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1949-04-12 第5回国会 衆議院 厚生委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十四年四月十二日(火曜日) 午後一時四十二分
開議
出席委員
委員長
堀川
恭平君
理事
大石 武一君
理事
岡西 明貞君
理事
床次 徳二君
理事
田代
文久君
理事
松永
佛骨
君
理事
福田 昌子君 青柳 一郎君 今泉 貞雄君 田中 重彌君
中川
俊思君
西村 直己君 丸山 直友君 岡 良一君 堤 ツルヨ君
苅田アサノ
君
出席政府委員
厚生政務次官
亘 四郎君
厚生事務官
(
会計課長
)
高田
正巳君
委員外
の
出席者
專 門 員 川井
章知
君 專 門 員
引地亮太郎
君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
厚生行政
に関する
説明聽取
—————————————
堀川恭平
1
○
堀川
委員長
これより
会議
を開きます。 本日は前会に
審議
を延期いたしておりました
厚生行政
の
予算而
について議事を進める
予定
でありますが、この際本
委員会
に
専門員
に就任された
引地亮太郎
君を御紹介いたします。(拍手) それではまず
政府
より
厚生行政
の
予算
について
説明
を聽取いたすことにいたします。
高田正巳
2
○
高田政府委員
お手もとに大分詳細な
資料
を差上げてございますので、これによりまして概括的な
説明
を私からさしていただきたいと思います。その
資料
の一番上の
事項
の欄でございますが、これは
官房
、各局、それぞれ各種の
事項
を並べてあるわけでございます。その下の欄は二十四
年度
予算額
、これが
本年度
の
國会
に提出してある
予算額
の
厚生省関係
の
金額
でございます。その下の欄は前
年度
の
予算額
でございます。その下が
差引増減
、それからずつと
最後
の
厚生省所管合計
のところをめく
つて
いただきますと、二十四
年度
の
予算額
が二百七十四億六千八百四十九万七千円と相
なつ
ております。前
年度
が三百三十七億七百六十八万八千円、
増減
が三十七億六千余万円でこれが増ということに
なつ
ております。 ただ前年と
本年度
との
比較
をしていただきまするために、その一番上の二百七十四億と二百三十七億だけを比べていただいたのでは適当でないのでございまして、その下に
地方財政委員会予算額
と、それから
国立病院特別会計
という二欄がございますが、この
地方財政委員会予算額
と申しまするのは、御
承知
のようにと今
年度
から
地方財政法
の
関係
によりまして、
從來厚生省
に組んでおりました
厚生省関係
の
補助職員
の
経費
を、
地方財政法
によりまして、
地方財政委員会
の一本に組むことに相なりましたので、
予算
の折衝は私の方でや
つたの
でございますけれども、組み方を
財政委員会
の方に移したのでございます。
從つて
二十三
年度
の二百三十七億の中にはこれも入
つて
おりますので、これも足して
比較
をしていただかなければならぬということに相なるわけでございます。それからその下の欄に、
國立病院特別会計
の欄がございますが、これも御
承知
のように前年は
一般会計
の方に入
つて
おりましたので、これも加えて御
比較
をいただくことに相ならなければならぬわけでございます。そういたしますると一番上の欄の二百七十四億六千八百余万円と
財政委員会
の欄の十一億八千百余万円と、一番下の欄の
國立病院特別会計
の二十二億九千百余万円、これを足してみますると、三百九億四千二百四十四万三千円ということに相なります。この三百九億と二十三
年度
の
予算額
二百三十七億を
比較
していただくということに相なるかと存じます。 さらに前
年度
との
関係
を
比較
していただきまする場合に御考慮のうちに加えていただきたいことは、二十三
年度
の二百三十七億という
数字
の中には、
予備金
あるいは
追加予算
で成立いたしました
経費
も含まれております。昨年の当初
予算
は二百五億余万円でございます。従
つて
正確に申しますると、今の二百五億余万円と
本年度
の三百九億四千二百何万円とを比べていただけば、非常に正確なということに相なる次第でございます。大体百億円余りの
増加
ということに結論づけられるわけでございます。以上申し上げましたのが大体総括的な
数字
でありまして、その中味に入
つて
若干の御
説明
を申し上げたいと存じます。 最初の
厚生大臣官房
の
経費
はそこに計が出ておりまするように、
本年度
が三億一千六十九万六千円、前
年度
が二千二百十二万一千円ということに
なつ
ておりまして、これは相当な
増額
に相
なつ
ております。その中で各
事項
は大体
数字
がそこに出ておりまするので、
ごらん
をいただきたいと存じまするが、一、二おもなものについて御
説明
いたしまするなら事ば、三番の
厚生行政
の
普及徹底
に必要な
経費
、これは
本年度
は非常に
多額
に
増額
していただいた
経費
でありまして、御
承知
のように
厚生省
の
行政
といたしましては、
一般
の
國民
の
方々
に十分御理解をいただきますことが、非常に必要な
行政
でありますので、特にこの
経費
の
増額
をお願いしたわけであります。 それから四番目の
社会保障制度
の
企画調査等
に必要な
経費
、これが千三百万円、昨年は三百万円でございましたが、一千三百万円ほど
計上
をお願いしたわけでございます。この
経費
は御
承知
の
通り
、先般
米國
から
社会保障制度
の
調査團
がや
つて
参りまして、各方面にわたりまして
調査
をいたしました結果、
最高司令官
の名前において、
日本政府
に対しまして
勧告書
が出ておるわけでございます。現在の
日本
の
社会保障
に
関連
をした現状の
制度
をいろいろ批判いたしまして、
將來一本
にした総合的な
社会保障制度
をつくり上げたらよかろう、それについてはこれこれの点を十分に注意をするようにという、
簡單
に申せばさような趣旨のものであります。從いまして
厚生省
といたしましては、その
勧告書
に從いまして、
社会保障制度
の全般的な企画をいたさなければならないと存じておるわけでございますが、何分にも非常に廣汎にわたりまするし、しかも
経費
その他につきましても非常に大事きな
仕事
でありますので、十分なる基礎的な
調査
を必要といたします。さような
意味合い
におきまして千三百万円を本年お願いしたようなわけであります。 それから七番の
官房会計事務処理
に必要な
経費
、これが二億五千八百万円ほど
増額
に
なつ
ておりまするが、これは別に特別な
経費
ではございませんので、共通的な
退官退職手当
とか、
共済組合
に対しまする
政府
の
交付金
でありまするとか、
賠償償還金
でありまするとか、
死亡資金
でありまするとか、そういうような共通的な
経費
であ
つて
、昨年は一番しりの方のその他というところへ組んでございましたが、それをこちらに今度は持
