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小川友三君
煙草問題で
政府が赤字になるというので非常に苦労していらつしやいますので、ここで論議がその点に大分盡されておりますが、前に申
上げました通り
煙草を余計賣るということは造作ないことでありまして、三十億くらいのはした金で苦労しておる
政府は、もつと大経綸を立てる必要があります。今十一万から十一万数千のこんな少い
販賣店で八千万の同胞に
供給をして行くということに大きな欠陷があります。そこで
販賣店のケースを殖やすといういわゆる商業政策を立てなくちや違いますので、商業政策が樹立していないわけであります。
煙草が欲しか
つたら一里或いは二十町も歩いて買いに來いというような官僚的の建前をと
つておりましたから、そうしたいわゆる長官のおつしや
つた通りいろいろぐらぐらしておるというのであります。
政府が立てた
販賣目標は一千百二十一億ということでそれを突破して二千億賣つちや
つたとい
つても差支ないのでありますから、そうするには十一万軒のいわゆる
販賣ケースというものを十倍に拡大する、いわゆる政党でいえば党勢拡張運動をやる、百万戸くらいに
販賣ケースを殖やして行く。そうすると百万軒の
販賣店は募集すれば勿論突破してしまいます。なぜ突破するかといえば、
煙草の
利益は少いがあそこで
煙草を買
つた序でにマッチを買う、その序でに靴下を買う、その序でに「りんご」を買
つて來てしまうというので、外のものを賣りますから、
煙草を儲からなくても、うちは信用があるから專賣公社で
煙草の指定にな
つたというので、サービス品で「
たばこ」を取扱
つて外のもので利潤を
上げるというのが
販賣業者大体の目的ですから、十倍に拡大するという案を立てますと、一軒で一万円づづは平均買いますから、百億という
煙草が直ぐ
消化することができます。我々もどなたも同じですが
煙草をポケットに持
つておれば喫います、なければ爪楊子でもくわえておる、ひどい人は齒糞でも堀
つておるというふうにな
つて、あれば直ぐ喫う。この
販賣ケースが多ければ多い程余計
消化されます。つい
煙草を賣
つておるんだから儲けだけ喫
つてしまえというので、
販賣店が十販になりますと殖えた連中は儲けだけ喫う。けれども終いには「きんし」なんか安つぽいから
ピースを喫
つてしまえというわけで喫うというようなことになりまして、
販賣は恐らく二千億くらいに行くと思いますが、二千億いわゆる十割突破くらいは造作ないと思います。これを是非実施して欲しい。幸いに賢明なる政務次官と賢明なる長官がいらつしやいますのでそこは積極的にや
つて貰いたい。
もう一つ
販賣を増進するために申
上げたい。我々はポケットに外國
煙草を持
つております。これはその氣持を心理的に解剖して見れば、いい
煙草を喫
つておるんだという簡單な氣持です。それは一箱二百円くらいで買
つて來ます。又至るところで内緒で賣
つております。それに打つ手を
政府はと
つていない。そこでそれを好きな人はプロ・ソ連、プロ・エチオピヤ、好きな人はプロ・中華、プロ何々、プロ・アメリカという工合にいろいろな國々の好きな人がいますから、そうした名前を付けた高級
煙草二十本二百円でも樂に買う人は沢山おる。この人が或いは百億も三百億も買うでしよう、消耗してくれるでしよう。高級
煙草の專賣公社でも作るという建前をと
つた方がよいと思います。俺の方は安い
煙草しか作らないんだということでなく、いい
煙草二十本二百円くらい出しても何十億という賣れる
見通しがありますから、
政府はそれにつきまして関心を勿論持たれておると思いますが、高級
煙草、包裝も立派であり又中味も
砂糖が入
つてお
つていくらか立派だというようなものを作る
計画を立てた方がよいと思いますから、それに対する御所見を伺いたい。
それから
販賣ケースをうんと殖やそうという
方法を勿論実行して貰いたいのであります。これは官公吏の給與ベースを人事院が六千三百円とや
つておるのを七千円も出したい、八千円も出したいのでありますから、それは收入が増えなければ出せないのですから、どうしても收入が増える
方法をとにかく專賣公社で工夫してやれば直ちに実行できるのでありまして、長官の使命は極めて重大ですが、これに対しまして本当に眞面目なお
考えを賜りまして、御所見を一つお述べ願いたいと思います。