○平田(敬)
政府委員 まず
所得税でございますが、そのうちの勤労
所得税、つまり源泉
所得税につきましては、当初の
予算では御承知の
ように本年の三月から來年の二月まで、——これ
はつまり
本年度の收入に入れるわけでありますが、本年の三月から來年の二月までの賃金の月当りの平均を大体三千六百円ということで計算していたのでありますが、その後におきまして実際には賃金水準が順次上昇いたして参りまして、大体九月の
内閣統計局の調査によりますと、工業の平均賃金が五千八百円にな
つておりまして、その後も若干騰貴の傾向にありますので、そういうものを織り込みまして計算して算出いたしました結果、か
ような数字が出て参つたわけでございます。なお官吏の
給與につきましては、今回の
予算に計上いたしました額の
増加があります場合において、幾らの
歳入の
増加があるかということを算定いたしまして、計算いたしたわけであります。
次に申告
所得税でありますが、申告
所得税につきましては、当初の
予算は大体六月ごろの状況をもとにして所得を見積りまして計算いたしたのでございますが、その後において、昨日経済安定本部から説明がありました
ように、生産指数並びに実効物價指数、両方ともに若干の騰貴を見ておりますので、その騰貴率を、それぞれ
國民所得を見積りました場合と同樣な方法によ
つて見積りまして、税額を算出いたしまして、計算いたしたのであります。それが申告
所得税でありますが、その内訳を若干申し上げますと、最初農林、水産業におきましては、大体
本年度分と前
年度分と繰越されました分を入れて二百三十八億円
程度と見込んでいたのでありますが、それに対して約八十四億円
程度の増になるのではなかろうか。つまり三百二十三億円
程度の收入を期待できるのではなかろうか。それから営業におきましては、当初
國会の修正を加えました数字が、七百九十八億円という数字を見込んでおるのでありますが、それに対しまして今申しました
ように
國会で百六十億ほど当初の見積りに対して加算されました結果、最後の加算されました額に対しましては四十四億
程度の増になり、結局八百四十二億円
程度の收入を期待できるのではないかと見ております。その他のものにつきましては当初四十五億円ほど見ておりまするが、約十億円
程度の増を見込んで五十五億、合計いたしまして現在の
予算額は千八十二億円
程度にな
つておりますが、この補正
予算におきましては千二百二十一億円の
増加に相なる次第であります。從いまして申告
所得税の分は、合計いたしまして百三十九億円
程度の増になります。
次は法人税でございますが、法人税につきましては大体これもやはり本年の四、五月ごろの決定の状況、申告の状況等に基きまして見積
つたのでございますが、その後この
方面におきましては國税査察部を設けまして、
相当調査の徹底をはかりつつある
ような
関係もございまして、一部收益の
状態がよくな
つたのと相ま
つて、最近の
課税実績で見ますと
相当の成績をあげておる
ようであります。從いましてごく最近において財務局、税務署等に対しまして更正決定の見積りをなさしめたのでございますが、それによりまして、大体ここに計上いたしました
程度の收入は期待し得るのではないかということで計上いたしたのでございます。当初
予算の百三十億に対しまして五十億の増でございますが、これは今申し上げました
ように、國税査察官等の活躍によ
つてこの
程度の期待は可能である。か
ように
考えておる次第であります。
それから砂糖消費税につきましては、昨日もちよつと御説明があつた
ように思いますが、大体十二月以降調味料として一人三百グラム
配給になる。その他若干
配給がございますので、その
配給量をもとにいたしまして、今度の輸入糖に対する免税の廃止、並びに税率を從來百斤について二千二百円を二千円
程度に一割ほど引下げておりますが、引下げました税率を乘じまして算出した額でございます。從いましてこれはすべて経済安定本部の
配給計画に基いて算出した額ということを申し上げておきます。
次は織物消費税でございますが、これはやはり当初におきましては、当時の織物消費税の
課税状況をもとにして見積
つたのでありますが、その後若干原料の追加割当が來たのと、それから
價格の点が最初の予想よりも若干上つたという
ような点がありまして、最近までの
課税実績が
予算の見積りに対してやや良好の
ようでございます。そういう点を考慮に入れまして、ごく最近の
課税実績をもとにいたしまして計算して参りますと、ここに計上しております
程度の自然増收を見込み得るのではなかろうかというので見積
つたのでございます。すなわち当初の
予算におきましては八十四億円
程度の税收を見込んでおりますが、これに対しまして百億円
程度に見込み得る、つまり二十億
程度の増收は可能であると
考えておるのであります。
なおその他の馬券税、それから臨時利得税、入場税、これらの税はいずれも最近までの
課税実績、收入状況から見まして、
本年度中に期待できる数字をそれぞれ計上したわけでございますが、いずれも金額が小さくございますので、一應御説明をこの
程度にいたしまして、さらに
質問があれば
お答えすることにいたします。