて、できるだけ今非常に幅が縮められようとしている國民の健康のための施策についても、もつと熱心にや
つて
いただきたいということをお願いしたか
つたの
です。この点について次官の御答弁をお願いしたいと思います。
堀川恭平
53
○
堀川委員長
苅田委員
に申し上げますが、この本印刷の
法律案
は丈書箱に入るのであります。ガリ版刷りは
委員会
に來るのであります。本日皆樣方にお渡ししましたガリ版は、昨日の夕方受取
つたの
であります。それから
國立公園
の
法案
はきよう始ま
つて
から受取つたような
かつ
こうにな
つて
おるのであります。 それから
厚生大臣
の出席に対しましては、私の方からも特によく言
つて
あるのでありますが、
法律案
が出たら何とかして出て行く、こういうお話であ
つたの
ですが、ただいま御
承知
のように御病氣でどうも出て來られないという現状でありますので、御了承を願いたいと思います。
苅田アサノ
54
○
苅田委員
私
ども
も病氣というだけではなかなか承服できませんので、どういう病氣でいつごろに
なつ
たらおいでになれる見透しがあるのか、その点について後刻でもよろしいのですが承りたいと思います。
亘四郎
55
○
亘政府委員
この前の
委員会
の際、松谷
委員
から御発言がありまして、
厚生大臣
の出席を強く要望せられましたので、ただちに
厚生大臣
にその由を申しまして、できるだけ早く本
委員会
に出席できるように、すべて内閣の方の準備を完了しておいていただきたいということを強く要望してお
つたの
であります。大臣も了承されまして、できるだけ早くそういう準備をして、
法案
の
審議
が正式に始まるまでには出られるように準備をしておくからということであ
つたの
でございますが、はからずも大臣が——病氣と申しましても、神経痛なのでございます。それで注射をして、手当をしてずつと休んでおられるのでありますが、聞くところによりますと、もう一、二日のうちに立てる、こういう
状態
でございますから、必ず間近い
委員会
に出られることと予期しておりますから、どうぞそれまでお待ち下さい。
逢澤寛
56
○
逢澤委員
議事進行について……。ただいま
苅田委員
からの、当局大臣がきわめて不熱心であるというお言葉は私も同感であります。しかしながらそれがためにいろいろのことを保留して、大臣が出て來てから聞こうと言われることについてに、私いささか
意見
があるのです。それはすでに今明日のうちに上げなければ、厚生年金の問題だとか、
健康保險
の問題などは、被
保險者
あるいは
関係
者に対する
給與
が遅れるというような、きわめて重大な事態にな
つて
おるということを拜承いたしておるのです。それにつきましては、便宜上事前に
審議
もやろうというような
皆さん
の好意によ
つて
これは進んでおることなのであります。
苅田委員
の御説もごもつともでありますが、しかしながら多数の者の受ける損失、それからこれは病院にも非常に重大な
関係
をもつ議案なのでありますから、さらに
皆さん
が熱心に議事の進行をおはかり下さ
つて
おるのですから、当局大臣が出て來るまで保留するというようなお氣持でなしに、続々進行していただきまして、できれば今明日のうちにこれを上げていただくように、議事の進行をお願いいたしたいと思います。
堤ツルヨ
57
○堤
委員
この
審議
権の問題でありますが、地方に帰りますと、
皆さん
から言われるのです。代議士はろくでもない
法律
ばかりこしらえて、迷惑するのはわれわれ國民だ、こういう御批評を受けるのでございますが、
審議
権がまずわれわれに十分に與えられないで、いつも
政府
にイニシアをとられた
法律
が通るということによ
つて
、今日の政治の貧困を來しているのではないかと私は思うのでございます。この点につきまして同じわく内におきましても、その筋に対しまして、
政府
側にもう少し努力の余地があるのではないか、私はそういう氣がいたしますので、亘次官の御答弁も了承はいたしますけれ
ども
、この間の内閣との合同
審議
にいたしましても、分厚い
書類
を四つも五つも目の前に出されて、そこで
審議
をしろ、こういうことで
審議
しろと言われましたら、何のために私
ども
はここに上
つて
おるのかわからない。歳費ももら
つて
おるのですから、できるだけ早く
書類
がわれわれの手にまわるように
苅田委員
の
意見
とあわせてお願いいたします。
田代文久
58
○田代
委員
