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1949-04-25 第5回国会 衆議院 運輸委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月二十五日(月曜日) 午後二時三十七分
開議
出席委員
委員長代理
理事
岡村利右衞門
君
理事
關谷
勝利君
理事
田中 堯平君 岡田 五郎君
片岡伊三郎
君 平澤 長吉君 鈴木 明良君 高橋 定一君
滿尾
君亮君 河本 敏夫君
志賀健次郎
君
柄澤登志子
君
飯田
義茂君
出席國務大臣
運 輸 大 臣
大屋
晋三君
出席政府委員
運輸事務官
(
官房長
) 芥川 治君
運輸事務官
(
考査室長
)
足羽
則之君
運輸事務官
(
海上保安廳長
官)
大久保武雄
君
運輸事務官
(
海上保安廳保
安局長)
山崎小五郎
君
委員外
の
出席者
運輸事務官
荒木茂久
二君
運輸事務官
紙田
千鶴雄君 專 門 員 岩村 勝君 專 門 員 堤 正威君 ――
―――――――――――
四月二十三日
航路標識法案
(
内閣提出
第九三号)(予) の
審査
を本
委員会
に付託された。 同日 青森市に
工機部設置
の
陳情書
(第二七四号)
丸亀港湾浚渫工事費國庫補助
の
陳情書
(第二八五号) 穴水、
飯田間鉄道敷設
の
陳情書
(第三八八号) 鶴見、南部両
線拂下反
対の
陳情書
(第二九五 号)
多里線拂下反
対の
陳情書
(第三〇一号)
篠園線拂下反
対の
陳情書
(第三〇三号)
國営自動車拂下反
対事の
陳情書
(第三〇五号)
高千穗線拂下反
対の
陳情書
(第三一三号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
日本國有鉄道法施行法案
(
内閣提出
第八三号)
港則法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七 九号)(予)
通訳案内業法案
(
内閣提出
第八二号)(予)
航路標識法案
(
内閣提出
第九三号)(予) ――
―――――――――――
岡村利右衞門
1
○
岡村委員長代理
ただいまより
会議
を開きます。
稻田委員長
が
病氣
で休んでおられますので、私がかわ
つて
委員長
の
職務
を行います。 では一昨日
提案理由
を聞きました
港則法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたしまして、
質疑
に入りたいと思います。
質疑
りある方は発言を許します。 —————————————
岡村利右衞門
2
○
岡村委員長代理
ただいま
運輸大臣
がお見えになりましたので、去る二十三日
予備審査
のために本
委員会
に付託になりました
航路標識法案
につきまして、
政府
の
趣旨説明
を聽取いたしたいと思います。 —————————————
大屋晋三
3
○
大屋
國務
大臣
ただいま上程されました
航路標識法案
について、
提案理由
を御
説明
いたします。
從來航路標識
に関する
法令
としましては、明治二十一年に制定された
勅令
の
航路標識條例
というのがありますが、これは旧
憲法施行
以前のものであり、新
憲法
が
施行
に
なつ
た今日の
法令体制
上、形式的にもはなはだ
現代
に不相應なものでありますし、その
内容
においても、現
情勢
に適應しないものでありますので、
船舶交通
の安全を確保し、
船舶
の
運航能率
の向上に資するため、
航路標識
の
設置
、維持及び運営に関する新たな
法律
を制定する必要があります。これが
航路標識法案
を
國会
に提出する
理由
であります。 本
法案
は
航路標識條例
に全面的な
改正
を加え、種々の新しい
規定
を織り込んだものでありますが、その
内容
の要点は次のごとくであります。 一、
法律
の目的及び
航路標識
という用語の定義についての
規定
を設けました。二、
航路標識
の
設置
及び
管理
は、
原則
として
海上保安廳
において行うこととしました。三、
海上保安廳以外
のものにも、自己の
業務
のためにのみ使用する場合等の事由があるときは、
海上保安廳長官
の許可のもとに、
航路標識
の
設置
及び
管理
を認めることとしました。四、
海上保安廳長官
は、
海上保安廳以外
のものが
設置
した
航路標識
についても
監督権
を有し、その
所有者
または
管理者
に対し、必要があると認めるときは、その修理、改善、
移轉
、
撤去等
の
措置
を命ずることができることとし、特に必要があるときは、直接に
管理
し、または収用することができることとしました。五、
航路標識
の現状に変更があつたときは、
海上保安廳長官
は、それについての告示を発する旨の
規定
を置きました。六、
航路標識
の事故を発見した者に、これを
海上保安廳
の
事務
所に通報すべき
義務
を課することとしました。七、
航路標識
の保全のため、
類似燈火
または音響の使用を
制限
し、障害となる
工事
、もしくは
作業
、または植物の
植栽
に対する
制限
をし、
航路標識
を損傷するおそれのある
行為
を禁止する等の
規定
を置きました。八、
損失補償
についての
規定
を設け、聽問事及び訴願の
制度
を
規定
して、私人の
権利
の
制限
に対し、愼重を期しました。九、
罰金額
を
現代
に相應したものに改めました。 以上
簡單
でありますが、
提案理由
の御
説明
を終ります。何とぞ愼重御
審議
あらんことをお願いいたします。
岡村利右衞門
4
○
岡村委員長代理
本案
に対する
質疑
は
次会
にこれを行うこととします。 —————————————
岡村利右衞門
5
○
岡村委員長代理
これよし
港則法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
審議
に入りたいと思います。
大久保武雄
6
○
大久保政府委員
私から
本法
に関連いたしまして補足をさしていただきたいと思います。
港長
と申しまする
制度
は、
港湾
における
行政機関
の
一つ
でございますが、
港湾
には非常に複雑な
行政機関
が現場にございます。
港湾
の
経営
的な、経済的な向からいたしておりまする
行政機関
と、それから
港湾
の建設をや
つて
おりますような
一つ
の
実地機関
、それから私どもの
港長
が
行つて
おりますような、
港湾
の
交通
安全に関する一種の
警察
、こういつたような
制度
があるわけでございます。そこで本日御
審議
をお願い申し上げておりまする
港則法
は、この
港湾
における一種の
交通取締り
、
そういつた面
からする
航海
の安全に関連しました諸規則を定めておるものでございます。そこでこの
港湾
におけるいわゆる
交通
安全、
警察
的な
仕事
は、これは
港湾
の
経営者
が
從来
あわせて
行つて
お
つた向き
もあつたのでありますけれども、新しい
憲法
並び
に
現代
における
情勢
の
基本的観念
からいたしまして、
從来
の
警察
のように、あらゆる
仕事
を全部やる、あるいは
経営者
が中立的な
交通警察
までやるといつたようなところを改めまして、
港長
は主として
港内
の安全、整頓に関する
業務
のみを実施する、かようなことにいたしておるわけであります。そこでいわゆる
一般
の
港湾
の
経営
的な面をいたしまする
行政機関
並び
にその方の
法律体系
と、この
港湾
における
交通
の安全を期する
法律体系
というものは、全然別個に存在しなければならない次第であります。
本法
は後者の
港湾
における
航海
の安全をつかさどる
機関
並び
にその
行為
に関する諸
規定
の一部を
改正
する
法律案
でございます。
從来現行法
におきましては、
港長
の
錨地
の
指定
と申しまする、船の碇泊する位置を
指定
しまする権能が、あらゆる場合においてこれを定められておつたのでありますけれども、
港湾
の
施設
の
経営者
、
管理者
が
行つて
よろしいような
錨地
の決定、すなわち船が入
つて
参ります場合に、
港湾
の
施設
の
経営者
との間に、どこの埠頭に着くということが契約できるのでありますが、そういう点まで立ち入
つて港長
がこれをさらに行政的に
規定
する必要はなかろうというので、そういう面につきまして、この根本におきましてはこれを取除きまして、單に船が自分のいかりで碇泊をいたします場合に限りまして、
港長
が
錨地
の
指定
をすることにいたした次第でございます。 第二の大きしな点は、
從來
の
港則法
では、船が
港内
の水質を
汚濁
したりする
行為
の
制限
につきまして、別の
法律
において定めるということにいたしておるのであります。ところがこれを別の
法律
にいたしませんで、今回の
法律
の
改正
の中に取入れまして、
港内
におきまして、あるいは油を流しましていろいろな動植物を死滅させましたり、あるいは
石灰がら
やその他の物を捨てまして、
航海
の安全が阻害されるといつたようなことに関する
取締り規定
を設けた次第でございます。 以上申し述べましたような点が
改正
の
主眼点
でございまして、一應
本法
が通過いたしますならば、現在行われておりまする
港則法
がさらに完備された点で、
港内交通
の安全が確保されるものと信ずる次第でございます。
關谷勝利
7
○
關谷委員
今の御
説明
でよくわかるのでありますが、この
港内
の
汚濁
の
制限
というので、燃料が浮遊して
港内
が非常によごれておるというような場合、これを防止すると申しましても、
機帆船あたり防止
の
方法
がないと思いますが、どういうふうな
方法
をとられますか。
山崎小五郎
8
○
山崎
(小)
政府委員
大体今申しました
港内
を
汚濁
いたしまするようなバラストだとか、廃油だとか、
石炭がら
というふうなものは、まず第一の
方法
といたしまして、港に
塵芥船
と申しますか、
ごみ船
と申しますか、そういう前船をもちましてそれに入れさせるというのが
一つ
の
方法
、それからまたそこまでする必要のない港、あるいは能力のない港につきましては、
港長
が大体そ、ういうものを捨てる場所をきめまして、そこに捨てさせるという
方法
でや
つて
行きたいと思
つて
おります。
關谷勝利
9
○
關谷委員
港内
が非常に油でよごれておりますことは、どこの港に
行つて
見ましてもよくわかるのであります。
機帆船あたり
は、
運轉中
に自然流出するものによ
つて汚濁
が生じておるのでありますが、これを除去する
方法
というので、これを一切漏れなくせよということをこの
法令
によ
つて
やられた場合に、
機帆船
は
港内
を動けぬことにな
つて
来るのですが、この点どういうふうに処理されるのですか。
山崎小五郎
10
○
山崎
(小)
政府委員
これにつきまして、できるだけ船の方の設備におきましても、
港内
を
汚濁
しないような
施設
をしてもらうような
方法
を講じまするが、この
法律
の運用上の問題といたしまして、とにかくみだりに
汚濁
するようなことはするなということにな
つて
おりまして、
日本
の今の
経済状態
、
財政状態等
から考えまして、ある程度理想的にできないような場合でも、そういう事情は十分考慮いたしまして
取締り
をいたすことにいたしたいと思います。
關谷勝利
11
○
關谷委員
今の
汚濁
の
制限
でありますが、
機帆船
に関する限りは、その機械を運轉するために使
つて
おりますものが、船内に
たまつて來
る。それが自然に中にたま
つて
参ります水とともに流れて出るというのですから、これは取締の
方法
がないと思いますが、
機帆船
のこれまで出すなということまでやられますと、