つて
参
つて
おる、こういう
関係
でふえておるのでありまして、特別に
内容
は御
説明
する必要もないと思います。 それから次は
公衆衛生局
の
関係
でありまするが、昨年は五億二千百余万円でありましたが、今年は六億八千三百万円、一億七千百七十五万三千円の
増額
ということに相
なつ
ております。ただこれにつきましても先ほど
ちよ
つと御
説明
申し上げましたように、その下の欄の
財政委員会
の欄の一億三千六百十六万三千円、これを加えて昨年と
比較
を願わなければ正確ではないということに相なるわけであります。
公衆衞生局
の各項につきましては、特別に御
説明
を申し上げるようなものもないかと存じまするが、昨年ございませんで本年特に
計上
いたした
経費
といたしまして、二十四番の
屠場
における
原皮
の
取締監督
に必要な
経費
二百九十万円ほど、わずかな
経費
でありますけれども、これは
本年度
新たに
計上
した
経費
であります。
屠場
におきまして食肉の方は十分なる
処理
をいたしてお
つたの
でありまするが、
原皮
の
衞生的処理
に不十分な点もありましたので、その
意味
におきましてこの
経費
を
地方
に流しましてその万全を期したい、かような
意味
で新たに
計上
したわけであります。 それから二十六番の
鼠族昆虫駆除実施
に必要な
経費
が六億二千五百八十四万七千円、これは
公衆衞生局
におきましては一番大きな
経費
でございますが、御
承知
のごとくこれは主として
DDT
をまきまして、かとか、
のみ
とか、しらみとか、さような
傳染病
の媒介をいたしますものを駆除いたす、それからねずみをとる、こういう
経費
であります。さよう申し上げまするとあるいはかとか、
のみ
とかにそんなに金をかけるかという御疑問があるかも存じませんが、これは
終戦
後
関係方面
の強力な指示によりまして始めました
仕事
でありまするが、相当な成果を上げまして、
終戦
後非常に社会的な混乱を來しておりましたにもかかわらず、御
承知
のように
傳染病
がむしろ減
つて
おるということは、これらの
施策
があずか
つて
大いに力のあ
つた
ことと存じておるわけであります。 次は
医務局
の
関係
でありまするが、全体の
予算額
が八億四千二百余万円、前年が三千八百余万円でありまして、八億四百万円ほどふえております。この中で特に御
説明
を申し上げますのは三十四番、三十五番、三十八番で、これらは
ごらん
の
通り
に前
年度
はゼロという
経費
でございましたが、本年新たにお願いを申し上げている
経費
であります。三十四番の
医療法施行
に伴う
医療監視員設置
並びに
講習会
に必要な
経費
百八十九万五千円、これは御
承知
のごとくこの前の
國会
で御
決議
をいただきました
医療法
の
関係
におきまして、
医療監視員
というのを新たに設置することに相
なつ
ているわけでございます。それの
増員
ではありませんけれども、現在中央、
地方
におります
医療関係職員
を
医療監視員
ということにいたしまして、それらの見てまわります旅費でありますとか、あるいは
医療監視員
として
教育
をいたす
経費
を
計上
いたしたわけであります。 それから三十五番の
病院管理研修所設置
に必要な
経費
、これは
病院
の
管理
という点におきまして、わが國の
病院
というものは諸
外國
の
病院
、ことに
アメリカ
の
病院
と
比較
いたしますると非常に遅れておる、かような
意味合い
におきまして、
病院
を
管理
することの專門的な再
教育
をいたしたい、さような
意味合い
におきまして、東一、これは
國立
第二
病院
でありまするが、そこにこの施設を付設いたしまして、そこで再
教育
をいたしたいというので、わずかな
経費
でございまするが、新たなる
経費
でございます。 それから三十八番の
歯科衞
生
行政
に必要な
経費
、これもわずかな
経費
でございまするが、前
國会
におきまして御
決議
を願いました
歯科衞生士法
というのがございまするが、それによりまして御
承知
のデンタル・ハイジニスト、
歯科衞生士
というものを新たに養成をいたすことに相なりましたので、それに
関連
した
経費
をそこに
計上
いたしたわけであります。それから四十番の
國立病院等
の
指導監督
に必要な
経費
というのは五億八千六百万円もふえておりまするが、これは別途
國会
にお願しておりまする
國立病院特別会計法案
と、それから
予算
の方も
特別会計
の
予算
がお願いしてあるのでございまするが、それの
特別会計
に対する
一般会計
からの
繰入金
五億八千五百六十七万八千円をここに
計上
いたしたのであります。その
繰入金
がこの中に入
つて
おりまするので、かようにふえておるわけでございます。 それから四十五番の
國立病院療養所
の
建物
その他諸
設備整備
に必要な
経費
、これが一億九千百万円ほどふえておりまするが、これは後ほど御
説明
申し上げまするけれども、
結核病床
の大
拡充計画
を本年の
予算
の中に包含しておりまするので、その
関係
のこの
臨時費
が一億七千七百万円ほどここに含ま
つて
おるのであります。その
関係
でこの
経費
が相当
多額
に
増加
いたしておるような次第でございます。なお
結核
の
病床
の
拡充
の問題につきましては、
あと
で御
説明
を申し上げたいと存じております。 次は
予防局
の
関係
でございまするが、
予防局
といたしまして総
経費
が十一億、昨年と対比いたしまして四億三千八百万円ほど
増加
をいたしております。ここにおきましても、その下の欄の五億一千万円というのをさらに附加して
増減
をお考えいただかなければならぬわけでございます。
予防局
におきましては、特に御
説明
を申し上げる必要のありますのは、四十八番に
保健所
の
運営
に必要な
経費
一億四千八百五十四万円、
地方財政委員会
の方に
計上
いたしましたものが四億百八万四千円というのがございます、これは御
承知
の
通り
あらゆる衞生
行政
の第一線の中核的な
機関
といたしまして、また
國民
の
公衆衞生
の向上のために欠くべからざる
機関
であるところの
保健所運営
に必要な
経費
でございます。しかもこの
経費
の中には、本年
厚生省
の最も優先的な
施策
といたしまして、
保健所
の大
拡充計画
を
予定
いたしたのでございますが、その一部が実現いたしまして、この中に含まれておるわけでございます。前年といかにかわるかということを
簡單
に御
説明
申し上げますと、十四箇所新たに
保健所
が増設になります。それから從來ございました
保健所
の
一般
的な分は非常に小さいのでございますが、そのうちの三百三十ほどを、定員を
増加
いたしまして、
拡充
をいたすという
予算
がこの中に含ま
つて
おります。さよういたしますと
保健所
の
本年度
の姿といたしましては、これは昨
年度
や
つた
仕事
でございますが、各
府縣
に一箇所ずつ、
從つて
全國で四十六箇所の級と申しますか非常に充実したりつばな
保健所
