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1948-12-02 第4回国会 衆議院 予算委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月二日(木曜日) 午後一時五十三分
開議
出席委員
委員長
上林
山榮吉君
理事
苫米地英俊
君
理事
稻村 順三君
理事
竹谷源太郎
君
理事
田中源三郎
君
理事
今井
耕君
理事
大原 博夫君
青木
孝義君 淺利 三朗君 大内
一郎
君 尾崎 末吉君 森
直次
君
鈴木
明良君
田口助太郎
君
西村
久之
君 仲内 憲治君 平島
良一
君
本間
俊一
君 前田 郁君 松浦 榮君
小野瀬忠兵衞
君
勝間田清一
君 川島 金次君 菊川 忠雄君
鈴木茂三郎
君
田中
織之進君 林 大作君 松永 義雄君
松原喜之次
君 森戸 辰男君
青木清左ヱ門
君 押川 定秋君 後藤 悦治君 佃
良一
君
長野
重
右ヱ門
君
長野
長廣
君
井出一太郎
君
河野
金昇
君 黒田 寿男君
世耕
弘一君 高倉 定助君 織田 正信君 野坂 參三君
出席國務大臣
内閣総理大臣
吉田
茂君 大 藏 大 臣
泉山
三六君 國 務 大 臣 殖田 俊吉君 農 林 大 臣 周東 英雄君 商 工 大 臣 大屋 晋三君 運 輸 大 臣
小澤佐重喜
君 建 設 大 臣
益谷
秀次君 國 務 大 臣 工藤 鐵男君
出席政府委員
総理廳事務官
吉田
賢吉君
総理廳事務官
内田 常雄君
大藏政務次官
塚田十一郎
君
大藏事務官
河野
一之君
大藏事務官
平田敬一郎
君
大藏事務官
今井
一男君
委員外
の
出席者
專 門 員 芹澤
彪衞
君 專 門 員 小竹 豊治君 十二月二日
委員重富卓
君、
松崎朝治
君及び
辻寛一
君辞任に つき、その補欠として
森直次
君、
小野瀬忠兵衞
君及び
西村久之
君が
議長
の指名で
委員
に選任さ れた。
—————————————
十二月一日
昭和
二十三
年度
一般会計予算補正
(第二号)
昭和
二十三
年度
特別会計予算補正
(特第二号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
昭和
二十三
年度
一般会計予算補正
(第二号)
昭和
二十三
年度
特別会計予算補正
(特第二号)
公聽会開会
に関する件
—————————————
上林山榮吉
1
○上
林山委員長
会議
を開きます。 御
承知
のごとく、本
追加予算
には
給與
及び
災害復旧等
の緊急なる
予算
を含んでいますので、つとめて定刻より
会議
を開き、長時間の
審議
を煩わすことがあるかと思いますが、特にこの際御
協力
をお願いいたしておきたいと思います。なお
政府
においても
委員会
の
審議
に
支障
なきよう、つとめて善処せられたいと思います。 この際
公聽会開会
の件についてお諮りいたします。昨日
内閣
より
提出
されました
追加予算
両案は、今次
國会
における最も重要なる案件と思われますので、
審査
に
愼重
を期するため、
公聽会
を
開会
し、
学識経驗者
ないし諸
團体
の代表より
意見
を徴したいと存じます。ついてはさつ
そく委員長
より
議長
に
開会
の
承認
を求めるに御
異議
はありませんか。
上林山榮吉
2
○上
林山委員長
御
異議
がなければさよう決定いたします。 次に
公聽会開会日時
は
議長
の
承認
の上決定する順序でありますが、六日午前十時を
予定
しております。なお
公述人
の選定その他
諸般
の手続は、
委員長
に御一任を願いたいと思いますが、御
異議
はございませんか。
上林山榮吉
3
○上
林山委員長
御
異議
がないようでありますから、さよう決定いたします。
—————————————
上林山榮吉
4
○上
林山委員長
これより
昭和
二十三
年度
一般会計予算補正
第二号及び
昭和
二十三
年度
特別会計予算補正特
第二号の両案を
一括議題
といたします。まず
提案
の御
説明
を求めます。
大藏大臣泉山
三六君。
泉山三六
5
○
泉山國務大臣
さき
に成立いたしました
昭和
二十三
年度
本
予算
は、その成立後における
諸般
の
事情
のため
補正
を必要とするに至り、
政府
は去る十一月二十九日第三
國会
に
補正予算案
を
提出
いたしたのでありますが、
審議未了
となりましたので、ここにあらためて
一般会計予算補正
第二号及び
特別会計予算補正特
第二号として
提出
いたすことになりました。 その
内容
は、まつたく同一のものでありまして、すでに私及び
政府委員
から大要についての御
説明
を申し上げておるのでありますが、これを多少敷衍いたしまして、
概要
の御
説明
を申し上げたいと存じます。
提出
を要するに至りました
基本的事情
の第一は、
一般賃金水準
の
上昇
であります。御
承知
のように本
予算
におきましては、
物價ベース
を本年七月の
補正物價体系
にとるとともに、
官公吏
の
給與ベース
は、右の物
價体系
に織り込まれた
民間工業平均賃金
に
均衡
をと
つて
三千七百九十一円と定められたのであります。しかるにその後の推移を見て参りますと、
民間賃金
は著しく
上昇
し
生計費
もまた相当の
上昇
を來しております。官吏については、今回の
國家公務員法
の改正に
伴つて
、特殊の地位を與えられることになるのでありますが、この点にも関連して、この際
官公吏
の
待遇
を改善することがぜひとも必要とな
つたの
であります。
補正予算提出
の
基本的事情
の第二は、最近における
災害
の続出であります。わが
國土
は
戰時中戰後
を通じて荒廃にゆだねられておりましたために、
災害
の額は年を追うて大なくなり、本
年度
は
さき
に北陸の震災があり、さらに
アイオン台風
を初めとして、各地の風水害がありましたために、もしこれが
復旧
を遅らせるにおいては、
國民生活
の安定と、
國民経済
の再建に、重大なる
支障
を來すことは必至であります。 以上二つの
基本的要請
によ
つて
、
補正予算
を至急編成することといたしたのでありますが、現下のわが國におきまして、
財政政策
は
経済全般
に至大の
関係
を持
つて
いるのでありまして、
財政
の
健全性
を貫くことは
インフレ
を收束し、また対
日援助
と相ま
つて
、
國民経済
を再建するための
基本的條件
であると信ずるのであります。
從つて
第一に
一般会計
、
特別会計
及び
地方財政
を通じ、嚴に
收支
の
均衡
をはかることといたしました。第二に直接
物價
に波及し、
インフレ
を促進せしめるような
歳入
に
財源
を求めることを避けました。第三に
財政資金
全体の規模が、
國民負担
の
現状
から見て、過重にわたらない
範囲
に納まるように、極力これを圧縮することとしたのであります。以上の
原則
に
從つて
鋭意研究を重ね、その成果として得られましたのが今回の
補正予算案
であります。
さき
に申し述べました
給與関係
及び
災害関係経費
のほか、
既定費
の
不足
あるいは
新規事項
の
追加等
ぜひとも計上したい
経費
は、相当
多額
に
上つたの
でありますが、以上に申し上げました
原則
に
從つて
、
一般会計総額
において
歳入歳出
とも五百八十六億円に圧縮し、本
予算
に対して一割四分の
増加
にとどめることといたしたのであります。 まず
給與関係経費
につきましては、
さき
に
人事委員会
により六千三百七円
ベース
を勧告されました次第もあり、
愼重
に檢討を重ねたのでありますが、
官公吏
の
給與
は、
國民
の
負担限度
とにらみ合せてこれを決定しなければならないのであり、またその
水準
が
民間
の
賃金水準
に及ぼす
影響
を考慮する必要があり、さらに
國民
の
消費水準
をも十分留意しなければなりません。これらの観点から総合的に判断して、
政府
は本年十一月以降の
官公吏
の
俸給等
に関する
給與改善
のため二百六十五億の
予算
を計上することといたしたのであります。
災害復旧費
につきましては、事柄の
緊要性
にかんがみ、極力
多額
を計上するに努めました結果、
財源
に余裕の乏しい
現状
にもかかわらず、六十億円を計上することとしました。これは必ずしも十分満足な
金額
とは申しがたいのでありますが、これをも
つて
当面應急の
復旧
にはまず
支障
のないものと考えるのであります。 これらの
所要経費
をまかなうための
財源
の調達については、
政府
が
愼重