機帆船
は動けぬことになりますので、その点は
取締り
のないようにお願いをいたしておきします。
岡村利右衞門
12
○
岡村委員長代理
本案
に関する爾余の
質疑
は
次会
に譲ります。 —————————————
岡村利右衞門
13
○
岡村委員長代理
次に
日本國有鉄道施行法案
を
議題
といたします。
政府
の
逐條説明
を求めます。
足羽則之
14
○
足羽政府委員
日本國有鉄道
の
施行法
の逐條について簡單に御
説明
申し上げたいと思います。第
一條
でございますが、第
一條
は
監理委員会
の
委員
及び
総裁
の
任命
の
事前措置
を
規定
しております。
本條
は
日本國有鉄道
の
最初
の
監理委員会
の
委員
及び
総裁
の
任命
に関する
事前措置
を
規定
したものでございまして、一昨日
大臣
から
提案理由
の
説明
がございましたときに、詳しく申し述べられたようでございますか、この
日本國有鉄道
の
理事機関
である
総裁
並びに副
総裁
及び
理事
は、
日本國有鉄道
が
設立
の際には、確定されていることが必要でございます。ところがその
任命
につきましては、まず
総裁
については
監理委員会
の推薦に基いて
内閣
が
任命
をする、副
総裁
は
監理委員会
の同意を得て
総裁
が
任命
する、
理事
は
総裁
が
任命
する。こういつた
手続
にな
つて
おります。
從つて
これらの
機関
が、
日本國有鉄道設立
の日からその
仕事
をいたしますためには、その前提として
監理委員会
がおそくとも
日本國有鉄道設立
の日である六月一日には
設立
されてお
つて
、そうしてこの
整理委員会
としての職務を執行し得ること、これがその必要な実際上の
前提條件
とな
つて
参ります。ところがこの
監理委員会
の
委員
は、
國有鉄道法
によりますると
國会
の両議院の同意を得て
内閣
が
任命
するものでございますから、この六月一日、
日本國有鉄道法施行
の日に、
監理委員会
の
委員
が
任命
されて、即日
監理委員会
としての機能を発揮するということは、不可能でございまするので、その
事前措置
といたしまして、いろいろな
準備行為
をしておかなければならぬ。こういう意味で、
日本國有鉄道
の
設立
前に、
最初
に
監理委員会
の
委員
となるべき者を、正式の
委員
の
任命
と同じ
手続
をも
つて
指名
をしておく、またこれらのものの推薦によ
つて
、
最初総裁
となるべき者を
指名
しておきまして、これらの者が
日本國有鉄道
の
設立
と同時に、別段の
任命手続
を要しないで、正式の
委員
及び
総裁
になる、こういう
内容
を
規定
しておるのが第
一條
の各項でございます。 第二條は
職員
の
引継ぎ
の関係でございますが、
日本國有鉄道法
の
施行
の際に、どういうふうに
職員
が引継がれるか、並びに引継がれる者の
退職金
に対する
措置
を
規定
したのが第二條でございます。
日本國有鉄道
は、
從來國
が
國有鉄道事業特別会計
をも
つて
経営
をしております
鉄道事業
並びにその他一切の
事業
を包括的に
承継
をして、
経営
をするために
設立
されたものでございますから、これらの
事業
に從事する
職員
は、
政府
から
日本國有鉄道
に引継ぐものでありまして、その
措置
としましては、第一項では
日本國有鉄道法
の
施行
の際に現に
運輸省
の
職員
でありまして
鉄道事総局
あるいは
地方鉄道局
、または教習所のように、主として
國有鉄道
並びに
國有鉄道
に関連する
國営船舶
及び
國営自動車並び
にこれらの
附帯事業
に関する
事務
を所掌しております
部局
、またはその
機関
に勤務する者、つまり
鉄道
の
仕事
をや
つて
おる、こうした者は
原則
として
日本國有鉄道
に引継がれる。こういうことを
規定
しておるわけでございます。そうして今申し上げましたような
部局
並びに
機関
につきましては、
運輸大臣
が別にこれを
規定
をする。またこれらの
部局
または
機関
に関するもので、
日本國有鉄道
に引継がれないものについては
運輸大臣
が特に
指名
をする。つまり引継がれる者は
原則
として全部
指名
されないままの者でありますが、引継がれないものだけを
運輸大臣
が
指名
をする、こういうふうな
手続
を
規定
しておるわけでございます。第二項はその反対でございまして
運輸省
の
職員
でありますが、あるいは
大臣
、官房、あるいは
鉄道技術研究所
のように、
鉄道
に関する
仕事
と、それ以外の
業務
とを一緒に所掌しておる
部局
、または勤務しております者、それらの
引継ぎ
につきましては、
運輸大臣
が
指名
をする者に
限り國有鉄道
に引継がれる。そうしてこれらの
部局
あるいは
機関
は、前項の
規定
によりまして
運輸大臣
の
指名
する以外のものでございます。第三項及び第四項におきましては、これら今申し上げました第一項または第二項の
規定
によ
つて
、
日本國有鉄道
に引継がれた者に関する
退職金
に関する
措置
を
規定
したものでありまして、これらの者は
引継ぎ
の際に
運輸省職員
としての身分は失いますが、しかし
引継ぎ
の際には
退官退職手当
は支給しない、將來その者が
日本國有鉄道
を退職する際に、
政府
の
職員
としてそうした人が勤務した期間は、
日本國有鉄道
に勤務した期間と見なして
退職金
を計算する、こういう
考え方
の
規定
でございます。これは現在の
鉄道特別会計
の
業務
が、包括的に
日本國有鉄道
にそのまま引継がれますので、当然の
考え方
ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。 第三條は
地方公共團体
の議会の
議員
である者に対する
暫定措置
でございますが、この
條文
は
日本國有鉄道法
の第二十六條第二項に、
國有鉄道
の
職員
の
欠格條項
といたしまして、
地方公共團体
の議会の
議員
が
規定
されておるのでございますが、それらの前條の第二項あるいは第二項の
規定
によ
つて
、
日本國有鉄道
に引継がれ、
日本國有鉄道
の
職員
とな
つた人
については、二十六條の第二項の
規定
にかかわらず、
暫定措置
としてその任期中は引続いてその
議員
との兼職を認めたい。こういう
趣旨
でこの
條項
は
規定
をいたした次第でございます。 その次の第四條は
権利義務
の
承継
でございますが、先ほど述べましたよう〕に、
日本國有鉄道
が、
從來國
が
國有鉄道事業特別会計
をも
つて
経営
をしております
鉄道事業
その他一切の
事業
を、包括的に
承継
をして
経営
するために
設立
されるものでございますから、
一つ
の生きておる
事業体
としてのこの活動は継続をしておる次第であります。
從つて
たとえば
從前
の
國有鉄道
に対する
物品納入
の契約に基いて國が所有をし、あるいは負う
権利義務
のごとき、これらの
事業
に関連をしまして國が所有し、または持
つて
おりますところの
権利義務
は、
原則
としてすべて
日本國有鉄道設立
のときにおいて、
日本國有鉄道
が國から
承継
するこういう当然の
規定
でございます。 第
五條
は
訴訟
の継承に関する
規定
でございます。
從前
の
日本國有鉄道事業
の
経営
上の
いろいろ舞
な事故基く荷物の
損害賠償
の請求の
事件
、あるいは
慰藉料
の請求の
事件
、そういつたようないろいろな、
日本國有鉄道
が
政府
から
承継
をして行う
事業
に関しまして、國を原告とし、または被告とする
訴訟
でございますが、こうしたもので
國有鉄道法施行
の際に、現に
裁判所
に係属をしておりますものは、
日本國有鉄道法
の
施行
の場合に、法人たるパブリツク・コーポレーシヨンが受け継ぐことを定める。これが前段の
規定
でございます。すなわちこれらの
訴訟
につきましては、六月一日から
日本國有鉄道
を
当事者
とする
訴訟
となるわけでございます。後段は、
從前
の
鉄道
が
政府
から
承継
をして行う
事業
に関しまして、
行政廳
のなした処分に伴う
行政廳
を
当事者
とする
訴訟
でございますが、これらの
日本國有鉄道法
の
施行
の際に、事現に
裁判所
に係属しておりますものについては、
日本國有鉄道
の
総裁
がこれを受け事継ぐ、こういうことをきめたものでござしいます。 第六條は
共済組合
に関する
措置
でございますが、
運輸省
に属しておりまして、陸運に関する
事務
並びに
國有鉄道
に関連する
國有船舶
及び
倉庫営業
に関する
事務
に從事する
職員
、そうした
職員
は
國家公務員共済組合法
第三條第二項第八号の
規定
によりまして、
運輸省
に設けられる
共済組合
、すなわち
運輸省
の
國鉄共済組合
の
組合員
でございます。ところがこの
組合員
で
日本國有鉄道
に引継がれないもの、これは
運輸省
にある
共済組合
の
組合員
となるのではありますが、しかし
從前
の
共済組合
に関する
條件
を維持することが妥当である、こういうふうに考えますので、
暫定措置
として当分引続いて
日本國有鉄道
の
共済組合
の
組合員
とする、こういうふうな
規定
でございます。少しおわかりにくかつたかと思うのでありますが、この
日本國有鉄道
の
共済組合
と申しますのは、
國有鉄道法
の五十七條第二項の
規定
によ
つて
、
從來
の
運輸省
の
國鉄共済組合
と
同一性
をも
つて
日本國有鉄道
に存続をする。こういうふうに
日本國有鉄道法
にきめられておる
組合
が、新しい
日本國有鉄道
の方にできまして、引継がれる
組合職員
は全部その
組合員
となる。引継がれないで、
運輸省
に残る從来その
組合員
であ
つた者
も、新しく
日本國有鉄道法
によ
つて
、
從來
と
同一性
をも
つて
存続する
組合
の
組合員
となることが、本人の
利益保護
である、こういう
考え方
で、この
規定
をいたした次第でございます。第二項はこれらのものに関する費用の
國庫負担
に関する
措置
の
規定
でございます。 第七條は
不動産
に関する
登記
の
手続
でございまして、これは
不動産登記
に関する範囲でございますが、
日本國有鉄道
が
政府
から
承継
する
不動産
に関する
権利
の
登記
、これらにつきましてはこの
法律
の第四條の
規定
によ
つて
承継
するのでありますが、非常に多数に上りますその
登記
については、
不動産登記法
の第三十
一條
の第一項に
規定
されております事
登記義務者
の
承諾書
の添付、これを特に省略して、
登記
の
嘱託書
に
登記原因
を証する
書面
のみを添付して、
登記所
に嘱託することができるということを第一項に
規定
をしたのであります。次に
各省所管
の
不動産登記
の嘱託に関しましては、
登記
を嘱託する場合に、省令をも
つて
定める
代理人
については、その権限を証する
書面
を提出することがいらないときめられておるのでございますが、第二項はこれと同
趣旨
のことをきめたものでございます。すなわち
國有鉄道
の
総裁
が
不動産
に関する
権利
について
登記
を嘱託する場合においては、その役員または
職員
を
代理人
と定めてこれを官報に公告した場合には、その
代理人
につきまして先ほど申し事ました
書面
は提出することを必要としない。こういう
手続
的な
規定
でございます。 第八條は
日本國有鉄道
が引継ぐ
財産
の範囲に関する
規定
でございます。
日本國有鉄道法
の
施行
の日において、
政府
から引継ぐ
財産
を
規定
したものでございますが、
政府
から
日本國有鉄道
が
日本國有事業特別会計
の
財産
