○大屋國務
大臣 國鉄の整理は、七月一日でございましたが組合の幹部諸君を呼びまして、かねて私が
國鉄がコーポレーシヨンに分離をしない前に――御
承知の六月一日からコーポレーシヨンになりましたが、整理をやるときには必ず話合いをしてやる、拔打的にはやらないという約束をしておりましたので、七月一日に組合の幹部諸君を呼んで話をいたしました。その話の
内容は、第五
國会で通過した定員法に基いて、
國鉄としてはこの新定員法の
予算が七月一ぱいしかないので、八月一日からは定員法に書いてある五十万三千人の職員しかかかえておくことはできないのであるから、どうしてもその定員五十万三千人に過剰する分は七月一ぱいに整理をいたさなければならぬ。しかるに、この人間の数が相当厖大に上るわけで、そうむちやくちやにやるわけにはいかないので、かねてこれはいろいろ研究をして参
つておりました結果、いわゆる、配置轉換という方法と、それから配置轉換の一部になりますが轉職または降職――從來日本の慣例にはあまりなか
つたのでございますが、たとえば駅長をしてお
つた者は、整理をするかわりに助役に使
つて行く、こういう降職――位を
一つ降すわけであります。轉、降職というような方法でやる。また整理をいたします基準はどういう方式でやるかという問題が非常に重要で、やみくもに、ただ君は不適当であるから整理をするのだというような方法では今日の人間はだれも満足しませんので、
納得の行く、しかもだれが見ても相当もつともであるという、俗にいう科学的な方法で、これはかねてアメリカのシステムでセニオリティ・システム、先任順という方法がアメリカの人事行政の方法にな
つているので、この方法についてCTSの方の指導を受けまして、セニオリティ・システムの先任順の思想を加味しました轉降職、先任順による整理の基準を
説明いたしまして、しかもその方式の施行細則の條文をこまかくつくり、それの
説明を加えたものを印刷いたしまして従業員に全部配るという約束をいたしまして、組合と一日の話を終
つたわけであります。
さような
手続をとりまして、七月四日でした、第一回の整理として約二万四、五千の整理を
國鉄総裁の名前において申渡しをいたしまして、次いで第二回目を七月十五日ごろにやりました。合計コーポレーシヨン全体を通じまして九万五千人弱の整理を大方七月二十二、三日に完了をいたした次第でございます。
そこで、しばしば諸君の方でもいろいろな御注文を聞くのですが、首切りばかりが能ではないので、
國鉄自体としてもそれぞれ
國鉄関係のいろいろな運送
関係の民間の会社もありますし、いろいろなインテレステッド・パーティがございますので、首を切られた、整理に
なつた人々を、各所々々で適切な所へ再就職の斡旋をする方途を同時に講じまして、本日まで私のところに集ま
つた報告によりますと、九万五千人弱の被整理者の中で、一万二、三千人の人々の就職が現在できております。これから先もこれを収拾して行きたいと
思つておりますが、九万五千人弱の人々にどの程度これ以上就職の世話ができるか、今
ちよつと申し上げるわけにいきませんが、そういうふうな経過をと
つている次第であります。右が大体概略でございます。