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証人(
藤井孝君)
日野原さんと太田さんと私の三人だと記憶しております。そこで太田君の観測を
日野原に話をしてや
つたわけです。太田君と別れたそのときの話は、その寮での話は、こういう状態で、君はともかく逮捕寸前にあるという
考え方をしなければいかんから、自分の態度なり
考え方もそういうつもりでなければいかんというふうに太田君に言われたわけですが、それはどう言われたところでもうしようがないことですから、先ずともかく在宅調でも
一つ先生骨折
つて呉れと
言つて別れたのです。それでそれぞれ自分の家に帰
つたのですが、太田君が翌日の朝黒川先生をお訪ねしたいのだけれども、車を貸して呉れんかと
日野原に言
つたら、
日野原は貸しましようと
言つて別れたわけです。私が家に帰
つたのは、その時間がはつきりしておらんのですけれども、大体九時か十時頃であろうと思うのですが、家に帰りまして、そう
言つてはおかしいが、一杯飲みまして寢んだのですが、そのときに他所から電話があ
つたわけです。その電話は私は
丸山だろうと思うが、これは自分の記憶ですから、はつきりした証言ではありません。そこで電話があ
つて、
日野原危險なりという電話だ
つたのです。太田君にそう
言つて驚かされた後又そういう電話があ
つたので、私は自分の氣持としては可成り何と言いますか、相当苦慮してお
つたわけです。それでそのまま寢んだのでございますが、
ちよつとうなされたらしいのです。寢つきが惡くて、……それで家内に起されると、どうも氣になるのです。で、それから運轉手を起して
日野原の家に参りました。