○天田勝正君 過日
相当突込んで質問したのでありますが、もう三点質問したいと思います。質問でありまするから、別に黒田さんと議論するつもりもないのですが、これは
政府でやつたことだからして、どうも
專賣局を責めるのは無理だという話にどうも私は同調できない。
專賣局の
計画数字に基いて
政府も
決定したのでありましようし、勿論
政府も責任があります。併し言い方によれば、今度は当時の
政府にした
ところで、我々は提案しただけであ
つて、決めたのは
國会が決めたのだ、こう言われれば、
國会の
議員は誰も質問の必要はない、こういうことにな
つて來るのであります。そこで提案した
ところの
價格の問題については
政府の責任でありましようが、その根拠になる
ところの製造
数字というようなものは、これは明らかに
事務当局も責任を負わなければならんものだと私は思
つております。そこで過日もお伺いしましたが、先ず「
ピース」にいたしましても九十億を三十八億と、こう減らした。「ひかり」を三億二千万本から五十一億に今度は殖やしておるという話である。木村君も指摘しておりましたが、人間でありまするから多少それは
計画は違うということは止むを得ない。これが二割か三割違つたというのなら話は分るのであります。「
ピース」においては倍以上であるし、「ひかり」においては今度は逆に三億を五十一億に殖やすという話である。こうした一体べらぼうな違いはどこから出て來たか。そこで先ず前の改訂当時におきまする
ところの
計画とそれから今度の
計画とを、全部の品目に対してどれだけ違いができて來たかということを明細に
一つ比較してお知らせ願いたい。過日も二、三の銘柄については聽いたのでありますが、七月以降できました品目等についてはお示しがなかつたのであります。それから
配給煙草の方は全然
お話がなかつたので、それらの
配給煙草も、曾てはこういう
計画で今日はこのような
計画にな
つておるという点を明確にお知らせ願いたい。
第二の点は、この前の値上のときには、まあ今度とは余程
経済情勢も違うのは勿論でありますし、その外に多少理由があつたわけであります、それというのは、
物價改訂もしたし、從
つて物價改訂に應じて多少いろいろな業者の利潤が上るであろう、この見当が狂つたわけでありますが、とにかく物の
値段が上れば、それに通れて沢山の
利益があるであろうという見当は、これは一應できるのであります。そういう根拠に立つたのと、それからもう
一つは、配究の
煙草は量を殖やす、こういう根拠に立
つておつたのであります。
ところがこの
配給の
煙草の量は一向殖えずに今日までズレてしまつた。過日專売局長官の
お話を聽きますると、今度一月は度実に十本殖える、こういう話なんです。
ところがすでにこの今度殖えるということは、前に今度は殖えると言
つて一遍約束済のやつがもう一遍出て來た、何遍も何遍もこの手で約束されますと、とてもたまらないのであ
つて、逆に今の
政府が退いた後に、あれを決めたのは前の
政府だと言われたら、どの
政府だ
つてたまらないだろうと思うのです。この一体殖えるか殖えないかという製造の根拠というものは、長く携わ
つておる專賣
当局にあるのでありますから、一体どうしてこの前に約束したのが今日まで出なかつたか、その理由はどういうわけか。今度殖えるというのは、一体空手形に終らないか。本当に実際に実行できるというのはどういう根拠に立
つてそういうことが言われるのか、一遍嘘をつかれますと、又もやと、こう我々は
考えざるを得ないのであります。そういうことからこの二点は
一つ事務当局の方へ御質問申上げて置きます。
それから次は、これは
政務次官に伺うのでありますが、一昨日安本長官兼大藏大臣の演説を聽いておりますと、
物價と賃金の問題に触れられまして、賃金は名目賃金を上げるということでなくして、実質賃金を確保するようにしなければならない、こう述べられて、從
つて物價の改訂を行うというがごときことは断じてやらない、こういうふうに結ばれておる、そこでその範を示すのが
政府の責任というものでありまして、その演説の内容からいたしますると、当然この
煙草の改訂などということは出て來ない筈だと思うのであります。御承知の
通りインフレが昂進した場合におきまする闇物資のバロメーターになるのは、世の東西を通じて実に
煙草であることは御承知の
通りであります。その
インフレの中軸とでも申しますが、そうした
煙草の値上ということは心理的にもどういう
影響を與えるかということを
考えますれば、どうしてもこのような改訂というものはできないという答えになると思うのであります。そこで安本長官はかような
物價改訂は行わずということを、
煙草とは申しませんが、とにかく行わずということを申された。ここでは
政務次官が提案されて改訂を行うというのを
現実に示されている。一体安本長官とい
つても大藏大臣なのでありますから、その大藏大臣とその下におられる
政務次官との間においては、違つた意見を持
つておられるのかどうなのか、これは
政府側から伺
つて置きたい。