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堤委員 國立病院、ことに
結核療養所の食事の問題について、ただいま御質問があ
つて、御返答があ
つたのでございますが、私は四、五日前に帰りましたときに、皆さん
厚生省の方は御存じだろうと思いますが、滋賀縣の八幡のポリスさんの経営している療養所を視察したわけでございます。ところが今まで拝見いたしました中では、全國で一番ではなかろうかと思います。そこにみなぎ
つておりますところの空氣全般が、まつたく愛に包まれておりまして、お医者さんの数も少ないという院長の御
説明でございましたが、食事なんかも非常に親切でございます。これを他の
國立結核療養所に比較いたしましたならば、まるで地獄と極楽の違いほどあるということを事実痛感いたしました。そこで今後これらの看護に当る方だとか、
経営者だとかいう人の御指導については、再教育についてはもちろん落度はなかろうと思いますが、こうした模範的なものを、ひとつ
厚生省でも御
指定箇所をはつきりとお出しにな
つて、これを
一つの参考にさせて、教育の材料に、視察もさせ、そうして今後ああした空粛の療養所に持
つて行
つてもらいたいという念願を切に持つものでございます。食事
一つにいたしましても、やはり御飯のたき方
一つ、御飯のこわさ
一つ違うことがはつきりわかるのでございます。もちろん省の方でも、
國立病院の辺鄙な所は、寒む寒むとした病院を療養所におかえになろうという御意思があることと思
つて、最前から伺
つてお
つたのでございますが、まつたく室床の多い今日の國立、縣営の病院は、私がいつも申し上げますように、根本的に再検討を要するのでございますから、
苅田委員からも御
意見がございましたが、拡充もけつこうでございますけれ
ども、今まであるものの充実ということにこの二十四年度は力点をおおきになりまして、そうしてやはり入つたからには喜んで療養できるような機関にしてもらいたい。たとえば八幡の療養所は室床の明くまで三月も四月も半年も待たなければならないというような
現状でありますが、國立経営等でございますと、満員にな
つたのが記念になるというような逆な行き方をしておるということは、
政府自体としても御反省の余地かあり、われわれ
委員会としても今後大いに努力しなければならないと私は痛感して帰
つたのであります。ことにこの療養所とは違いますけれ
ども、今日のパンパン病院というものを拝見いたしましてもまつたく空床ばかりでございます。なぜかと言えば、俗に申します女狩りにひつかかるのは、ごくうとい、いなかからぽつと出て來て、まだ三日ぐらいしかならないのがかかるということでありまして、それであのパンパン病院も開いておるのであります。たとえば京都の平安のごときは、警察の機構がかわります前は、六百、七百、八百というものをむりに入れたのが、今日は七十だそうであります。これなどはまつたく職員は遊んでおります。われわれは
予算を何とかかんとか言
つて、政党政派をも
つて争
つて、けんかしながら金のとり合いをいたしますけれ
ども、こうしたことにほんとうに無駄があるということをつくづく見せられるのでありまして、十分なる御監督と合理的な病院の御運営を私は切にお願いしたいと思います。なぜならば
國民の血の出るような税金をしぼ
つて、今後経営せられるのでありまして、受けた人自体も喜ぶものであり、施したものももちろんこれが活きなければならないのでありますから、なぜ今日まで入れたところの金が活きていないかということを、私はこの
委員会の責任でもありますので、
政府御自体も十分この二十四年度はそこに力点を置いていただきたいということを特に私は申し上げておきたいと思います。