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政府委員(阪田泰二君) 先般價格調整備の
予算に関します資料を一枚刷りにいたしたものを、御配付いたしましたが、それにつきまして簡單に御
説明申上げて置きたいと思います。價格調整費の当初
予算に計上されました額は五百十五億でございまして、これに今回百十億の追加がなされましたので、合せて六百二十五億の
予算と相成るわけであります。それで御配付いたしました資料の六百二十五億の内訳ということになるわけであります。第一の安定帶物資に要する調整費の分でありますが、これは当初
予算に計上いたしました額に比較いたしまして、増加した分、減少した分でございますが、ここに掲げました石炭、鉄鋼、非鉄金属、肥料、曹達それを合計いたしまして、増加いたします額が十億五千七百万円、こういうことに
なつておるわけであります。内訳について申しますると、石炭については当初見込んでおりました額は百六十四億八千八百万円という額でありましたが、この予定では百六十億ということに減少いたしておるわけであります。これは大体石炭の補給金は特定産業向け、その他交通の
関係等に出るものでありますが、その
方面に向けられる石炭の量が減少したというところから、さような結果に相成
つております。それから鉄鋼の方でありますが、これは当初予定しておりました百九十一億七千五百万という数字がここにありますように二百八億というふうに増加いたしております。これは大体生産が増加いたしました
関係上、補給金も殖えた。こういう
関係に
なつております。非鉄金属におきましては、当初の二十六億という予定が二十五億余に減少いたしております。肥料におきまして、当初の百五億という予定が百二億に減少いたしております。曹達におきましては、当初の八億五千という予定が十億というふうに増加いたしておるわけであります。いろいろ生産の
関係その他の
関係によりましてさような増減がありまして、これを纏めましたところで、総体で十億という増加に安定帶物資については
なつておるわけであります。
それからその次に雜件という分でありますが、これは安定帶物資以外のいろいろの特殊な
関係の補給金でありますが、前年度以前に属する分の未生産であ
つた分でありますとか、或いは農家報奨用の酒、飼料、繊維、味噌、そういうようないろいろの物につきまして、特殊の事情によ
つて出すもの、或いは前年度或いは今回の物價改訂以前の補給金でありまして、まだ出ていなか
つたもの、そういうものの分として見込んでありました分でありますが、これがここにありますように十三億二千九百五十八万余円ということになりました。これはいろいろそのように必要と認められてありましたものの中で、出さなくてもいいものが出て参りました。生産の結果数量を減じたものもありますし、当初予定いたしておりましたが、実際には必要となるに至らなか
つたというような費目もありまして、合計におきまして四億六千五百四十一万八千円、それだけ減少いたしまして、これだけの額になりましたわけであります。
それから第三に新規として挙げておりますが、これは二の雜件の系統に属する分でありまして、新らしく出て参
つたものであります。北海道暖房用炭十二億五千六百万円と申しますのは、これは北海道に家庭用として配給されまする石炭の中で、二トン二分ばかり配給量があるわけでありますが、一トンだけを安い旧公價で配給するということに
なつて参ります補給金の増加であります。その次の炭鉱労務者賃金はね返り、これはまあ俗な言葉で表現してあるわけでありますが、先般の物價改訂の際におきまして、炭鉱労務者の賃金を一應四千円と予定いたして多少のマージンを見込みまして單價を決めたわけでありますが、実際に決まりました賃金との差によりまして、更に採算上開きを生じて來た。その分を埋める金額であります。北海道地区炭鉱從業員手当、これは北海道炭鉱労務者に対しまして、今年の四月以降一人当り五百八十円というものを
支給いたしましたものでありまして、これも炭鉱の採炭をやるために補給いたした分であります。
それから石炭業生産奬励金及坑内夫特別
措置税金、これは石炭労働者に対しまして、生産奬励金として
支給しました金額に対しては、税金を引かないで、手取りの奬励金を與える。又坑内夫の賃金につきましては
給與が増せば増す程所得税の税率が高くなるわけでありますが、それが余り高くなりますと、勤労意欲を阻害するというような意味から、源泉課税の税率が三十五%以上になる場合にも、三十五%以上になればそれは会社で負担して労働者には三十五%までの税金しか取らないような特別な
措置をいたしたわけでありますが、そのために結局会社は税金を
自分の負担で拂わなければならない。
給與から引くことでなしに別途の会社の計算から出さなければならないということになりまして、必要と相成
つて参りまする金額は二十五億円ということになるわけであります。これはそのまま國庫に税金として戻
つて來るという勘定になります。
その次の農業共済再保險保險料、これは食糧管理特別会計におきまして農業共済再保險の保險料を拂
つておるわけでありますが、これは当初消費者の米の値段その他食糧の値段に織込むべきものであるとして計算いたしておりましたわけでありますが、今回の米價の決定に当りまして、これは織込まないことに決定いたしましたので、一般会計においてこれを負担する必要があります。價格差の
関係上生ずるものでありますので、價格調整費からこれも支出することにいたしたわけであります。この金額は総体の所要額といたしましては九億
程度になりますが、実際問題といたしまして、食糧保險の特別会計におきましてこれを消費者價格に割掛けて回收するといたしましても、大体この年度内に五億
程度回收されるという計算に相成
つておりますので、その五億円の計算そのままを一般会計で今年度としては負担する、來年度におきまして残りの分を更に負担する、こういうような計算にいたしたわけであります。これらを合せまして四十五億、以上全体を差引きまして尚五十九億の金額が残
つておるわけでありますが、これは現在石炭、電産、私鉄、金属、いろいろそういうような
関係におきまして問題が起きておりまするし、その外今後いろいろな事態が予想されますので、金額としては決めかねるわけでありますが、そういうような事態に対する予備といたしまして五十九億をその外に計上いたして置いたわけであります。
以上を合計いたしまして、
予算額の全体の内訳というようなことになるわけでありますが、簡單でございますが以上を以ちまして……。