運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1948-12-04 第4回国会 衆議院 厚生委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月四日(土曜日) 午前十時四十八分
開議
出席委員
委員長
佐々木盛雄
君
理事
村上
清治
君
理事
田中
松月君
理事
山崎
岩男君
理事
野本
品吉
君 内海 安吉君
角田藤三郎
君 師岡
榮一
君
山崎
道子
君 金光 義邦君 成島 憲子君 平工 喜市君
榊原
亨君 齋藤 晃君
出席國務大臣
厚 生 大 臣 林
讓治
君
出席政府委員
厚生事務官
慶松
一郎君
委員外
の
出席者
議 員
太田
典禮君
厚生事務官
濱野規矩雄
君 專 門 員 川井
章知
君 十一月二十八日
委員山下榮二
君
辞任
につき、その
補欠
として師
岡榮一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 十二月二日
松本瀧藏
君
辞任
につき、その
補欠
として
野本品
吉君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月四日
理事大石武一
君及び
野本品吉
君の
補欠
として村
上清治
君及び
野本品吉
君が
理事
に当選した。 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
理事
の
補欠選任
國政調査承認要求
に関する件
委員派遣承認申請
に関する件
予防接種
問題に関する
説明聽取
—————————————
佐々木盛雄
1
○
佐々木委員長
これより
会議
を開きます。 まず
理事補欠選任
の件を
議題
といたします。お諮りいたします。去る十一月二十六日に
理事大石武一
君、同じく二十七日に
理事野本品吉
君が
委員
を
辞任
されたので、その
補欠選挙
を行いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。
佐々木盛雄
2
○
佐々木委員長
異議
なしと認めまして、
理事
二名の
補欠選挙
を行います。
山崎道子
3
○
山崎
(道)
委員
理事
の
補欠選挙
に関しましては、
選挙
の手続を省略して、
委員長
において
指名
あらんことを望みます。
佐々木盛雄
4
○
佐々木委員長
ただいまの
山崎
君の動議に御
異議
ありませんか。
佐々木盛雄
5
○
佐々木委員長
それでは
村上清治
君及び去る二日
委員
に再
指名
いたされました
野本品吉
君を
理事
に
指名
いたします。 —————————————
佐々木盛雄
6
○
佐々木委員長
次に本
委員会
の運営を円滑ならしめるために、
衆議院規則
第九十四條により、
國政調査承認
を
要求
いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。
佐々木盛雄
7
○
佐々木委員長
御
異議
がなければさよう決定いたします。
要求書
を朗読いたします。
國政調査承認要求書
一、
調査
する
事項
厚生行政
に関する
事項
二、
調査
の目的
公衆衞生
、
社会保障
、
婦人兒童保護等
に関する諸
調査
並びに
対策樹立
三、
調査
の
方法
関係
各
方面
より
説明
並びに
意見聽取
、
資料
の
要求等
四、
調査期間
本会期中 右により
國政
に関する
調査
をしたいから
衆議院規則
第九十四條により
承認
を求める。 以上が
國政調査承認要求書
であります。 —————————————
佐々木盛雄
8
○
佐々木委員長
次に
日程掲載
の
予防接種
に関する件を
議題
といたします。まず
委員長
から
政府側
に一言申し述べておきたいのでありますが、今回
京都
市におきまして
発生
いたしました
ジフテリア注射
の
副作用事件
は、その及ぼすところがきわめて
廣汎
かつ深刻でありまして、ようやくその緒につきました
予防接種法
の
実施
の前途に大きな暗影を與えるものでありまして、
國家
の衞生
行政
のためにもまことに憂慮にたえない次第であります。もとより本
注射実施
に関する
製剤檢定等
が
厚生省
の
責任
に基いてなされております以上、その
責任
の帰趨はおのずから明らかなところでありまして、
当局
はこれによる犠性者及びその
家族
に対する弔意、
慰藉
はもとより、
患者
の
治療
につきまして万全の
措置
を講ずるとともに、生活上の援護を要する者に対する
処置
につきましても、また当然適切な
方法
を講ずべきであります。この
意味
におきまして先般当
委員会
におきましても、あるいはまた本
会議
におきましても、
政府側
の意向を求めたわけでありまするが、その後
政府
はこれに対しましてどういう
措置
をとられたか、あるいはまたその当時大いに
研究
して、これから
研究
の結果に基いて諸君にお諮りをしたいというような
お話
もあ
つた
ようでありまするが、それらの点につきまして
政府
はどういうふうにお
考え
にな
つて
おるかというような点につきまして、まず
政府側
の
意見
を最初に求め、それから逐次各
議員
の
質疑
にはいりたいと
考え
ます。
林讓治
9
○
林國務大臣
先般
京都
府において施行されました
ジフテリア予防注射
の結果、多数の
事故者
の
発生
を見ましたることは、まことに遺憾にたえないところであります。当時の