に意を用いたところでありまして、
鉄道運賃
、
通信料金
の値上げのごとき、
國民生活
に対して甚大なる
影響
を與える方策はこれを避けることとし、大部分の
收入
を一般
物價
及び
生計費
に
影響
を及ぼさない
範囲
において調達することといたしました。しかしながらその結果、
租税收入
の
予算額
は本
予算
を合わせ三千億円を越えることとな
つたの
でありまして、
納税完遂
に対する
國民各位
の理解ある一層の御
協力
を切望するものであります。 以上をも
つて
、今回の
補正予算
についての大体の御
説明
といたします。何とぞすみやかに御
審議
の上、御賛成あらんことを希望いたします。
上林山榮吉
6
○上
林山委員長
引続き
事務当局
よりさらに詳細にわた
つて
説明
を聽取することといたします。
河野主計局長
。
河野一之
7
○
河野
(一)
政府委員
先般
懇談会
において御
説明
申し上げたのでありますが、当時御
出席
のなかつたお方もおられますので、
簡單
に御
説明
申し上げます。 お
手元
に
昭和
二十三
年度
補正予算概要
というのが差上げてございますが、これによ
つて便宜
御
説明
申し上げます。第一号及び特第一号、これは去る二十九日
提出
いたしまして第三
國会
が
会期終了
になりまして、昨日あらためて再
提出
をいたしましたので、
内容
は同じでありますが、題名は第二号ということに
なつ
ております。この
予算
におきましては、
一般会計
におきまして
追加修正減少
を差引きまして五百八十六億ということに相
なつ
ております。当初
予算
が四千百四十四億でありますので、これを合計いたしました
総額
は四千七百三十一億ということに相
なつ
ております。
特別会計
におきましては
追加額
が
歳入
におきまして七百三十六億、
歳出
において七百二十三億でありまして、この
差額
がありますのは
アルコール
でありますとか、
簡易生命保險
でありますとか、
歳入
と
歳出
の合わない、
歳出
の超過する
会計
がございますので、その
関係
で違うわけでございます。その結果
特別会計
の当初
予算
に合計いたしました
歳入予算総額
は一兆一千九百三十二億、
歳出
一兆九百六十二億ということに相なります。この
予算
をさらに
一般会計
と
特別会計
とを総合いたしまして、くだいた表が、その次の
昭和
二十三
年度
追加予算総合表
という表でございます。これで
便宜
御
説明
申し上げた方がいいと存じます。 これは
歳入歳出
に対應する
財源
といたしまして、
歳出
の
不用額
というものを
財源
として立てておりますので、この
総額
が
歳出財源
とも七百三億ということになりますが、これをくだいた結果五百八十六億ということに相なるわけであります。その
関係
を
簡單
に御
説明
申し上げますと、
財源
の方の九には
歳出節約額
百九億というのがございます。それから
特別会計固有財源
六億九千八百万円というのがございます。これが合計いたしまして百五億ほどであります。この
金額
を七百三億から引きますと、先ほど申し上げました
一般会計
の五百八十六億という数字にぴつたり合うわけでございます。そういう技術的な
関係
に相
なつ
ております。
歳出
の方から御
説明
申し上げますと、
終戰処理費
百二十億というのが計上されております。実は
終戰処理費
はこのほかに九の
給與改善費
の二百六十二億のうち三十億入
つて
おります。合計いたしますと百五十億であります。これが本
年度内
さらに
追加
を要する
金額
でございますが、そのほかに前
年度予算
として繰越されておりますものが五億ございますので、これを差引き計算いたしますと、五億に相当する
金額
は
財源
の九のところに実は五億入
つて
おるのでございまして、
予算
的に
終戰処理費
として
追加
に相なりますのは百四十五億であります。すなわち百四十五億のうち三十億は、
終戰処理関係
の
予算
に含まれる二十五万の
職員
の今回の
給與改善費
であります。その他の
金額
は最近の
配付実績
に基きます
予算
の本
年度内
に
不足
するであろうという
見込数
であります。 その次は
生活保護費
でございますが、これが
予算
には七十一億ほどあ
つたの
でありますが、その後におきまして、多少
人員
が
減つて
はおりますが、單價が
上つて参
つて
おります。
主食
の
價格騰貴
と
医療費
の
増加
ということで、この
程度
の
金額
が
不足
いたします。
刑務收容費
は六億円ほどでありますが、これは当初の
予算
に
見込み
ました
人員
に比較いたしまして
收容人員
が
増加
いたしますのと、
主食
の値上りに基くものであります。
價格調整費
は、これは
安定帶物資
の
不足
、それから北海道の
暖房用炭
というようなものでこの
程度
の
金額
になるのでありまして、当初
予算
に五百十五億あ
つたの
でございます。この詳細は別途お
手元
に
資料
が差上げてあると思います。 それから
船舶運営会補助
でありますが、これが当初
予算
に考えておりましたより、
物價
が相当上りましたのと、多少の賃上げがございました。それから
收入
の
状況
が多少かわりまして、当初
予定
しておりましたのよりは
不足
いたしますので、その
差額
を補助する
関係
に
なつ
ております。 それから
國債費
であります。
國債費
は
公債
の
利拂い
を停止するつもりで、当初
予算
には二十二億足らずの金を落してあ
つたの
でありますが、
利拂い
を取上げることになりまして、その
金額
だけ当然
増加
して來るわけであります。そのほか
損害保險関係
の
交付公債
の
利子
が当初三分五厘で見込んでありましたが、
國債
の
利子
が上るにつれてその
不足額
を計上したわけであります。 それから
廃兵器処理費
と申しますのは、大砲その他の兵器につきまして、これを解体いたしましてスクラツプにするわけでございますが、これを
國費
において行うことになりまして、より以上の
歳出
が別途あつたわけであります。 それから雜件四十五億でありますが、これは
内容
を一括して
予備費
として処理してございます。
給與改善費
でございますが、二百六十二億。これはその次のページに
内訳
が載
つて
おります。すなわち
一般会計
におきまして
終戰処理費
、
公團等
を合せまして八十六億、
特別会計
におきまして九十八億、それから
地方公共團体
の
職員
の分が七十七億、合計いたしまして二百六十二億ということに相なるわけであります。この算定の基礎に
なつ
ております
人員
でございますが、
一般会計
におきまして四十五万、
特別会計
におきまして百二十万、この百二十万の中で
鉄道会計
が六十二万、
通信会計
が四十三万、あとが
專賣
、
アルコール
その他の
会計
であります。
公團
が十二万八千。それから
地方公共團体
が、
学校関係
で四十四万、警察十一万、
補助職員
四万八千、その他六十一万、合計いたしまして百二十一万でありまして、全体で約三百万人の
人員
に
なつ
ております。これも別途
資料
が差上げてあると存じます。
地方公共團体
の分は特に前回は
貸付金
というような制度を考えたのでありますが、今回は
配付税
の増額で行くことに相
なつ
ております。
災害復旧費
六十億、これの
内訳
も別途差上げてあると存じております。 それからその次の
地方配付税
の
配付金
でありますが、これは從來の分
與税
のことでありますが、
財源
の方に
自然増收
を
見込み
まして、
所得税
、
法人税
、
入場税
、これに対して所定の率で分
與税
を
地方團体
に交付することに
なつ
ておりますが、公定の率による計算は百一億ほどに
なつ
ております。その中七十七億は
公共團体
の
職員
の
給與改善
に充てられますので、これは多少技術的な点になりますが、その
差額
を分
與税
としてこの項にあげたわけであります。以上をも
つて
歳出
の項の
説明
を終ります。
財源
の方といたしましては、
租税
の
自然増收
が四百十億ということに
なつ
ております。その
内訳
は四枚目の裏にございまして、
源泉所得税
において百八十四億、当初
予算
においては三百八十億ほどの
金額
であります。
申告課税
の
所得
において百三十九億、これは当初
予算
において千八十二億でございます。
法人税
で五十億、これは当初
予算
において約百億でございます。その他
内訳
は示してある
通り
であります。 次に
給與
に伴う
所得税
の
増加
