○山下(春)
委員 お酒の
お話が出ましたから、私は私見を述べながら伺いたいと思います。
政務次官はお酒の
増石を野党時代から盛んに力説しておいでになりましたので、今の皆様の御
意見はま
つたく民自党の
政策を裏づけしているようなものが多いと思いますが、私はそういう知惠のないことはまことにいけないと
考えるのであります。今日食糧
不足のときに米をつぶして酒をつくるというような、知惠の足らない
考え方を持
つたんでは、とうていそれは救國の
財源にはならない。そこで今日、配給の場合でも見られますが、今年はさつまいもがま
つたく配給の受け手がないほどごろごろしております。ただこれは主食の中に入れてある以上、農家では盛んに今栽培しております。特に東北の寒冷地帶ではこれの貯藏に非常に苦心いたしております。農林省の統計などを見ますと非常に
調査がずさんでありまして、反当二百貫そこそこが農林省の
調査のようでありますが、二百貫ばかりつく
つている百姓は一人もおりません。そこで農林省のデーターによる二百貫というもので、もしも
日本の主食糧の中でまかなえるといたしますならば、それ以上のものを全部アルコール原料にするための澱粉にいたしまして、その澱粉からつくりましたアルコールに
——これは
大藏省では御試驗済みと思いますが、X光線を通しますれば非常に優秀なウイスキーができます。このウイスキーは他の方法によ
つて釀造されたウイスキーに遜色ございません。今もし農林省のデーターに出ている反当二百貫を三百貫として、そのうち百貫をこのアルコールに充て、その一升のアルコールから五十円の
税金をと
つたとすれば、一千四百億という
税金が上るのであります。この
税金によりまして優に
終戰処理費をまかなうのみならず、今
政務次官は人を減らすことによる國家の均衡
財政を
考えておられるような御発言がございましたが、その裏には必ずや
失業対策というものがいることは当然であります。この
失業対策については、今どなたがどう知惠を働かしてみましても、何も
失業対策に充てる根本的な資材も資金もない
日本としては、救國的、再建的な
一つの新たな事業によ
つてそれを
考え出す以外に方法はないと思います。貯藏に困難で、あたら腐らしているものを活用いたしまして、これを國の
財源にし、あわせて
失業対策にする。そのアルコールにする澱粉の何割かから、ぶどう糖を製造して甘味にいたしまして、私はいつかの
委員会にもアルコールの專賣についてお
考えはないかということを、
佐藤さんか川合さんかから御
質問があ
つたと思いましたが、その
考えはきま
つてないというような
お話のようでありました。私はアルコールとか甘味とかいうものは、砂糖の
消費税に対して思い出したのでありますが、これは專賣にして國庫
財源の資料にすべきだと思います。そういう新たなる
一つの
考え方の上に立
つて、ただあたら食糧の逼迫している今、米をつぶして酒をつくる
——酒が必要なことは当然でありますけれ
ども、その酒は米をつぶした酒でなければ
日本人の体質に合わないということはありません。のみならず千四百億の税源をまかない得るウイスキーは、とても
日本人だけでは飲み切れないほどの量であります。これは赤い色、青い色をつけてペパーミントのようなものにすれば、南洋あたりにはいくらでも輸出できると思います。そうい
つた再建的な、これこそアルコールの根本的な
一つの
考え方に同調して、
政府はこれを國営でも
つてそういうことを試みてみようという御意思ありや否やを承
つておきたいと思います。