状況
及び
本件発生
の
原因
につきましては、前回の
委員会
において
事務当局
より詳しく御
説明
申し上げたと存じますが、その
原因
は
大阪日赤
の
医藥学研究所
が
本件予防液
をつくります際、五
リツトル入り
の
容器
四個で
製造
し、一個につき三百五十本ずつの二〇cc
入り製品
をつくり、しかもこれを同一の
製造過程
により
製造
されたかのごとく、一まとめにして八号という
製造番号
を付した点にあるのであります。
大阪
府の
監視員
は、一千本全部が一
製造番号
にな
つて
おりますから、当然一
製造過程
からできたものとして、そのうちから
規定
の
試驗品
をとり、これを
予防衞
生
研究所
に送付し、同所で
檢定
の結果合格と判定されました。この四個の
容器
のうち、いずれか一個は有害であ
つた
と結果からみて推定されるのでありますが、この有害な
容器
からでき上
つた
ものがたまたま採取されず、
從つて檢定
を受けなか
つた
結果とな
つたの
であります。この場合
業者
は四個の
容器
で
製造
したのでありますから、それぞれに異な
つた製造番号
を付して
檢定
を申請するか、あるいは
最後
の
製造過程
において、四個のものを一個にまとめて
均質化
をはかるべきであ
つたの
であります。この点に今回の
事件
の
原因
があると存じます。そもそもこのような
生物学的製剤
につきましては、旧藥事法第二十二條第三項に基く
生物学的製剤製造檢定規則
によ
つて製造
の基準が定められ、
予防衞
生
研究所
で
製品
の
國家檢定
を行
つて
おりますが、さらにまた都道府縣の吏員が
監視員
とな
つて
巡視もし、
製造業者
は
主任技術者
として、
厚生省
が認めた資格のある
医師
その他
細菌学的知識
を有する者を置かなければならないこととされております。さらにまた
厚生省
では万一にもかような
事故
を起さないように、これらの
監視員
、
主任技術者
の教育には万全の努力をいたしており、たとえば問題の
製剤
が
製造
された
昭和
二十二年には、
監視員
に対しては三回、
主任技術者
に対しては二回の
講習会
を行
つて
おる次第であります。なお一
製造過程
ででき上りましたものについては、
一つ
の
製造番号
を付し、その中から
檢査
員が八本の
試驗品
を拔き取ることにな
つて
おりますが、この
拔取
り
檢査
による
檢査方法
は、科学的に正しい
方法
と認められております。
從つて
今回の
事件
につきましては、
製造業者
たる
日赤医藥学研究所
が
檢定規則
の趣旨に違反いたしていることは明白でありますので、これに対しましては去る十一月二十七日付をも
つて
、
業務停止
の
行政処分
をいたしました。なおその他刑事上、民事上の
責任
につきましては、それぞれ檢討されなければならぬと存じます。なお
大阪
府の
監視員
が
拔取
り検査に行
つた
とき、右の
事情
がはたしてわからなか
つた
かどうか、
監視員
としての
專門的注意義務
を十分果したにもかかわらず発見されなか
つた
かどうかは、現在のところではよくわかりませんが、事実の認定は
專門的
な、かつきわめて微妙な問題になりますので、
最後
の決定を得るためにはなお
調査
を要するものと認められます。
被害者
に対しましては、まことにお氣の毒にたえないところでありまして、これらの法規上の
責任
は別といたしましても、できるだけの弔慰の
方法
をとりたいと存じますので、
目下大藏省
と協議している次第であります。なおこの点につきましては、
予防接種法
が今年できましてから初めてのことでありまするし、なお
考え
てみますのに、昨年度は一昨年に比較いたしまして
予防患者
が約四分の一に減
つて
おるというような実情にあ
つて
、今後におきましても
予防接種
というものがぜひとも必要であるけれ
ども
、このたびのような結果を見るに至りましたことはまことに残念でありまするが、なおこれらに対しまするところの救済の
方法
につきましては、今日一定の
規定
というものができておりません。そこでわれわれは道徳的の点からも、その他あらゆる点から
考え
まして、できるだけ今日の
被害
をこうむ
つた
方々
に対しては、
相当
のことをいたさなければならぬものと
考え
まして、今朝あたりも次官を中心といたしましてこれが
研究
をいたしますとともに、今後の結論を出したい。こういうつもりで
調査
をし、またどれだけ
慰藉
の
方法
を講じたらいいか。まだ
具体案
を見出すことはできませんけれ
ども
、鋭意
大藏省
とも折衝いたしまして、できるだけ満足し得られるような方向に持
つて
行きたい。こう
考え
ておるわけであります。さよう御了承置きを願いたいと思います。
佐々木盛雄
10
○
佐々木委員長
なお
委員長
から総括的に
ちよ
つとお聞きしておきたいのでありまするが、今日までの
患者
が八百数十名、そのうち入院した者が百数十名、不幸死亡いたしました者が八人というような
報告
でありましたが、その後さらに承りますと、十二月一日におきましては、後
麻痺患者
が約二十名
発生
したことを
報告
して参
つて
おりまするが、この調子で行きますると、さらに百名
程度
の同様の後
麻痺患者
が現われはせんかという
報告
を受けておるのでありまするが、その後の
患者
の模様並びにこれに対する
対策
な
ども
重ねて承
つて
おきたいのであります。