であります。これは今回の
給與改善
に基きまして、はね返りの
所得税
でございます。
砂糖消費税
、これは
從來砂糖
は
主食代替
としてありました
関係
上、
免税
をいたしてお
つたの
でありますが、これが十二月から
主食代替
をとりやめまして、
一般調味料
として配給せられるにつきまして、
課税
をいたすことにしたのでございまして、百斤あたり二千円
程度
の
課税
に相なります。十二月以降十万七千トンほどの物がありまして、これに対して
育兒用
、
輸出カン詰用
、その他
免税
を差引きました結果、
増收
になる
金額
がこの
程度
でございます。 雜
收入
の
内訳
は次の四枚目の裏から五枚目にかけて詳細書いてございますのでごらんを願いたいと思います。
輸出滯貨処分
でありますが、これは
輸出用
と
予定
いたしておりました
貿易公團手持
の物資の中、
海外市場
が不振であり、あるいは
輸出
不
適格品
であるというので、
輸出
の
見込み
が立たない物につきまして、これを
内需用
に轉用するということで、旧
マル公
と新
マル公
との
差額
を
貿易公團
から
價格差益金
として徴收する
予定
であります。これも
資料
を差上げてあると存じます。 味の素は現在
マル公
三円でありますが、一グラム当り八円
程度
で賣りまして
價格差益金
としてこれを
國庫
に納付させる。これは大体百トンであります。 それから
地方貸付金
は、前
年度
におきまして
公共團体
の
職員
の
待遇改善費
二・八箇月分、この
生活補給金
のうち一・八箇月分を國からの
貸付金
としてその
財源
を交付して行つた。その
金額
約五十一億でありまして、
当該年度
だけは据置きまして、翌
年度
から四分の
利子
をつけて返すことに
なつ
ております。本
年度予算
に十八億ほど償還が見込まれてお
つたの
ですが、今回
配付税
が相当増額せられましたので、その残額を償還してもさしつかえないという
状況
に考えられますので、この
金額
を
見込み
ました。 前
年度
剩余金は特に御
説明
申し上げる必要はないと思います。
歳出
の
節約額
は百九億円、その
内訳
は五枚目の表にございます。
給與予算不用額
、これは当初
現員
現給において計算いたして、二千九百二十円
ベース
のときも、三千七百九十一円
ベース
のときも
現員
現給でも
つて
計算いたしておりましたところ、その後いろいろ調査の結果、多少の
不用額
が出るというようなことで、この
金額
を
財源
として見ることにいたしたのであります。その他宝くじにつきましては施行が遅延いたしました。また
失業保險
につきましては
失業
があまり出ていないので
保險金
が減る。それから
大藏省預金部
におきましては、これは先ほど申しました軍事
公債
利拂い
停止で
預金部
の
收入
が減るという
予定
でありましたが、これがふえて來ることになりました。
賠償撤去費用
は当初
予算
では二十七億と
なつ
ておりましたが、当初
予定
の二分の一
程度
しかない
見込み
でありまして、その
金額
も見込んでおります。
特別会計
の六億ほどの
予算
は、
專賣
であるとかあるいは
アルコール
であるとか
当該会計
だけでまかなえる。
一般会計
のおせわにならないで済むと思
つて
おります。 以上が
歳出
及び
財源
につきましての大体の
説明
でございます。
上林山榮吉
8
○上
林山委員長
これよりただちに
質疑
に入ります。
田中源三郎
9
○
田中
(源)
委員
この
予算
に伴う
給與法案
は
政府
は
いつお出し
になるか。その点、
委員長
より
政府
に明確なる
提出
時期をこの際お確かめ願いたいと思います。
泉山三六
10
○
泉山國務大臣
いわゆる新
ベース
に即應いたしました
給與法案
につきましては、
目下政府
におきまして
愼重
にその結論を急いでおります。從いまして一日も早くこれが決定をし次第、本
國会
に
提案
いたしたいと考えております。
田中源三郎
11
○
田中
(源)
委員
ただいまの
大藏大臣
の
答弁
は、急いでつく
つて
おるから、でき次第に
提出
するということでありますが、
政府
からは短期間のうちにこの
審議
を終了していただきたいという要望が当
委員会
に
提出
されておる。
從つて
これに関連する重大なる
給與法案
は、この
予算
と並行して
提出
すべき
責任
が
政府
にあるべきはずだと考えております。どうか
いつお出し
になるか、
会期
はわずかであります。
政府
から求められておる時日は非常に短かい。
いつお出し
になるかということを明確にここにお答え願いたい。
泉山三六
12
○
泉山國務大臣
お答えいたします。先刻お答えいたしました
通り
であります。
田中源三郎
13
○
田中
(源)
委員
これは私個人の
意見
を申し上げておるのではなくて、当
委員会
全体の総意と考えていただけばいいと思います。
從つて
いつ出すかということくらいは、ほぼ見当がついていなければならぬ。さような不親切なる
答弁
をも
つて
私は了承することはできない。自然にこの
審議
の上においても、他の
委員
の
審議
上に非常な不便を來すということが、將來
政府
の
責任
によ
つて
生じて來る結果となることを私はおそれるのであります。この際いつごろに出すかということを
政府
から明確に提示していただかない以上は、一
應本問題
について、
委員長
は
議事
を
休憩
して、
理事会
にお諮りを願いたいと思います。
上林山榮吉
14
○上
林山委員長
暫時
休憩
いたします。 午後二時二十一分
休憩
━━━━◇━━━━━ 午後二時四十五分
開議
上林山榮吉
15
○上
林山委員長
休憩
前に引続きまして
会議
を開きます。
田中源三郎
君の
質問
に対して、
政府
の
答弁
を求めます。
小澤運輸大臣
。
小澤佐重喜
16
○
小澤國務大臣
田中委員
の御
意見
に対してお答え申します。お話の
給與法案
が本
追加予算
と密接な
関係
があり、すみやかに
提案
されなければならぬという点につきましては、まつたく同感であります。ただ具体的にこの
法案
をいつ何日に出すかという問題につきましては、
政府
は本日午後四時から本問題について
閣議
を開くことに
なつ
ておりますので、この
閣議
が済んで、すなわち明日の
予算総会開会劈頭
にお答えすることにしますから、どうぞこのまま御
審議
を進められんことを希望いたします。
竹谷源太郎
17
○
竹谷委員
議事進行
について。——ただいま
田中源三郎
君の
質問
に対しまして、
國務大臣
より
答弁
があつた。この重大なる
政府職員
の新
給與法案
の
提出
時期さえまだきま
つて
おらぬ。そうしてこれから
閣議
を開いてきめよう。さようなことで、われわれはとうていこの厖大なる
予算案
を、
提案
より二週間以内に
審議
を終了するというようなことは、ほとんど不可能な問題ではないかと思う。なお
給與ベース
について、明日
答弁
ができる
かいな
かという
理事会
における
質問
に対しては、それはできかねる、かようなことであります。そんな調子では、
一体給與法
はこの
予算案審議
に間に合う
かいな
か、われわれは危惧なきを得ない。ことに寒い冬を控え、年末も間近であります。三百万の
官公吏
はこの寒空にどうして年を越すかということを心配している状態であります。
從つて
われわれは
政府
の態度に信頼することはできない。この際十二月分の
俸給
の
金額
を即時支給してもらいたい。なお
越年資金
の処置についても、至急にその方法を講ずる必要があると思う。これに対して、
政府当局
の確固たる御
意見
を伺
つて
おきたいのであります。
泉山三六
18
○
泉山國務大臣
ただいまの
竹谷
さんの
動議はちよ
つと私理解に苦しむのでありまするが、
せつかく
のお尋ねですからお答えをいたします。すでに新
給與
に関しましてこれを
予算
化いたしまして、その
追加予算
を皆さんに
提出
いたしておるのであります。よ
つて
問題は新
給與
のうちに包含せらるるのでございまして、さようの意味に御了承願いたいと思います。
上林山榮吉
19
○上
林山委員長
本間
君の
質疑
を許します。
本間俊一
君。
本間俊一
20
○
本間委員
ただいま
提案
されました本
追加予算
は、
一般会計
及び
特別会計
を集計いたしまして七百三億円であります。
一般会計
は五百八十六億円でありまして、これを
一般予算
の四千百四十四億円に比較いたしますと、
大藏当局
の
説明