今の問題に関連するのでございますが、実は先ほど
ちよ
つと承りますと、重要な
健康保險
の一部
改正
の問題、厚生年金の問題、それから社会保險の
診療
報酬の問題、こういう問題は非常に取急がれておる。明日までに大体上げて、二十八日の本
会議
にかけたいという御希望のようでありますが、どうもこの
審議
権の問題で私
ども
が
審議
しておるのか、外國人が
審議
をや
つて
おるのか、はなはだわからないような
状態
になるのであります。もしそういうことであれば私たちは二十八日までに上げなければならぬというようなことではどうもならぬのでありまして、実際に厚生当局としましても、またわれわれとしましても、何日から何日までにこれを上げなければならぬというようなことで、わずか一日か二日でばたばた上げてしま
つて
、その前に非常に時間をかけるというようなことになれば、まつたく意味がないのでありますから、この
委員会
といたしましても、あるいは
政府
といたしましても、はつきりこういう重要な全人民に関する問題については、十分
審議
をする必要があるからということを、もし外國
関係
におきましてひまどりますならば一本はつきりそういうことを申入れなり何かされたかどうか、またされる必要を感じられないかどうかということを私は御答弁願いたいと思います。
亘四郎
59
○
亘政府委員
政府
といたしましても、できるだけそうした
法律案
が十分御
審議
を願われることが必要でもあり、また当然であると考えておるのでありまして、私
ども
の方の手続といたしまして、その点に関連して迅速を尊んで参
つて
おるのでありまして、すべて折衝しておりますところの所管官廳のPHWSという方面に承認を求めて
書類
を提出いたします。そこの承認を得まして、そしてGSへさらに提出するのであります。そうした期間をここに書いてありますが、たとえば、四月二日に承認を得たものは四月二日にただちにGSへ提出してあります。また四日のものは四日、五日のものは五日、翌日にまわつたものがただ一つ、時間の
関係
でここに遅く参
つたの
で、翌日にGSに提出にな
つて
おる次第で、もうすべて、できるだけ余裕をおかないで処理して行くように努力して参
つて
おるのでありまして、その点なお私
ども
の方として、十分でないというおしかりを受けてもやむを得ないのでございますが、今後もできるだけ御趣旨に沿うようにして行きたいと考えております。
田代文久
60
○田代
委員
御趣旨に沿うとおつしやいますが、はなはだ消極的、受身で、どうにもならないのでありまして、われわれがはつきり
審議
するのであるということを、的確にこれはや
つて
いただきたいと思います。外國人が
審議
するのでなくて、日本人の健康、あるいは社会保障に関する政策を、われわれ日本人の代表者が
審議
するのであります。すべてこういう
健康保險
の問題なんかは、非常に重要な問題が含まれておりますが、これを一日か一日半のうちに片づけて、そして五月一日からこれを
施行
するということになりますならば、これは非常にいい
法律
でありますならば、國民は
利益
を受けますけれ
ども
、これが非常に不
利益
な
法律
でありますならば、大被害を受けるわけであります。そういう点で私たちは、もしそういう手続がどうしてもとれないというならば、國民に大被害を與えるような
法律
を、二十八日までにぜひとも上げてくれという希望は出していただきたくないのであります。そういう点をはつきりお願いいたします。
苅田アサノ
61
○
苅田委員
第一健康健保險の問題は
保險局長
がおられないですから、今日は
審議
できないのじやないかと思います。そうすれば、結局
政府
の方で
審議
してくれとおつしやいましても、これはもう無意味だと思いますから……
堀川恭平
62
○
堀川委員長
実は今、午後から
保險局長
がここに來るか來ないか、参議院の方に聞きに行
つて
おりますから、その間何かほかに御
質疑
がありましたならば……
岡良一
63
○岡(良)
委員
関連した
事項
でもございませんが、政務次官にお伺いしたいと思います。私
ども
実は、二、三の府縣
医師会
長から、今度
機構
の改革に伴
つて
、府縣の衞生部が廃止されるやに
承知
しておるのであるが、これはゆゆしい問題であるからという
請願
、陳情を受けておるのであります。現在保険衞生は、新しい民主的な立法ないし施設等とともに、新しい展開を期待されておるのでございまして、縣民なり、國民より、ひとしく期待されておるのでありまして、石川縣等におきましても、保險衞生
