○久保
委員 新自由党は本
法案の
修正案と
修正案を除く
政府原案に
賛成するものであります。
國家公務員法ができて、
教育公務員が
國家公務員一本で律せられるということの不都合さは、十分斯界で認められてお
つたのであります。今回この
教育公務員の
特殊性に基いてこの
法案が上程され、ここに
修正案並びに
原案について、各党
賛成の
意見が述べられまして、まさに可決されようとしておりますことを私は非常に喜ぶものであります。
思うにこの
法案というのは、日本の
教育というものが、新しくわれわれが今生み出そうとする日本の再建に、最も根本的な役割をする。
教育なくしては日本の再建はできないのだという観点に、この
法案が立
つておるということ、そしてその
教育をなし遂げるところのものは、かか
つて教育公務員にあるという
立場から、その
教育公務員の特殊の
事情、それを考えてこの
教育公務員の
任免、あるいはその他のことで
教育公務員の
立場を庇護し、そして別のこうした
規定を設けようとしたのでありまして、これはまことにけつこうなことだと思うのであります。ただこの機会に二、三の希望を
政府当局に申し上げておきたいと思うのであります。本法のいずれは解説というものがつくられると思うのであります。
関係者に対しては
政府当局において講習、傳達等のこともまた行われると思うのでありますが、そうした機会には、まず第十三條のこの
規定、すなわち
教育長が本法では選考権者という言葉を使
つてある。われわれの考え方からすれば、これは
教育委員会法の四十九條と矛盾するような感じがするのであります。選考権というものは
人事権の一部をなすものであり、
從つて人事権を持つ
教育委員会が選考権者でなければならない。あえて選考権者という言葉を使うならば、その選考権者は
教育委員会でなければならないと私は思うのであります。しかしながらこれは
政府当局の
説明なり、あるいは
関係方面の解釈におきましては、
教育長の選考権というのは選考事務という程度のものであり、それは
本案の第十五條で、任命権が
はつきり
教育委員会にあるということで、今私が申しました選考事務というような意味に全然とれると思うのでありまして、そういう点を間違いなく
関係者に傳達され、解説されんことを希望するのであります。
その次は、本法と関連して
大学法の成案を急がれたいということであります。本法ではその第二十五條で、
大学管理機関という言葉を読みかえることを
規定してあるのでありますけれども、これでは、早く
大学法というものができて、そうしてこれが
はつきりしなければ、
國家公務員たる
教育公務員の
人事問題は、
はつきりしないと思うからであります。
第三点は、これも前の方が申されたことでありますけれども、逐條
審議のときにも申しました通り、
教育者がほんとうに
教育を行う
ためには、研修ということが絶対に必要である。研修ということがない
教育者は、
教育力というものがない。
——教育力と私が申しますのは、教授力ということではありません。教授力をも含めたもつと廣い意味の
教育力であります。この
教育力というものは、研修のない人にはできないことであり、最も大事なことであります。その研修の
規定があることは、私は非常にけつこうなことだと思うのでありますけれども、これもその費用の
規定がない。費用の
規定がないということは、こういうことについて非常に認識の足らないわが日本の今日の学界では、えてしてこういうものを無用なものだと考える。まだ費用の足らないことからして、
教育者にせつかくの研修の機会が與えられても、その
教育者を経済的に非常に苦しめる結果にな
つておる。過去においてそうであ
つたばかりでなく、現在もまた同樣の状態である。私はこれを考えるときに、実にこの点を心配するのであります。しかしながら、文部当局におきましてもこの点はよく認識されて、これについてのいろいろな計画や調査等も進められておるということを聞いたのであり、
関係方面でも、何もこのことについては理解がないことではないのでありますから、ぜひこの点の
規定をこの
法案に
はつきりする
ごとく、準備を進められたいと私は希望するものであります。
第四点は、さつき申し上げました通り、私はこの
法案の成立を非常に喜ぶのでありますので、
從つてこの
法案が一日も早く施行されることを希望するのであります。その一日も早くこの
法案が施行され、これが効力を発する
ためには、これに関する
政令が必要である。
從つてその
政令をどうか一日でも早く出していただきたい。そうしてこの
法案の効果が早からんことを希望するものであります。以上四つの希望を申し上げまして、本法の
修正案並びに
政府原案に
賛成するものであります。