を引継ぐことは、
日本國有鉄道法附則
第三項の
規定
しておるところであります。
本條
はそのうちの
積極財産
としての
資産
と、
消極財産
のうちで
公債
及び
借入金
以外の
負債
、すなわち
短期負債
と、この二つを
昭和
二十四年の五月三十一日の状態のまま引継ぐことを
規定
したものでございます。この
資産
の中には
固定資産
と
作業資産
、
流動資産
、
調整勘定
といつたようなものが含まれておりまして、その総額は七百四十三億円強と推定されております。
公債
及び
借入金
以外の
負債
の中には、未拂金、借受金、一時
借入金
などが含ま
つて
おりまして、その総額は百三十三億円強と推定されております。 第九條は
公債
及び
借入金
に関する
規定
でございまして、これをいかに処理するかという問題であります。
日本國有鉄道設立
の前日におきまして、
國有事業特別会計
が負担をする
公債
及び
借入金
は五百六十一億円余と推定をされます。これらは
國有鉄道事業特別会計
が、國の
会計
として負担したものでございますから、一應これを
一般会計
に帰属させ、その同額の
債務
を
日本國有鉄道
が
政府
に対して負担するこことした。
從つて
この
公債
及び
借入金
と、
日本國有鉄道
が
政府
に対し新たに負担する
債務
とは、実質上同一でございますから、第四項に
規定
したように、その
債務
の
償還期限
、利率、利子の
支拂期日
は、すべて
公債
及び
借入金
のそれと同
一條件
としたのであります。なお
一般会計
に帰属したこれらの
公債
及び
借入金
について、借りかえの必要も生じますので、この場合には、
日本國有鉄道
が
政府
に負う
債務
の
償還期限等
にも、影響があることを第五項に
規定
したわけであります。 第十條は
政府
が
日本國有鉄道
に対し、
國庫余裕金
を一時貸し付けることができることを
規定
したものであります。
日本國有鉄道法
第四十
五條
によりますれば「
政府
は、
日本國有鉄道
に対し、資金の貸付をすることができる。」と
規定
されていますが、
日本國有鉄道
において、
短期資金
を調達する緊急の必要がある場合においては、一時
國庫余裕金
を、
政府
の
貸付金
として使用する必要が生じて参りますので、
本條
を設けた次第であります。 第十
一條
は、
日本國有鉄道法
第
五條
の
資本金額
を、同條を受けて
規定
したものであります。
資本金
は
資産
の
價額
から、
負債
に相当する額を引去り、その結果として額が定まるものでありますから、第八條に
規定
しました
資産
の
價額
から、同條に
規定
した
公債
及び
借入金
以外の
負債
と、第九條に
規定
した
公債
及び
借入金
の
合計額
を引去
つた額
となります。この結果、
日本國有鉄道
の
資本金
は、
從前
の
國有鉄道事業特別会計
の
固有資本
の額と同額の四十九億円強となる次第であります。
日本國有鉄道法
第
五條
によりますれば「
日本國有鉄道
の
資本金
は、別に
法律
で定めるところにより、
昭和
二十四年五月三十一日における
國有鉄道事業特別会計
の
資産
の
價額
に相当する額とし、
政府
が、全額出資するものとする。」と
規定
しておりまして、さらに同法の附則第三項において
財産
の
引継ぎ
を
規定
し、
負債
の
引継ぎ
を予測している点より考えまして、
資本金
を、前述のように
資産
から
負債
を引去つた残額とした次第であります。 次に第十二條でございますが、これは
國有鉄道事業特別会計
の残務の処理をどうするかという
規定
でございます。
本條
におきましては、
日本國有鉄道事業特別会計
は
日本國有鉄道
の
設立
に伴い廃止されるわけでありますが、
昭和
二十三年度及び
昭和
二十四年度の予備費の使用、決算、
財産
、出納、その他合計に関する
事務
につきまして、その廃止後における報告その他
事務
の取扱いを必要としますので、これを
日本國有鉄道
において行う、こういうことを
規定
したわけでございます。 第十三條は廳舎の無償貸付に関する
規定
であります。
本條
は、
日本國有鉄道設立
の際、
政府
が使用している廳舎を、
日本國有鉄道
から
政府
に対し無償で貸し付け得ることを
規定
したものであります。
日本國有鉄道法附則
第二項によりますれば「
國有鉄道事業特別会計
の
資産
は、
日本國有鉄道法
施庁の日に、
日本國有鉄道
に引き継ぐものとする。」と
規定
せられているので、
引継ぎ
の際、
一般会計
において使用している廳舎につきましては、暫定的に無償の取扱いをなし得るよう、國有
財産
法の関係
規定
の除外を
規定
したものであります。 第十四條から第二十三條までは、
日本國有鉄道法
の
施行
に伴う関係
法令
の整理に関する
措置
の
規定
でありまして、第十四條は、
鉄道
敷設法の
改正
であります。第二條、第四條、第
五條
を削るのでありますが、第二條は
鉄道
線路敷設のための継続費に関する
規定
でございまして、新
憲法
の
施行
に伴い、継続費は認められなくな
つて
いるので、すでにその効力のないものであ
つて
、この際これを整理するものであります。第四條及び第
五條
は、
鉄道
会議に関する
規定
でありますが、
鉄道
会議の
制度
はこれを廃止するので、これを削り、
從つて
第三條は第二條となる。なお第
一條
中の
改正
は、字句の修正でございます。 第十
五條
は、
國有鉄道
運賃法の
改正
でありますが、これは
日本國有鉄道
運賃法においては、基本的な運賃及び料金は
法律
をも
つて
定めてありまするが、より軽微な事項その他細目については、
運輸大臣
がこれを定めることにな
つて
おります。
從つて
第
五條
、第七條第三項、第八條及び第九條中「
運輸大臣
」を「
日本國有鉄道
」に改めるのは、從来
運輸大臣
が定めることとしている事項を、
日本國有鉄道
において定めることとするものである。また第八條中「
國有鉄道
」の字句は、当然「
日本國有鉄道
」に読みかえるわけでございます。次に第九條の二の
規定
は、
日本國有鉄道
が
國有鉄道
運賃法第
五條
の
規定
によりまして、定期旅客運賃を定める場合、同法第七條第三項の
規定
によ
つて
小品扱貨物運賃を定める場合、及び同法第九條の
規定
によ
つて
手小荷物運賃、旅客運賃及び貨物運賃の最低運賃並びに寝台料金を定めます場合においては、
運輸大臣
の認可を受けることを要することとする旨の
規定
であります。
從つて
、物價統制令との関係から、これらの事項に関しては、
運輸大臣
と物價廳長官との共管によ
つて
処理されることとなる。そういう
規定
であります。 第十六條は
日本
通運株式会社法の
改正
でありまして、第四條第一項中「
政府
」を「
日本國有鉄道
」に改めるのは、從来の
國有鉄道事業特別会計
からの
日本
通運株式会社に対する出資を、
日本國有鉄道
の
設立
に伴い、
日本國有鉄道
がこれを
資産
として引継ぐことになりますので、これを明確ならしめるための
措置
であります。同條第二項は、第一項による
政府
出資株式の拂込金の計理を
規定
するものでありまして、
日本國有鉄道
の出資となることにより、不必要な
規定
となるから、これを削り、
從つて
第三項が第二項となる等々の整理であります。次に
日本
通運株式会社法第九條は、
政府
出資の株式に対する配当の特例を
規定
するものでありますが、これはすでに効力を失
つて
いますから、第九條の削除はこの際これを整理するものであります。次に第九條の二を創る
措置
も、右の
政府
の財政援助の
制限
に関する
法律
によ
つて
、その効力を失
つて
いる
規定
を、整理するものであります。 第十七條は、帝都高速度
交通
営團法の一部
改正
法案
でありますが、
日本
通運株式会社法の
改正
とおおむね同じ
趣旨
のものであります。第
五條
第一項中「
政府
」を「
日本
國有鉄」に改めますのは、
從來
の
鉄道特別会計
から、帝都高速度
交通
営團に対する出資を、
日本國有鉄道
の
設立
に伴いまして、
日本國有鉄道
がこれを受け継ぐこととなるので、
日本國有鉄道
が帝都高速度
交通
営團に出資し得ることとする
措置
であります。同條第二項は、第一項による
政府
出資の計理を
規定
するものでありまして、
日本國有鉄道
の出資となることによりまして不必要な
規定
となるから、これを削るのであります。次に、帝都高速度
交通
営團法第六條は、
政府
または公共團体の出資の拂込みに関する
規定
でありますが、
日本國有鉄道
の出資になることによりまして、字句上の修正をしたのであります。次に帝都高速度
交通
営團法第二十四條は、
交通
営團の
交通
債券の引受に関する
規定
でありますが、
從前
の帝國
鉄道
会計
がこれを引受けることができることとしておりまするのを、
日本國有鉄道
の
設立
に伴い、現に同
会計
が所有しておるこれらの
交通
債券も、資金の一部として
日本國有鉄道
が
承継
することとなりますので、「
日本國有鉄道
」と読みかえるものであります。同條後段は
政府
引受の
交通
債券の計理を
規定
するものでありますが、不必要な
規定
となりますから、これを削るものであります。次に、帝都高速度
交通
営國法第二十六條及び第二十七條は、
交通
営團の
交通
債券の
政府
による支拂保証に関し
規定
するものでありますから、これらはすでに述べた
政府
の財政援助の
制限
に関する
法律
によりその効力を失
つて
いるので、これを整理するのであります。次に第三十四條第二項は、
政府
出資に対するいわゆる後配の特例を
規定
するものでありまして、さきの
政府
の財政援助の
制限
に関する
法律
によ
つて
その効力を失
つて
いるから、これを整理するのであります。 次に第十八條は、印紙税法の
改正
でありますが、
日本國有鉄道法
第六條には、所得税及び法人税並びに地方税の非課税を
規定
しております。それと同じ
趣旨
に基き、その他の税についても所要の
措置
を
規定
することが必要でありますので、
本條
によ
つて
印紙税を
日本國有鉄道
に課することから除外することを、これによ
つて
規定
してある次第であります。 なお十九條の登録税法につきましても、やはり同様に登録税を課さないことを、これによ
つて
規定
してあるわけでございます。第二十條は、通行税法の
改正
でありますが、
日本國有鉄道
の
設立
に伴うまつたく技術上の読みかえであります。 次に第二十條は、
國家公務員共済組合法
の
改正
であります。
國家公務員共済組合法
第二條第二項第八号の
規定
に基きまして、
從來
運輸省
に設けられております
國鉄共済組合
は、
日本國有鉄道法
第五十七條第二項の
規定
によりまして、
日本國有鉄道
に設けられる
共済組合
とな
つて
、
同一性
をも
つて
存続するものでありますから、同法に基く
共済組合
はこれを廃止することが当然必要となりますので、
本條
はこれを
措置
する
規定
であります。 次に第二十二條は、歳入不足補填のために
一般会計
からの
國有鉄道
業特別
会計
に対する繰入金について、これを返還しないことを
規定
したものであります。
日本國有鉄道法附則
第三項の
規定
によ
つて
、
日本國有鉄道
に引継ぐ
國有鉄道
業特別
会計
の
財産
は、
資産
の
價額
より
負債
額が多いので、
政府
が赤字の出資をするという不合理な結果となります。これは同
会計
に四百七十五億円強と推定される巨額な損失がありますため、
引継ぎ
に際し、この損失を整理する必要を生じて参り、この巨額の損失は
政府
の低賃金政策の結果生じたものと考えられ、歳入不足補填のための