がある。それから三百三十箇所ほど本
年度拡充
をいたしました中間的な
保健所
がある。それから三百十三箇所ほどは從來
通り
の姿の
保健所
である。こういう形に相なるわけでございます。この
拡充計画
のために約一億七千万円ほどであ
つた
と思うのでありますが、
保健所
の
関係
で
経費
が
増額
に
なつ
ておるわけでございます。 特に御
説明
を申し上げる必要のありますのは、第五十六番の
傳染病予防対策強化
に必要な
経費
、これも昨年より相当ふえておりますが、これは御
承知
の
傳染病
が発生いたしました際における
防疫対策
に必要な
経費
でございます。昨年も
日本
脳炎という
傳染病
が全國的に廣がり、相当な
経費
を
食つたの
でありますが、
本年度
はさらに
多額
の
経費
を
計上
いたしまして万全を期しておるわけでございます。 それから六十四番に、
新規経費
といたしまして
ストレプトマイシン研究
に必要な
経費
を、ほんのわずかな
経費
でありますが、四十万円ほど
計上
してございます。これは
新規
の
経費
といたしまして
簡單
な御
説明
を加えておきたいと存じますが、御
承知
の
結核
の
特効藥
といたしまして、
アメリカ
からさきに菌子を
日本
にわけていただきました。それから
製品
も先般二百キログラムでございましたか
アメリカ
から輸入いたしたのでございます。この
予防局
に
ストレプトマイシン研究協議会
というものを設置いたしまして、
研究
は
予防衞
生
研究所
になり、あるいは各大学なり、さようなところでそれぞれや
つて
いただくのでありますが、その
研究
をここでいろいろ情報を交換いたしましたりして、総合的に有機的に
関連
づけて行こう、そういうような
意味合い
において四十万円ほどの
経費
を
計上
いたしたわけであります。なおずつとめく
つて
いただきまして一番
最後
から二番目の表のところに百三十九番、
國立病院経営
に必要な
経費
、それから百四十三番に
國立結核療養所
に心要な
経費
、その中に先ほど申し上げました
ストレプトマイシン
の輸入の
製品
を合計二千五百人分買い上げまして、
國立結核療養所
並びに
國立病院
に入
つて
おります
結核患者
に実際施してみる、こういう
経費
が約五千万弱両方に入
つて
おります。 次は藥務局の
関係
の
経費
でございますが、ここでは七十番に
特殊医藥品
の
配給確保
に必要な
経費
、これは昨年よりうんと減
つて
おりまして、七億三千二百万円の減ということに
なつ
ております。これは主として
DDT
を
政府
が
メーカー
から買い上げてそれを府懸に賣りまして、先ほど
公衆衞生
の方で御
説明
をいたしましたような
昆虫駆除
という
仕事
でまいて参
つた
わけでありますが、本年はその
DDT
を
政府
が買い上げるということをやめまして、
メーカー
から直接
府縣
の方に賣
つて
もら
つて
、その
府縣
の支出に対して
國庫
が
補助
をする、こういう形をとりましたので、七十番の
経費
はその
DDT分
だけが落ちたわけであります。
從つて
残りました八千六百八十四万三千円というものは、これは
予防接種法
で使いまする
ワクチン類
の買い上げに要する
経費
でございます。さような
関係
でこの七十番の
経費
が非常に
多額
に減少をいたしております。それから七十三番、七十六番、七十七番、この辺は本年のわずかな
経費
ではございますが、いずれも本年新たに
計上
をお願いたした
経費
でございます。 次は
社会局
でございますが、ここでは九十二番の
生活保護法施行
に必要な
経費
百十八億二千万円、昨年と比べますと二十三億六千百万円の
増加
に
なつ
ております。この
費目
が
金額
としては
厚生省
の
予算
の約三分の一を占めております
費目
でありまして、最も大きな
経費
でございます。これは
内容
は御
説明
を申し上げるまでもなく、先般來いろいろ当
委員会
においても御
審議
に
なつ
ております
生活保護法施行
に必要な
経費
でございます。それから九十六番の
傷痍者更正指導所運営
に必要な
経費
、これも四百五十数万円のわずかな
経費
でありますが、本年の新たなる
経費
でございます。これはあるいは
社会局長
からすでに御
説明
申し上げたかとも存じますが、相模原の
國立病院
のすぐ隣りに
傷痍者
、
切断患者
の
方々
の
更生指導所
を
國立
でつくりたい、これに要する
経費
でございます。 次は
兒童局
の
関係
でございますが、
兒童局
は本年が十億三千百万円、昨年と
比較
すると四億七千八百数十万円の
増加
に相
なつ
ております。これは一口に申し上げますれば、全部が
兒童福祉法施行
に必要な
経費
ということで御
説明
がいたせるわけであります。それをそれぞれわけまして、そこに上
つて
おりますような
事項
に分割いたして
計上
をいたしておるわけでございます。ここで御
説明
を加えておきたいと思いますのは、百三番の
経費
の中に七千万円ほどの
施設費
が入
つて
おります。それから百四番の中に
保育所給食
に要する
計費
が
計上
いたされております。 次は
保險局
の
関係
でございますが、百十二番
國民健康保險
に必要な
経費
、これが昨年より二億七千二百六十余万円の
増加
ということに
なつ
ております。この
経費
は
國民健康保險組合
に対する
政府
の
補助金
が主でございますが、この中に
國民健康保険組合
の設置いたします
直営診療所
に対する
補助金
が二億五千万円ほど入
つて
おります。それから百十一番、百十三番、百十四番、この三つの中に
健康保險組合
に対する
政府
の
交付金
、各
特別会計
に対する
一般会計
からの
繰入金
というものがそれぞれその三年の
経費
の中に
計上
いたしてございます。 それから次は
引揚援護廳関係
の
経費
でございますが、四十七億八千七百万円、昨年と
比較
しますと六億九千二百万円の増ということになります。非常にお氣の毒なことでございますが、四十七万人弱の
方々
がまだ異郷においでになるという計算に
なつ
ておりますので、その
方々
が全部本年中にお
帰り
になるという
建前
のもとに
計上
をいたしてあります。百十五番から百十七番までが、引揚港にお
帰り
に
なつ
てから
定着地
にそれぞれお着きになるまで、あるいはその後の一
般引揚援護
に要する
経費
でございます。それから百十八番百十八番から百二十五番までが
復員関係
の
経費
というふうに大わけをして申し上げられるかと思います。なお、百二十二番、百二十三番特別未
帰還者給與法施行
に必要な
経費
、
復員者
に対する
災害補償
に必要な
経費
、これらはこの前の
國会
であ
つた
と思いますが、特別未
帰還者給與法
、それから
復員者給與法
の改正といたしまして、
復員者
に対して
公務災害補償
の
建前
によ
つて
ごめんどうを見るということに相なりましたので、それに
関係
の
経費
を八千五百万円と六億四千一百万円ほどをここに
計上
いたしたわけでございます。 以上で大体
各局関係
の
経費
が終
つた
