○
足立(篤)
委員 先ほど可決になりました
決議案に対しまして
希望を申し述べたいと思います。毎
國会において同様の
決議案が
全会一致で通
つておるわけでありますが、なお今日遅々として
引揚げ問題が進まないということで、まことに慨歎にたえないわけであります。今回の
決議案も、書き様はこれ以外にないと思うのでありますが、抽象的な
決議案を可決いたしましても、実際的な
効果はまことに疑わしいのでありまして、もう少し
突込んで具体的に、本
委員会としても、あるいは
國会としても、
政府としても
方策を進めるべきであると思う。ただいま
横田委員からも
お話がございましたが、いろいろの
対策を考えて行かなければならぬと思うのであります。それでこの
決議案が
國会に上程されました際に、具体的な
方策を
政府側から願いしたいと思うわけであります。なぜかと申しますと、すでに
総理大臣の
施政演説におきましても、この
決議案にある程度のことはおつしや
つておられる。
政府にすでにその
覚悟があるわけでありまして、それをまたここでたた
決議案を通すというだけではほとんど無意味に近いと思うのであります。前回の
委員会におきましても申し上げたように、現在の協定で月五万を歸すということにな
つておりますが、これから始ま
つたとして、
結氷期までに五万の割合でかりに行きましても、この前の
政府の
お話では四十九万何がしというものは残
つておるということでありまして、
全員帰還ということは不可能になります。不可能なものを
承知で
決議案を出すということは、はなはだおかしな話でありまして、附帯的な
希望としては、結局この五万というわくをさらに増大していただくように、
連合軍司令部に誠意をも
つて國会としても、
政府としても当るということ、なおこの
決議案に
政府にほとんど一任するという形でありますが、事務的な問題はもちろん
政府におまかせする以外にないのでありますが、
國民の輿論を代表して
國会側としても
連合軍司令部、あるいは
ソ連大使館等に、
連合軍の了解を得ますれば折衝を重ねるということもぜひお願いしたいと思うのであります。
衆議院の方ではやはり同じような
決議案が出るだろうと思うのでありますが、
參議院側では相当今まで
突込んで
引揚者の
引揚後の
救護対策等についても考えられて推進されて參
つておりますので、就職のあつせんの問題とか、住宅の問題とか、あるいは
生業資金の増額の問題とか、具体的な問題を
参議院側と御連絡を願い、御檢討の上で、この
決議案が上程される際に、
政府側からも相当
突込んだ
答弁をいただけるように、特に
希望を申し上げたいと思います。