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岡田(五)委員 今、
政府委員からの御
説明で大体了解いたしたのでございますが、この買収されました二十二線の収支状況を見ますと、大体九社十線だけで見ましても、その営業計数が非常に悪いのであります。收入に対して支出が四倍近くも出ているというようなことで、これを経営すること自体が、國有
鉄道において
相当赤字が出る。大体省全体の赤字が百五十億あるうち、この拂下げを希望いたしております二十二の線の成績だけを見ましても、約五億ばかりの赤字を出しておる。赤字を出しながら、国有
鉄道が公共事業としてこれを運営している、こういうような形態であるようであります。ことに
運輸省から提出されましたいろいろの資料を拝見しますと、大体収入に対して支出が平均一六九、つまり収入に対して支出が六九も多いということに
なつている。しかるにかかわらず、
経費一〇〇に対して、収入が二〇だという線が二十二線ばかりもあるようであります。かような線をかかえていれば、私は三百億なり数百億の國有
鉄道の赤字が出ると思う。かような赤字を忍んでもい事業を経営することが、國有
鉄道が公共事業として当然のことだろうと思うのでありますが、考え方によりましては、こういう赤字の線をできるだけ多く拂い下げて、そうしてできるだけ赤字を少くするということが、私は一つの経営の面でも考えられることじやないか。それから國有
鉄道だから公共事業だということも、一概には言い切れないじやないか。
交通であるがらは、国鉄であろうと、私鉄であろうと、とにかく公共事業であることには間違いない、かように私は考えるのでありまして、公共の福祉増強を考える点においては、
國鉄と私鉄とかわりはない。かような点からいたしまして、国有
鉄道の経営の健全化、こういうような面から言いましても、かような赤字線の拂下げ希望者があれば拂下げて行く一面、私鉄の経営を
運輸省として完全に監督し指導して行く。こういうようなことが私は必要ではないかと考えるのであります。
また過般、いろいろ資料をいただきまして、連絡客が何十パ—セント、連絡
貨物が何十パーセントあるというような数字を見せていただきましたが、私は少くとも日本の
交通計画から言いましても、また公益
交通機関としての
鉄道の本質から言いましても、私鉄といわず、私線といわず、
國鉄の幹線の一つの培養線でありまして、当然どこの線でも、
國鉄の連絡客なり、連絡
貨物があるのが、私は当然だと考えるのであります。例が間違つているかもしれませんが、たとえば帝都線、小田急線におきましても、その乗客の大
部分は省線に乗りかえ、また
國鉄に乗る、かようなことで、ただ連絡書、連絡
貨物の多い少いをもつて、輸送
計画上これをどうしても國有
鉄道にもつて行かなくてはならぬ。こういうりくつで押し進め切れないじやないか、かように私は考えます。要は
國鉄が経営することが、
沿線住民あるいはその地方に対して福祉増強になるということが、問題であると私は考えます。また拂下げにあたりましては、私は公正適正な価格で拂い下げられんことを特に切望いたす次第であります。ことに私は國民のむのとして、國家のものとしてあります國有
鉄道の拂下げにつきましては、価格については、繰返して申し上げますが、公正適正なる価格をもつて拂い下げられんことを希望します。
意見のようになりましたが、以上申し上げておきます。