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松井(豊)
委員 ただいま提出いたしました
請願につきまして、簡單に御説明をいたし、御採択を願いたいと思うのであります。東京都板橋区板橋町より埼玉縣熊谷方面に至る
國道、板橋五丁目先ロータリー個所の路面屈曲急角度のため、幾多の交通事故頻発せられて、それがため該
地点は魔のロータリーと言われておるのであります。この交通事故を防止するためには、昭和二十二年六月、東京都の計画でこの屈曲の急角度を緩和するため、板橋町五丁目八百九十九番
地先の突出
地点を
國道拡張の敷地に充てることに決定したのは、当時都当局の言明するところでありました。御承知のごとく、都市計画業は、交通のためにきわめて屈曲した
道路を直にするというのが大体この障害を除く根本であると思うのです。ところがその後突如として東京都第十四地区の
区画整理委員なるものが誕生するに及び、前の決定的な計画は
変更され、この路面を反対に曲つた方にさらにまた曲げる計画を立てた。同町二丁目二十六番
地先から三十一番地の長さ二百メートル、幅員二十五メートルの地域に現有する商店街を立退かせ、
國道の拡張をはかることになつたのであります。しかし該地域の地理的現状から見るならば、はるかに前の計画が適正であることは一目瞭然であり、また万人の常識が確認するところであります。この地理的現状を閑却して、わが國交通の幹線たる
國道の要衝工事を行うならば、第一歩の誤謬はやがて非常に將來の禍根を残すものと思われるのでございます。何となれば、御承知のごとく三十五度以上を屈曲しております。それにさらにまた何メートルかを出して曲げて來る。先に大きな警察の建物がございまして、その建物を取り拂つて初めて五百メートル程度のこの
道路延長をするならば、大体合法的にできるかもしれませんけれども、どなたが調査いたしましても、合法的に見ることはできない。そこでこの二十二年に都市計画の計画を立てられたことについては、戰災後地元の商店に関係ある方々の代表の方々と当局で、重ね重ねの相談をして、一應現在のままできまつておつたのでございます。そこで店舗を持つたる十数軒の多数の人たちは、当局の了解を得て、苦しい経済から小さな店を建て、今日血の出るような思いをして、辛うじて店ができ上つた状態で、そこでたまたま先刻申し上げたごとく、反対の設計をして、どうしてもこれを取り除いて、この拡張をするというようなことを当局が言明されたということを闘いたのでありますけれども、断じてこれらの問題にわれわれこの商店の者は承服することはできません。現在の東京都の経済情勢を見ましても、二億五千万円のいわゆる経済によつて、あの三十間堀を金にかえなければ、あらゆる
道路、橋梁、製作拡張費は出せぬというような経済に行き詰つた状態である。これらも多数の者は何かと調査をして聞いておる状態でございますから、現街路に対しては、当局におかれまして実情を御調査の上、ぜひとも前計画通り都市計画を行われますことを要望いたしまして、
請願に及んだ次第であります。何とぞ詳細御調査の上、ぜひ御採択あらんことを希望するものでございます。