わけでございますか、その
あと
に各
部局関係
の
経費
がずつと
計上
いたしてございます。百二十七番の
公衆衞生院
の
養成訓練
に必要な
経費
、この中には新たなる
仕事
といたしまして、
從來公衆衞生院
では
短期
の衞生
技術者
の再
教育
をや
つて
お
つた
わけでございますが、
短期
のものしかやりませんでしたのを、本年は
医学科
だけにして一年間の長期の再
教育
を実施いたしたいという
経費
が、ほんの若干でございますが、新たにここに加わ
つて
おります。 それから百三十九番、
國立病院経営
に必要な
経費
六億八千五百三十六万二千円、これは別途
特別会計
として
大藏省
の方から御
審議
をお願をいたしております
國立病院特別会計
に
関連
のあることでございますが、大体の
予定
といたしましては、七月から
特別会計
に移すということに
予定
いたされておりますので、六億八千五百万円というのは、四、五、六の三箇月分の
経費
がこの一番上の段に書いてあるわけでございます。それから一番下の欄に二十一億一千七百万円という
数字
に
なつ
ておりますが、これが
特別会計
に移りましてから後の
関係
の
経費
ということに相なるわけでございます。 それから百四十三番、
國立結核療養所
に必要な
経費
の中に
ストレプトマイシン関係
の
買上げ
の
経費
を含んでおることは、先ほど申し上げた
通り
でありますが、本年の
厚生省
の重要なる
施策
といたしまして、
結核対策
の最もおもなるものといたしまして、
國立結核療養所
の
病床
は八千七百四十四床であ
つた
かと存じますが、約九千床に近いべツドの
増床
をいたしたいと存じておるわけであります。これらはいずれも新たに新築は要しませんので、
建物
の補修をいたしまして、
設備等
をいたしますれば、それだけの
増床
が可能に相なるわけであります。さよういたますと、
國立結核療養所
は約四万四千床を保持することに相なるわけであります。それに伴う
経費
といたしまして、約四億弱のものを
増額
して
計上
してあるわけでありますが、その四億が先ほど
ちよ
つと御
説明
いたしました
医務局
の四十五番の方に、一億七千七百万円ほど
臨時費
が向うの方に割いて
計上
してありまして、残りがこの百四十三番の方に含まれているわけであります。 それからその次の百四十四番の
國立癩療養所
に必要な
経費
の中に、御
承知
の、癩の
特効藥プロミン
を
買上げ
まして施します
経費
が五千万円ほど
計上
してあります。それから百四十九番の
数字
の一番
最後
の項でございますが、六億円ほど
新規
に
計上
いたしてありますが、この
経費
は御
承知
の
日本医療團
が解散ということになりまして、それの持
つて
おりました
療養所
をすべて國に
引続い
だわけであります。目下その引継いだ
医療團
は
清算
の途中にあるわけでありますが、
医療團
から引継ぎました
療養所
の
建物
、土地というようなものに対する代金の
支拂い
をまだ
政府
としてはいたしておりませんので、ここに
計上
いたしまして、
医療團
の方に支拂うことにいたしたいと存じているわけであります。なお
医療團
の方の
関係
は、御
承知
のことと思いますが、
清算
の結果
医療團
として金が余りますれば、
國庫
に帰属することになるわけであります。 それから百五十一番に
予防衞
生
研究所
に必要な
経費
七千九百二十八万円がございますが、ここに人間の
増員
を四、五十名だ
つた
と存じますが、含んでおります。これは血清とか
ワクチン類
とか、さようなものの
檢定——
御
承知
のようないろいろの問題も起りますので、
國家檢定
の
関係
を十分に整備いたしたいという
意味合
から、ここに
増員
並びにそれらに要する
経費
を
計上
してあるわけであります。 特に御
説明
申上げまするおもなる点は大体以上の
通り
でありますが、詳細は御質問によりましてお答え申し上げたいと思います。
中川俊思
3
○
中川委員
こまかいことを質問するのじやないのですが、
ちよ
つと伺いたいのであります。この三百億の中で
人件費
、
物件費
、それから
設備費
と申しますか、大まかにわけて大体の
数字
がわかりませんでしようか。たとえば
人件費
が幾らというような
パーセンテージ
でよろしうございます。
高田正巳
4
○
高田政府委員
正確な
数字
を今調べておりますけれども、出ておりません。
ちよ
つと大体の
数字
を申し上げる自信がないのでございます。実は御
承知
の
通り生活保護法関係
の
経費等
が相当大きく入
つて
おりますので、
從つて人件費
の
パーセンテージ
が相当大きくなると私存じております。いずれ
数字
をはつきりしましてから御報告申し上げます。
田代文久
5
○
田代委員
國立病院
の
特別会計
の
内容
について伺いたい。
高田正巳
6
○
高田政府委員
特別会計
の
関係
は
医務局長
の方からいずれ詳細にお話し申し上げる方が適当かと存じますので、私はごく概略のことを申し上げておきます。ただいま差上げました
資料
の一番下の欄にございますように、
特別会計
の歳入歳出のそれぞれの
合計
は二十二億九千一百九十九万八千円ということに相
なつ
ておるわけでございます。それで歳出の方の内訳を申し上げてみますと、
病院
管理
費が千八百二万円、
病院
経営費が二十一億二千七百四十九万五千円、
施設
整備費が千九百三十万円、看護婦
養成
費が四千六百十九万円、義肢製作費が二千九百九十九万八千円、それから予備費といたしまして五千九十九万五千円。以上
合計
が二十二億九千一百九十九万八千円ということに相なるわけでございます。歳入
関係
から申し上げますと料金收入が十六億七千四百八十万三千円、義肢販賣及び修理收入が二千九百九十九万八千円、
一般会計
からの受入れが五億八千五百八十六万七千円、雑收入が百三十三万円、以上の
合計
が二十二億九千二百九十九万八千円ということに相なる次第であります。
田代文久
7
○
田代委員
これは
特別会計
にすることによりまして、大体
補助金
というものは今までと比べて幾らぐらい減ることになりますか。つまり私たちが考えると、
特別会計
になると
政府
支出が今までよりは減るのじやないかという見当が多くなるのですけれども、
政府
支出としては
経費
が軽くなるというようなお見込ではないかという氣がするのですが……。
高田正巳
8
○
高田政府委員
政府
支出を軽くしようというつもりで
特別会計
ということをお願いしておるわけではないのでございます。ただかような事業でございますので收入、支出の経理面を明確にいたしたい。
從つて
どうしても欠損の生ずる部分は
一般会計
から繰入れをするという
建前
で参
つて
おるわけでございます。特に
特別会計
にするのは
政府
の支出を少くしようというのがねらいではないつもりでございます。
大石武一
9
○大石(武)委員 一つだけお伺いいたしますが、昨
年度
の
國立病院
の医療費の收入はどのくらいありましたでしようか。
高田正巳
10
○
高田政府委員
これはまだ決算が出ておりませんので、正確な
