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松村眞一郎君 私はさきに
裁判官の
刑事事件不当処理等に関する
調査に当りまして、かくのごとき
調査を当時の
司法委員会で担当すべきや否やということについて相当その場合において
檢討が加えられたのであります。その時に私はこういうことを申上げたのです。
從來は各
裁判所で
判決をいたした場合に、それに対して法律上の
批判というものが行われてお
つた。
判例批判というような学問的のいろいろの批評を世間においても聞くことができる。
裁判官自身もそういうことについて
自分の
判決を更に反省するというようなことはあるけれども、それ以外の或いは
道徳的批判であるとかい
つたようなことが、まだ十分な國民的の
考慮が拂われておらんし、そういうようなことは成るべく促進した方がいいからという
意味において、私は、この度
調査をするということについては、そういう
意味において理論上の根拠があるというので私は賛成いたしたのであります。併しながらここに
考えなければならん問題は、
裁判官は獨立の
権限を以て
司法事件を取扱
つておるのでありますから、その
判斷の途中においていろいろな
批判をするということは余程
考えなければならんじやないかと私は思いますから、或る
程度の判断を
裁判官がした場合に、必ずしも私は
確定判決ということは申しません、或る
程度の
判決ならば
判決をしたというようなことを見て、そこで
批判が行わるべきものじやないかと思いますから、私はこの度
法務委員とな
つて委員の名前も変りますし、新らしくこの問題を取扱うということについての今
委員長からの御
提案に対しましては引続きこういうような問題について
法務委員として
調査をすることは適当であると
考えます。併しながら
只今申しましたような
趣旨を十分我々は
考えながらこの問題についての
委員会の態度を
愼重に進めて行くべきであると
考慮いたします。そういう
意味においてこの
調査の行われることを賛成するということを申上げて置きたいと思います。