濱野規矩雄
11
○
濱野説明員
ただいままでわか
つて
おりますものは今
委員長
から
お話
の
通り
でそれに死者が一名ふえて九名であります。
患者数
は大体私が参りましたときに七百五十二名であります。その八百何十名の
患者
の中には、先ほど
大臣
が
お話
になりましたように、
製作ナンバー
八番でない九番のものの
患者
もおります。私
ども
の方では十万何がしの
予定人員
に対して、九万五千名
注射
いたしました。そのうちただいま申しました七百五十余名の者が
檢定ナンバー
一一三号から起きた
患者
であります。残りの五十名内外は九万五千名の中から反應があ
つた
ものであります。これは
注射
の技術問題から見ますれば、
京都
市におきましては非常に正しき
注射
をし、よく消毒をし、
予防接種そのもの
も非常に
はつ
きりしたものを示しておるのでありますが、ただいま
大臣
から御
説明
がありました
檢定番号
一一三号において
毒素
が
混つて
お
つた
ことをわれわれは非常に残念に思います。七百五十余名のうち、病院に入りましたのは二百数十名でありまして、先般も私が参りまして
患者
さんにお会いもし、見舞もいたして参りましたが、
毒素
が行きました
関係
上、後
麻痺患者
が若干出て参りました。これはたいがい第一回で
注射
をし、また第二回の
注射
をした方に起きましたので、後
麻痺
が少し遅れて出たようにも存じますが、もう少し出るのではないかと思
つて
おります。
治療
に対しましては特に
注意
をいたします。なお
子供
でありますので、
肺炎
その他
余病併発
も非常に心配されます。要するに七名だけが直接死にまして、あとの二名がただいまの
報告
では
肺炎
様の症状であります。小さい
子供
でありますので、からだにそういう
損害
をこうむ
つて
、
肺炎
その他の
余病
が出ることを非常に憂えておりますが、それに対しては極力現地においてそういうことの起りませんように、
医師各位
にお願いしておる次第であります。さよう御了承願います。
佐々木盛雄
12
○
佐々木委員長
本件
に関しまして
質疑
に入りたいと思います。
榊原亨
13
○
榊原
(亨)
委員
まずお承りしたいことは、この前本
会議
におきまして
太田典禮君
がこの問題をいち早く取上げまして、この問題に対していかなる
補償
をするかということを
厚生大臣
にお伺いされたのでございまするが、そのとき
厚生大臣
の御
答弁
は、
國家補償
の問題については
関係当局
からの強い
示唆
もあるから、ますますこれをや
つて
行くということでございましたが、
予防注射
による間違いが起りました場合に
國家補償
をするということにつきまして、
関係当局
からさような
示唆
がございましたかどうか、承りたいと思います。
林讓治
14
○
林國務大臣
それはまだないそうであります。
榊原亨
15
○
榊原
(亨)
委員
速記にも明らかなるごとく、
厚生大臣
は
はつきり太田
君の
質問
に対して御
答弁
なさ
つて
いるが、それはいかなることによ
つて
御
答弁
なさいましたか承りたい。
林讓治
16
○
林國務大臣
そういう
政府
の
責任
のある
損害
のありました場合は、当然
責任
を負
つて
いるものは
補償
すべきものと
考え
ておりますが、今のところにおきましては、
予防接種法
ができましても、そういう事柄については別途にまだ
規定
ができておりません。それで私
ども
はそれにかわるべきところの、
被害者
に対してはできるだけ
損害
をかけないような
慰藉
をいたしたい、こういう
意味
に基いて申し上げたわけであります。
榊原亨
17
○
榊原
(亨)
委員
厚生大臣
はその場合に、
はつ
きりとこれは
連合軍
の方からも強い
示唆
があるということを御発言にな
つて
おられるのでございますが、私はおそらく
厚生大臣
はこの方の御
專門
でないからごむりなことであると思う。たいへん失礼な話でございますが、おそらく
國家補償
という言葉を
社会保險
その他の
國家保償
とお間違いにな
つて
、メモに書いたものをお読みに
なつ
た。
山崎道子
さんの
質問
に対する
答弁
と
間違つて厚生大臣
が御
答弁
にな
つたの
ではないかといううわささえ起
つて
おるのでございまして、私はこれ以上
しろうと
の
厚生大臣
を責めることはいたしませんが、非常に明らかであります。この前の本
会議
における
太田典禮君
の
眞劍
なる御
質問
に対して御
答弁
が十分できておらない、
從つて
ここであらためて
太田
君も御
出席
でございますから、その点について
はつ
きりしたお答えをお願いしたいことが第一であります。それから先ほどから
政府当局
の御
答弁
を聞いておりますると、
責任
の所在はどこか知らぬけれ
ども
、
被害
を受けた者については
慰藉
をするということを再三おつしや
つて
おられたようでございまするが、
太田
君のこの前申しましたことも、私の申し上げることも、今回の
不祥事件
について
もさよう
でございまするが、
予防注射法
によ
つて病氣
を予防するために
注射
をするということに対して、今後いろいろな
障害
が起
つて來
ると思うのであります。このことに対して
國家
がどういう
責任
を負うかという
原則
をまずきめていただいて、その
原則
がきま
つた
ら、それによ
つて
今回のごとき
不祥事
に対して
処置
をする、こういうことでございませんければ、臭いものにふたをするごとく、今回そういう