数字
を申し上げかねるのであります。 〔
委員長
退席、松永
委員長
代理着席〕
大石武一
11
○大石(武)委員 大体
本年度
の収入見込の十六億七千五百万円というのとあまり違わぬでしようね。
高田正巳
12
○
高田政府委員
これは昨年と
金額
をすぐ
比較
するということは、なかなか不適当な点があるのでございます。たとえば昨年——たしか九月だ
つた
と思いますが、一点單價が六円から十円に上
つて
おるのです。そういうふうな
関係
もありまして、正確な決算が出ておりませんけれども、前年の收入
金額
と今度予想しております十六億数千万円というのと
金額
として
比較
をしましてもあまり
意味
がないかと存じます。
丸山直友
13
○丸山委員
國立病院
收入は一点單價を一体幾らにお見積りでございますか。
高田正巳
14
○
高田政府委員
融合保險と同じように
一般
が十円で、六大都市は十一円でございます。
丸山直友
15
○丸山委員 一割引というのはどうなりますか。
高田正巳
16
○
高田政府委員
一割引はやめるつもりでございます。
田代文久
17
○
田代委員
今まで
國立病院
には
補助金
は幾ら出ておるのですか。
高田正巳
18
○
高田政府委員
御
承知
のように前年までは
一般会計
でございましたので、今の御質問の御趣旨は結局收入と支出の差がどれだけあるかという御質問だろうと思いますが、そうしますとやはり決算が出て参らないとわからないわけでございます。
特別会計
になりますれば、そういう点が
年度
の途中においても
比較
的明確に
なつ
て行くわけでございます。
一般会計
でありますと、歳出の方と歳入の方は全然別箇に取扱われますので、
ちよ
つと私ども正確な
数字
を申し上げかねるのであります。
田代文久
19
○
田代委員
この問題で私がお尋ねします理由は、これは
特別会計
になると今まで入院されておる無料の患者とか、あるいは生活保護の形で入
つて
おる患者の
方々
が、非常に不利になるのではないかというようなことからいろいろお尋ねしたいと考えておるわけですが、そういう面に対する響き方はどうでございますか。
高田正巳
20
○
高田政府委員
全然
関係
がないと思います。
大石武一
21
○大石(武)委員 私は
政府
委員でも何でもありませんが、
國立病院
にしばらくおりました
関係
で、そのことについて私は今
会計課長
の話は妥当だと思います。
あと
でゆつくり皆様とこの問題について懇談いたしたいと思
つて
おりますが、原則的に
國立病院
に無料で入るということはないわけです。必ず
國民健康保險
か、あるいは生活保護法で、ほとんど全部はそういう費用でまかなわれ、本人が貧乏であ
つて
も医療保護法で十分な医療は受けられたわけです。ただ問題は無料で入
つて
おる、多くは
國立病院
でわれわれが医学的に興味がある患者、勉強なり
研究
になる患者を無料で入れておるのが大部分でして、この前の陳情で無料で八割入
つて
おるというのは非常な違法なのです。あり得べからざることである。不合理なやり方をや
つて
おるわけです。それは
あと
でゆつくり懇談いたしますが、今の
会計課長
の話は当然であると考えております。
田代文久
22
○
田代委員
実際に無料で入
つて
おられる方が何パーセントぐらいありますか。
大石武一
23
○大石(武)委員 多少ありますが、それは医療保護法にも該当しないのもあるのです。当然医療費は出し得るにもかかわらず出さないで入
つて
おる者もあるのです。そればかりでなく、
病院
というものの特質を考えない、
病院
というものは病氣をなおせばいいところなので、別に就職を世話するところでもなければ、それがなお
つて
回復期を過すところでもないのです。ところが
一般
に
國立病院
で無料で入
つて
おる患者の多くは、病氣がなお
つて
も就職を世話してもらうまでそこを自分の住家としておるという考え方を持
つて
おる者が多い。これが今の
國立病院
の患者の現状です。
病院
というものは病氣をなおすべき所で、休養するには家に帰
つて
休養すべきである。
國立病院
のみ
ならず世界中の
病院
の本質は、入院を必要とする患者
のみ
を入院さすのであ
つて
、入院を必要としない者は家に帰
つて
療養すべきで、これを勘違いしておるところに
國立病院
に対する不平不滿が起
つて
來ると思うのです。
田代文久
24
○
田代委員
いずれ
医務局長
からこの点で詳細に御
説明
がございますか。
松永佛骨
25
○松永
委員長
代理 今日は
医務局長
が御出席ございませんので、明日十時から
委員会
を開催いたしまして、
医務局長
の詳細なる
説明
を求めます。
田代文久
26
○
田代委員
予算
問題にまで触れて十分御
説明
があるわけですね。
松永佛骨
27
○松永
委員長
代理 この問題に対して請願がかか
つて
來ますので、その際にひとつ……。
苅田アサノ
28
○苅田委員 それでは会計に関することだけお聞きいたしたいのであります。今日私ここに二十二
年度
の收支決算の報告書を持
つて
参りませんでしたが、この間拜見したときの記憶によると、二十二
年度
の職員の給與が相当額残
つて
お
つた
ように思う。よく
國立病院
は
病床
があ
つて
も医者はいない、看護婦がいない。これはいろいろな原因があるでしようが、それについて
國立病院
の患者の方から訴えがたくさんあるわけです。こういうところから職員に当然出るべき給與が残
つて
いるじやないかと思うのでありますが、これを
ちよ
つと御
説明
願いたいと思います。
高田正巳
29
○
高田政府委員
職員の給與の
予算
が残りますることと、職員に当然
支拂
うべきものを出しているかいないかということとは別個な問題でありまして、職員の給與の方は別個な標準でそれぞれ法律に從いましてきまるわけでございます。そうしてそれに
從つて
支拂い
をいたしておるわけであります。ただ
予算
が余りますような場合は、たとえば欠員が非常にたくさんございまするとかいうような事情によりまして、
予算
が余るという場合は生じて來るわけであります。
從つて
予算
と申しますものは余
つた
からとい
つて
それを
予算
に
計上
しましたなら、全部職員に
支拂
うべき金というわけではないのでありまして、いかなるものをどれだけ
支拂
うかということは、それぞれ
予算
以外の他の法令によ
つて
きまる問題でございまして、
從つて
ただいまの御質問のように、
予算
が余りましても
支拂
うべきものを
支拂
わないで、
予算
を余したということではないように私どもは序ずるのであります。
苅田アサノ
30
○苅田委員 私お聞きしたいのはその点なのです。つまり現状の
國立病院
は看護婦にしても医者にしても非常に欠員が多い。この点も私非常に問題だろうと思う。それについてやはり
予算
の面ではちやんとしたものを持
つて
おりますから、これに対する御
説明
を伺
つた
わけであります。
高田正巳
31
○
高田政府委員
ただいま私手元に欠員
関係
の
数字
を持
つて
おりませんので、明日でも
資料
を持ちまして
医務局
の方から御
説明