一般会計
からの繰入金の四百億円弱と見合いとなるものであります。
從つて
これらの点を考慮しまして、損失を引継がないため、その損失額より繰入金に相当する額を減ずるとともに、繰入金を
債務
としないこと、すなわち
一般会計
に返還しないこととしたのであります。 次に第二十三條は、
法令
の廃止に関する
規定
であります。簡單に申し上げますと、
日本國有鉄道
の
設立
に伴いまして、
國有鉄道事業特別会計
は廃止する必要がありますので、この
法律
を廃止する。但し
國有鉄道事業特別会計
法は、
日本國有鉄道法
第三十六條の
規定
により、
日本國有鉄道
の
会計
及び財務についてはその例によることとされておりますから、その限度においては効力を有することが必要であり、あとで申し上げまする附則第二項はそのための
規定
であります。 次に、地方
鉄道
及び軌道における納付金等に関する
法律
は、戰時中の立法でありまして、
國有鉄道
の運賃値上げとの権衡をはかる等のため、地方
鉄道
軌道が運賃値上げをした場合、これから生ずる利益を
政府
に納付させ、輸送力の確保増強を促進させるための補助の財源に充当することを目的とするものでありますが、社会経済情勢の変化に伴い、実質的にこれは意義のないものとな
つて
いるので、この際これを廃止するものであります。
鉄道
会議の官制の廃止は、すでに第十四條の
鉄道
敷設法の
改正
に関する
説明
において述べたように、
鉄道
敷設法の
改正
に伴い
鉄道
会議の
制度
を廃止するものであります。
鉄道
輸送協議会の官制、
鉄道
教習所の官制及び
鉄道
大臣
において委託により陸運に関する機械器具等の製作、修理又は調達をなすの件を廃止するのは、
日本國有鉄道法
の
施行
に伴い、これらの事項は勅令をも
つて
規定
する必要がなく
なつ
たので、
措置
するものであります。 地方
鉄道
納付金
委員会
官制の廃止は、さきの地方
鉄道
及び軌道における納付金等に関する
法律
の廃止に伴う
措置
であります。 附則の第一は、
施行
期日に関する
規定
で、この
法律
は、当然
日本國有鉄道法施行
の日たる本年六月一日から
施行
いたします。但し、第
一條
の
規定
は、その
説明
において、述べましたように、公布の日からこれを
施行
し、
監理委員会
の
委員
及び
総裁
の
任命
に関する
事前措置
をすることができることにする。それから第三十二條の
規定
は、
一般会計
から
國有鉄道事業特別会計
に対する繰入金の切捨てに関する
措置
は、当然
日本國有鉄道設立
の前日、すなわち五月三十一日からこれを
施行
することが必要であると考えられますので、そういうふうにきめた次第であります。 第二項は、先ほど申しました
國有鉄道事業特別会計
の廃止に伴いまして、
國有鉄道事業特別会計
法を廃止しますが、その個々の
條文
は
日本國有鉄道法
第三十六條第一項の
規定
する限度において、なお効力を有することを
規定
する必要があるので、ここにあげた次第であります。 次に第三項は、
日本國有鉄道
に対する取引高税に関する
規定
であります。乗客の運送に関しては、取引高税法の
規定
によ
つて
取引高税を除外していますが、
日本國有鉄道
の物品運送に関しては、政令で定める期間においては、これを課さないことを
規定
したものであります。 最後の第四項は第九條第二項の
規定
によ
つて
、
日本國有鉄道
が
政府
に対して負うことになる
債務
、すなわち
從前
の
國有鉄道
業特別
会計
が負担する
公債
及び
借入金
に相当する額の
政府
からの
債務
の利子及びその
債務
の取扱いに対する経費、これは
政府
の
一般会計
に納入をし、
一般会計
から國債整理基金特別
会計
に繰入れることになるのでありますが、二十四年度においては本法によ
つて
、直接これを
政府
の國債整理基金特別
会計
に納付し得る、こういうことを
規定
したものでございます。 以上をもちまして概略逐條の御
説明
を終ります。
岡村利右衞門
15
○
岡村委員長代理
大臣
は所用があ
つて
中座いたしたいとのことですが、
大臣
に御
質疑
がなければ退席させてもよいと思いますが、いかがでしようか。
高橋定一
16
○高橋(定)
委員
大臣
に特にお伺いしておきたいことは、
監理委員会
の
委員
及びこれらの
委員
によ
つて
推薦
される
國有鉄道
の
総裁
を
指名
せらるる
手続
は、大体五月の十六日の会期ぎりぎりくらいに、これが問に合えばいいというふうにお考えにな
つて
おりますか、あるいは本
施行法
は特に急いで
審議
して、
監理委員会
の
委員
あるいは
総裁
を早目に選考されることが、六月一日からの
日本國有鉄道
の出発に都合がいいというようにお考えにな
つて
おりますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
大屋晋三
17
○
大屋
國務
大臣
ただいま高橋君の御質問の
趣旨
の、後段のようにお願いいたしたいと思います。すなわち会期が十六日でございますから、この
法律
を早く仕上げていただきませんと、その監理
委員
の選考、またどういう人を最後に決定するかというまでには相当手間がかかりまするので、どうぞ早目に御
審議
願いたいと思います。
高橋定一
18
○高橋(定)
委員
その御
趣旨
は大体わかりました。この
施行法
が早目に
審議
される必要があるように考えますが、この
施行法
を
審議
すると同じ程度に、現在の
日本國有鉄道法
の第三十六條に関連する——六月一日より出発するところの
日本國有鉄道
が、高能率を発揮することができるように、経理関係の
規定
を
改正
される必要があるように考えられるのであります。特に第四十四條には、
日本國有鉄道
は、市中銀行その他民間から
借入金
をすることができない。」このような
規定
がはつきり残
つて
おります。さらに四十
七條
には「
日本國有鉄道
の
業務
に係る現金については、
法律
又は政令の定めるところにより、國庫金の取扱に関する規程による。」というように、公共企業体に
なつ
た
日本國有鉄道
が、これからの経理を行います場合において、
從来
の
國有鉄道
の運営と何ら異なるところのないような運営をしなければならないということは、せつかく今度の
改正
の公共企業体に移行する
趣旨
に合わないように考えられるのでありまして、少くともこれらの
規定
に関しましては、早急に関係官廳と御折衝の上で、本
國会
期間
中に御提案を要望するものであります。先般の私の質問に対して
運輸大臣
は、
期間
の関係で今
國会
には提出を見合せるようなお考えのようでありましたが、会期も延長になりました際でありますから、ぜひともこれら関係
條文
の整理をお願いいたしたいと思います。
大屋晋三
19
○
大屋
國務
大臣
ただいま御質問の問題は、大藏省と折衝中でありまして、なるべく今
國会
に提出ができるようにということで、目下一生懸命その準備を進めておるような次第でございます。
高橋定一
20
○高橋(定)
委員
なお本問題については、参議院の運営
委員会
においても、本
法律
が通過するときにいろいろ問題にな
つて
おつたように聞いておりますので、関係官廳との折衝の模様については、なるべく今月中に大藏
政府委員
と御同道で本
委員会
に御
説明
願いたい。
大屋晋三
21
○
大屋
國務
大臣
高橋君の仰せの通り参議院からも強い御要望がありますので、それらの
趣旨
に則りまして、ただいま大藏省と折衝中なのでありますが、御
趣旨
のようにとりはからうように努力いたします。
滿尾君亮
22
○
滿尾
委員
最初
に
政府委員
にお尋ねいたしまして、その御返事いかんによりまして
大臣
に聞きたいと思います。ただいまの廃止する
法律
でありますが、この中に地方
鉄道
及軌道に於ける納付金等に関する
法律
(
昭和
二十年
法律
第十九号)があります。社会経済的な意義を失つたから廃止するというお話がありましたが、二十四年度の
資金
計画の表を見ますと、收入の面においても、支出の面においても、二百八十一万円の地方
鉄道
及軌道特別
資金
収入と支出というのがあります。これはこの
法律
によ
つて
計上されておるのではないかと思いますが、違
つて
おりますか。
紙田千鶴雄
23
○
紙田
説明
員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。そのお話の
法律
は、
國有鉄道事業特別会計
の存続いたします
昭和
二十四年五月三十一日まで有効にいたしておりまして、その間にただいまお話になりました予算に計上いたしております支出を完了する予定でございます。
滿尾君亮
24
○
滿尾
委員
予算と
法律
の廃止の関係はわかりました。そのことはしばらくおきまして、私はこの
法律
というものは、なるほど、できますときの発生的な事情を考えますと、確かに戦争目的のために一應つくつたのでありますが、しかし
法律
の実体を考えてみますと、地方
鉄道事業
相互間における一種の相互扶助の働きを持
つて
おるのであります。決してこれは戰爭が済みました後においても、私はその歴史的な役割を果し盡したものとは考えない。確かに
法律
の文句には「今次ノ戰爭ニ際シ」云々と書いてありまして、戰時色が濃厚でありますけれども、それを抜いてしま
つて
読めば何のことはない、実体は地方
鉄道
が國家のために非常に
負担
をして損をしておるところへは、片方でもうかつた
鉄道
から融通して、全体のバランスをとるというのでありますから、これは平戰時を問わず——この
法律
を御修正になるのはけつこうでありますけれども、全面的に十ぱ一からげにしてやめるということは、私はお考えが少し違
つて
おるのじやなかろうかど思う。この点について
大臣
の御見解を承りたい。
大屋晋三
25
○
大屋
國務
大臣
滿尾
君のようなお
考え方
もあろうかと思うのでありますが、これは廃止したいと考えておる次第でございます。
滿尾君亮
26
○
滿尾
委員
地方
鉄道
軌道に対する御政策といたしまして、
從來
わが國は長年にわた
つて
地方
鉄道
に対して補助金を出して参
つて
おる。ところが昨年、一昨年は補助金は大体ゼロにな
つて
、おる。一体地方
鉄道
軌道という
仕事
に対しまして、いろいろな嚴重な監督、制圧を加えております。
運輸大臣
の地方
鉄道
に対する職能はネガテイヴな働きがほとんど八〇%である。しかるにそれの裏づけといたしまして、必要な
事業
を助成せられる公益上の
理由
が非常にあつた。それがまつたくゼロなんです。
從つて
今日の
交通
政策というものは、マイナスのものばかり押しつけて、ちつともプラスの面はない。わずかにこの
法律
が存在いたしまして、地方
鉄道
軌道の公共的な立場について、まことにやむを得ない、事情のものに対してはこれを助成する働きをしておつた。今この
法律
をおやめになりまして、その面についてまつたくほつたらかしと申しますか、放任
状態
に置かれるということは、陸運政策の大所高所から見まして、私は非常に残念に思います。
運輸大臣
は一体わが國の地方
鉄道
軌道の助成育成ということについて、どういうようなお考えを持
つて
おられるか、伺いたい。
足羽則之
27
○
足羽政府委員
陸運監理局関係の
政府委員
が参
つて
おりませんので、詳しい
説明
は申し上げかねますが、実はこの
法律
は
從來
の実績からあまり多く期待できない、実績が少いのだそうであります。現在そういうように実績が比較的少いのと、先ほど申しましたような沿革による
法律
でもありますので、この際一旦これは廃止いたしたい。大体こういう結論であります。なおお話のような点につきましては、將來研究をいたして参りたい。こう考えておるわけであります。