行政
は、縣政の六大施策の一つとして取上げている
状態
であります。單に石川縣のみならず、他府縣におきましても、かかる
状態
があるものと推定いたすのでございますが、
厚生省
の御指導の方針といたしまして、地方衞生部の存廃について、どういう御見解を持
つて
おられますか、承りたいと思います。
亘四郎
64
○
亘政府委員
過去の地方衞生部の存立を必要としておつたということは、ひとしくこれは認められておるのでありますし、また現在におきましても、その必要をなお痛感しておるのであります。しかし一方におきまして、また
行政
の簡素化という点から行きまして、あるいはその名前がなくても、実際の仕事の面において包含されて來て、仕事にさしつかえのないというところも、また聞き及んでおるのであります。しかし大体におきまして、これは原則としてはやはり必要であるということからいたしまして、ある特殊な縣にありまして、財政上その他の立場から、なくてもいいという解釈をするところは、その縣の方針に一致させて行くというように私は考えております。
堤ツルヨ
65
○堤
委員
そのことにつきまして、
ちよ
つと関連いたしましてお尋ねいたします。私この間、内閣
委員
との合同
審議
のときに
質問
いたしましたが、はつきりと存置いたしますという明確なお答えがあ
つたの
でありますが、今の次官のお答えと少し違うように思いますが、その点はいかがですか。
亘四郎
66
○
亘政府委員
私の申しましたのは、原則として設置させるということは、今あなたのおつしやる通りであります。しかしまた、非常に小さい縣等におきまして、これが必要でないからというようなことで、縣の方でこれを類似の課と仕事を一本にしてもいいというものには、その要望をそのままいれて行つた方がいいのじやないかというように大体
承知
しておるのであります。
逢澤寛
67
○
逢澤委員
次官が
ちよ
うどお
見え
にな
つたの
で、
ちよ
つとお尋ねしておきたいと考えます。助産婦の
國家
指導といいますか、助産婦の技術を向上させるために、
國家
の指導をやる場合があるそうです。そうした場合に、零細なる收入のもとで、
國家
指導を受けるために遠方に出て行く。しかも一週間も出て行くということのためには、莫大な
費用
がいる。とても現下の收入ではまかない切れない。ところがそれに対する國庫の補助というものは、ほんのわずかなものだと聞き及んでおるのでありますが、一体どのくらいな補助が出ておりますか。また今後はどういうようなお氣持であるかということを、一應拜聽いたしたいと思います。
亘四郎
68
○
亘政府委員
不勉強で、ただいまその話の内容を初めて承るので、わかりませんでしたが、今お聞きしましたのですが、それは、今まではそうした訓練は、御
承知
のように七つのブロックにわけまして、そのブロックごとにや
つて
いた
関係
上、距離、
地域
その他において、非常に不便があつたということからいたしまして、今度かえまして、これを縣單位でやるようにとりはから
つて
、
費用
の節減も、またそのことの迅速化もはか
つて
行きたいというように考えておるのであります。
費用
の点につきましては、遺憾ながら、それに対して特殊な
費用
として計上するものではなく、縣の財政に一括されまして、これをまかな
つて
いただく、かように現在考えておる次第であります。
逢澤寛
69
○
逢澤委員
優生法の問題と、そして現下研究を続けておる産児
制限
などということとにらみ合せて、將來助産婦に対する職業上の不安定というものが非常に増大して來ると思うのでありますが、それらに対して、
厚生省
は何かお考えがありますか、ございませんか。
久下勝次
70
○
久下政府委員
ただいまの御
質疑
に対してお答え申し上げます。御指摘のような点が全然考えられないとは思
つて
おらないのでございますが、実は一面におきまして、新しい
法律
によりまして助産婦の教育が六・三・三を卒業して三年間看護の教育を受け、さらにその上一年間というように非常に高いものが要求されまして、これが
昭和
二十六年度から
実施
せられることに相な
つて
おるのであります。
從つて
実は私
ども
心配しておりますのは、むしろ御懸念の点とあるいは反対かもしれませんが、はたしてそういう高い教育によ
つて
、
制度