申し上げます。
田代文久
32
○
田代委員
これは将來
特別会計
から独立採算制というはつきりした形になる情勢でありますか。
高田正巳
33
○
高田政府委員
ただいまのところ
國立病院特別会計
は独立採算制を
建前
にはいたしておりません。
一般会計
からの繰入れが相当額あるということを前提にしての考え方であります。
田代文久
34
○
田代委員
將來はいかがでありますか。
高田正巳
35
○
高田政府委員
將來におきましても当然独立採算制をとるべきものだということにも考えておりません。
床次徳二
36
○床次委員 八十三
のみ
ぶよもぎ生産
拡充
に必要な
経費
を今年はお出しに
なつ
ておらぬが、それは何か特別の理由がおありですか。
高田正巳
37
○
高田政府委員
これは特別に取立てた理由もないのでありますけれども、駆虫剤といたしましては、ほかにより強力なものも大分出て参りました
床次徳二
38
○床次委員 大体その方で補充がつくというお見込なのですね。
高田正巳
39
○
高田政府委員
なおこれだけの
経費
をかけてやりましてもはたしてそのためにどれだけの率の増産があるかという点も疑問でありますが、この辺で一應打切
つて
みたらどうか、かような
意味合
であります。
苅田アサノ
40
○苅田委員
厚生省
兒童局
関係
の百四になりますが、保育所及母子寮等に必要な
経費
は、
厚生省
の二十二
年度
の
数字
によりますと、大体現在母子寮を必要とする要保護母子家族に対してその二%くらいにしか当
つて
いませんが、今
年度
の
数字
では大体どれくらいのものが建設されるお見込でしようか、それをお聞きしたいと思います。
高田正巳
41
○
高田政府委員
ただいまの御質問あるいは私が御質問の趣旨を取違えておるか知れませんが、百四番の
経費
の上に保育所、女子寮の増設をどのくらい見込んでおるか、こういう御質問じやないかと思いますが、その増設分の
臨時費
につきましては実はここに見込んでございません。保育所、母子寮の増設につきましては
厚生省
といたしましては、ずいぶん努力して折衝いたしたのでありまするが、思うような成果が上りません。ここには今入
つて
おりません。しかし先ほど
ちよ
つと御
説明
申し上げておきましたが、その前の百三番の
経費
の中に、七千万円という新たに増設する費用が
計上
してございます。この七千万円の使い方についてはまだ十分決定をいたしておりませんので、一應そこの百三番の
経費
の中にはうり込んであるわけでございます。これは児童局長の万から御
説明
を申し上げた方が適当かと思うのでありますが、おそらく保育所、母子寮に対して重点的に使われるのじやないかと私は想像いたしております。なお別個に、
厚生省
所管でありませんが、安本の
関係
の公共事業費の中に、大体四千万円ばかりの
経費
を
兒童局
関係
の
施設
の
経費
として
予定
をいたされておるようであります。
從つて
その四千万円も大体母子寮、保育所が重点ということに相
なつ
て來るのではないか、かように考えております。
田代文久
42
○
田代委員
國立病院
問題でなおはつきりさしていただきたいのですが、大体営利化といような点が相当ねらわれておるのじやないかという氣がしますのでその点が第一。それからそういうことを考えますと、歳入の黒字になあない、赤字ばかりというような
病院
は閉鎖される危險はないかという点が第二点。それから
地方
財政に非常に大きく響くのじやないか、
地方
の負担が非常に大きくなるのじやないかという点が考えられますので、その点が第三点。それからさつきの
予算
の七十番に
特殊医藥品
の
配給確保
に必要な
経費
というのがございますが、つまり
DDT
を
政府
が今度は
府縣
にさせる、こうなると結局
地方
財政が非常に重くなるのじやないか。実際に
地方
財政はみな非常に困
つて
おりますので、病虫の駆除ということがきわめて不利に
なつ
て來るのではないかという点が考えられます。こういう点に対する見通しについて伺いたい。
高田正巳
43
○
高田政府委員
特別会計
に
関連
したもの三つの御質問でございますが、営利化しはしないかという御質問に対しては、これは
特別会計
に
なつ
たといたしましても、
一般会計
に
なつ
たといたしましても、その会計経理の方途が違うだけで、いずれも國の会計でやるわけでございまするから、さようなことはしないと存じます。なお
厚生省
として、
國立病院
が
特別会計
になりましたゆえに、これが普通の民間の営利
病院
のごとく相
なつ
てはたいへんです。私とも自体がさようなことは絶対にないように努力いたさなければならぬ。もちろんさようなことは御心配ないと存じます。 それから閉鎖をしなければならぬようなことが起りはせぬかという御質問でございますが、これも
特別会計
に
なつ
たがゆえに、ある
病院
を閉鎖しなければならぬということは考えられないのじやないか。
病院
として考えて、とてもこれは
病院
として置くだけの價値がない、あるいは不適当であるということになれば、閉鎖の問題も別個の問題として起るかもしれませんけれども、
特別会計
に
なつ
たから閉鎖をする、
一般会計
であるから閉鎖をしないというようなことは私は考えられないのであります。さように存じます。それから
地方
財政に非常な負担をかけはしないかという御質問でございます。これは御質問の御趣旨が十分私に
のみ
込めない点がありますが、あるいは生活保護法なんかの適用
関係
で
地方
財政に移
つた
という御趣旨じやないかと思います。これも從來とも生活保護法にかけて治療してお
つた
人たちをやはり生活保護法にかけて行く。
特別会計
に
なつ
たから、特別に生活保護法の範囲を廣げるとか、さようなことは当然の措置としては考えておりません。ただこの
予算
にも、引揚援護廳のところをお廣げを願いますと、百二十二番、百二十三番、これは新たに
合計
七億円以上の
経費
がここに
計上
してございまするが、從來
國立病院
に入
つて
おいで応なる
方々
で、收入未済に
なつ
ておる方の大部分は、これに新たに該当される人々が多いのでございます。ですからこの
経費
がここに
計上
してありまするが、そのうちの相当多くの部分が
國立病院
に入
つて
來る
経費
でございます。さような
関係
におきまして、
國立病院
の方の歳入が前
年度
よりは当然上
つて
來るというようなことも、この
予算
の面から考えられるわけでございます。特に
特別会計
にしたから
地方
財政を圧迫するというふうなことは、私は
ちよ
つと考えられないと思うのであります。 次の御質問の、
特殊医藥品
の
関係
で、
DDT
の
政府
買上げ
をやめたから
地方
財政を圧迫しやしないだろうか、
從つて
地方
が財政的に困窮をしておるからして、この
仕事
に支障を來しはしないだろうか、こういう御心配でございますが、從來のやり方にいたしましても、
政府
が
メーカー
から
買上げ
まして、それを
府縣
に賣
つて
お
つた
わけであります。それはなぜそういう操作をいたしましたかというと、國産品と輸入品との間に價格差がありましたり、あるいは