滿尾君亮
28
○
滿尾
委員
本日はこの問題について、
政府
側における御答弁の用意が十分でないようでありますから、私はこの問題に、対するところの質問を次の機、会まで留保いたします。
政府
側におきまして、十分御準備をいただきました上で、りつぱな御答弁をいただきたいと思います。
田中堯平
29
○田中(堯)
委員
このパブリツク・コーポレーシヨンというのは、どうもはなはだ概念がはつきりしないのですが、
本法
を見ても、
施行法
を見ても……。第一非常に不明瞭なのは、一体國有
財産
は、今度はどうなるのですか。コーポレーシヨンの
所有
権に移るのですか、移らぬのですか、それをひとつ伺いたい。
大屋晋三
30
○
大屋
國務
大臣
移ります。
田中堯平
31
○田中(堯)
委員
そうしますと、これは現下の見積りなら何百億という
財産
、になると思うのです。さつきのお話だと七百何ぼということですけれども、そうい重大なる國有
財産
を、ただ個別個別でなしに、一括して一片の
法律
をも
つて
、がさつとコーポレーシヨンに引継がれるということにな
つて
おります。こういうことは、私どもの考えでは
憲法
違反だと考えますが、
大臣
の御所見はいかがですか。
大屋晋三
32
○
大屋
國務
大臣
その点は
憲法
違反で、はないと考えております。
田中堯平
33
○田中(堯)
委員
もう少し御丁寧にお答え願いたい。私のお尋ねした点は、國有
財産
である限りは、財政法にも
憲法
にも
規定
がありますが、何々の路線を何々に譲渡するということは、立法府を通過しなければ、できない。これは
從來
のしきたりであり、法の
規定
するところである。それを一括してコーポレーシヨンに
所有
権を
移轉
することは許されない、という意味のことを言
つて
おるのでありますが、それに対して一括してもよいというお考えであるかどうか。
大屋晋三
34
○
大屋
國務
大臣
大臣
は
憲法
違反にあらずと信じておりますから、その根拠を文書課長から
説明
いたさせます。
荒木茂久二
35
○荒木
説明
員
憲法
の何條に抵触するか、その点はつきりしないのでございますが、個人の
権利
を設収するというようなことでございますれば、あるいは
憲法
の臣民の
権利義務
の
規定
に抵触するかと思いますが、これは國家が特
つて
、おるものを出資の形式でコーポレーシヨンに託すわけでございます。現物出資の一形態として出すわけでございますが、
法律
的
措置
といたしましては、
所有
権の変換を來すわけでありまして、現行
憲法
上何ら抵触する
規定
はないと思います。
田中堯平
36
○田中(堯)
委員
日本國有鉄道法
の四十九條を裏から見ますと、
日本國有鉄道
は、
運輸大臣
の認可を受けるならば、営業線その他の重要な
財産
を譲渡したり、交換したり、または担保に供してもよろしいということになります。一括してコーポレーシヨンに
所有
権を
移轉
する。今度はその次にこれをこま切りにして、
運輸大臣
、行政
大臣
がイエスと言うならば、たとえば東海道線のごときもどこへでも拂下げもできるし、賣却もできるというような、べらぼうな
法律
にな
つて
おる。
憲法
違反だというのは、そういうことを私はついておるのでありますが、それでも
憲法
違反ではありませんか。
荒木茂久二
37
○荒木
説明
員 その問題と、出資の総括的
引継ぎ
とは、全然事態が違うと思うのでございますが、ちよつと御質問の御
趣旨
がはつきりいたしませんので……。
田中堯平
38
○田中(堯)
委員
私のお尋ねしておりますのは、コーポレーシヨンに
國有鉄道事業特別会計
の
財産
が一括して移譲される、その移譲される
内容
は、今
政府委員
の御
説明
では、これはパブリツク・コーポレーシヨンに持
つて
行くのであるがら、別にこま切れにして賣るとかいうような問題ではない、
憲法
違反ではないという御答弁でありました。そこで四十九條を見ると、この
國有鉄道法
によるならば、こま切れにして、
議会
を通過しないで、ただ
運輸大臣
の一存によ
つて
、賣りさばくことも、担保に入れることもできることになるが、それはまさしく
憲法
違反になるじやないかということをお尋ねしておるのです。
荒木茂久二
39
○荒木
説明
員 コーポレーシヨンという人格者が、その
所有
する財理を処分することは、人格者としてなし得ることでございましてその処分をいたしますにあた
つて
、コーポレーシヨンがか
つて
にやるということ自体がよろしくないから、
運輸大臣
の認可を受けてやるということでありまして、その点に関しましても
憲法
に抵触する点は全然ないと信じておるのでございます。
滿尾君亮
40
○
滿尾
委員
私もコーポレーシヨンの性格には非常に疑問を持
つて
おるのであります。この間
大臣
がら進歩的な
運輸大臣
たらんことを標傍せられまして將來は民有民営に行うというお話さえ承つたのでありますが、私どもの考えでは、このコーポレーシヨン形態というものは、私は國有形態の
一つ
のバリエーシヨンだと思う。もしそうでないといたしましたならば、これはたいへんなことになります。今國家の公法人であるコーポレーシヨンに、出資の形式で非常に安い値段で出す。しかもこれは
法律
上國とは別だということにな
つて
、國家の公法人たるコーポレーシヨン、それがさらに今度は私法人に性格をかえるという問題が、この次にひそんでおると考えましたならば、そのときに帳簿
價額
でこれを私法人に切りかえるという事態が発生しないとも限らぬ。これは
法律
論ではありません。政治上の見通しの議論とし、て、
大臣
の御見解を伺いたい。かような重大なる危險をも含んでこの
日本國有鉄道法
というものができておる、かようにして國家の最も大な
財産
が、將來民有民営の形態に不当な評價をも
つて
移行するというような危險をはらんでおるとするならば、私どもはこれを最も愼重に考えなければならぬ点であると思いますが、
大臣
ははたしてこのコーポレーシヨン形態における
日本國有鉄道
というものを、今日までと
つて
参りましたところの
鉄道
國有主義の一形態であるとお考えになりますかどうか、私は能率増進上の
一つ
の方便として、こういう形態をとられた、
國有鉄道
主義の
一つ
のバリエーシヨンだと思いますけれども、將來重大なる発展をここに含めておるところの、民有、民営に移行するワン・ステツプという御見解を持
つて
おられるかどうか、その点についてお伺いいたします。
大屋晋三
41
○
大屋
國務
大臣
滿尾
君はちよつと思い過ぎておられるように思うのですが、現在のこのコーポレーシヨンの姿が、やがて民営に移る
前提
であるとはだれも言わないのであ
つて
、私が前に申し上げたのは、世の中の森羅万象というものは常に進歩を続けてこれを継続しておるものだ。かるがゆえに私も進歩的な
運輸大臣
たることを念願しておるということを申し上げ、また業の形態といたしまして、この時勢が変轉いたし、そのときの
情勢
がかわれば、いろいろな形態に変化することがあり得るということを申し上げたのであ
つて
、現実の面において、この
鉄道
が現在の國有の姿から、いわゆる公法人のパブリツク・コーポレーシヨンに移つたから、その次のサード・ステツプとしては、民有、民営に移るのだとは私は断じて申し上げないのであります。もしも時勢が要求をし、その方が
鉄道
経営
上能率的であるという事態が到來いたしましたならば、田中君なりあなたが御心配になるような、いわゆるその
財産
を民有、民営に移すときには、
憲法
違反でない適当の
措置
を講じてやれば、それでいいのでありまして現在が一過程であるということは絶対ないのでありますから、御安心願
つて
しかるべきであると思うのであります。
滿尾君亮
42
○
滿尾
委員
それでは
簡單
な形で結論だけお伺いしたい。
日本國有鉄道
という形式、形態は、
從來
の明治三十九年の
日本
鉄道
國有法以来の傳統的精神である
鉄道
國有主義の一形態であるとお考えにな
つて
おられるかどうか、
大臣
の所信をお伺いいたしたい。
大屋晋三
43
○
大屋
國務
大臣
法律
的に申しますと、このコーポレーシヨンというのは新規なものでありますが、要するにこれは私人でないのでありまして、いわゆる公の公人格であるのでありますから、やはり観念的に見ますれば、あなたの仰せの通り、これは國有の一形態であると断ずるよりほか
方法
はないと思います。
岡村利右衞門
44
○
岡村委員長代理
大臣
はちよつと所用があ
つて
、退席なさるそうでありますから、爾余の
大臣
に対する御質問は
次会
にお願いいたします……。
田中堯平
45
○田中(堯)
委員
もう一点だけ、今戰時中の買収私鉄を拂下げするために、準備を急いでおられるというこの問の御答弁でありますが、そのときの御答弁にも、これはやはり立法
手続
をやるつもりだという御答弁でした。問題はバスの方ですが、バスの方の拂下げは、今度はこの
國有鉄道法
が
施行
にな
つて
、すなわちもはや立法の
手続
を経なくてもよいようにな
つて
から、おやりになる腹ですか。
大屋晋三
46
○
大屋
國務
大臣
実はバスも私鉄も、拂下げをしてしかるべきものは、拂下げをしたいということは私が申し上げたのでありますが、バスの方はさしずめまだ早急にどの線をどう賣るというようなことの調べがつきません。やるにいたしましても、早急のことではない。また現実に、目下どの線をどういうふうに賣ろうかという、実体的な調べには着手しておりません。さようにお考えを願います。
岡村利右衞門
47
○
岡村委員長代理
では
大臣
に退席していただきます。
滿尾君亮
48
○
滿尾
委員
ちよつともう一言
政府委員
に。
附則
の第三でございまするが「
日本國有鉄道
が政令で定める
期間
内になす物品の運送に関する取引には、取引高税を課さない。」というのは、これは取引高税法の中に、根本の法規があるのであります。それを
附則
でも
つて
、かような実体的なことをおとり責めになることは、
法律
常識上疑わしいと思いますが、どういうことでしよう。
荒木茂久二
49
○荒木
説明
員 將來永遠にわた
つて
、取引高税を廃止する、賦課しないということでありますならば、むしろ取引高税法に
規定
する方がよかろうと存じます。しかしこれは一時的に取引高税を課さない、こういう
規定
でございますから、しいて取引高税法自体に
規定
しなくても、この
附則
に
規定
してもさしつかえないだろう。こういう
趣旨
で
規定
したわけでございます。取引高税法自体に、
附則
的なものとして書くということも、ちよつと参りません。出すとすれば、取引高税の臨時特例に関する
事件
というような、單行特別法を出す事
方法
よりなかろうかと思いますが、これは
國有鉄道法
を
施行
するにあたりまして、当座の間取引高税を課さない、こういう
規定
でございますので、便宜こういう
手続
にいたしたのであります。
滿尾君亮
50
○
滿尾
委員
税金を新しく取立てるということは、もとより國民の基本的
権利
に属するのでありますが、國民のある種の
範囲
の取引に対してとらないということも、私は
一般
國民の基本的権益にかかわると思う。これはプラスの面とマイナスの面と両方ある。
從つて
これを
法律
の
附則
できめるか、どつちの
法律
できめるかは、立法テクニツクにおまかせしてよろしいが、
附則
でも
つて
こういう実体法的なことをおきめになることは、
法案
の形式として非常におかしいのではないか、少くとも道義的には、これは愼んでいただかなければならぬことではあるまいかと思います。どうせ
法律
にお入れになりますならば、一項を起して本文の方にお入れになるべきものではないかと思いますが、御所見を伺いたい。
