○江崎(真)
委員 政務次官の決意を被瀝せられた御
答弁と、
事務当局の人の話というのは、そのくらいのものかもしれませんが、どうも食い違いがきわめて多いような氣がする。
予算がこう少くては
責任はわれわれはとてもとれない、満足できぬというような
お答えに承るのでありますが、そんな決意ならばただちにおやめにな
つて、そうしてもつと技術的に自信のある方におまかせにならぬといかぬと思う。幸いに局長もいらつしや
つたようでありますが、もちろん追究して行けばどんな問題が起きても総理
大臣だ、あるいは
建設大臣だというような議論も出るかもしれませんがこれは暴論でありまして、要するに技術というものがもつと私は尊重されなければならぬと思うのです。
経費が少いから、
堤防の強化あるいは砂防の完璧を期することは全然できないというようなことを言うがごときは、これは技術も何にもない議論でありまして、少くとももうわれわれは負けたという現実、そして他國から援助を受けつつ苦しい
予算を遂行して行かなければならぬということは、これはもう来年も再来年もここ当分はやむを得ざる事態であろうかと思います。そうするとこの事態において、一体いかなる技術的考慮を拂うべきか、もちろん治水五箇年
計画などに御苦心を拂
つておられる点は敬意を拂
つておりますけれどもが、いたずらに破れざればつくろわずという悪い言葉もあり、戦争以来荒廃のままにまかせておりまして、
予算が少くては何ともならぬ、こういう氣持ちで対処せられておるならば、いつまで経
つても治山治水の根本に触れて、眞に
水防法を制定して
中央、
地方一体にな
つての
水防強化というようなことは、期待することができないと思うのであります。どうかそれぞれ
事務当局の人たちは、技術においてはもう
日本における指折りの権威者であろうかと思います。この人たちがいたずらに
経費のみに藉口せられて、そうしてこの技術的見地からする
水防の
責任、あるいは自分が
責任ある立場において、決然みずから辞してでも将来の戒めとし、これを他山の石として、なお
水防に当
つて行こうという決意がなか
つたらば、困難な
地方財政に
水防法案をまかせてみて、一体これが円滑なる運用などができるでありましようか、私は
建設省のあり方においても、何も
責任をとるとらぬという問題は今日に始ま
つた問題ではないと思う。昔は
経費が多くて完璧であ
つたから、その当時の者は
責任をと
つたとこうおつしやるかもしれませんが、それは三百代言である。大正六年淀川が決壊したときに、時の大阪土木出張所長は、この淀川決壊の
責任を負うて辞職しております。あるいはまた昭和二年信濃川がやはり決壊しましたときも、その分水をいたいました時の新海所長、これは設計の主任技師であ
つたわけでありますが、いかにも設計の仕方が悪いというので、自ら決壊の
責任を負うてやめております。利根川にな
つたらどうであるか、こういうふうありました、ああいうふうでありましたと、
一つ二つくらいの例を聞かしていただければ、われわれも満足するのでありますが、利根川決壊のときに、次長さんはとても
責任が持てぬからやめる、あるいは上司の判断をま
つてとか、きわめて氣の弱いことをおつしやるか、あの東京土木出張所の加藤という出張所長は、せめて
責任をとるどころか、逆に栄転しておるというきわめて不可解な事態を現出している。あるいはまた栗橋のあの現場主任、あれはどうな
つたかというと、これは二級官から一級官に昇進させて、土木試験所長という重要なる
責任ある立場にある。一体こういうことが、今日
建設省において行われているということは、まさに官紀の弛緩と言わずして何だといわざるをえぬ、少くとも今次長の言明のような生ぬるいことを言
つておるからこうい
つた黜陟などということもなんら
考えられない、ておると言わざるを得ないのであります。しかも
地方財政窮乏のときに、こういうすいぼうほうをつく
つて、これはりつぱなものだと言
つても、あなた方がその氣持ちがなか
つたらいくらりつぱな
法律であ
つても、金蒔絵の重箱の中にさつまいもを入れるのと同じことであなた方が眞に
水防法を
地方に敢行し、これが実効を期待せられるというならば、あなた方から決意を示してかかりなさい、すでに
消防の方においては、
新井消防庁長官は見上げたものだ、まず第一に
責任を追及する。第二番目には
防火施設を強化する、これこそ私は
一つの決意であらねばならぬあなた方の言を借りると、まず第一に強化をする、それからまずぼつぼつ
責任のことでも、上の方がいかんと言えば
考えましようかという、そんなことで一体今日の
日本な
河川が守れると思うところに根本の違いがある。局長も来られましたけれども、この点について局長は次長と
ちよつと腹が違
つた人だと思いますので、御
見解を承りたい。