○小幡
政府委員 もう大体皆さん御存じのことでもありますので、詳しく申し上げませんが、簡単に私の
考えておることだけ申し上げたいと思います。
もともとご承知の
通り、
道監のそもそもの始まりは、昭和二十二年に臨時物資需給調整法に基きまして、この
関係で
資材関係を取扱わせるために、
自動車事務所というものを各
府縣に
設置いたしたのでありますが、道路運送
関係資材について、道路運送をすみやかに一元化して
統制する方がよろしいという
意見で、
設置後三箇月にいたしまして從来
府縣の持
つておりましたところの道路運送
関係の
権限を、この
自動車事務所に統合いたしたのでありますがさらにその後道路運送法が施行になりますとともに、昨年の一月一日から
自動車事務所を、
道路運送監理事務所ということにいたしまして、ここで一元的にやるということに相
なつたのであります。先ほど
松本君からどういうわけで
運輸省に
移管したのかわからないということでありましたが、私
どもの聞いておりますところでは、もともと
資材を取扱う
事務所としてつくつたものであるのに、從来の声である道路運送一元化という要望が強く加わりまして、私
どもの聞くところでは誤聞かもしれませんが、ある縣あたりでは、むしろこれは
自動車事務所に統合した方がよいという声が、
府縣みずから起つたというような情勢で、その要望にこたえてこれが一元化せられて今日の状態に
なつた。またこれも私の聞いたところ、はありますが、
道路運送監理事務所というものをつく
つて、道路運送
行政を一元化すべきだということは、國会において提案せられて、國会の修正でも
つてできたということも、譲りかもしれませんが、聞いておるようなわけであります。そういうことで道路連送
監理事務所が発足いたしたのでありますが、今日ただいまの
仕事の面から
考えまして、これを
府縣に
委譲するのは困るというおもな点だけ申し上げますと、第一に、申し上げるまでもなく各
府縣の
範囲内の輸送というものはごくまれであります。これがいわゆる
交通の一貫性と申している点であります。バスにいたしましても、トラックにいたしましても、最近いろいろ出て参ります新製バスは、ほとんど全部が二
府縣以上にまたが
つております。そういう点から申しまして、各
府縣々々の事情でも
つて話がきまらない、あるいはまた報告を受けようとしましても、なかなか報告が出て来ないというようなことになりますれば、実際にこれを免許するといたしましても、非常に
事務の澁滞を来すであろうということは想像にかたくないのであります。この点はもう
はつきりと、しろうと
考えでもわかる点であろうと思うのであります。さらにまたこの免許をいたすにしましても、
交通はすべて総合的に
考えなければならない。
自動車のみではありません。國有鉄道から私設の鉄道、あるいは荷牛馬軍、こういう直からいろいろ
考えまして、そこの調整をと
つてやるという点があるのであります。こういう点、
府縣の方ではたして鉄道事業というものがよくわかるかというようなことについても、とうていこれは困難であろう、この総合調整ということから申しましても、
相当專門的に
考える必要があるということは、当然言えるだろうと思えるのであります。さらにまた
資材の面から申しましても、特にタイヤあるいはガソリン、今日タイヤやのごときは需要の十数パーセントにしか満ちておりませんし、またガソリンのごときにおきましても四十パーセントそこそこの需要しか満たしてないわけであります。こういうわずかなものでありますから、これを公正に配分いたしますについても、よほど詳細に調査いたしまして、その公正な資料に基いてやらなければならぬ。現に最近CTS
方面から、この内容につきまして、輸入物資であります
関係でも
つて、実にこまかな資料を求められ、そうしてそれを毎月本図の方にCTSから知らせるという方法をと
つております。現在におきましてはこの
資材の配分ということは、すなわち輸送力の削分ということが言えるのでありまして、
相当あり余つたときでありますれば問題はないのでありますが、この限られたる輸送力においては、將来も一緒に合せてやらなければならぬという、ここに
國家的に全般的にながめてやるというような必要性が、当然認められて来るわけであります。さらにまた免ほどから、
