○
鈴木証人 私の住宅問題で
小久保さんに
お世話に
なつていることは事実でございます。これは私の宅がやはり戰災を受けまして、それから私が
名古屋から轉任をいたしまして
昭和二十一年一月にこちらに帰
つて参りましたが、やはり住宅もなく
親戚のところに同居をしておりまして、相当長くいろいろと
借家のあつ
せんをいろいろな方に
機会あるごとに、
友だちなりあるいは
役所の職員なり、その他の方にお願いを申しておりましたが、なかなか容易に
借家もございま
せんので、たまたまいろいろな私の知りあいの人も、とうてい
借家も困難であろうから、むしろ小さいながらも家を求めた方がよいであろうというので、結局そうするよりないものでありますから、そういうふうに進めていただきまして、やむを得ずこういうような措置をとることを決心いたしたのでございます。また私が同居しておりました
親戚のところもいろいろな
事情から引越さねばならない情勢に迫られまして、昨年の五月初めごろ、ある人の紹介で見ました、現在住んでおります私の宅でございますが、その家が賣り物に出ているということを聞いていたのでありますが、まアあまり往復もなくこの
程度のところは非常に好ましてということでございまして、できればそういう賣り物に出ている家に何とか入りたいという心組みになりまして、從いましてむろん私としてもその家を
自分自身で買い取
つて入るというような資力もない
関係から、たまたま
小久保さんが私のある知人の家も
お世話願つているという噂を聞いておりましたので、こういうふうな
事情で引越さねばならないが、この
程度の家があるが何かお願いできないだろうか、実はいろいろ急な
事情で引越さねばならないので、ある
程度その
買收について話を進めているんだが、お願いできないか、こういうことをお願いいたしまして、それはお氣の毒であるし、それくらいのことは
お世話して
けつこうです、ただ
お金を差上げるとかお貸しするということになりますと、私もいつお返しすることができるかわかりま
せんし、
担保力もございま
せんし、そういう
関係もございまして、ぜひその家を買い取
つていただいてひとつお貸しを願えないかということをお願いいたしましたことがございます。その家が二十三万円でございまして、それをどんどん話を進めて至急にお買い取りにな
つて手続を進めて
けつこうですということで、それでは私の方でさつ
そくお金を拂
つていただいて
けつこうですということで、その
お金を私がお預かりいたしまして、
小久保さんの買い取
つていただく家のあつ
せんをいたしました建築あつ
せん業者に私が届けまして、あとの
区役所の届けその他の
手続をいたしたことはございますが、その二十三万円はそういう
趣旨の二十三万円でございまして、私がその金額を頂戴した、あるいはお借りしてそのままに
なつたという家ではございま
せんが、そういう
趣旨で二十三万円をお預かりしたことはございます。