不祥事件
が起
つた
ことに対しても、口をふさいで何をかやろうというふうな、拔本的なことでなしに、今現在起
つて
おることだけに目がくれておられるように私は先ほどの御
答弁
を承
つて
おるのでございます。これは
林厚生大臣
は御存じないかも知れませんか、
予防注射
をしなか
つた
なら三千円の
罰金
を食うのであります。
國民
は
罰金
を食うから、仕方がなくしなければならぬ。そしてや
つた
場合に
被害
を受けた者に対して
國家
が何の
補償
もせぬ、これは実に重大な問題と思うのであります。たとえばBCGの
注射
をいたしましても、かゆいものができてなかなかなおらぬというようないろいろなことが起るのでありますが、この問題を解決しませんと、
病氣
を予防するために
國家
が強制的に
注射
をするということに大きな
障害
が起るのでありまして、まずその点の
政府
のお
考え
を
はつ
きりと承りたい。これが前の本
会議
における
太田
君の
緊急質問
の
要旨
であります。
林讓治
18
○
林國務大臣
ごもつともな御
質問
でありまして、先ほど申し上げました
通り
、
予防接種法
ができましてから、それに対する解決の問題がついておりませんから、今後その問題につきましては、こういう場合の起きたときにおいては
國家
がどういうように
補償
するということを
研究
して、その問題を解決するように努力いたしたいと
考え
ます。
榊原亨
19
○
榊原
(亨)
委員
ただいま
厚生大臣
から非常な誠意ある御
答弁
を承
つたの
でありますけれ
ども
、この問題は本
会議
で
質問
されましてからすでに
相当
の
期間
を経ておるのであります。
厚生大臣
は、これは初めて
質問
の
要旨
がおわかりにな
つたの
ですから、その
答弁
で
けつ
こうでありますが、
事務当局
におきましては、
相当
具体案
をお
考え
にな
つて
いらつしやると思うのでありますが、その点について承りたい。
濱野規矩雄
20
○
濱野説明員
予防接種法
が施行されまして、ま
つた
くわれわれ予期しなか
つた
事件
が起きまして、先般
委員会並び
に本
会議
において御
質問
ありました。私
たち
このよ
つて來
る
原因
を、つぶさに先般御
報告
申し上げたように考究しております。同時に私
たち
が法律をつくる場合におきましてはこういう
事件
が起ることは
考え
ておりませんことが起きまして、また
將來
におきましても、
太田議員
から
お話
のように、
注射
その他におけることも
考え
られますので、ただいま
予防接種
に伴いますそういう
障害
にあ
つた
ものに対する
國家
の
補償
という問題について、法律化しなければならぬと
考え
てまして、
資料
その他をとりそろえまして考究しておる次第であります。
榊原亨
21
○
榊原
(亨)
委員
もう
一つ
この際私は
はつ
きり申し上げておかなければならぬことは、今回の
不祥事
の
犠牲者
があまりに大きいことに目がくれて、過分と申しますか、適当以上の厖大な
補償
をされるというようなことがございますと、それが先例とな
つて
、今後
予防注射
につきまして起
つて
くる災害についても
相当
のことにな
つて
くる。
國家
の
負担
ということと、また
責任者
の
負担
ということを
はつ
きりしておきませんと、いろいろな
不祥事
が起ると存じますので、この際はむしろ当面の問題は当面の問題として緊急の
処置
をなさると同時に、
予防注射そのもの
について
不祥事
が起
つた
ときには、
國家
はどの
程度
の
補償
をする、並びにその
責任
はどこまで及ぼすというようなことまでも大至急にこれを御制定くださいまして、そして
委員会
なら
委員会
にお諮りくださることをお願いいたしたいと思います。今度だけで済むというようなことで、大いに
國庫
の
補助金
でも出してやるというようなことをやりますと、
將來
に非常な禍根が残ることになる。
反対
のようなことを申し上げて失礼でありますが、その根本問題をまずおきめくださ
つて
、それに準じておやりくださることをお願いいたしたいと思うのであります。 もう
一つ
、これはこまかいことでありますが、今回
不祥事
を起しましたところの
監視
に立会いました
監視員
の
履歴
は、どんな
履歴
でございますか。
濱野規矩雄
22
○
濱野説明員
監視員
は、
地区駐在防疫官
として
防疫
の
事務
をや
つて來
ている男であります。
ちよ
つと
出身学校
は私忘れましたが、
細菌方面
の
研究
を
相当
した男であります。この間私も会いましたが、非常に詳しく知
つて
おりました。その上にまたもう一人
防疫官
がついており、その上にまた
課長
がいるのでございます。その行きました山口という
監視員
は
相当
の力のある者だと私は
考え
ております。
榊原亨
23
○
榊原
(亨)
委員
それでは今回かくのごとき不良なる
藥品
をつくりました
研究所
の
設備
は、現在の
製藥常識
から申して
設備
が完全であ
つて
、これらの危險を起さないような十分な
設備
があるということをお認めでございますか。
慶松一郎
24
○
慶松政府委員
これを許可いたします際には、当然その点について
地方廳
の
監視員等
が実地に
檢査
をして、しかるのちに
復申書
をつけて私
ども
の方に参るわけであります。なおこの
製造所
につきましては、
厚生省
