○村田
説明員 ただいま森山委員からの御
質問の
趣旨は、まことにごもつともな
お話でありまして、一物價廳からのみ答弁いたしましても、十分に御満足の行くような答弁はとうていできないと思いますが、ただいまの
お話に関連しまして、物價廳としての立場から一應の答弁をいたしておきたいと思います。
御
承知のように、現在の價格は昨年の六月に補正されまして、その当時におきましても、やはり
石炭の
生産はまず量を
確保するという観点から、特に問題の
生産者價格につきましては、
原則として補正主義、しかもそれを個別にというようなことは、今の
炭鉱数その他から見まして、非常にむりがあるという
関係上、その当時全國を十地区にわけまして、集團的の單一價格という形をと
つておるような次第であります。しかも先ほど申し上げました量
確保の見地から、その單一價格でもまかなえないものにつきまして、赤字加算という
制度をと
つて、とにかく相当の低品位炭を出しておるような、また高品位炭を出してお
つても、能率の非常に低いところも、とにかく出炭をするからにはある程度見合う見通しのある價格をきめる、という処置を講じて來た次第でございますが、最近の情勢におきましては、かなり
需給関係も緩和いたしておりまして、先ほど來御
質問の
趣旨の中にもありましたように、現実に配炭
公團が処分している炭のうちで、低品位炭は若干余
つて來るというような情勢もあり、かたがた
需要者側からは、非常に強い高品位の炭に対する要求もあるやに聞いております。もちろんこの点につきましては、
一つには販賣者價格自体におきまして、いろいろな観点から高品位炭が比較的割安にな
つて來て、低品位の炭がある程度割高にな
つておるという面が、今の低品位炭の処分に相当停滯を來すという原因の一面とも見られます。この点につきましては、物價廳といたしましては
石炭の價格の値上げ、特に販賣者價格の値上げの他
物資に対する影響というものが、相当廣
範囲にわたる
関係上、今の物價は
原則としてかえないのだという現下の情勢におきまして、なかなか思うような形における販賣價格の合理化ということは、非常にむずかしいと思
つておるのですが、そういつた面の矛盾の
調整はできるだけ近い機会においてやりまして、低品位炭の処分の円滑をはか
つて行くということを、販賣者價格の面でまず考えて行きたい。こういうふうに考えております。同時に高品位炭に対する
需要が非常に強い。しかもその
生産を促進するがために、高品位炭ができるだけたくさん出るように、今度は
生産者價格の方でもある程度調節しなければいけない。それが先ほど申し上げましたメリット主義をさらに徹底しろというような形において、現われて來ているのでありまして、これをどの程度
生産者價格に今後織り込んで行くかということが、問題になるのであります。もちろん最近の情勢下におきまして、諸
物資がいろいろな形において値上りを見せ、それが直接に
炭鉱の負担の過重を來しておる。相当経理面において苦しいという
実情を聞いております。私たちといたしましてもまず
生産者價格のペースの値上げというような問題につきまして、その面からある程度経理面の改善をはかりたいと思
つたのでございますが、その問題は御
承知のように三月十日付のメモランダムの
趣旨によ
つて実現できませんでした。こういう観点から見まして現在の價格でや
つてお
つても、高品位炭の
炭鉱も低品位炭の
炭鉱も、一樣に経理面が非常に苦しいという問題がある。それが先ほどのような要請からメリット主義を徹底するということになれば、低品位の
炭鉱は、そうでなくてさえ相当苦しいものがさらに苦しくなる。こういう事情もうかがわれるわけであります。それから低品位
炭鉱に対しまして今のメリット主義を強行する結果、さらに苦しくなる。あのメモランダムの線に沿
つて合理化することによ
つて苦しくなるのを、どの程度
調整して行けるかということと、それから今の高品位炭を出しやすいように、
生産者價格の面である程度緩和して行くことと、この二つの
調整をどの程度に妥協点を見出して、今後の
生産者價格の配分の問題について考慮して行くかということが、今非常に私たちとしましても一番大きな課題にな
つております。從いまして先ほど森山委員から
お話のありましたメリット主義というものを実行するにいたしましても、一挙にコスト主義をやめてメリット主義一本で行くことは、先ほどのような観点から非常に困難だと思います。できるだけその影響が漸進的に來るような形において、考慮して行きたいと思
つております。具体的にそれをどの程度に小刻みにしてや
つて行くかということにつきましては、二十四年度の
生産計画四千二百万トンという数量の
確保が、どの程度の強さをも
つて來るかということとも、重大な関連があるのであります。それとの関連におきまして
安本、
石炭廳と緊密な連絡をと
つて目下檢討中でございまして、具体的にこういつた線で進んで行きたいという具体案を、今申し上げる階段に至
つておりません。その点は御了承を願います。