の
通り
に一割四分一厘強に当
つて
おるのであります。現在の困難なる
事情
のもとにおきまして、短かい期間にこの
收支
の
均衡
を保持いたしました
予算
を編成した
政府
の努力は、これをわれわれも多とするのであります。本
予算
において
歳出
の
節約額
を約百十億円計上いたしておるのであります。この
歳出節約額
は芦田前
内閣
の編成いたしました
予算
のうちで、
人件費
の
不用額
から七十七億円を節約いたしておるのでありますが、さらに本
予算
で
予算定員
と
実定員
の点を再檢討いたして参りますならば、もつと
経費
を節約する面があるのではないかと思うのでありますが、この点につきまして
大藏大臣
の所見を伺いたいと思います。
泉山三六
21
○
泉山國務大臣
本間
さんのお尋ねにお答えをいたします。
予算
の削減の余地はないかと、かようのお尋ねに拜承いたしたのでありますが、今回
提出
申し上げました
追加予算
の編成にあたりましては、不急不要の
経費
は絶対にこれを認めない、かようの方針のもとに、
國民
の
財政
負担力を考えまして、圧縮に圧縮を加えたのでございまして、現下の実情におきましては、この
程度
の額がまことにやむを得ない必要な額である。かように考慮いたしたのでございます。
本間俊一
22
○
本間委員
次に
歳入
面の問題につきましてお尋ねをいたしたいのでありますが、
租税
の自然増といたしまして四百十億円を
政府
は見込んでおるのであります。これは
給與
に伴う
所得税
のはね返り四十六億円を包含いたしておるのでありますが、これを包含いたしますると、四百五十六億円と相なりまして、
歳入
の約六割五分を占めておるのであります。このように
租税
に負担を持たせた
歳入
方法は、はたして妥当であるかどうか、
人件費
の方を増税でまかなうという非難も、あながち無視できないのではないかと私は思うのであります。たとえば本年四月から九月までの
租税收入
を見ますると、源泉徴收の方が上半期を累計いたしまして二百四十五億円であり、申告納税の方が百九十九億円の数字を示しておるのであります。ところが
政府
の見込額を見ますと、源泉徴税の方が三百八十億であり、申告納税の方が千八十二億であります。
從つて
徴税の成績を見ますと、昨年よりはもちろん良好であると言えるのでありますが、源泉
課税
の方で目標の六四・四%、申告納税では一八・四%の收税額にとどま
つて
おるのであります。今日でさえ
所得税
の方は税率は一應下つたとは言
つて
おるのでありますが、その負担過重に悩んでおりますことは、これは実際であります。もちろんそれは前
内閣
のつくりました四千百四十四億円にその原因があるのでありますが、さらにそれに加えて源泉
所得
で百八十四億円、
申告課税
で百三十九億円、
法人税
で五十億円を
政府
は見込んでおるのであります。四千百四十四億円の
租税收入
は二千六百三十二億円でありまして、これをかりに人口七千五百万といたしますと、一人当り負担額は、老若を問わず三千五百円くらいに相当するのであります。さらにこれに地方税の六百三十四億円、さらにまた今回の四百十億円を累計いたしますと、三千六百六十億円でありまして、結局
國民
一人当りの老若を問わずの負担額は、約五千円
程度
に相なるのであります。
從つて
この負担は今日の実際から見まして過重なものであることは、いなめない事実であると私は考えるのでありますが、いやしくも
政府
の方が四百十億円の増徴を考慮せられるということでありますならば、それに應じて
國民
の
所得
もふえておらなければならぬということに相なるのであります。
政府
は本
年度
の
予算
において、
國民
の
所得
を一兆九千億円ということに計算いたしてお
つたの
でありますが、聞くところによりますと、その
所得
を二兆四千億円に変更をいたしておるように聞いておるのでありますが、この
政府
の方が見込んでおります二兆四千億円の
國民
所得
の基礎は、どういうところにあるのか、その点を明らかにせられたいのであります。
泉山三六
23
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。なるほどただいま
本間
さんの御指摘の
通り
、税の方面に多くのウエートをかけておるのが、本
歳入
予算
の構成であります。しかしながら、ただいま御指摘のような増税とは相
なつ
ておらないのであります。ただいま御指摘の申告納税分の
追加
につきましては、本
補正予算
におきまして約百三十九億円が
追加
計上せられたため、十一月十日までの
收入
額は二百九十一億円にすぎない
状況
でありますので、残額については今後の更正決定にまたなければならないのでありまするが、しかし單純にこの数字だけではなく、
本間
さん御
承知
の
通り
、納期の
関係
もございますのであります。なおまた酒税につきましては、特價酒の賣れ行きは今思わしくないのであります。從いまして
租税收入
にも
影響
を及ぼしますので、販賣方面の改善その他の方法によりまして、これが完全徴收に努力をいたしておる次第であります。しかしながら、何と申しましても、この本
年度
の
予算額
を確保することにつきましては、なお相当の困難のあることは、ただいま御指摘の
通り
、
政府
においてもこれを認めておりまするので、これが徴收につきましては、万全の努力をいたす所存でありますのみならず、
國民
諸君におかれましては、なお一層の御理解ある御
協力
を賜わりたい、かように思うのであります。しかしながら他の反面におきまして、
國民
所得
の面を推算いたします場合、ただいま
本間
さん御指摘の
通り
、その後の情勢をいろいろ勘案いたし、
國民
所得
の計算に改訂を加えるの必要を見るに至りましたので、その推算の結果といたしまして、なるほどただいま御指摘の
通り
一兆九千億円に対しまして、これを二兆四千億に改めるの必要を認めたのでございます。以上お答えいたします。
本間俊一
24
○
本間委員
ただいま
大藏大臣
の御
答弁
をいただいたのでありますが、二兆四千億円の
國民
所得
の改訂をいたしました基礎が明細を欠いてお
つたの
でありますが、さらに御
説明
をいただきたいと思うのであります。
泉山三六
25
○
泉山國務大臣
再びお答え申し上げます。
本間
さんのお尋ねは、
國民
所得
に関しまして二兆四千億がどうか、かようのことではなく、何がゆえに変更をいたしたのか、さようのおぼしめしであつたように伺いましたので、私はさようの意味において申し上げたのでありまするが、その
内訳
につきましていずれ
事務当局
より詳細お答え申し上げることにいたします。
本間俊一
26
○
本間委員
それでは準備のでき次第御
答弁
を願うことにいたします。今日御
承知
のように、商賣をいたしております者も、農業を経営いたしております者も、ひとしくこの
租税
の問題では苦労いたしておるのであります。昨年の申告納税で、営業を営んでおりまする者の二十二
年度
の平均の
所得
額が、六万円前後というふうに
承知
いたしてお
つたの
であります。それから農家の平均
所得
が二万四千円
程度
に
説明
を聞いてお
つたの
でありますが、その点は昨年の実績に照しましてどのようなぐあいに
なつ
ておりますか、その点を、これは
事務当局
からでけつこうでありますからお伺いいたします。
平田敬一郎
27
○平田(敬)
政府委員
お尋ねの農林水産業の平均
所得
でございますが、本
年度
の当初の
予算
におきましては、五万九千八百円
程度
に見てお
つたの
でございます。しかるにその後例のパリテイー計算におきましても、最初は百十倍の
予定
でございましたのが、結果におきましては、百三十二倍に
なつ
た。その他一般の実効價格におきましても、若干の騰貴がございましたので、今回の見積りといたしましては、大体六万四千円
程度
に見まして、そうして税額を算出いたしておる次第であります。農業
所得
につきましては大体さような経過であります。 次に営業
所得
でございますが、営業
所得
につきましては、当初の
予算
におきましては、約十一万——十二万と申しましたのは、若干失格者の
関係
を考慮しまして、最初にはじき出したものを申し上げたと思いますが、正確なところを申しますと、十万九千五百円
程度
に見てお
つたの
であります。その後調査の結果、納税
人員
に若干の狂いがありまして、今回の見積りといたしましては、平均
所得
を十三万八千円
程度
に見て計算いたしておるような次第でございます。
本間俊一