DDT
というのは最近
日本
で始めたものでございますので、生産計画というようなことに、いろいろでこぼこがございましたので、円滑に
府縣
に使えるように流すためには、
政府
が一ぺん中に入
つて
、全部
買上げ
て、それを
府縣
に賣るというような、中間のプールみたいなものが必要であ
つた
。ところが
DDT
の生産の
仕事
も相当やりましたし、また期間もたちましたし、なお
府縣
でこれを使うという
仕事
につきましても相当な経験を積んで参りましたし、もうそろそろ中間者が手を引いて直接の取引にしても、円滑に流れやしないだろうか、こういう見通しでこういうような
予算
に相
なつ
たわけでございます。
從つて
政府
が
買上げ
て、それをただで
府縣
に與えてお
つた
ならば、今度直接ということになりますれば、
地方
財政の非常な圧迫ということになりますけれども、従來とも
政府
が
買上げ
て
府縣
に賣
つて
お
つた
。それを
メーカー
から買うか、
政府
から買うかという問題だけになるわけであります。その間いろいろこまかい点になりますると、
メーカー
の金繰りの点でありますとか、あるいは
府縣
からの回收——結局
メーカー
の金繰りということになるわけでありますが、
府縣
からその代金の回收が迅速に行かないで、生産の方がうまく行かないというような問題が起りはしないだろうかという心配もあるわけでありまして、その辺のところは
厚生省
といたしましても、十分
関係方面
と連絡をとりまして、齟齬のないように、円滑にこの
仕事
が流れるようにいたしたい、かように考えておるわけであります。
田代文久
44
○
田代委員
そうしますと七億減
つて
おりますね。つまり七億円あまりが、やはり
政府
がそれだけ肩が軽くなるわけですね。それだけやはり
地方
に対して補給金的な形で出てお
つた
ということになるわけではないでしようか。
高田正巳
45
○
高田政府委員
七億というのは、
政府
が
買上げ
の七価という歳出の
予算
がつきますと同時に、今度は
府縣
に賣
つて
それだけの代金を回收するという收入の
予算
が同時につくわけでございます。從來のやり方は、歳出の方は一ぱい一ぱい
DDT
を買うだけの歳出をつけまして、歳入の方は、これを
府縣
が使いました場合には二分の一、それから市町村が使いました場合には、
國庫
に三分の二返
つて
來る。ということは、市町村が三分の一、
府縣
が三分の一、だから三分の二が返
つて
來る。
府縣
が使いました場合には二分の一返
つて
來る、こういう
予算
でや
つて
お
つた
わけであります。それを今度は歳出をやめまして、
府縣
なり町村なりが直接アーカーから買うという形をとりまして、そうしてこつちに対して
補助
の
予算
を組んだ。この
補助
の
予算
は從來なか
つた
わけで、そのかわり半分で賣るとか、三分の二で賣るとかいうことに
なつ
ておいたわけでありますが、その逆に今度は直接向うに買わして、そうして
補助金
を出すという
予算
を組んだわけであります。
苅田アサノ
46
○苅田委員 最初私どもいただきました
厚生省
の
予算
、あれには
政府
の当初
予算
、それから復活要求の
予算
、こういうものがついてお
つたの
ですが、これによりますと
厚生省
の方では当初
予算
では五百三億あまり、それに復活要求がまだ三百二十六億幾らというようなものを付してあ
つた
わけですが、それに比べまして、今度本ぎまりになりました
予算
というのは、二百九十七億というような非常に低い額に
なつ
ております。今日一々御
説明
を聞きますと、これは
日本
のこういう非常に苦しい生活の状況の中で、どうしてもこれだけのものは必要だというので
厚生省
の方で見込まれたものだと思います。それをこういう大幅の削減を受けたということになると、これは非常なむずかしい制限があるということはわかりますが、こういう
予算
では、
厚生省
が当初考えられてお
つた
ような
厚生行政
を行う面について大きな支障が來るのじやないかということを考えるのですが、この点についての御答弁を聞きたいと思います。
高田正巳
47
○
高田政府委員
この前、当初要求額それから復活要求額というものが入
つて
お
つた
資料
を差上げたかと思いますが、これは御参考のために差上げたわけでございます。きまりました
予算
は本日御
説明
申し上げたような
予算
でございます。しからばどうしてもこれだけほしいとい
つて
おきながらこれだけに削られて、
厚生省
としては初め
予定
したような
仕事
ができるか、こういう御質問のように拜聽いたしたのでありますが、もちろん
厚生省
といたしまして要求をいたしました中には、新たに
仕事
を
拡充
いたしますとか、
新規
の事業を起しますとか、いろいろわれわれの理想といたしているところを盛り込んでございましたが、それがほとんど新しい
仕事
、あるいは
仕事
の拡張というようなことは
一般
的な方針によりましてカツトされて來たようなわけでございます。しかしながら先ほど來
ちよ
い
ちよ
い触れて御
説明
申し上げましたように、ほんの若干の
経費
でございますけれども、新たに
拡充
の
予算
も入
つて
ありますし、
新規
のものも
計上
されておりますから、この財政的な情のもとにおいてはこれで満足して、この金を最も有効に使いまして、
厚生行政
の進展に努力するよりいたし方がない、かように私どもも考えて、そのつもりで有効に使うことを
研究
をいたして参りたいと存じている次第でございます。
苅田アサノ
48
○苅田委員 ただいまの御答弁は、厚生当局としての立場からやむを得ない御答弁だと思うのです。しかし私ども、そういう
國民
の保健
行政
についての責任を負
つて
いる委員といたしまして、やはりそれだけでは済まされないじやないかという氣がするのです。それでいろいろ制限はあると思いますが、こういう國の一番大きな宝である人間の、しかも働く健康、そういうものを保
つて
行かなければならない大きな役目を持
つて
いる
委員会
といたしましては、ただ削られたからこれはしようがないというので、割当てられた範囲でこれをやろうじやないかということでなく、われわれも厚生当局の苦しい立場もわかるつもりでいるのですから、もう少しざつくばらんにお話を承
つて
、これはもう手に負えないというところがあれば、厚生
委員会
としてもつと
予算
委員会
なり本
会議
なりに要求を出せるのじやないかと思います。そういう点から、もう少し忌憚のない御意見がお聞きしたが
つた
わけでございますが、これ以上御答弁がなければ、押し問答ですが、私はそういう
意味
で申し上げたのであります。できればもつと内訳について御返事をいただきたい。そうなればわれわれも協力して——これはわれわれだけでなく、おそらくこういうものには
日本
の多くの人が関心を持
つて
いると思います。そういう力まで借りて、もつと
厚生行政
がうまく行くようにや
つた
らどうかと思うためにお聞きしたわけでございます。たとえば一、二の例を申し上げますならば、引揚げ援護費というようなものは、從來だけの援護費ということになりますと、ただ從來の実績によ
