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鈴木(仙)
委員 ただいま各
委員から三十間堀のことをお聞きになりましたが、参考のために私から申し上げますが、私建築の
関係で先般この問題について
質問いたしました。消防廳に行
つたときもこの話が出まして、それはマツチ箱のような家から発しました火でも大
都市を燒き盡してしまう。これはもちろん消防署の取締りがそこにあることはもつともだが、もつと大きな高度防火という
立場からこの三十間堀の問題はどうかとい
つて、消防廳の方でもこの問題を十分東京都の方にかけ合
つたそうであります。ところがとうとう消防廳が東京都に負けた形であるということを
言つて、非常に防火上残念が
つておりました。火を発して消すというよりも、火を出さないという精神の方がよいのではないかということで、その
意味で追求したのですが、やはり東京都とかけ合
つたがいかぬ。半年も経
つて認められたというようなことを懇談のときに
言つておられましたが、半年も
研究してあれを認めるというようなばかばかしいことはないと思う。これは
都市局長の責任ですよ。これについてはよくお調べにな
つて御答弁があるそうでありますから、その上でまた御
質問申し上げたいと思います。
それから
区画整理の、私がさつき申し上げました問題でありますが、よそではそういう例はないということをおつしやいましたが、大体東京都の
都市計画、いわゆる
区画整理の問題は、
戰爭中の
都市計画とはまたかわ
つて、とにかく前の
都市計画で
道路ができ上
つて、五年も七年も、十年も使えないというようなことがある。なぜ使えないかというと、まん中に鉄道の線路がある。そのために
あと先ができても、この堤防を貫通しなければ使えないという
道路がある。これは一箇所や二箇所ではない。こういうやりつぱなしな
事業もあるのです。そればかりではなく、戰時中の構想とは違
つて、今度立てられました
都市計画に基いての
区画整理が、先ほどもちよつと申しましたが、大体東京都では、当時は人口四百万人くらいに規制して、四十万人くらいを單位として
一つの町をつくる。これは一朝有事のことも
考えそこに何でも置く。もののできる所も、住まえる所も、教育施設も、遊び場も、ものの買える所も置く、ということをやる。そういうように石川
建設局長が夢を描いた。しかもまたが
つての特別
都市計画委員会で私が
質問したときに、これは五十年だか百年だか、これができ上るのは見通しがつかぬというようなことも仰せられておりました。それは私は全國の
都市計画が完了するのに、あるいは五十年、百年かかるのかと思
つておりましたが、一地区の、しかも
区画整理にかか
つた都市計画が、すでに三年や五年じや見通しがつかないというのが現在の
状態ではなかろうかと思います。しかもなおかつあつちにも店を拡げ、こつちにも店を拡げましては、換地の問題が重大な問題である。言いかえれば甲の人が自分の持
つている土地を、これをよそに持
つて行かれて、そしてよそに自分の土地が指定された場合、元の自分の土地は使えない。しからばよそへ行
つて使えるかというと、前の地主ががんば
つて使えない。しかも
区画整理委員会によ
つて決定した換地の処分がついていない。金のやりとりがつかぬとか、計算がつかぬという問題で、しかもこれは一年や半年ではない。二年もそういう例があるのです。この点はあなたはどういうふうにお
考えにな
つているか。これは三十間堀と結びつけたくはないけれども、しかしお互いに國民の土地、都民の土地をあの
区画整理によ
つて、四十メートル、五十メートルの
道路をこしらえるからというので、線を入れたばかりでこの土地の使用ができない。あなた方はこの土地権利者に対する負担をどういうふうにお
考えにな
つておるか。ただ税金をまけるくらいで判を押せでは済まない。今線を引かれている所、あるいはそういうような
区画整理によ
つて、いろいろ不利益をこうむ
つておる人に対してどういうふうなお
考えを持
つておるか。こういうこともお尋ねしたい。
それからまたこの生産地帶あるいは住宅地帶、教育地帶、消費地帶、娯樂地帶というようなものに、場合によれば各地域において特殊なところへ特殊の建物をこしらえなくちやならぬのです。しかも
從來からある権利をそのまま
区画整理のため投げや
つておいて、今度そこへものを建てようとしても、これは建築統制令の問題でとてもでき上らない。これらはどういうふうに責任をお持ちになるか、お
考え願いたい。住宅の場合でもそうです。換地がきまらない。きま
つても自由にできないというのが現在の実情であるが、しからば家を建てる場合、前の所へ建てれば税金が無税で済んだ場合もある。その時期を逸して、しかも
区画整理のために家が建たないで、税金の問題は五分から今二割くらいに
なつた。これらに対するあなた方のお
考えはどうか。
都市計画をこしらえて
区画整理をや
つた場合、建築の面もあわせてとくとお
考えのもとに、ここに許すものは從前にさかのぼ
つて許すような、何か
考え方をお持ちにな
つておるかどうか。これが実行できるかどうか、この点もお伺いしたいと思うのです。あつちも
区画整理をする、こつちも
区画整理をするとい
つて、出先の人が図面の上でいろいろ夢を描くと
言つております。東京都の今の
建設局長の石川さんは、
区画整理とか、
都市計画に対して相当の権威者でありましようが、夢ばかり持
つていたんではしようがない。あつちこつちへ店を
廣げつぱなしておるが、これをどういうふうに収縮して、この足りない
予算でも
つてこれを重点的にお扱いになるか。この問題を
一つ私は聞いておきたいと思うのであります。この
区画整理に協力した者が、今世の中で人のよく言う、正直者がばかを見るというようなことにな
つてはならない。
区画整理も何もあるものか、おれの土地だとい
つて家を建てた人が、今では勝
つたような形にな
つておるが、これではならない。この
区画整理によ
つて迷惑をこうむらした者には、あなた方はそれぞれ責任をも
つて、さかのぼ
つて解決をつけて下さる意思があるかどうか。それをお伺いしたいと思う。