28
○
本間委員
昨年の徴税のあとを調べてみますと、農家の場合を例に見まするならば、單作地帶とそのほかの地帶における
課税
の均衝の問題でありますが、單作地帶は、昨年の徴税の実績を見ますと、ただいま主税局長の
説明
されたような平均
所得
を上まわるにいたしましても、そう大したことはないのが実際ではなかろうかというふうに想像いたすのでありますが、單作地帶の農家の農業
所得
というものが、平均
所得
よりも非常に高く評價せらておるのであります。これは單作地帶とそのほかの地帶の農家の負担の均衝という点を、今後どういうふうにはか
つて
行かれるおつもりであるか、その辺をあわせてお尋ねいたしたいのであります。
平田敬一郎
29
○平田(敬)
政府委員
お尋ねの農業
所得
の
課税
の実情についての件でございますが、御指摘のごとく、單作地帶におきましては、農作物というものは、比較的はつきりとわかる状態でございます。副産物、副
收入
、裏作等がございませんで、大体におきまして米を中心とした主作物でございますので、その收穫量の計算も比較的
簡單
でございますし、
経費
等につきましても割合に計算しやすい、それに反しまして、都会近郊の農家の場合になりますと、いろいろの作物がございまして、なかなか計算が困難であるというような点がございまして、実際問題といたしまして、單作地帶は比較的耕作面積の廣い
関係
もありまするが相当
所得
の比較が徹底している。その他の地帶においては徹底しないところも相当ある。こういうような観点から御指摘のごとく、結果において若干の調整を要するところがあつたように見受けられるのでございます。本年といたしましては、農業
所得
の計算はなかなかむずかしいのでございますが、私ども役所としては、できるだけこまかい
資料
を集めまして、できますならば
收支
計算の
内容
について相当こまかい調査を各納税者からとりまして、それに基いてできる限り
課税
の不公平を來さないようにベストを盡すつもりでございます。單作地帶の実情はそういうことであつたということについては、私どもも
事情
はよくわか
つて
おりますので、そういう点は考慮に入れて、公正を期すべく努力いたしたいと考えております。
本間俊一
30
○
本間委員
それでは問題を進めまして、取引高税の問題ですが、これは今度の
追加予算
を見ますと、そのままに
なつ
ているのでありますが、
大藏大臣
は來
年度
の
予算
でこの取引高税の問題を、どういうふうに処理されるつもりであるか、その点大臣の御
意見
を明らかにせられておきたいと思います。
泉山三六
31
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。取引高税につきましては、これを撤廃する、かようの方針のもとに、そのかわり
財源
につきまして
せつかく
研究を進めて参
つたの
でありますが、本
追加予算
の計上には間に合わなか
つたの
であります。
從つて
これを後日に譲りましたが、なるべく
年度内
の実行を目標とし、さらに研究を重ねる、かようの考えでございます。
從つて
來
年度
の問題はなおその上でお答え申し上げる、かようにいたしたいと思います。
本間俊一
32
○
本間委員
本
会計
年度
は御
承知
のようにもうあと幾らもないのでありまして、しかも本
予算
ができておるのでありますから、その処置は私ただいまの
大藏大臣
の
説明
でこれを了承するのでありますが、少くとも二十四
年度
においては、これを廃するということが、御
承知
のようにわが民主自由党の方針でもありまするので、來
年度
の
予算
の編成にあた
つて
、この取引高税の廃止の問題に対する
大藏大臣
のさらにもうひとつ進んだ御
意見
を承ることができれば仕合せであります。
泉山三六
33
○
泉山國務大臣
重ねてお答えいたします。ただいま
本間
さんの御指摘の
通り
、もし本
年度内
にこれを撤廃する方針にして、これを貫徹することができなかつたと仮定をいたしますならば、これはやむを得ず、明二十四
年度
本
予算
において徹底的にこれを研究、撤廃の方針を貫徹しなければならないものと考えるのでございます。しかしながらただいまいまだ來
年度
の
歳入
計画についての具体的構想を固めておるわけではないのであります。何分にも來
年度
においては
給與ベース
の問題もこれが平年化いたさなければならない問題もありますし、なおまた多々
歳出
の面において増嵩すべき要素が考えられますので、
歳入
計画においては何らかここに相当徹底した構想が必要ではないかと考えておりますので、もとよりその構想の中に本取引高税の撤廃の問題を加えまして、これが結論を得なければならない、かように存ずる次第でございます。
本間俊一
34
○
本間委員
歳出
の項目について檢討いたして見ますと、一番多いのは
給與
の改善費であります。これは二百六十二億円でありますが、ただいまの
大藏大臣
の
説明
によりますと、進駐軍
関係
の
給與
三十億円除いたということでありますが、この
ベース
は五千三百三十円と聞いておるのであります。これは
人事委員会
の六千三百円
ベース
をはるかに下まわ
つて
おるのでありますが、
政府
といたしましては、今日の
財政
の
現状
から、これはやむを得ないものというお考えなのかどうか、その見解を明らかにされたいのであります。
泉山三六
35
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。
財政
の
現状
につきましては、先般御
承知
の
通り
でございまして、
國民
の
租税
彈力も今や限度に近いものではないかと考えられます。一方必要なる
経費
は山積いたしておるのであります。また経済情勢から見まして、
物價
を改訂すべき時期ではないと私は考えております。この面からも
予算
には強いわくがはめられて参るのでございます。かような立場に立ちつつ、しかも
官公吏
諸君の実質賃金をある
程度
向上させようとして引上げたのが、今回の
給與改善費
予算
でございます。またもし
人事委員会
の勧告をそのままこれを採用するということになりますと、今回の
補正予算
にさらに三百億円ないし四百億くらいの
追加
を必要とすることに相なります。これはもとより現在の
財政
状態から見まして、ほとんど不可能と申すほかないのであります。
本間俊一
36
○
本間委員
かりに五千三百三十円といたしましても、三千七百円
ベース
と比較いたしますと四割六分方の引上げであります。三千七百円
ベース
を四割以上動かしますというと、当然
物價
の再改訂の問題に
影響
を持
つて
來るように考えるのであります。
從つて
政府
の企図しておられる五千三百円
ベース
にいたしましても、相当な
影響
があるものと思うのでありますが、
政府
はこの
ベース
を企図されるにあたりまして、電産の調停案と、石炭の賃金
ベース
と、
官公吏
の
給與
と三位一体の
関係
から計算をいたしておるように聞いておるのでありますが、その根拠をここに明らかにせられたいのであります。
泉山三六
37
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。ただいま御指摘の
通り
、本
追加予算
に計上いたしました
ベース
は、おおむね五千三百円何がし、かようなことに相なるのでございまして、從來の三千七百九十一円
ベース
に対しまして、相当の引上げと相なるのであります。しかもその中には相当額おおむね二〇%近い実質賃金の向上さえ含むものとかように御了承願いたいのであります。しかしながらたびたび申し上げます
通り
、それが
物價
の面に惡
影響
を及ぼして、
民間
の賃金の上に思わしからざる
影響
となる、かようなことでは
せつかく
上げました
官公吏
諸君の新
給與
もむなしく画餅に帰する、かような結果に相なることをおそれておるのでございまして、この点につきましては、
政府
といたしましても苦心をいたしたのでございまして、私の本
予算案
の
提案
理由について御
説明
申し上げました
通り
、いやしくも
物價
の高騰を來すような
財政
措置をとらぬということを、これをも
つて
一大鉄則といたしましたのでございます。さような意味におきまして、少くとも本
予算案
を遂行する限りにおきましては、
物價
の面にはさまで
影響
はない、かように考えるのであります。しかしながら他の一面におきまして、
民間賃金
との
関係
におきまして、ただいま
本間
さん御指摘の
通り
、たとえば電産の問題あるいは石炭炭鉱諸君の
