○田中(松)
委員 ただいま
榊原委員の言われた
通り、私どもま
つたく同感でございます。先ほど
久下次長のお言葉の中に、この前はああいう私見を述べたけれども、その後御報告するようなことはないというようなことを言われましたが、それはないのがあたりまえでございまして、この問題はずいぶん古い歴史を持
つているようでございますが、その都度
國会で取上げられるときに、
政府当局は
答弁をされるだけで、また今度その次にこうした機会に
質問がなされるまでそのまま寢かして置く。その都度その都度当座のがれの御
答弁をなさるというような次第でございますから、いつまでた
つてもこの問題の解決の糸口も実績も出て來ようはずはございません。ただいまも
榊原さんが指摘されましたように、この
日本医師会が
調査機関を設けているなどということにつきまして、しかもそれに医務次長も同感されて、その
調査機関の一員となられたというようなことも言われたようでございますが、これなどはざつくばらんに申し上げると、言語道断といわなければならない。というのは、それは医師会は医師会独自の立場でどんなことをや
つてもかまいませんけれども、
政府機関の一員であられる次長がそういうところに
関係されるというと、これは大きな誤解を持たれる。アメリカの例を引かれましたけれども、アメリカの医師会がそのまま
日本の医師会にあてはまるかどうかということは、ただいま
榊原委員も言われた
通りでございまして、これは表向きはそういうことは言われぬでございましようけれども、露骨なことを申しますと、たとえばあんま、はり、きゆうに対するお医者さん、療術
機関に対する医師会というような、これはもう醜いとまで
考えられるようななわ張り根性があるということは、これはりくつなしに、
当局が何と説明しようと世間ではそのように常識化してしま
つている。そのときに
療術行為を許すか許さぬかということを、対立的な、まつこうから反対の立場に立
つている医師会がこれを
調査するなどということは、これはもう実に言語道断なことでございます。医師会そのものがそういうことをやるということはか
つてでございますが、
政府機関としてそれを是認するようなことがあ
つてはならぬ。そこで
政府において早急に、これはこの前の
國会において
榊原委員も言われておりましたが、また
調査機関を至急につくるように、それに対して私も他の同僚議員も賛意を表しておりましたが、もし
政府の方でそういうことをいつまでも逡巡されるなら、私どもは議員の立場からそういう
調査機関を設けるように手を打ちたいと
考えております。私どもの構想は、医師会の人も参画していただき、療術
関係の人も入れる、第三者も入れる、そうしてそういう
機関のもとにこれをどうするかということを
考えるべきでありまして、ただ学問上、科学上、そういう説明ができるから、できないからというようなことでなしに、ざつくばらんに申しまして、淋病にかか
つた人がペニシリンその他でそれをなおそうとすると何万円もかかる。ところが
療術行為にかかるとその何十分の一で、しかも期間も早くなおる。こういう実例、もちろん私はそれをそのままうのみにするわけでございませんが、事実そういう安い金でなお
つておる人がたくさんある。それを今までは、ただ業者が宣傳廣告のために言うておるというように一方では反駁しておられたが、それがただ單なる療術者のインチキによるものであるか。科学的な根拠は突きとめ得なくても、事実上そういう安い金で難病がなおるかどうかということは、そういう
調査機関が
関係して、白日のもとにその実績を
調査する。そういうようなことで手をつけて
行つてこの問題を扱えば、おのずから
結論は出て來ます。場合によ
つては、これは絶対にだめだという
結論が出て來たならば、もう八年の余裕がある間に、これはどうしても許されぬのだから、八年後に一ぺんに失業者が出るよりも、今のうちにあなた方は別の方向へ轉向されるがいいというようなことを警告せねばならぬし、いいものであ
つたならば、それは許すようにしなければならぬ。今日
療術行為何百というものを、即座にそのまま許せというのではございません。もちろんその中にはいけないのもございましようし、またいいのもございましようし、それをよりわけて
結論を出すために
——今までのように
國会で
質問があると、その場のがれの御
答弁をされるということではどうにもなりません。
榊原委員のお言葉で十分盡しておられたのでございまするけれども、ほとんど
委員の全員がこういう意見を持
つておるということを申し上げて、ひ
とつ早急に善処方をお願いしたいと思います。