の実体としてはよいと思いますが、実際の志願者が十分來てくれるだろうかどうかということを心配しておるのであります。
從つて
両々正反対の事実でございますので、そういうような点は私
ども
心配しており、ません。むしろ社会の必要とする助産婦というものが、新
制度
が
実施
されまして、十分に得られるかどうかということを懸念しておるくらいであります。
床次徳二
71
○床次
委員
この機会に
ちよ
つと一言お願いしたいのです。先ほど地方におきまする衞生部の問題につきまして、
政府委員
から御答弁がありましたが、実は地方衞生部の問題は、必ず置いていただけるものと安心しておつたものでありますから、これに対して特に強く御要望申し上げなか
つたの
でありますが、多少地方の状況によりまして、これが動揺するということがありましては、まことにこれは厚生
行政
から申しまして遺憾だと思います。現在各地方の状況を見ますと、どの府縣の状況を見ましても、これがほかのものと一緒にな
つて
よいという
状態
ではないと思います。でき得べくんば
厚生委員会
といたしまして、地方の衞生部を存置するという方針のもとに地方々々の
審議
にあたりまして十分
厚生委員会
の意思を尊重してもらうというふうに、ひとつ
委員長
の方からその方へお申入れをしていただいたらいかがかと思います。
堀川恭平
72
○
堀川委員長
ただいま床次
委員
からの御発言に対しまして御
異議
ないと思いますから、さようとりはからうことにいたします。
床次徳二
73
○床次
委員
國立公園
に関しまして、一言御
質問
しておきたいのです。今までは
國立公園
の設置に対しましては、割合に数をふやされないように
見え
ましたが、今日観光産業の立場におきまして、必要を感ぜられておるからでありますから、できるだけ観光に適当な所は
國立公園
に
指定
し、あるいはただいま
法案
にな
つて
おります準用地というような形におきまして、でき得る限り將來の観光産業の発展の道を今日から築こうということが必要かと思いますが、御当局の方針はやはりさように積極的にこれをある程度まで数をふやすというような考え方を持
つて
おられるかどうか、まず承りたいと思います。
飯島稔
74
○飯島
政府委員
ただいまのお尋ねの点につきましては、
厚生省
といたしましては、從來とも
國立公園
の設置箇所について、いろいろ檢討を加えて参
つたの
でありますが、ただいまお話の通り、最近國際情勢諸般の見地から、観光産業として今から準備をして、將來に備えなければならない点もございますし、また日本列島は地理的にも、地学的にも、氣候学的にも、御
承知
のように世界的な特徴を持
つて
おりますので、できるならば世界的な價値ある場所は
國立公園
として、現代のみでなく、後代の國民のためにも供用し得るように
保護
、
利用
の施設を講じたいと考えております。それでありますから、数につきましても現在十三でございますが、必ずしも十三に限定いたしませずに、少くとも二十箇所内外の必要な箇所を
國立公園
として選定いたしますとともに、
國立公園
に準じまする自然景勝地を
國立公園法
の準用によりまして、
保護
、
利用
の計画並びに施設の設備について育成指導して参りたいと考えておる次第でございます。
床次徳二
75
○床次
委員
從來
國立公園
の選定にあたりましては、自然のままであるということを非常に重視して、人工が入つたものにつきましては、なるべくこれを除外するという方針がとられておつたように承るのであります。また相当開発されたところは、一般の農業その他に、
國立公園法
の適用によりまして大分
制限
が加えられて、住民が不自由を感ずるということは確かにあつたと思います。今後観光産業という立場から見ますと、できるだけ
國立公園法
による事務と申しますか、
制限
を軽くしながら、しかもその
目的
を達するように
運用
していただくことが必要なのじやないかと思うのであります。私
ども
の郷里なんかまだまだこの点におきまして、將來
國立公園
に入るべきところがあるのであります。まずその方針につきまして、できるだけ地元の負担と申しますか、
制限
を少くして、
國立公園法
を廣く
運用
して行く考えがあるかないかということを承りたいことが一つ。もう一つ、この参考資料にあります
國立公園
その他の景勝地調査、將來の
國立公園
の候補地となるべきものがあが
つて
おりますが、これではまだまだ漏れておるような氣がするのであります。これはどういう意味の標準でも
つて