給與
の問題、その他等々ございますが、かようなものの間には、おのずからその間の
均衡
につきましても十分配意いたしたのであります。以上御了承願いたいと存じます。
本間俊一
38
○
本間委員
給與
局長からもう少し詳細な
説明
を承りたいと思います。
今井耕
39
○
今井
政府委員
お答え申し上げます。電産調停案の七千六百円の数字は、
資料
の
関係
から確実なことは申し上げられませんが、扶養家族、勤続年数、年齢等を斟酌いたしますと、大体五千三百円に近い数字に相なります。また石炭につきましても、ただいま進行しております数字が大体さようなことに相なるとお考えくださ
つて
大過ないかと思います。ただこの五千三百円という数字は、
予算
その他から出しましたので、電産、石炭の数字から逆算して行つたというものではございません。
本間俊一
40
○
本間委員
先ほどの
大藏大臣
の御
答弁
の中で、実質賃金の方は相当によく
なつ
ているのだというような意味の御発言があつたように思うのでありますが、五千三百三十円という
ベース
にいたしますと、名目賃金と実質賃金の方の
関係
が從來とどんなふうにかわ
つて
参りますか、その点をお尋ねいたしたいのであります。
泉山三六
41
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。本問題は本
予算
の中核をなす問題でありますので、私はここに多少言を用いまして詳しく御
説明
申し上げたいと思います。 今回の
人事委員会
の勧告に対しましては、
政府
は
國家公務員法
の趣旨にかんがみまして、でき得る限りこれを尊重するとともに、現下における最も重大なる問題の一つでございますので、あらゆる角度から
愼重
に檢討を加えたのであります。しかるところ、
財政
の
現状
は皆さん御
承知
の
通り
でございまして、この際この勧告を実施するといたしますれば、ただいま申し上げました
通り
、さらに三百億ないし四百億の
歳出
を必要とし、
國民負担
力のほとんど限度に近い今日といたしましては、このことは不可能に近いものと、かようのことを申し上げたのであります。また最近におきまして、やみ値の横ばい、消費者実効價格の低下等の傾向から見ましても、この際
物價
への
影響
につきましても、十分考慮することが緊要であり、
物價
改訂はこれを避くべきであるという結論に到達いたしたのであります。今回の
補正予算
がこの前提のもとにでき上
つて
おりますことは、すでに御
説明
申し上げた
通り
であります。さらに
民間賃金
の
上昇
は、本年に入
つて
から目ざましいものがございまして、その実質賃金は一月に比べまして、五割近い向上を示しているものと推定されるのでありますが、一方
國民
の
消費水準
は、これを統計的に見ますれば、本年に入
つて
以來ほとんど不動であります。
政府職員
も同じく労働勤労者でありますがゆえに、
民間賃金
の
関係
を十分考慮する必要があることは申すまでもございませんが、同時に
政府職員
は
原則
として物の増産と直接的には結びつかないものでありますから、必ずしも
民間賃金
の高下をそのまま引き移すことはいかがかとも考えられるのであります。いわば
民間賃金
と
國民
の
消費水準
の双方を参酌すべきではないかとも存ぜられるのであります。以上かれこれ勘案いたしまして、今回の
補正予算
には、
官公吏
の
給與
水準
をおおむね五千三百円
程度
として計上いたした次第でございます。 なおこの
ベース
は、昨年七月の千八百円
ベース
に比べまして、実質賃金におきまして約六〇%、本年一月の二千九百二十円
ベース
に比べまして約三〇%、本年六月の三千七百九十一円
ベース
に比べまして約一七%の、それぞれ向上となる
見込み
でございます。以上お答え申し上げます。
本間俊一
42
○
本間委員
五千三百円
ベース
ということでありますが、いろいろ特別の手当などを計算いたしますと、さらにこの
ベース
が上まわるのではないかと思いますが、その点はどうでありますか。
泉山三六
43
○
泉山國務大臣
お答えいたします。まことに御指摘の
通り
でございます。從いまして実質的にはおおむね五千五百円を越すのではないか、かようの見通しでございます。
本間俊一
44
○
本間委員
大藏大臣
の御
説明
によりますと、今日のわが國の
財政
の
現状
から、それ以上は無理だ、困難だというような御見解が表明せられたのでございますが、そういたしますと、今後
官公吏
の
待遇
を改善し優遇して、十分その能力を行政の面に発揮してもらうという建前から申しますならば、どうしても今後は行政整理というような方向に入
つて
來なければならぬものと私は考えておるのでございます。それ以外に
官公吏
を優遇して、安心して十分行政の面に働かせるということはできないのではなかろうかと本員は考えるのでありますが、この点について
政府
はどういうお考えを持
つて
おられますか。
泉山三六
45
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。行政整理の問題は、本
内閣
といたしまして、最も重大なる施策の一つとして、目下鋭意研究中のものでございます。ただこれを実施いたしますためには、その前提として、もとより強力な
失業
対策が並行せられなければならないのであります。
政府
といたしましては、單に
給與
予算
の
財源
をこの方面に求めまして、さようの見地からばかりでなく、行政機関全体を再檢討いたし、最も有効にその機能を発揮せしめ、も
つて
國民
に奉仕の実をあげることとなるよう、改正
國家公務員法
の精神にものつと
つて
研究を進めて行きたい所存でございます。なおまた統制経済と行政整理との間に密接な
関係
が存しますことは、申し上げるまでもないのでございます。從いまして統制の撤廃から自然行政整理を推進いたしたい、かように考える面が多々あるのでございます。以上お答え申し上げます。
本間俊一
46
○
本間委員
企業三
原則
が示されまして、本
予算
が七月に成立をいたしました際に、実は賃金統制に入るべきであつたろうと私は思うのでありますけれども、それが今日まで実現を見ずに延びて來ておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、三
原則
の趣旨によりまして、どうしても私は賃金は間接統制の段階に來たというふうに考えておるのであります。今
政府
の
説明
によりますと、石炭、電産、及び
官公吏
の
給與
を、それぞれ相関的な
関係
において、解決して行きたいという御見解を表明せられたのでございますが、それがそういう形で解決されて行くということでありますならば、その後はどうしても私は強度の賃金統制の段階に突入して行くものと信ずるのであります。この点に対しまして
大藏大臣
は賃金統制の問題についてどういう御見解を持
つて
おられますか。
泉山三六
47
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。最近におきましての
物價
及び賃金の推移を見ますのに、
物價
の面では比較的なだらかな
上昇
——最近はまたほとんど横ばいの状態であるのでありますが、ひとり賃金の跛行的
上昇
が目立ちまして、このまま推移いたしますにおきましては、財界に好ましくない結果を招來することも憂えられるのであります。
主食
の増配、
物價
の動向の緩慢化等に伴いまして、実質賃金も相当充実いたして参
つたの
でございます。この際におきまして賃金バランスの維持に留意しながら、賃金をできるだけ安定せしめる方向に持
つて
行きたいと、かように思うのでございます。しかしながらその賃金統制の具体的方策にあた
つて
は、たびたび申し上げました
通り
、今日におきまして賃金問題はむしろ経済問題解決の結論的要素を含むものと、かようの判定のもとに、相当の用意なくしてこれに着手すべきではないとも考えますので、目下その具体的政策につきまして、鋭意研究を進めておるような次第でございます。
本間俊一
48
○
本間委員
安本の
資料
によりますと、
泉山
大藏大臣
の言うように、二十一年八月を基準といたしまして、終戰後の推移を見ますと、昨年の八月以來名目賃金が
生計費
の指数を上まわりまして、
物價
が賃金を追いかけているというようなかつこうに
なつ
ておるのであります。ことに今年の九月以降になりますと、
物價
の方が大して動いていないのでありますが、賃金の方が四七%の
上昇