つた
ようなことになりまして、現在の引揚げのたくさんの実例から見た不合理な点が少しも矯正されないのじやないかと思います。これによ
つて
見ますと、やはり引揚げの方の費用も当初の要求の二十一億何がしのものから四億という五分の一にも足らないような数に削られておることから考えましても、そこに大きな支障ができるのじやないかと思うのです。そういうところが至るところにあるので、私はそういう点について、たとえば
政府
は外地からの全部の人の引揚げを今年中に完了するのだと言
つて
おるけれども、この四億五千七百万円ですが、こうい
つた
引揚げの費用でも
つて
はたしてそういう万全の受入れ態勢ができるのかどうかというふうなことも私はお聞きしたいのです。
高田正巳
49
○
高田政府委員
御指摘になりましたのは公共業の
関係
の
経費
だと存じますが、二十一億六千三百万円最初要求したのに、四億五千七百万円でははたして受入れの万全を期しておるということができるか、こういう御質問であります。二十一億六千三百万円という
経費
は私どもが理想的な考え方で要求をしたのでございまして、安本で大体
予定
をいたしておりますような私どもと折衝の結果話がまとまりました四億五千七百万円という
経費
がありますれば、まず新たに帰
つて
來られる
方々
の中で、縁故のない
方々
をお入れするところがないというような事態は絶対に起らないつもりであります。從いまして受入れ態勢が不十分だからどうもこうもならぬという問題には立ち至らないと存じます。ただ從來つくりました引揚者、戰災者の
方々
の入
つて
おられる集團的な住宅その他で、若干補修もいたしたいとか何とかいうような
経費
が落されております。これらはわれわれは國費でやりたいという希望を持
つた
わけでありますが、國の財政事情その他もありますのでまず当分見送れるものは見送る、あるいは地元の
経費
でやれるものはや
つて
もらう、あるいは出し合
つて
自分たちで負担してもらえるものはや
つて
もらうということに相
なつ
て行かざるを得ないような事情が起りますけれども、新たにお
帰り
になる
方々
で無縁故の
方々
がお入りになる場所がないというようなことはないつもりであります。公共業費の
関係
では引揚
関係
等よりも非常に御親切な御質問をいただいたわけでありますが、引揚
関係
のものよりわれわれが大いに
拡充
をいたしたいというものが、公共事業費のわくの
関係
でカツトされておるものが相当ございます。しかしいずれも新たに
拡充
をいたしたいという
経費
でございまして、それがカツトされてただちにいかなる支障が起るかということになりますれば、これはただちにこれだけの支障が起るということは計数的に申し上げるような事態にはならない、さように存じております。しかし主として公共事業費の
関係
では、われわれとしてもこれで満足をいたしておるというわけではないのであります。
苅田アサノ
50
○苅田委員 引揚げのことは、單に例ですけれども、そのほか
予防局
の
関係
にいたしましても、あるいは
保險局
の
関係
にいたしましても、
兒童局
の
関係
にいたしましても、私どもから考えまして現状ではこれではならないというものが非常にたくさんあるわけであります。おそらく今
年度
の
予算
を先ほどの御
説明
と合せて考えましても、昨
年度
のそういう
施設
の踏襲以外に改善されるというふうなことは割合に少いのじやないかということを考えるのです。それでは
厚生行政
としては非常に不十分なものしか行われないのじやないか。特に今年は各般の状況を考えまして、生活困窮者というものは決して減らない
のみ
ならず、かえ
つて
非常に
増加
する傾向にあるときに、各般からこうした人たちに対する援助が從前のような不完全では、大きな社会問題まで起りかねないのじやないかということを考えるのです。私はその点からもう少し
厚生省関係
の
予算
については十分な
審議
がしたいと思うのです。今日は先ほどから
委員長
の方でも時間を急いでおいでになります。それからまた見渡しましたところ、非常に御出席が悪いので、こういう状態のままこの
厚生省
の
予算
の
審議
を打切るということはいけないと思うのです。もう少し人員をそろえて、この
予算
の問題については今日もしこのまま続行されないならば、もう一回日を改めて十分
審議
していただきたい、かように考える次第です。できれば明日これを継続して、
國立病院
の
特別会計
制の御
説明
とあわせて
予算
の問題を時間があれば
引続い
てや
つて
いただく、時間がなければ最も早い機会にこれを続行していただきたいということをお願いするわけであります。
亘四郎
51
○亘
政府
委員 苅田議員のただいまの御心配をお持ちに
なつ
た御質問でございましたが、まことに適切な考え方であると思うのでありまして、私どもも全面的に賛意を表して敬意を表するのであります。
厚生省
といたしましても公共事業費はもちろんのこと、その他の
一般
の予質について当初
大藏省
との折衝において要求いたしましたものは、大体本省の
行政
上の理想から行きましてあらゆるものを、たとえば
結核
療養所
にしても、その
病床
を
増加
することは八万床にするということが理想に
なつ
ておるのでありまして、そうしたような形の要求をずつとして参
つて
お
つたの
で、その他
各局
においても皆そうした立場から要求して参
つたの
であります。
從つて
それはもう
厚生省
行政
の完璧を期する
意味
の要求をフルにいたしたのでございます。しかし御
承知
のような状態でございますために、いろいろと折衝の結果削られまして今日の結論に相な
つたの
で、これで十分だとは決して思
つて
おらないのでございます。しかしそう申しますと
ちよ
つと他の省に
関係
もございますけれども、正直な話、これは私個人の考え方も含んでおりますが、他の省と
比較
いたしますと、
厚生省
はその要求したものと現実承認を得たものとの比率が、他の省よりもまだ相当いいような立場に置かれておるということは事実なのでございまして、自己満足のようでありますが、十分できるだけの努力はして参
つたの
でございます。それでも、なお不十分な点もございますから、皆様方の力によ
つて
これが是正されるということであれば、私どもとしては一層喜ばしい立場にあると思うので、どうか御努力をお願いいたしたいと思います。
松永佛骨
52
○松永
委員長
代理 ただいま苅田委員の御希望に対しましては、
ちよ
うど
堀川
委員長
が今御退席中でございますので、その御希望を申し上げて、できるだけさようにしていただけるように御相談いたしておきます。 それでは明十三日は午前十時より、
医務局長
、
予防局
長出席の上で、
國立病院
独立会計制反対ほか十二件の請願を
審議
いたします。なお兒童福祉法の一部改正点につきましても、当局より
説明
を聽取いたす
予定
でございますから、明十三日午前十時よりお集りを願いたいと存じます。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後三時二十一分散会