の
係官等
も出向きまして、かつ
関係当局側
の人々とともに行かれまして、そして
惡いところ等
を直させまして、いわゆる
細菌製剤
をつくります場合には、
最小限度
の
要求
がございまして、その
要求
には
合つて
お
つた
次第であります。
榊原亨
25
○
榊原
(亨)
委員
この
製剤所
は今までに
檢定
に合格した
藥品
を出しておりますか。
慶松一郎
26
○
慶松政府委員
もちろん出しておりまして、同じくこの
ジフテリア予防液
も出しております。今回
不祥事
を起しました
藥品
は、本年の九月に
檢定
に合格いたしたものでございますが、すでに本年の一月に
檢定
に合格した同様の品物を出しておりまして、それは何らあやまちを起しておりません。
榊原亨
27
○
榊原
(亨)
委員
もう
一つ
承りたいことは、この
不祥事
を出しました
藥品
の
製造
当時におきましては、この
研究所
の
責任者
は
病氣
で欠席してお
つた
というようなことはございませんか。
慶松一郎
28
○
慶松政府委員
この
研究所
の
責任者
であります
秋山博士
は、当時
病氣
で休んでお
つた
と私は記憶しております。
榊原亨
29
○
榊原
(亨)
委員
これらのことは、いずれ
調査委員
その他によ
つて
なお明確になることだと思いますが、もう
一つ別
のことを承りたいのであります。この前から私はこの問題に対する
政府
の
責任
の
限界
ということについて御
質問
申し上げたところが、それに対して
厚生政務次官
は
十分責任
を負う覚悟である、なお
調査
して云々ということを、この前の
委員会
において御
答弁
なさ
つて
おるのでありますが、この点に関しまして、具体的な
政府
の
責任
の
限界
というものについてのお
考え
がございますか。まだきま
つて
おりませんならば、きま
つて
おりませんで
けつ
こうでございます。今後どうするという
厚生大臣
のお
考え
を承りたいと思うのであります。
林讓治
30
○
林國務大臣
目下人事課長
の方でその
状況
を取調べておりまして、
責任者そのもの
に対して、この際は画期的な問題でありますから、
責任
をとるべきところのものは十二分に
責任
をとらしめるというような
方法
を講じたいと
考え
ております。
榊原亨
31
○
榊原
(亨)
委員
この際特に
厚生大臣
は、こういう
厚生
の問題についてはまず御
経驗
が少いかと思いますから、私から申し上げるのはたいへん失礼でございますが、申し上げます。むしろ死亡いたしましたものは、もう命がなくな
つて
しま
つた
というようなことから、
十分氣
の毒ではありますが、まだよいのであります。
麻痺
を起したということになりますると、ほとんど一生どうにもこうにもならないという
状態
になるのでございまして、これは
関係
の
專門家
からもお聞きになればわかるのでございますが、ただ普通
麻痺
したとかいうような
状態
ではないのである。
從つて
この
被害
というものは実に大きなものでございまして、私の承るところから申しましても、
京都
の衞生部長の方へ夜夜中に親の方から電話をかけまして、いろいろ不平を言
つて
おるという
状態
でありますので、この場合
政府
がこの監督上の
責任
をお負いになる場合に、ただ單に名目的な
責任
をも
つて
、そうしてこの場合糊塗されることにおきましては、これらの
被害
を受けた者、
家族
の
方々
あるいはその
被害
を受けた方の周囲の
方々
というものの非常に大きな不満、あるいは
予防接種
についても今後非常な
障害
が起るということをよく御勘考くださいまして、
納得
が行くような正しい、公明な
責任
の
限界
を
はつ
きりさせて処分されることを希望する次第であります。
田中松月
32
○
田中
(松)
委員
ただいま
榊原委員
から詳細に
質問
がありましたから、あらためてお伺いすることもございませんが、率直に申しますると、私も卒先して
予防接種法
はぜひやるべきであるというて、いろいろ
反対
の声もございましたけれ
ども
、
自分
のことのようにして、
反対
の声を押えて
予防接種法
に賛成したものでございますが、今度の問題が起りまして、私は内心みずから
自分
を責めておるのでございます。といいますのは、私にも小さな
子供
がおりますが、この前
自分たち
が進んでつく
つた
あの
予防接種法
が適用される場合に、少々の
罰金
ぐらいはかまわぬから、もうやらせまいという
氣持
が率直なところ起
つて
おります。それに対しましては、むろん私
ども
は
しろうと
でございまするから、
專門
の
方々
から見られるというと、た
つた
一回、何万べんのうちの一ぺんの特別の
事情
である。それですべてを律するのは、それは
しろうと
のあさはかな
考え
だ、こういうようにお
考え
になるかもしれませんけれ
ども
、全
國民
の中で、そういうふうに堀り下げたところまで
考え
るのは
專門家
だけでありまして、もう九分九厘までの人は私と同じような
考え
を持
つて
おるに違いない。それで今
榊原委員
から詳細にわた
つて
質問
があり、
当局
も
誠心誠意
それに対應する策を御発表になりましたから、ここにおる私
ども
は、それである
程度
納得
ができましたが、しかし
世間一般
にはこのことはわかりません。結局私が今率直に申し上げましたように、少々の
罰金
はかまわぬから、
予防接種
はもうやめたという
氣持
をまだ持