荒木茂久二
51
○荒木
説明
員 これは
從來
の
状態
を変更するものではないのでありまして、
從來國
が
行つて
おりまする
國有鉄道
には取引高税は課してないのでございまして、その
状態
は、コーポレーシヨンとして独立いたしましても、ガバーメント・コーポレーシヨンとして、ほとんど國が行うと同様の地位をあらゆる面において保障しておりますので、その現行の
状態
をしばらく保持するために、
法律
執行上の面から、また実質の面からい
つて
も、妥当を欠くものではない、かように存じております。
田中堯平
52
○田中(堯)
委員
今の
施行法
の第
八條
の御
説明
のときに、國有
鉄道特別会計
の
資産
は約七百四十三億と言われたと思いますが、これは帳簿
價額
でございますか。
足羽則之
53
○
足羽政府委員
さようでございます。
田中堯平
54
○田中(堯)
委員
そうすると、これは原價で見積るとい
つて
も非常に困難ではありましようが、ごく大ざつぱに原價に見積
つて
みて、時價どのくらいの
財産
になるか。見当だけでよろしいから……。
足羽則之
55
○
足羽政府委員
それは目下調査中でございまして、見当がつきません。大体もう一月くらいすれば、調査がまとまる、こういうふうに考えております。
田中堯平
56
○田中(堯)
委員
そこで
最初
の私の質問をした点にまたもう一ぺんかえるのですが、
政府
がこの巨大なる出資をする。これは公益ということを考えてのことでしようが、これによ
つて
株式会社のように、國家に配当をやらなければならぬのですか。何か収入をもらうことにはならぬのですか。全然國家はコーポレーシヨンに対して無償で譲渡するのですか。
荒木茂久二
57
○荒木
説明
員 現物出資でありまして、これに対する値段とかなんとかいうものは、國家は全然とらないことにな
つて
おります。ガバーメント・コーポレーシヨンでありまして、なるほど
法律
的に見ますと、別の人格を持
つて
おりますから、國とは別でありますけれども、政治的、経済的に考えますと、國と一体というふうに考えてよろしいと考えております。比喩的言葉を用いて考えますれば、この法人は國有法人というように観念すれば、実質に合
つて
おるものではなかろうかと考えております。
從つて
現物出資いたしましても、それに対する対價を拂うということは、全然ないわけであります。
田中堯平
58
○田中(堯)
委員
そうしますと、
本法
の四十九條がまた問題になるのですが、國有法人といつたような観念であるならば、これはやはり財政法、
憲法
などの、みな拘束のもとにあらなければならぬと思います。そうすると、ただ行政
大臣
がこれを賣
つて
しまうというように、認可でも
つて
、ぽんぽんと賣られては困ることになるのです。四十九條は重大な
憲法
違反と言いましようか、他の関係
法律
に抵触する重大な
條文
だろうと思いますが、その辺の御見解はいかがでありましようか。
荒木茂久二
59
○荒木
説明
員 國の直接持
つて
おりまする
財産
でも、国有
財産
法の
手続
をふみますれば、賣卸することができることにな
つて
おるわけであります。
從つて
この
國有鉄道
の持ちまする
財産
に対しましては、國有
財産
法の
規定
の例による。こういうことにな
つて
おりますから、その処分については、國有
財産
法の規律を同様に受けるわけであります。ただこの
財産
を拂い下げることに関しましては、一應さきに通過いたしました
法律
で、
運輸大臣
の認可を受けて拂い下げることができることにな
つて
おりますが、実質問題といたしまして、重要な
財産
でありますから、ごくわずかなものは別といたしまして、栄養線を拂い下げるというような重要問題は、
國会
にかけて
國会
の承認を経て実施することが妥当であろうと考えておるわけでございます。
從つて
実際問題として、將來もし払い下げるというような事態が起れば、
國会
に提出して
法律
の形式なり、とにかく
國会
の承認を経て処分される、こういうことになるだろうと考えております。
田中堯平
60
○田中(堯)
委員
今のお話ですが、
本法
の第何條かに、今おつしやつたような財政法やその他の
法律
を準用するという
規定
があつたと思います。それを準用されるのはけつこうですが、四十九條なるものがあるために、四十九條によ
つて
その準用も大幅に削減されておるわけであります。だから、そういうようなときに、これだけの
手続
を経なくとも、ぽんぽんとか
つて
に賣れることになるわけであります。これはどうも通過したあとの祭で、何ともしようがありませんが、何とかこの際せつかくこの
施行法
が今から出るのですから、そういう危險のないように、私どもの心配することのないように、
措置
をとられたいと思うのですが、その辺のお考えはないのでありましようか。
高橋定一
61
○高橋(定)
委員
今の田中
委員
からのお話はまつたく私も賛成でありまして、先ほどの三十六條の
会計
に関する高能率の
規定
を詮議される場合におきまして、この四十九條の、
運輸大臣
がこの重要なる
財産
を処分される場合におきましては、
國会
の承認を経ることを要するということを、ぜひ入れていただきたいというように考えまして、そのときにあわせてこれを御詮議願いたいと思うのであります。
滿尾君亮
62
○
滿尾
委員
私もこの公法人の性格については非事常に疑問を持
つて
おる。実はこれが出ますときに、われわれは議席を持
つて
おらなかつたので、よくわからなかつたのでありますが、
政府委員
の御
説明
を伺いたい。第
二條
に持
つて
來てその性格を
規定
するのに「公法上の法人とする。」と簡単にしてある。隣の文句は「
規定
に定める商事会社ではない。」とある。でないということを、どういうわけでここに書いたのであるか、まつたく私は立法技術としてこれは型破りの表現をされておると思いますが、この
二條
について
政府委員
の
説明
をいただきたい。公法人の性格について……。
荒木茂久二
63
○荒木
説明
員 公法上の法人という言言は、
日本
の
法律
上
最初
の言葉でありまして、
從來
の慣例によりますと、その法人が公法人なりや、私法人なりや、
法律
自体で
規定
することはないのでおりまするこの公法人という言葉が、行政法学上の言葉でなくて、実定法上の言葉として表われておりますのは、商法に一箇所ぐらい
規定
があるかと思います。その公法人という言葉でなしに、公法上の法人とする。これはジユアリスチツク・パースン・イン・ア・パブリツク・ローという言葉が原語でありまして、
日本
の観念としては新しい観念でありまするこの方から十分に御推察ができることと思います。從いましてそう書いておきますと、
日本
国有
鉄道
は民法三十
五條
または商事会社その他社團に関する商法の
規定
に定める商事会社でないということを、しいて言わなくともよろしいわけでありますが、英米法系の
法律
におきましては、いろいろ
趣旨
を敷衍する事例も多いのでございまして、そういうようなドイツ流でなしに、英米法の系統をくんで、その例になら
つて
立案しておるわけであります。
滿尾君亮
64
○
滿尾
委員
公法上の法人という表現の御
説明
はわかりました。しからば公法上の法人であ
つて
、それが私経済的の商業を営むものであるということを、率直に、平明になぜ表面から
規定
しなかつたのであるか。わざわざ商事会社でないということを表現せられて、その部分そうでないといつただけでは、そのものを裏から言
つて
おるだけであ
つて
、公法上の法人の性格そのものをあまり明快にしておらぬと思う。公法上の法人とする、しかもその法人の性格は云々と、平たく眞正面から、表通りから、表現する方式をとられなかつた
理由
。これによ
つて
わかるのかどうか。われわれ読んでわからない。現行法立法当時のお氣持ちを御
説明
いただきたい。
荒木茂久二
65
○荒木
説明
員 これは先ほど
滿尾
委員
からお話がございましたように、ガバメントーコーポレーシヨンである。いわゆる國有
鉄道特別会計
というものが独立して人格を持つというものであ
つて
、それがいわゆる商法上の商事会社とか、民法上のいわゆる社團というものに
なつ
たのではないという、その人格の本体についての
説明
でございまして、その人格者が民事上の活動をするということに関しましては、全然触れていないわけでございます。府懸等の公共團体におきましても、公法人でございますが、民事上の活動をいたすわけでございます。しかしながらその点はあまり触れておりませんので、この第
二條
は公法人であ
つて
、いわゆる商事会社ではないということを、きわめて平明に
規定
したのでございまして、
從來
のドイツ方式の嚴格な意味ではなく、それの性格を藝術的といいますか、そういつた気持で表現しておるように、私承知しておるような次第でございます。
滿尾君亮
66
○
滿尾
委員
この公法上の法人へとするということは、どういう意味でございますか。目的が公法上の目的を持
つて
おるから、公法上の法人としたのであるか。なさんとする
業務
が、公法上の立場を多分に持
つて
おるから、公法上の法人としたのであるか。そこらの点が非常によくわからぬのでありますが、公法上の法人としたところの原因と申しまするか、その重点をどこに置いて考えておるのであるか。そういう点について御
説明
願いたい。
荒木茂久二
67
○荒木
説明
員 法人に関しましては、組織面と
行為
面と、両方あるわけでございますが、この
日本國有鉄道法
というものは、
日本國有鉄道
の、主として組織的面を規律しておる。すなわち人格的面を規律しておる
法律
でありまして、その
行為
的面は商法なり、民法なり、
鉄道
営業法なりによ
つて
規律されるわけでありまして、この一章に
規定
しているのは、その組織の面、人格の面を場
規定
しておるわけでございます。
從つて
先ほども御
説明
がございましたように、
滿尾
委員
の
趣旨
にむしろ合致するという氣持のもとに、こういう表現が用いられておるわけであります。これがいわゆる商会社に発展するワン・ステツプであるとか何とかいうことでなしに、これはガバメント・コーポレーシヨンである。いわゆる公共
事業
を行う独立人格者であるところの
日本國有鉄道
は、公法上の存在であ
つて
、いわゆる商事会社的な私法的な存在ではないということを、特に明瞭ならしむる意味において
規定
してあるわけであります。
滿尾君亮
68
○
滿尾
委員
私はまだそれで納得しないのであります。この三條の
事業
目的というものを見ますると、五つ並べてある、しかしここには、ちつとも公法上の法人たる特色というものの感じは出ておらぬ。
事業
種類が並べてあるにすぎない。しからばその公法上の法人とした主たる原因は、第
一條
の目的にあるのだろうと思います。その目的は、公共の福祉を増進することを目的とすると書いてある。それだけのことだろうと思うのでありますが、しかし
鉄道
業というものには、地方の
鉄道
でありましても、必ず当該地方の公共の目的を増進するフアンクシヨンがあることは明らかである。なぜ
國有鉄道
が特別に公法上の法人たる組織をとらなければならぬのか。なぜ過去において
國有鉄道
主義をとらなければならなかつたが。その
鉄道
の高い公共性が三條にはちつとも出ておらない。この三條におきまして並べてあるところだけを読んだならば、私設
鉄道
、地方
鉄道
の業目的と何ら異なるところがない。私は、公法上の法人たる目的といいますか、特徴、性格が、第三條の
業務
の羅列の中にも、出て來なければならないのじやないかと思うのでありますが、当時のお考えなり、あるいは現在のお考えでもよろしい、
政府委員
の御
説明