を示し、その後も名目賃金の方はなお騰貴を続けているのであります。
從つて
なるほど
大藏大臣
のお示しのような実質賃金の方が幾らか上まわ
つて
來ておるということは、この数字をも
つて
了解することができるのでありますが、ことに石炭に例を見ますと、石炭の六月の実質賃金は
昭和
九年、十年の七八・一%に
なつ
ております。ところが同じ月の生産指数はやはり
昭和
九年、十年の平均年産額三千二百八トンに対しまして、八九・七%と
なつ
ております。戰爭前に対する比率を見ますと、生産指数と実質賃金の指数もほとんどひとしく
なつ
て來ております。從いまして石炭の方は賃金を停止させても必ずしも不可能ではないというような見方も一方において成立つのでありますが、私はここで言う賃金安定は、何も永久に賃金をストツプさせようというようなことを申し上げておるのではないのであります。一定の線に賃金を安定させまして、企業同士の努力競爭を行わせて、これを三箇月なりあるいは半年貯蓄をいたさせまして、それを企業賞與というようなものにいたして、労働者にこれを配分をして行くというような措置を、今後と
つて
行かなければならぬものと考えるのであります。企業努力によりまして、生産を上げたものはそれだけ報いられるというような措置が、これは当然必要であります。
政府
はこの問題についてどういうお考えで、どういう御施策をなさるおつもりであるか、その点を明らかにされたいのであります。
泉山三六
49
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。賃金の安定につきましての具体的方策につきましては、先ほど私から御
答弁
申し上げたのでありますが、なお関連いたしまして、はたしてその企業が企業努力によりまして、利潤をあげましたあかつきにおいて、その分配上賃金の面にもなお考慮の余地ありや、かようの意味合いかと拜承いたしたのでありますが、まことにごもつともの御
意見
でございまして、
政府
といたしましても、もとより御同感であるのでございます。ただそれが具体的にいかなる
程度
、いかなる方法によるか、それは具体的の例によりましてお答え申し上げるしかほかにないのであります。以上お答え申し上げます。
本間俊一
50
○
本間委員
次に
價格調整費
の百十億円でありますが、これは電産でありますとか、石炭でありますとか、金属でありますとか、船員でありますとかいうような方面の
待遇改善費
の方に充てられておるように
承知
いたしておるのでありますが、その
内訳
をここに明らかにされたいのであります。
泉山三六
51
○
泉山國務大臣
お答えいたします。
價格調整費
百十億円の
内訳
につきましては、いろいろあるのでありますが、大体におきまして、北海道の
暖房用炭
に関するもの十二億五千六百万円、炭鉱労務者の賃金はね返りトン十円といたしまして九千万円、北海道地区におきまする、炭鉱從業員の手当一億六千万円、
安定帶物資
の補給金の
不足額
十億五千七百万円、その他石炭業生産奬励金とか農業共済再保險等合計百十億でございます。以上お答えいたします。
本間俊一
52
○
本間委員
ただいま
大藏大臣
の数字がちよつと合わぬように思うのでありますが……。
今井耕
53
○
今井
政府委員
お答え申し上げます。お
手元
に
資料
が行
つて
おると思いますが、それに詳しく書いてございます。予備として五十九億と
つて
あるのでありまして、これはいろいろな
安定帶物資
の
関係
もございますし、今後のいろいろな報奬その他について考えられるものを加えまして、大体この
程度
のものが、必要ではないかということで計上いたしたわけであります。
本間俊一
54
○
本間委員
そうしますと、この中には、たとえば電産でありますとか、金属の
関係
でありますとか、船員の
関係
でありますとかいうような、
給與改善
に充てる費用は入
つて
おりますか。
泉山三六
55
○
泉山國務大臣
お答えいたします。電産、炭産その他につきましては、目下問題の進行中でございます。從いまして計数的に何ほどと、かようのことは言明の限りではありません。しかしながらその目標をもちまして適当なる
金額
を計上いたしておるのでございます。
本間俊一
56
○
本間委員
私の
質問
の趣旨がちよつと御了解が行かなか
つたの
ではないかと思いますが、この中には石炭、電産、金属
関係
、あるいは船員
関係
の
給與改善費
が含まれておるか、それを見込んでおるかどうかという点を尋ねておるのでありますから、その点だけ御
答弁
くださればよろしいのであります。
泉山三六
57
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。ただいまお答え申し上げます
通り
、適当に考慮をいたして、相当額を計上いたしてございます。
本間俊一
58
○
本間委員
そうすると含まれておるというふうに解釈してよろしうございますか。
泉山三六
59
○
泉山國務大臣
さように了解してよろしうございます。
本間俊一
60
○
本間委員
そういたしますと、先ほど私が指摘いたしました企業三
原則
を
政府
の方が貫いて行くという
関係
からいたしますと、この方と、ただいま
大藏大臣
の御
説明
との
関係
をどういうふうに調整されて行かれるおつもりであるか、その点お尋ねいたします。
泉山三六
61
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。今日いわゆる三
原則
——價格改訂は相ならぬ、赤字融資は相ならぬ、國家の補給金また相ならぬ、いわゆる三
原則
であります。
政府
におきましてもこの根本方針にはもとより同感であるのであります。從いましてただいま
本間委員
のお尋ねはまことに肯綮に当るお尋ねでございまして、御心配のほどもまことにごもつともなのであります。しかしながら、ただいま私が指摘いたしました三
原則
の一つであります國家補給金は相ならぬ、これには條件があるのであります。その見合すべき
財源
がこれを欠く、
財源
の手当ができない、あるいはその準備がなくてはこれは認められない、かようのことでございますので、その反面におきましては苦しい
財政
の中からもなおかつこの方面にまわし得る
財源
の引当てがございます場合において、三
原則
は認められるのでありまして、かようの意味合いから前段お答え申し上げます
通り
、
政府
といたしまして、適当と思いまする
金額
をここに計上いたしておる次第でございます。
本間俊一
62
○
本間委員
そういたしますと、組合の強いものと申しますか、多少言葉に語弊があるかと思うのでありますが、そういう組合の方が補給金をもらうことができまして、たとえば纖維でありますとかいうような、組合の力の弱いものは冷遇されるというような現象が起
つて
來ると思うのでありますが、この点に対して
政府
はどういうふうにお考えに
なつ
ておりますか。
泉山三六
63
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。ただいまの御心配はまことにごもつともな点であります。しかしながら、ただいま私が指摘いたしました本
予算
に計上いたしました價格の調整費につきましては、その適当なる
金額
を定めるにあたり、もとより他の半面におきまして、先般も御
答弁
の中に触れました
通り
、いろいろ各賃金の間におきましての
均衡
に留意をいたしておるのでありまして、何々労働組合が強い弱い、かようのことよりも、わが國の今日の経済に惡
影響
を及ぼさないこの一線を確保するために、
政府
は信念をも
つて
これに対処する考えであります。以上お答え申し上げます。
本間俊一
64
○
本間委員
歳入
面に返
つて
参りまして、今日まで
主食
の代替をいたしておりました砂糖が
主食代替
からおろされまして配給をされますが、さらにまた味の素の放出もあるということでありまして、これは
國民
の生活にとりまして、一つの朗報でありますが、問題はその値段であろうと思うのであります。先ほど
大藏大臣
の中にもありましたように、特價酒や高いタバコが
國民
の購買力の限界をはるかに越えております
関係
から、その賣れ行きが芳ばしくないのであります。今回の砂糖その他こういつたような品物を放出されるのは、
國民
にとりましてはありがたいことでありますが、その値段が問題であろうと思うのであります。砂糖及び味の素その他の品物をどういう方面に向けられ、それからまた
國民
に配給される價格がどの
程度
でありますか、その点をお伺いいたします。
