○小平
委員 私は主として利根水系のことについてお伺いしたいと思います。特に
当局でも御
承知の赤麻の遊水池をめぐる問題であります。御
承知のあの遊水池の周辺の
堤防でございますが、あれは昨年の暴風雨の後補強かさ上げを行いましたが、これができるかできないかのうちに、本年の
アイオン台風によ
つて相当痛めつけられておる。これが修復もいまだできておらぬというような
状況で、周辺の村民は今から非常に恐怖を覚えておるという
状態にあるわけでありますが、この周辺の
堤防のかさ上げ
工事というものは今後どんな予定で、またいつごろ竣工の予定で
当局はおやりにな
つておるかということを、まず最初に承りたいと思います。
それからこの
堤防と関連する問題でありますが、御
承知の
通りあの場内が一水出るたびに相当底が上昇いたしますので、周辺の排水と申しますか、
堤防の外側の耕地の側の排水、これが非常に大きな問題にな
つておる。本年のごときも、御
承知かと思いますが、あそこの生井村というところに排水機を設備いたしまして、これを数十日間にわた
つてほとんど晝夜兼行で運轉をし続けた。それでもなお水がはけないというような
関係にありますので、この
経費の
負担というものは今や非常に莫大なものに上
つておる、こういう問題があるのであります。これは今申しました單に生井村の排水機ばかりでなく、最近ではあの赤麻遊水池をめぐる周辺各所において、次から次へと、
從來あ
つた施設はさらに増強しなければならないし、
從來なか
つた所も新たに施設して行かなければ、
ちよつとの雨でも排水ができないというような実情にあるわけでありまして、この排水のために年々莫大な
経費を要するわけであります。かように排水設備を要するに至
つた、あるいは増設を要するに至
つた原因は、今申す
通り赤麻沼の底の上昇ということが原因なのでありまして、かような点から考えますならば、この排水機の増設あるいは新設、あるいはこれが維持、管理の費用というようなものは、当然これは
國家が
負担すべきものである。
地元民もかように熱望いたしておるし、われわれが考えましても当然かくあるべきものというふうに考えられるのでありますが、
從來は一向そういうこともなか
つたようであります。特に
從來、これは直接ただいま御指摘の点とは
関係ないかもしれませんが、税務
当局などにおきましては、この排水機
関係の費用というものは特に用水
関係の費用ではないという
意味において、農業
関係の必要
経費ということにも、所得税額の計算上見ないというような取扱いまでして参
つている。そういう点において、あらゆる角度から考えて、きわめて不合理にな
つているし、特殊な
負担がますます殖えつつある。こういうところでありますので、この点につきまして
当局の見解を承りたいと思います。
それから第三には、今申す
通り赤麻沼の底がどんどん上昇しているということは、もう爭えない事実でありますが、特に現在では水路がほとんどなくな
つてしま
つているというような
状況にありますので、ただいま申しましたこの堰堤外の排水という点から考えましても、どうしてもこれは早急に、まずとりあえずの策として水路をしつかりしたものをつけるということがどうしても必要であろうと思います。ところが、このための浚渫な
ども一向行われておらないというような
状況であります。聞くところによりますと、浚渫船も逐次できるというような話でありますが、あの
方面に対する浚渫船の配置の予定というようなものはどういうふうにな
つているか、この点を具体的に承りたいと思うのであります。
それからこの赤麻沼遊水池と当然関連して参ります渡良瀬川であります。この渡良瀬沿岸の
堤防の修復あるいは補強ということも一昨年來若干はや
つているようでありますが、なかなか遅々として進んでおらない、特に御
承知の
通り足利市のごときは、一昨年などはひどい、全市ほとんどとい
つてもよいくらいの水浸しにな
つているような
状態でありますが、この
工事が現在どんな予定で行われているのか、この点を承りたいと思うのであります。特に御
承知の
通りあの渡良瀬の
関係におきましては、足利市の東端にあります岩井山、あの山を取除いてもらいたいというような希望が足利
地方としては非常に熾烈なのであります。しかしまたこの点につきましては下流の者から申しますと、あれを取除くことになりますと、水がそれだけ早く下に來るということによ
つてむしろ赤麻遊水池をめぐる町村等においては
被害がさらに大きくなるのではないかというようなことも案じているようであります。そこで、この岩井山の処置について技術的に
当局はどんなふうに考えておられるのか、この点を第四点として承りたいのであります。
最後に、一般的な問題でありますが、安本の建設局から承るところによりますと、今回の
災害関係の
予算におきまして、道路
関係の費用というものは各
府縣には一向
補助が参らぬように承れるのであります。若干直轄
工事だけであるというようにな
つておりますが、累年の
災害によ
つて道路
関係の破損も非常にひどい、國道といわれるような道路であ
つても、御
承知の
通りきわめて凹凸がはげしくて、自動車さえなかなか容易には通れないとい
つたような所が非常に多いのであります。聞くところによりますと、最近
関係方面からも道路の修復ということが強く要望されているようでありますが、この道路の修復ということにつきまして
災害関係の各縣に対する
予算がないというのはどういうわけであるか。また一般的に申しまして道路の
復旧についてどういう御予定でおられるか、その点をあわせて承りたいと思います。