を伺いたいと思います。
荒木茂久二
69
○荒木
説明
員 その点は、三條はその行います
事業
を靜的に規制したものでございますから、ここにまでにじみ出させることに困難でございまして、
一條
、
二條
のところで十分にその性格を表現いたしておると思います。
從つて
そういつた性格の法人が、いかなる
内容
の
仕事
をやるかということは、きわめて靜的にその
事業
の実質を抽象的に書くことが適当である。こういう
趣旨
で書いておるわけでありまして、三條から逆に
一條
、
二條
の目的が薄れて來るとは考えないし、またその実際の運用においても、さような方向に行かないように運用すべきだと考えておるわけであります。
滿尾君亮
70
○
滿尾
委員
もちろん三條から
一條
を推察するわけには行かない。しかし
一條
の目的が、
二條
、三條ににじみ出て來なければならぬ。そこで私の言いたいのは、
國有鉄道
並び
に附帶
事業
の
経営
ではわからぬ。これでは百キロの
鉄道
を
経営
しても同じことだ。
日本
の
鉄道
交通
網という、その網を握
つて
いる
事業
をやるのだという性格が出て來なければ、
國有鉄道
が公法人たる性格を持
つて
おるということの画龍点睛を欠いているのではないかと思う。
一條
、
二條
、三條を通じて読んでみまして、現在まである
鉄道
國有法の第
一條
の根本精神は、ちつともここに出て来ておりはせぬ。私はここにこの
法律
の立案当時の当局の御苦労に対しまして、遺憾ながら不満の意を表せざるを得ない。ことに先ほども問題にな
つて
おります四十九條に至
つて
は、これは驚くべき
法律
であ
つて
、片方において運賃に対して、
國会
の議決を必要とする
制度
をとりながら、片方において営業線の問題、つまり動いている
業務
の本体の組織に対して、これをどうするときに、認可だけでよろしいということは、非常なアンバランスである。私は
財産
を処分するということは一向さしつかえないと思う。それはある金額のものさしをも
つて
、それから先は
大臣
の認可で
財産
の処分することはいいと思う。しかし
國有鉄道
がその組織について、運営の収支といのものについて、どうこうするときに、
法律
はいらぬのだ、しかし運賃の方はいりますよというのでは、私は非常なアンバランスだと思う。これらについて、当局においていかなる議論が行われ、いかなる立法の精神であつたかをお伺いいたしたい。
荒木茂久二
71
○荒木
説明
員 当時これをどうしてもすみやかに
國会
を通さなければならないという事情がございまして、七月二十二日のマ書簡に基いてこの
法律
が立案されましたので、タイム・リミツトが非常にございました。さらにもう少し詳しいことを申し上げればよろしいのでありますが、その辺は御推察願うことにいたしまして、急いでつくりました次第で、いろいろと問題の点がないわけではないと思います。
從つて
先ほど御指摘のあつた四十九條につきましても、前
國会
で大した議論はなかつたところでございますけれども、先ほど來田中
委員
、高橋
委員
、
滿尾
委員
の述べられた点につきましては、十分首肯される点があると考えますので、先ほど高橋
委員
から御指摘となりました
本法
三十六條に基く高能率に役立つ
法律
をつくるという——具体的に申しますと、この
國有鉄道法
の第四章でございますか、
会計
、経理に関する
規定
の
改正
を目下準備中でございまして、その際に十分研究いたしたいと事考えております。
田中堯平
72
○田中(堯)
委員
今の
滿尾
委員
の御質問に関連したことなんですが、どうも
政府
の御
説明
によると、コーポレーシヨンにな
つて
も、これはカバメント・コーポレーシヨンで、いわば國有法人みたいなものであるから、これまでの運輸政策と大差ない、やはり公益第一主義でや
つて
行くというような響きがあるのであります。ところが今度は独立採算制をとる、それでも
つて
、どうしても、収支が償わなければ、
一般
人民が依行できないほど、高い旅客運賃に引上げても、独立採算制をとらせるという点を、見る事と、まつたく商法人的なイデオロギーがそこに出ているわけであります。
從つて
これが全体を見ると、どこをついてもちぐはぐにな
つて
いるわけでありますから、どつちかにまとめなければなら事ぬと思うのです。もし独立採算制をと
つて
、公益性を二の次に置くということならば、それはまたそれで、別様の
考え方
がありましようが、片方では相もかわらず今まで通りの公益第一主義、片方では独立採算、そろばんに合わなければならぬという商賣人的な根性が出ている。まことに理解に苦しむのですが、
政府委員
のお考えはどういうふうにな
つて
いるのでしようか。
荒木茂久二
73
○荒木
説明
員 非常に逆説的なことを御答弁申し上げるようで恐縮でございますけれども、パブリツク・ユーテイリテースと俗にいわれております公企業を、最も公共の福祉に即するように運営するということは、すなわち独立採算制のとれるように運営することでありまして、それが公共の福祉に沿うゆえんではなかろうか、かように考えるわけでありまして、独立採算制を実施しつつ、それがなおかつ公共の福祉に沿うということが、国有
鉄道
をパブリツク、コーポレーシヨン、公共企業体としたゆえんの大きなものではなかろうかと考えるわけであります。独立採算制すなわち商事
原則
によるということではないのでございまして、
一般会計
からの補給を受けないで、十分に自立しつつ、國民に十分にサービスを提供するということが、このコーポレーシヨンをつくつた大きな目的ではないか、すなわちそれこそ、公共の福祉に沿うゆえんではなかろうかと考えておるわけであります。
田中堯平
74
○田中(堯)
委員
その点はその点として、またあらためて違つた角度からお尋ねします。いま
一つ
全然別個のことですが、今度の予算を見ますと、百五十億円の
工事
費が、千七百五十億の例の見返り
資金
から持
つて
來られることにな
つて
おるようです。そうしますと、この
施行法
によ
つて
どの項目に当るのでございましようか。
借入金
になるのでありますか、それとも
公債
になるのですか、それとも贈與になるのですか。
紙田千鶴雄
75
○
紙田
説明
員 お答えいたします。ただいまの御質問の点については二十四年度の五月までは国有
鉄道事業
特別
会計
でやりまして、六月から二十五年の三月末までがコーポレーシヨンの関係、こういうふうに
一つ
の
会計
年度が、二つの性格によ
つて
経営
されて行く。こういう特殊の年度でございますので、この二十四年度の予算といたしましては、
公債
の形式をも
つて
百五十億の歳入を計上いたしておるような次第であります。しかしながら六月から御承知のように機構がかわ
つて
参りますので、この場合におきましては、
日本國有鉄道法
にございます
政府
からの
貸付金
ということに——この百五十億の財源の中で、コーポレーシヨンに引継がれました財源につきましては、違つた形式にかわりまして、調達されて行く、こういうふうに考えておる次第であります。
田中堯平
76
○田中(堯)
委員
その
公債
が、六月一日を期しで今度
政府
からの
借入金
にかわるという御
説明
ですが、どうもその辺が、なまぬるい返事でのみ込めないのです。
施行法
の第九條に、五月三十一日において
國有鉄道事業特別会計
の
負担
しておる
公債
及び
借入金
は
一般会計
に帰属するということにな
つて
おりますが、この
規定
が適用されるのですか。
紙田千鶴雄
77
○
紙田
説明
員 御質問に対してお答え申し上げます。ただいまの点につきましては、別にこの予算の特例に関する
法律案
が出でおるのでありまして、そういうものによ
つて
、そういう
措置
が講ぜられるように考えておる次第であります。
田中堯平
78
○田中(堯)
委員
第九條ではありませんか。
紙田千鶴雄
79
○
紙田
説明
員 第九條の関係とは違うのでございます。
岡村利右衞門
80
○
岡村委員長代理
本案
に対する残余の
質疑
は、
次会
に讓ります。 —————————————
岡村利右衞門
81
○
岡村委員長代理
次に通訳案内業法事案の
政府
の
説明
を聞きたいと思います。
芥川治
82
○芥川
政府委員
御
説明
申し上げます。
通訳案内業法案
を出しましたのは、
提案理由
にもありましたように、また別に資料をお配りしておると思いますが、
從來
案内業者取締規則(明治四十年内務省令第二七号)それによりまして
取締り
があつたわけでありまするが、御承知のように
法律
第七十二号によりまして
昭和
二十二年の末にこれが失効をいたしたわけであります。
從つて
通訳案内業はその後自由営業とな
つて
、秩序が保
つて
おらない
状態
にな
つて
おるのであります。観光
事業
が次第に盛んにな
つて
参りますので、早くこの
取締り
の法を立法化いたすべく、今まで努力いたしておつたのであります。
昭和
二十二年の末に閣議決定を一應見たわけでありますが、関係方面の了解を得られませんでしたので、
國会
提出が遅れまして、今回この
法案
が提出される運びに相
なつ
たわけでございます。
從來
ありました取締規則と、この
法案
の特に異な
つて
おる点だけを簡単に御
説明
申し上げたいと思うのであります。 まず第一は第三條でありますが、
從來
は試驗も免許も全部都道府縣知事が行つでおつたのであります。もつとも都道府縣知事と言いましても、
從來
は警視総監、北海道長官、京都府知事、神奈川縣知事、兵庫縣知事、長崎縣知事、この六都道府縣に限られておつたのであります。今般は全國的にこれを廣げまして、試驗と免許とをわけて、試驗は
運輸大臣
が一本でこれをやりまして、免許については、都道府縣知事がこれを行うというふうにかえた点が第一点であります。それから第二点は第
八條
でありますが、
從來
は一度免許を受ければ、そのまま終生営業を続けることができるとな
つて
いたのでありますが、これは業者の指導
取締り
上も好ましくありませんので、これに期限をつけて、五年目ごとに都道府縣知事に申請せしめて、免許の更新を受けることというふうにかえたのであります。次は第十四條と第十
五條
でありますが、業者の
取締り
の民主化をはかるという点から、これは
從來
なかつたのでありますが、免許の取消しや営業の停止などを行うにあたりましては、あらかじめ業者の意見を十分聞くということが第十四條の第二項にあります。また第十
五條
には、この
法律
またはこの
法律
に基く命令による
行政廳
の処分に不服のある者は、
運輸大臣
に訴願することができるというふうにかえたのであります。以上の点が
從來
の取締規則とかわる点でありまして、
從來
とも内務省の取締規則によ
つて
取締り
をしておりましたものを、さらに
法律
によ
つて
やりましたのは、罰則を受けるものは全部
法律
に基かなければならないということになりまして、二十二年に規則が失効いたしましたので、あらためて
法律
として提案をしたような次第であります。
簡單
でありますが、以上をも
つて
説明
を終りたいと思います。
岡村利右衞門
83
○
岡村委員長代理
本案
に対して
質疑
はございませんか。
滿尾君亮
84
○
滿尾
委員
第
二條
と第十六條に関連してお伺いいたしますが、もし試驗も受けず、資格もとらず、免許も受けずして案内した者は、第十六條で三万円以下の罰を受けることになる、これは私はとんでもないことだと思う。たまたま外國人に尋ねられて、具体的に案内をした、それでただで案内しないで、報酬をもらうのはあたりまえである。しかし、そうすると、これは罰せられるという御設計でございます。これを業とする者という意味でありますが、たつた一ぺん、たとえば富士五湖に案内して行つた。それでも十六條の第一項によ
