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宮崎政府委員 ただいまの
榊原さんの御意見でございますが、御承知で言
つておられるのだと思いますが、今のお話の前提でありまする
労働者の
賃金が
上つたから
保險料を上げるというのでございませんでして、先ほど申しました
ように、
労働者の
賃金が上りましたならばそれに率をかけてとりますから、もちろん実際上において上るかもしれませんけれ
ども、それは現状でもその
通りでありますが、ただ上の方において押えられている
平均標準報酬というものを、上の方を上げて行く。そうして
賃金の
実情に合せて行くということなのでございまして、その点は御承知だと思いますが一應申し上げたいのでございます。それからもう
一つ、この
國民健康保險の問題につきましては、厚生
委員会の皆樣方は非常な御熱心な御意見があり、そうしてまた非常な力強い御決議がありまして、今日にまで至
つておるのでございますが、ただいまのお話の
ように、わずかの追加予算しか出ておらない現状にあることを私
どもはきわめて残念に存じておるのでございます。ただこの
法案につきましては、私は今の
榊原委員の仰せになりましたことは
ちよつと違うのではないかということを感ずるのでございます。と申しますのは、この
標準報酬の上の方のわくをはずされるとはずさないとにかかわらず、今日の一点
單價十円の医療
報酬というものが正しいかどうかということは、檢討しなければならぬことであります。すなわち
社会保險の
報酬の算定協議会がございまして、その算定協議会におきまして、この一点
單價について檢討すべきときが近く來るのではないか、こういう
ように私は思
つておるのでございます。これは
榊原委員御承知の
ように、七月に算定協議会を開いたのでございますが、そのときにおきまして、七月の現情において一点
單價十円、そうして明年の三月までこれのすえ置きということにな
つているのであります。ただし物價等に変動のあつた場合においては考慮を拂う、こういうことで一点
單價十円というものがきま
つておるわけでございますが、その一点
單價十円をどうするかという点につきましては、現在の物價情勢を見て算定協議会においてきめられるべき問題でありまして、この
法案が通過してもしなくても、その問題につきましては研究をしなければならぬ問題であると、私
どもは存じておるのでございます。そこでもしこの
法案が
通りまして、
赤字である
健康保險組合の財政がゆたかになり、あるいは現在かつかつにや
つております
政府管掌の
保險経済がややゆたかに
なつた、そういう場合において、医療
報酬の
單價値上げというものに應じ得る可能性が多くなるということにつきましては、これは
榊原委員の仰せの
通りであると思うのであります。そういう場合において、もし
國民健康保險及び
健康保險の医療
報酬の
單價を上げました場合において、
國民健康保險に及ぼす影響というものは非常に重大であるということは、私
どもも心配しております。もし今日の一点
單價十円の医療
報酬を上げましたならば、
國民健康保險がこの七月から法
改正によりまして復興の道をたど
つている現情を阻害するであろうということにつきましては、私
どももきわめて心配をいたしております。しかし医療
報酬の
單價の決定ということにつきましては、これは算定協議会で御決定になることでございますが、私
どもといたしましては、なるべく
國民健康保險が再建途上にあるその道をはばまれない
ように、また各種の
保險が破滅に陷らない
ように、
医療費の
單價をきめていただきたいものである、またきめなければならぬのではないか、こういうふうに思
つておりますので、その点彼此いろいろ考慮いたしまして御決定を願いたい、私はそう思
つております。ただいま
榊原委員のおつしやいました
ように、
單價を上げて、それで
國民健康保險がうまく行くかどうかということにつきましては、きわめて危惧の念を持
つておるのでございまして、その点何とかうまく行く
ように考慮したい、こういうふうに存じております。