つて
おるに違いはない。そこでこれからどうする、こうするというようなことをおつしやいましても、なかなか一日や二日、三日でできることではございませんが、
予防接種
の必要は、今日をまたず、明日をまたずやらなければならないかもしれません。ただいま
榊原委員
に述べられた誠意ある
当局
の御方針を何かの形で天下に表明して、私と同じような
考え
方をも
つて
予防接種
を恐れておる人
たち
の誤解を解き、安心するような
方法
を講じてもらいたい。それでないと、やらなければ
罰金
だ、やるとひどい目にあうやらわからぬ。そういうことでは、せつかくの
予防接種法
をつく
つた
ことで、私
ども
は大罪を犯したような
氣持
がするのでございます。
方法
はどういう
方法
か知りませんが、一人でも多くの人にただいま述べられた趣旨が徹底するように、そうして安心して
國民
全体が
予防接種
を受ける
氣持
になるように、適当な
方法
をぜひ
責任
をも
つて
ひとつや
つて
いただきたい。これは打明け話でございますが、実は
予防接種法
をつくること
はつ
く
つた
けれ
ども
、当分の間はあれは暫定
処置
で、延期するような法案でも
議員
側から出さねばならないじやないか、そういう
意見
が率直のなところお互いのうちにはあ
つた
くらいでございますから、その重要性を十分御認識いただいて、今後
十分責任
をも
つて
おられることは、ただいまわかりましたけれ
ども
、それをあまねく天下に表明するような
方法
を講じていただきたいということをお願いしておきます。
林讓治
33
○
林國務大臣
御希望の
お話
ごもつともだと
考え
ます。なおその
方法
などにつきましては、今後再びこういうことのないように
檢査
などを十分いたしますとともに、ただいまおつしやいましたような御希望は、私
ども
におきましてもそういう感じがいたすのでありますから、そういうような趣旨を十分徹底させるように今後とりはからいたいと
考え
ております。
野本品吉
34
○
野本
委員
われわれが非常な期待をかけて成立させました
予防接種法
が、その
実施
の初頭におきまして、このような
不祥事
を起しましたことは、御同樣まことに遺憾にたえないところであります。しかしできてしま
つた
ことはやむを得ないのでありますが、私
ども
の心配しまするのは、
予防接種法
の施行された劈頭においてこの
不祥事
が起
つた
ということから、今後の
予防接種法
の円満完全なる遂行の上に
障害
を來す。それによ
つて
今度は救わるべき今後の幾人かのものが救われないということになりますと、これはきわめて重大な問題だと思う。
從つて
この問題の解決処理につきましては、
事務
的な形式的な、
通り
一ぺんのことで糊塗することのできるような簡單な問題でなくて、きわめて深刻な問題であると私
ども
は
考え
ております。今まで
政府当局
のいろいろな
説明
によりまして、種々苦心され、また
対策
等につきましても考究されていることはわかるのでありますが、私
ども
といたしますと、この法案を成立させました國会といたしましても、
責任
を感じなければならぬと思いますので、
從つて
國会の立場におきましても、現在における詳細な
事情
を聞いて、一應
調査
する必要があると思います。なお新聞紙その他の報道するところによりますと、單に
京都
市だけの問題でなしに、松江の
方面
にも同種の事態の
発生
しておるということを承
つて
おります。かようなことを
考え
ますときに、私
ども
は一方におきましては、
政府
の最善の考慮に期待すると同時に、國会といたしましても、これに対して
責任
のある
調査
研究
をいたしまして、両々相ま
つて
ここに拔本的な
対策
を立て、そうして
國民
にその眞相を傳えて、今後の
予防接種法
の遂行の上に遺憾のない方策をとるべきであると思います。
委員長
はこの点についてお諮りを願いまして、適当な
方法
をお
考え
願いたいと思います。
佐々木盛雄
35
○
佐々木委員長
ただいま
野本
君の御発言になりました、
京都
市におけるジフテリア
不祥事件
に関する
調査
並びに
研究
の件に関しましては、後ほど
理事
会におきまして
対策
を考究した上決定したいと
考え
まするから、さようにとりはから
つて
いかがでございましようか。
野本品吉
36
○
野本
委員
私といたしましては、
委員長
の
お話
の
通り
に、
理事
会においていろいろ打合せて御決定願
つて
けつ
こうであります。
佐々木盛雄
37
○
佐々木委員長
さようとりはから
つて
よろしゆうございますか。
佐々木盛雄
38
○
佐々木委員長
しからばさようとりはからいます。 なお引続いて、
本件
に関して各
委員
より
政府当局
に他に御
質疑
はありませんか。
齋藤晃
39
○齋藤(晃)
委員
先ほどからいろいろ
榊原委員
から
質問
がございましたが、このたびの
事件
は、
患者
を見ましても無心な兒童に関することでありまして、その
家族
に対しましては、私
ども
はま
つた
く耐えられない同情を持つのであります。これにつきましては、先ほど
質問
がありましたように、もしこれに対する
対策
が完全でございませんければ、今施行の最初に当りまするこの予防法の
將來
に対して、非常な危惧を持つのではないかと
考え
ますので、
政府
はこの際すみやかに根本的な
対策
を講じていただきたい。それにつきまして私
ども
考え
まするのに、要はこの