つて
罰せられることになるのでありますか、その点を
一つ
承りたい。
芥川治
85
○芥川
政府委員
これは第
二條
の終りにありますように、「旅行に関する案内をする業」というのでありまして、今のお話のような、英語の上手な人が外國人を案内して、かりにその人が謝礼をもらつたといたしましても、それは業とするとは解釈いたしませんので、この法の適用外だというように考えます。
田中堯平
86
○田中(堯)
委員
その点についてですが、たとえば今日税金問題で非常に紛糾しております。それで税金問題について、たとえば再
審査
の申請書を書くとかいう
手続
は、税務代理士法があ
つて
、税務代理士の免許を受けた者でなければできぬ。このときもたはり同じ文句があ
つて
、業とする者に限るということにな
つて
おります。ところが
政府
の取扱いでは、たつた一回、いなかのじいさん、ばあさんで、文字も書けない、計数も読めないというので、困
つて
おる人に対して、近所の少し文字の書ける、数字のわかる人がせわしてや
つて
、かわりに申請書を書いて上げたという
事件
が、どんどん処罰されております。こういうことでは私どもは安心することができない。ただ業とするということになれば、
一般
の観念では、反復と報酬をとるということが、通念にな
つて
おるのですけれども、そういうことでなくても、一回や
つて
も業である、報酬をもらえば業である、あるいは報酬をもらわなくても、反復だけでも業であるということで、どんどん処罰されております。そういうことでありますと、通訳案内業の人にと
つて
、恐るべき処罰根拠にな
つて
來ると思います。これは何とか
法律
上そういうおそれのないように、
一つ
但書をつけるなり、あるいはそういうおそれのないような立法
措置
を希望するのであります。現にその問題が起
つて
おります。それで國警本部
並び
に法務廳の意見を聞きに行つたところが、業とするということは、何も報酬をとらないでも業である、それが謝礼をとつた場合には、反復しなくても、一回でも業であるというような見解で、どんどん処罰されております。こういうことになりますと、この
通訳案内業法案
も、とんでもない処罰、嚴罰が起
つて
来ると思うのでありますから、どうかその辺がうまく行くように
措置
をとられたいと思います。
芥川治
87
○芥川
政府委員
第
二條
にありまするように、これははつきり報酬も受け、外國人に付添
つて
、外國語を用いて旅行に関する案内を業とするというので、この適用
範囲
につきましては、今お話のありました御
趣旨
に沿うように、運用の面で謝りのないようにや
つて
行きたいと存じます。
滿尾君亮
88
○
滿尾
委員
私はこの
法律
の根本に疑問を持
つて
おる。一体この
法律
は何をなさんとしつつあるか。つまり悪い案内人が出て、せつかく外國から来たお客に迷惑を及ぼして、わが國の信用を傷つけてはなるまい、というお考えだろうと推測するのでございますが、そのことを心配して、こういうむずかしいことをいたしまして、制約した場合の方が利益なのか、もつと自由にやらして、相当実害ができてから、初めてこういう
法律
を出した方が國家のために利益なのか、相当疑問がある。さらにまた、この
法律
を読んでみますと、これを免許
事業
にしておきなから、一体その免許を受けました者に対して、國はいかにしてこれを監督するか、ほとんど監督の実体がない。これを見てみますと、禁止
行為
がたつた
二條
ばかり書いてある。その他業として営業して行くについて、特別に國家は監督を続けて行くというようなことは、何も書いていない。してみると、免許をもら
つて
しま
つて
、なるほどある程度の学問があり、常識があるということは保証されましようけれども、その後その免許
事業
に対して、國家との継続的な関連性、監督関係というものは、何ら予想されておらぬように見える。それじや何のために免許をするのか、その根拠が非常に薄弱になる。自由営業から特別の免許制をしくということは、特別の
権利義務
の関係を、國家との間に設定することであろうと思う。
從つて
これに対しては、改善命令をするもよし、嚴重なる監督をするとか、その業に対する監査ということも予期されて、初めて免許
事業
にする実体があると思う。この
法律
がここにお書きにな
つて
、予想されておる程度では、何もむずかしくこれを免許
事業
に制約する必要はない。またそのように制約いたしましたならば、どういう試驗をなさるかわかりませんが、はたして外國人が必要とするだけのガイドの数が得られるかどうかも、むしろ疑問じやないかと思う。私は
日本
中のガイドの趨勢を知りませんが、しかく氾濫して、悪いやつが大勢まじ
つて
お
つて
、迷惑をかけるおそれがあるというような、客観的事情がすでに発生しておるのかどうか、お伺いいたしたい。
芥川治
89
○芥川
政府委員
滿尾
委員
の御質問に対しましてお答えいたします。この立法の
趣旨
は、各國にもその例があるわけでありますが、特にヨーロツパ諸國におきましては、國語が同じである、あるいは國がお互いに行き來が
簡單
であるというふうな関係もありまして、立法例は割合に少いのでありまして、メキシコにおきまして
一つ
、フランスにおきまして
一つ
、この立法の例があるわけであります。わが國は申すまでもなく、非常に特別な言葉を持
つて
おりますのと、観光関係につきまして事も、今後非常に力を入れて行かなければならないという点から、これを立法化して行かなければならぬというふうに考えるのであります。なお免許の点につきまして、いろいろと御質問があつたのであります。なるほど自由営業から一足飛びに免許に行き、しかも免許そのものに対して國とのつながりが弱いのではないかというお説は、一應ごもつともなのでありますが、現下の
日本
の
情勢
におきまして、
運輸大臣
がすぐ飛び出して、今まで自由でありましたものを、何といいますか、私の企業を圧迫するという観念を持たれるようなものにするのは、どうかというので、その点はいささかはつきりしておらない点があると思うのでありますが、現下の
情勢
においては、この程度が妥当であろうというふうに考えております。 それからガイドの現状でありますが、終戰前におきましては、いろいろと変化はありまするが、
昭和
十三年末におきまして、わずかに百九十三名にとどま
つて
おります。そのうち約八〇%が英語でありまして、百六十三名にな
つて
おります。フランス語は十二名、ドイツ語及びスペイン語が、それぞれ十名及び八名、こういう数字にな
つて
おります。通訳案内業の免許を持りておる者、この数子につきましては、各方面の資料が焼失しておるような関係から、はつきりした数字はわからないのでありまするが、約千名くらい免許を受けた者がある。そのうち今申しましたように、生業としてや
つて
おりまする者が
昭和
十三年百九十三名、こういう
状態
であります。それから終戰後におきまして
警察
廳と京都とでそれぞれ一回試驗を
施行
いたしまして、警視廳で二十二名、京都で一名の合格者が出ているようなわけであります。現在業者が自由営業になりましてから、どういうように動いているかと申しますと、中央の連絡
機関
でありまする御承知の社團法人の
日本
観光通訳協会というのが、
交通
公社の中にあります、ここの会員となりますために、試驗を受けて会員とな
つて
おりまする者が、約百七十五名程度に現在達しておりまして、一流の通訳案内業者はほとんどここに入
つて
お
つて
、現在の観光
事業
に対して貢献をしているという
状態
なのであります。
滿尾君亮
90
○
滿尾
委員
私がこの
法律
につきましては疑念を持つのは、一体國家試驗にして毎年國家は必ず試験をやられますかどうか。また地域的に東京で——
日本
中で一箇所だけやられるのかどうか。その点にはどういう含みを持
つて
いるか、お伺いしたい。私が心配しますのは、こういう
法律
を出しますことによ
つて
、現在通訳をしている人の既存の利益を擁護するような結果に陥るのではないか、こういうことを非常に憂うる。なお年々歳々語学を学んだ青年で、ガイドを志す人が、きつとこれから出て來るに違いない。それに対して國家免許
制度
をしいていたがために、その進路を不当にはばむようなことはないかどうか。それだけの用意をこの
法律
は考えているかどうか。また今伺
つて
みると、わずかに千人やそこらめ人間のために、一体國家が免許
事業
にまでしなければならぬかどうか。そこに私は、鷄を裂くに牛刀をも
つて
するきらいを非常に感ずるのであります。また今日これを免許
事業
にして、どうしても國家的統制に乗り出さねば、こういう困つた事例があつたとか、これは國家の信用を非常に阻害する。こういう事例が頻た々として今日まで起
つて
おるのかどうか。そこらの事情をどうしても御
説明
いただきたい。さらに私の考えでは、ただいま一流のガイドは、それぞれプライベートな協会をつく
つて
や
つて
おられる。私はその程度で十分ではないかと思う。あるいは船会社だとか、観光
事業
の大手筋の人たちが、一流のガイドを
推薦
しまして、マークか何かして、そこらで試験をして、そういう
推薦
をせられるくらいで、一番適当なところじやないか。何もかようなところまで、國が
法律
をも
つて
乗り出すというようなことは、私は行き過ぎではないかと思う。かえ
つて
優秀なる民間国体がほんとうに
推薦
するという形態をとる方が、ガイドの
制度
としても事数等すぐれている。むしろ國家がこれを
推薦
するということよりも、私は大きな船会社とか、
交通
公社とか、あるいは
運輸省
が多少プライベートに入
つて
もよい、この協会が
推薦
してこのマークをつけている者は絶対に心配ありません、というような
制度
をつくられる方が、ガイド
事業
の將來の発展のために、ほんとうの筋道ではないかというような意見を持
つて
いるわけでありますが、
政府委員
の御所見を伺います。
芥川治
91
○芥川
政府委員
お答えいたします。回数の点につきましては、現在のところ年二回くらいはや
つて
行きたいと考えております。また試験を受ける場所につきましては、主要都市において受けられるように便宜をはかりたいと考、えております。
從つて
年々語学が上達して参りまして、その人たちがガイドになりたいという場合には、決してその進路は妨げない、むしろ奨励して行くような
方法
で行きたいと考えておるのであります事。なお一流のガイドがすでにもう集ま
つて
いるのであるから、そういうものにまかしておけばよいのではないかというお説でありますが、この点につきましては、二つの点から考えてみたいと思うのであります。まず第一点は、試驗を各縣單位でまかしておりましたのではやはりそのレベルがそれぞれ違
つて
来るのであります。しかもそれは全國に通用するわけでありますので、試驗の点につきましては、國でひとつレベルをきめて、それに合格した者を全國的にきめて、動くようにするという点と、さらに外人が参りまして通訳を使う場合に、外人の方からむしろ要求がありまして、ライセンスを持
つて
いる者を使いたがるのであります。現在は
日本
観光通訳協会のライセンスを持
つて
いる者が、重用されているというような関係から、やはりこの
法案
通りに、國として試驗をいたしてや
つて
行くことが、
日本
のために必要ではないかというふうに考えるのであります。
岡村利右衞門
92
○
岡村委員長代理
残余の
質疑
はこれを
次会
にいたしたいと思います。明日はは午前十時より
委員会
を開会いたします。なお明日は
國有鉄道
運賃法の一部を
改正
する
法律案
につきまして、参考人より意見を聽取いたしますから、時間嚴守の上、御出席をお願いいたします。 本日はこの程度において散会いたします。 午後四時四十六分散会