景勝地というものがここにあが
つて
おるのか、事務的のことでありますが、その点承りたいと思います。
飯島稔
76
○飯島
政府委員
從來
國立公園
の選定標準といたしましては、國土の傑出しておる
景観
地でありまして、日本のみならず世界的にも誇示し得る景勝の地であることが第一点、第二点といたしましては、その
地域
の自然科学的あるいは動物学的、植物学的、あるいは地質学的、その他諸般の観点から價値ある
地域
であること、第三点といたしまして、ここが非常に
利用
の中心より近い、あるいは
利用
しやすい
地域
であること、第四点といたしましては、史蹟その他名勝、建造物その他において傑出した文化的資材、價値のあるものを包含しておること、こういうような観点から
國立公園
を選定して参
つたの
でありますが、最近の情勢に照らしますならば、必ずしもこれらの從來の選定基準に拘束されることなくして、新しい観点から日本経済への貢献という観点を取入れまして、またその配分においても、なるべく廣く
國立公園
を全國的な観点から選定して参りたいと考えておるわけであります。
自然景観
の有無につきましては、今回
國立公園法
の
改正
をいたしまして、特に特別
保護
地域
というものを設定さしていただいておりますから、保存しなければならない天然資源、天然現象、あるいは自然氣象というものにつきましては、この
規定
によ
つて
特別
保護
地域
に
指定
していただきまして、それを中核として各所に
利用
の中心であるような地点を、
風景
的に比較的すぐれておるところについては、
國立公園
として
指定
して参りたいと考えておるわけであります。 第二点の景勝地の標準につきましては、これは終戰直後、実は向うの方から、日本の軍事的な力によ
つて
破壞された景勝地を調べて、いかに日本の文化財が戰爭争によ
つて
破壞されたかということの調査を命ぜられました際に、一應これだけの調査対象があるということで報告したものが、その表に載
つて
おるわけであります。
床次徳二
77
○床次
委員
ただいまの御
説明
によ
つて
大体わかりましたが、なお
國立公園
といたしましては、観光という立場を加えますと、
自然景観
よりもう少し別なものが加
つて
もいいじやないかと思います。この意味におきまして、
國立公園法
の本質、考え方自体が、多少ずつかわ
つて
來てよいのじやないか。今回の
改正
によりまして特別
保護
地というものができましたために、自然的保存を要するところだけを重点的にやられるということは、確かに一應わかるのでありますが、今まで比較的落されておつた自然科学的なもの、あるいは自然そのもの以外の観光的な対象という部面の取入れが、
ちよ
つと
國立公園法
の中ではあまりわからないと思うのであります。やはり將來の観光という立場を考えますと、
國立公園
の中にもそういう考え方が入
つて
よいのじやないかと思いますが、いかがでありますか。
飯島稔
78
○飯島
政府委員
実は
國立公園法
ができました最初の
目的
は、國土の傑出した
自然景観
を
利用
して、國民の保健、休養、教化のためにすると同時に、外客を誘致して、國際経済のみならず國際貸借の改善に資するという
目的
——教化
目的
と観光
目的
と、二つの
目的
をも
つて
制定されておつたわけでありますので、われわれといたしましても、この両方の
目的
が再々相ま
つて
達成されますように、將來
運営
して行かなければならないと考えておりますし、今お話の観光的対象を取入れてやるということにつきましても、教化
目的
とし、教育
目的
といたしまして、相当廣く取入れなければならないと考えております。
從つて
國立公園
の選定の基準には、文化的價値あるところ、あるいは自然資源のみならず、文化資源というものを、現代のみならず後代の國民に残しておかなければならないと考えまして、
國立公園
選定の一つの重要な要素として考えて行きたいと考えておるわけであります。
堀川恭平
79
○
堀川委員長
本日はこの程度で打切りまして、次会は明日午前午後
質疑
を継続いたします。
苅田アサノ
80
○
苅田委員
明日はおそらく
健康保險
の問題や、厚生年金の問題がかかると思います。神経痛で御療養中でお氣の毒でございますけれ
ども
、できれば
厚生大臣
に明日の
審議
はお立会い願いたいと思います。
堀川恭平
81
○
堀川委員長
それではこの程度で散会いたします。 午後零時五十二分散会