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池田宇右衞門君
農林大臣がお
見えになりましたから
一つお尋ねいたしますが、
農業協同組合の
組織に相成りましたことは誠に結構でございまして、我々は
農村の旧弊を打破するということについては賛意を表するものであります。併しながら
府縣をしてそれぞれ
分散的に
協同組合を
組織するという
方針は、一面において新たなる出発で、それぞれの職業別に
連合会を
組織するという誠に一貫した
農業生産指導に対しては、その
趣旨はその
通りでございますが、併し下の
町村がこれを受入れ態勢として受入れるときにおきましてすら、官民が同じ
方針を以て
指導しなか
つた。
町村は二つも三つも同じ命令に接してどれを取
つていいかというように迷
つた実例があるのであります。然るに現在は六つも七つも八つもできた結果、官と民とをそれぞれ
生産指導に対しても、或いはその他の方策に対しましても、頭が七つも八つもありまして、それから「じようご」のように下へそれぞれの方策や指令に接する。さような場合におきまして、
市町村はどれを大体として咀嚼していいのか苦しむような
状態であります。尚私長野縣の実例を言いますならば、養蚕
方面に対しても二つ、畜産
方面に対しても二つ、園藝
方面に対しても二つというような、誠に
自主的協力の下にそれぞれ
組織されるということは、民主
時代にふさわしいのでありますけれども、その結果は相剋摩擦を起すような
実情と、それから投員が余りにも多くできまして、それに対する
ところの無駄な経費と、投員と同時に
組合がそれぞれできましたから職員と、
農村方面から申しますならばインフレによりまして、税と共に支出
方面が増加されております
ところの今日、
農村の
実情に対しては、かような無駄が續出し、それから
指導方面、指令
方面において煩雜を極めるというような
複雜多岐な
状態に追込まれたのであります。これに対しまして
農村を
本当に愛し、
大臣の言う
通り自主的協力を以ちまして、
生産の増加と
経営の
合理化と、
農家安定というこの三つを実現するためにおきましては、今一段と
協同組合に対しまして、
府縣以下の
段階において相当これを統一するというか、合同するというか、いわゆる新たる出発の方策を講じなか
つたならば、受ける
ところの
市町村はたまらないという
実情でありますから、これに対して
大臣の御所見をお伺いしたい次第であります。