府縣の方にやらせる方が
節約になるとか、あるいは各
府縣の
事務の中に統合すれば溶け込んで行くとかいうような、いろいろなことを
本多國務大臣も言われましたけれ
ども、御承知のごとく、現在
府縣にはまつたく輸送
関係をや
つておる
事務がありません。重複
事務ではないのであります。昔は保安課、今の輸送課、
交通課とかいつたような課でも
つてこれを取
扱つておりましたが、現在はすつかり
道路運送監理事務所に移
つておりまして、
府縣には何もないのであります。從
つて現在
府縣にはまつたく專門屋というものはおりません。これに携わ
つている者は全然ゼロという状態でありますので、
相当技術的な、專門的なことをや
つて行かなければならぬという面からいたしましても、とうていその点は不可能だということが言えると思うのであります。さらにまた御承知の
通りに、現在鉄道局長が私設鉄道に対する
監督権、小運送に対する
監督権、さらにまた倉庫に対する
監督権というものを持
つておりますが、これはもともと現業と
行政の分離という面から、かねがね
関係方面の御注意もありまして、これを分離しなければならぬという方向に進んでおつたのでありますが、たまたま今回鉄道がコーポレーシヨンに移行いたしますについて、鉄道局長の持
つておりました
行政監督という
仕事は当然にこれを取上げまして、これを
道監の方に移さなければならぬということになりました。同時にまた今までは國有鉄道でありましたが、これがコーポレーシヨンに移ります
関係で、この鉄道自身に対する新しい臨督という
仕事がふえて来たわけであります。この点の國有鉄道に対する
監督も一緒に統合いたしまして、今私
どもとしては、鉄道局長から取上げる
権限と一緒に、特定
道路運送監理事務所に統合いたしまして、
地方に分局をつくりたいと思
つているわけであります。もしこの陸運局に統合いたしましたときに、その手足をすつかりなくするということにいたしますれば、
地方の陸運局長というものは、全然手足のない
仕事をしなければならぬということに相なるのであります。もちろん私鉄とか小運送とかいつたような面について、
地方長官が何らの知識もなければ、経験もないということは当然であります。陸運局長として長官の
意見を聞くことも、できなければ、何もできないのでありますから、当然これに対する手足というものがいるわけであります。その手足を全部取上げるということは、そういう面から申し上げましても、絶対できないということが言えると思うのであります。最後にもしこれを
委譲すると仮定いたしまして、どうなるかと申しますれば、これは私
ども先ほどから申し上げました
通りに、まつたく重複
事務でない。全然
府縣にはそういう
仕事を持
つていないところでありますから、そういうところでも
つて、
相当煩雑な今の
仕事をやろうとしても、や
つて行けないということは事実だろうと思うのであります。いわゆる九
原則の実施の今日におきまして、その間
仕事になれますまでは、
相当のギヤツプができるということは当然であろうと思うのであります。現にこの問題が
関係方面でわれわれと非常に議論せられましたときにも、この点は何としても今日
地方廳に
委譲するというということは、
仕事の面において大きな穴をつく
つて非常な迷惑をかける、九
原則の実施もとうていできないということで、一應このまま
存置することを承認せられたようなわけであります。この点現実に
委譲するといたしましても、非常に大きな
事務の澁滞を来し、國民に迷惑をかけるということは、申し上げるまでもないことであろうと思うのであります。もちろん先ほど来しばしば
お話のありましたことく、私
どもとしてこの
道監を現状のままといつたような
考えは毛頭持
つているわけではないのでありまして、これは当然に
整理統合縮小いたして参らなければならぬどいうことは
考えておるのでありますが一
制度としてこれをなくするということは、以上申し上げましたような理由からいたしまして、その時期にあらずと
確信いたすものであります。まだこまかな点は種々ありますが、時間の
関係もございますから、おもな点だけを申し上げまして御参考に供したいと思います。