事件
の
発生
につきましては、製薬会社に対して現在までの
厚生省
がいかなる監督の
方法
を講じておるか。あるいは今後こうした事態の
発生
につきまして、製薬
方面
に対して新たにいかなる監督の
方法
を
考え
ておるか、これを一應お聞きしておきたいと思うのであります。
慶松一郎
40
○
慶松政府委員
当然製薬会社につきましては、從來の薬事法によりますると許可制度でありまして、
相当
な規格の
製造
設備
、あるいは技術を持たなければ許可をしておらないのであります。一方この監督につきましては、先般御設定になりました薬事法に基きまして、薬事
監視員
なるものを
地方廳
並びに
厚生省
において任命いたしまして、これをして監督に当らしておるのでございます。もちろんこの監督は常時行
つて
いるのでありますが、一方周期的にも定期的にも、これの全國一齊の監督もや
つて
おります。また私
ども
が現在
考え
ておりますことは、その監督を嚴重にいたしまして、少しでも正しくないとか、あるいは不潔であるとか、あるいは技術が拙劣であるというようなところにつきましては、適当な
処置
を講じますとともに、今日では
資料
の割当等をや
つて
おります。資材の割当を
政府
でや
つて
おります
関係
上、その資材の割当をとめますとか、あるいは品によりましては
製造
をとめますとか、そういう
処置
を講ずる所存でおります。
齋藤晃
41
○齋藤(晃)
委員
藥事法によりまして
監視員
が任命せられていることは承知いたしておりますが、この
監視員
を任命するに当りまして、
政府
はいかなる
方法
をと
つて
おりますかお聞きしたいと思うのであります。
慶松一郎
42
○
慶松政府委員
監視員
の任命は、地方においては地方長官、
厚生省
においては
厚生大臣
がやることにな
つて
おりますが、地方の
監視員
は、任命されましたならば氏名その他経歴を全部
厚生省
に
報告
することにな
つて
おります。そういう
方法
で任命をいたしております。但し話が具体的になりますが、新藥事法の設定以前におきまする
細菌製剤
監視員
の任命、これは別の
生物学的製剤製造檢定規則
に基いてや
つて
お
つたの
でございますが、それらの任命は
厚生省
に
地方廳
から禀議いたしまして、
厚生省
の承諾のもとに地方長官が任命している、こういうことにな
つて
おります。さよう御承知を願いたいと思います。なお從來のいわゆる
細菌製剤
監視員
も、今般の藥事
監視員
の中に含まれるように
なつ
た次第であります。
佐々木盛雄
43
○
佐々木委員長
他に
質疑
はありませんか——なければ私よりもう一度お聞きしておきたいのでありまするが、今度のジフテリア副作用
患者
に対しまして、
京都
市並びに府
当局
から死亡者に対する葬祭料であるとか、
患者
に対する見舞金であるとか、
患者
並びに付添人の通院の交通費等として、すでに支出いたしました経費は約四百万円に達しておるのであります。さらに今後のこれら
患者
に対する費用の補給といたしましても、当面のところ二百万円くらいがどうしても必要であるということを地元からしきりに当
厚生
委員会
まで申し出して來ているわけでありますが、ただいま
厚生大臣
からきわめて誠意ある御
答弁
を承りまして、今後の
政府
の
措置
に非常な期待を持
つて
いるわけでありまするが、すでにこれらの点につきましても、大藏
当局
とも話合いが進められておるということでありまするが、どの
程度
まで進んでおるか、あるいはそれらの点につきまして、もし
お話
をしていただく段階に達しておりましたならば、地元としては焦盾の問題でございまするので、何かその内容につきまして承ることができまするならば非常に幸いだと思
つて
おります。
林讓治
44
○
林國務大臣
ただいま
委員長
からの
お話
は、私
ども
厚生省
当局
に対しましても、
京都
府、
京都
市からも切々たる御
要求
があります。また私
ども
といたしましても、法の上の問題は別個といたしましても、当然このたびの問題は
將來
のためにも
考え
なければいかぬことであると
考え
まして、大藏
当局
とは
事務
的にも、また政治的にもいろいろ折衝中であります。しかしまだ具体的に物質上のものはどれくらいのものを支出し得られるか、どういう
方法
によ
つて
これが解決をつけようかということの段階にな
つて
おりませんことを、はなはだ残念に思います。もちろん物質上によ
つて
すべてが補い得られるものとは
考え
られませんが、できるだけ大藏
当局
あたりとも折衝いたしまして、またこれが
予防接種法
ができましてからの先例にもなるわけでありますから、先ほど
榊原委員
あたりからの御
注意
も十分考慮いたしまして、万全を期したいと
考え
ます。
佐々木盛雄
45
○
佐々木委員長
この際
委員外
の
太田典禮君
から発言を求められておりますが、これを許すに御
異議
ありませんか。
佐々木盛雄
46
○
佐々木委員長
御
異議
なしと認めまして、発言を許します。
太田典禮君
。
太田典禮
47
○
太田典禮君
京都
市並びに
京都
府の地元からたびたび私の所へ來ておりますが、それによりますと、すでに入院
患者
に対しては
京都
市として五千円、
京都
府として二千円、外來
患者
に対しては
京都
市として二千円、
京都
府として二千円、死亡者の葬祭料として
京都
府が一万円、
京都
市として一万三千円の金を
厚生省