泉山三六
65
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。味の素についてただいま
本間
さんのお尋ねの点は八円五十二銭であります。次に砂糖は、白砂糖が一斤につきまして五十円、赤砂糖が一斤につきまして四十円、かようでございます。配給方法といたしましては、調味料配給といたしまして、從來の所定のルートを通じて行う
予定
でございます。
本間俊一
66
○
本間委員
次に
災害復旧費
でありますが、この
災害復旧費
は、一時はきわめて悲観すべき状態にあ
つたの
でありますが、
政府
の努力によりまして、六十億円計上せられたのであります。しかしその後の
災害
を見ますと、全國各地に
災害
が頻発をいたしまして、農林省だけでも本
年度
に
復旧
をいたしたいという所要額がたしか五十億を越えておつたように
承知
いたしておるのでありますが、農林大臣からこの点、今年の三月までに
復旧
を要します緊急の
予算
の要求額はどの
程度
に
なつ
ておりますか、お伺いいたしたいと思います。
周東英雄
67
○周東
國務大臣
お答えをいたします。農林省といたしましては、さしあた
つて
復旧
を要する額といたしまして、耕地、水産、山林等を通じ約七十余億円であります。
本間俊一
68
○
本間委員
私の調査したところによりますと、建設省の
災害復旧費
が四百億以上に
なつ
ておるように思うのであります。これを三箇年間に
復旧
するという計画を立てましても、國の補助がその三分の二でありましても、三百億
程度
が必要であります。
從つて
本年一ぱいに建設省の方のぜひ工事をしたい必要な要求額はどのくらいに
なつ
ておりますか。その点をお尋ねしたいと思います。
泉山三六
69
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます。詳しくは
政府委員
から
説明
いたさせます。
河野一之
70
○
河野
(一)
政府委員
お答え申し上げます。公共事業の
災害復旧費
の
内訳
でございますが、これはお
手元
に差上げてありますので、これでごらんを願いたいと思います。建設省の要求が四百億とかいうお話でございますが、これは本
年度
のこうむりました
災害
を一時に全部
復旧
するということにいたしますれば、あるいはその
程度
の
金額
がいるのかもしれませんが、國家
財政
の
状況
もございますし、さしあたり來年の春水までの間應急的な措置として考えまして、この
程度
の
金額
を計上いたしたのでございまして、また來
年度
におきましては、來
年度予算
において実際の
状況
を勘案いたしまして、できるだけ
多額
の
復旧
費を計上したいと考えておる次第であります。
本間俊一
71
○
本間委員
農林省
関係
の
復旧
費が七十億余り、それに河川
関係
の方が約百億
程度
あつたと私思うのでありますが、
從つて
なるほどただいま
大藏当局
の
説明
もありましたように、本
年度
河川と農耕地の
関係
を合せ計算をいたしまして、何とか百億
程度
の
予算
を計上してもらいたか
つたの
であります。しかしながらいろいろな
関係
もありまして、六十億にな
つたの
でありますが、これは昨年はあれだけの被害を受けまして河川及び耕地をひつくるめて二十一億円しか金が出なかつた、昨年と比較いたしますならば大きな奮発と言
つて
よいと思います。しかし御
承知
のように工事は着々進行いたしておりますし、また來年の植付期までには、どうしても完了しなければならぬ工事が非常に多いのであります。
從つて
なるほど六十億円の
予算
が計上せられましたから相当地方はこれで潤うのでありますが、どうしても來年の植付期までにはやらなければならぬという工事がさらに私は残るのではないかと予想せられるのであります。そういたしました場合に、
政府
はその工事に対しまして金融的な措置を実情に應じて講ずる御意思があるかどうか、その点を承
つて
おきたいと思うのであります。
泉山三六
72
○
泉山國務大臣
お答え申し上げます、
災害
復旧
の問題は、すでに第三
國会
において全会一致をも
つて
決議案も決議いたされましたような
事情
にもあり、なお
政府
といたしましても、もとより熱意をも
つて
これに対処せんとする覚悟でございます。本
追加予算
案に掲げました六十億円は、なお十分満足すべきものとは考えないのでありまして、ただいま
本間委員
御指摘の
通り
、何とかこれを百億円
程度
に引上げることができますれば、この上ないものと考える次第であります。つきましてはこの段階において、これを当然金融的措置に求むべきであるとの御所見かと存じ上げる次第であります。
政府
としても、
予算
に計上いたします反面において、金融措置についてはすでにこの点に留意いたし、今日まで相当額の放出をいたした実情にございます。まず第一に
預金部
資金についてはおおむね四十億円を放出する
予定
のもとに、今日三十八億六千万円を放出いたしておるのであります。詳しくはお尋ねがございますれば申し上げます。なお農林中央金庫を通じましては総計九億三千万円、なおまた復興金融金庫を通じましては総計二十一億七千万円、融資あつせんによるもの総計三億五千万円、右総合計実に七十四億五千万円に及ぶのでございます。以上のような金融措置を講じておりますので、
政府
の熱意について十分御了承願いたいと思うのでございます。
上林山榮吉
73
○上
林山委員長
本間
君に対する、経済安定本部に関する
質問
の
答弁
が残
つて
おりますから、
政府委員
の
答弁
を願います。
内田常雄
74
○内田
政府委員
國民
所得
の推計を十一月の
物價
賃金等を
ベース
にいたしまして、概算いたしました結果が、先般発表せられまして、それによりますと、本年六月の
物價
賃金水準
で推算いたしましたものは、御
承知
のように一兆九千六十億円でありましたものが、十一月
ベース
によりますと、二兆三千九百三十億、約四千八百七十億ほどの
國民
所得
の
増加
が推定せられる、こういうことに計算が出て參ります。これは結局
物價
賃金及び生産指数が、六月当時の基礎よりも、この数ケ月の間に変動を來したということが原因でございまして、具体的に申しますと、
物價
については六月推算のときは、
昭和
二十二
年度
の
物價
に対して六月の
物價
の改訂の際これが四六%上る、この四六%上るのは公定價格の上げだけではないので、公定價格と非配給
物價
とを数量によりましてそれぞれウエートをつけました実効價格であります。その実効價格が六月の推算では四六%上るというものが、十一月に推算をし直しました結果が七二%上りというようなことで、
物價
の
ベース
もかわ
つて
參りました。その次に賃金におきましても、六月の推算の基礎は御
承知
のように三千七百円
ベース
でありまして、これを前年二十二
年度
の平均に比べてみますと、七二%上りということでありましたものが、この十一月の推算によりますと、たとえば
官公吏
等につきましても
給與
の引上げがあり、またその他鉱工業、商業、交通業等の賃金指数の
上昇
を見ますと、昨年に対して一二五%上げという基礎が出て参ります。これによ
つて
相当
所得
の推計の基礎がかわ
つて
参ります。なお、生産そのものの伸びにつきましては、六月推算をいたしましたときは、まだ本
年度
の生産計画が必ずしもはつきりしておらなかつた、それで御
承知
の経済復興計画におけるその当時の初
年度
に本
年度
の見込の数字を基礎にいたしました、それによりますと、農林水産業にありましては
昭和
二十二
年度
に対し生産指数が五%上りになる、それから鉱工業については生産指数の上りが一三%上りである、こういう推計をいたしておりましたものが、最近に至りまして、この第一、四半期の実績並びにそれを基礎といたしましたこの
年度
全体のいわゆる
年度
計画というものを新しくと
つて
みますと、農林水産業においては八%上り、鉱工業においては一六%上り、いずれも生産指数が
上つて参
つた。このように
物價
、実効價格の指数も賃金の指数も、また実体的な生産業も
上つて参
りました結果、
さき
の一兆九千六十億というものが二兆三千九百三十億というぐあいに
所得
計算の理論上相
なつ
て参つたということでございます。
上林山榮吉
75
○上
林山委員長
明日は午前十時半より
開会
いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後四時九分散会