の了解を得て支出しておるというのでございますが、了解を得ないでも当然支拂うおつもりであ
つた
と思うのであります。その他
治療
費については、今
委員長
から御
報告
がありましたが、総額にいたしますと現在すでに二千五百万円は計上しなければならぬだろうという厖大な数字にな
つて
いるのですが、大藏
当局
へも直接いろいろ歎願したそうですが、そして今
厚生省
でも努力してもら
つて
おると思いますが、こんな厖大なものを計上する見込みがつくのでございましようか、それとも
厚生省
として、予備金でやるというように簡單に片づける御方針でしようか、
ちよ
つとお伺いいたしたいと思います。
林讓治
48
○
林國務大臣
ただいまの問題につきましてはどれほど出るということ——たとえば傳染病予防法に基いたところの三分の一づつ持つということも
考え
られますが、それはそれといたしまして、なお別途——このたびの問題は
將來
のためにも
考え
なくてはいけませんので、そういう從來の
規定
で出せるものだけは出させまして、なおあとに残りましたものを地元の
状況
とわれわれの方の今後の問題などを
考え
まして、できるだけ努力をいたして、多額のものを差上げる
方法
をとりたいと
考え
ております。今それを予備金から支出するかどうかということは、
大藏省
と折衝いたしておりますから、その点少しお待ちにな
つて
いただきたいと思います。
太田典禮
49
○
太田典禮君
こういう場合に監督不行届という
政府
の
責任
はもちろんあると思うのでありますが、これを賠償するということになれば、
製造所
の方に何か
負担
させるということがあり得ると思うのであります。どうせ訴訟にでもなればそういうことになると思いますが、そういうことにまでならないとすれば、
政府
としてはその
製造所
に対して何らかの
負担
をさせるという意思はございませんか。
林讓治
50
○
林國務大臣
私からお答えいたします。ただいま
製造業者
は当然賠償の
責任
があるもののように
考え
ますが、その実際から
考え
てみまして、現在の日赤の
研究所
というものは、多くの財源を持
つて
おらぬ実情にあるもののようにわれわれに
報告
が來ております。それで
要求
すべきことは
要求
し得られると
考え
ますけれ
ども
、実際の効果あらしめ得られるかどうかということについては、私
ども
現在この問題につきましては、
製造業者
に対して疑問を抱いておるわけであります。
太田典禮
51
○
太田典禮君
どうせ製藥所というものは、いろいろの問題が起ればこういうことがあり得ると思うのですが、そういう能力のないような自己
設備
については——これは
調査
されなければわかりませんが、私の聞いているところでは、軍の拂下げ建物で、土足で上
つて
いるという。ああいうところでワクチンをつくることさえ問題だということを聞いておるのでありますが、そういうところを許可したことに対しては、
当局
としてよほど大きな
責任
があるのではないかと思うのですが、いかがですか。
慶松一郎
52
○
慶松政府委員
細菌
製造所
につきましては、先ほ
ども
申しましたが、大体いわゆる最低限度の基準というのがございまして、それには少くともこの
研究所
は合致してお
つた
と思います。但し少くともあまり上等なものではないということは、私は言えると思いますが、その点はなはだ微妙なところがあると存じます。
太田典禮
53
○
太田典禮君
次にお伺いいたしたいのは、すでに二十人ほどの後
麻痺
の
患者
が出ております。これは身体
障害
を起し、不具者になるわけでございますが、これに対しては
相当
の
補償
をすべきだと思うのであります。これは強制であるから、当然戰爭による不具者の場合に準じて扱うほどの義務があるのではないかと思うのでありますが、その点についてはどのようにお
考え
になりますか。府市としては五万円ぐらいの
慰藉
料ということを言
つて
いるが、はたしてそれでいいかどうか。それ以外に
政府当局
として何らか保護の
処置
をお
考え
にな
つて
おりますかどうか。
林讓治
54
○
林國務大臣
その点は十分考究いたしまして、できる限り満足の行くような
方法
を講じて行きたいと
考え
ております。
太田典禮
55
○
太田典禮君
ありがとうございました。
佐々木盛雄
56
○
佐々木委員長
この際お諾りいたします。先ほど
野本
委員
から御
要求
の動議もきわめて緊急と
考え
られますので、
本件
に関し
理事
会を開き協議をいたしたいと思いまするから、暫時休憩いたします。 午後十一時四十九分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後零時二分
開議
佐々木盛雄
57
○
佐々木委員長
休憩前に引続き再開いたします。 ただいま
理事
会で協議いたしました
京都
市におけるジフテリア
予防接種
異状
副作用事件
の実地
調査
のため、
委員
派遣の件につきお諮りいたします。派遣
委員
の氏名は
佐々木盛雄
、
山崎道子
、
山崎
岩男、
野本品吉
、
榊原
亨の五名、派遣の
期間
は十二月六日より同十一日までの六日間、派遣地名は
京都
市並びに
大阪
市であります。以上でありまするが、御
異議
ありませんか。
佐々木盛雄
58
○
佐々木委員長
御
異議
なければさように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会