○岡村文四郎君
大臣が御欠席に
なつておるので、それ以下の方にお尋ねいたします。
先ず一番に
パリテイ計算の表を出して貰うことをお願いしておつた筈でありますが出て來ないのであります。この間貰いましたあれは、
政府が出したのでないのでありまして、あれでは駄目なんであります。米の
價格の
パリテイ計算の表を出して貰いたいと思います。そこで今部長からいろいろ
お話がありましたが、
パリテイ計算を出して米の
價格を決める時分に、
農家の自家能力が非常に個々まちまちであり、地帶別に違うために非常に困るという
お話であります。それは
数字的に見ますと、こういうことが出ると思います。私の言わんとするところは、物價廳でも安本でも、すべての
農業に
関係のいたしますことを
審議しますために、先ず考え直して貰わなければいかんことがあると思いますということは、現在の
農業を如何なる
方法によ
つて一体やらせておるかという問題が
一つも是正されておりません。自由経済当時に百姓をさせておつたと同樣のつもりでお取扱いになるものですから、いろいろのことが起ると思うのであります。そこで現在の百姓はソヴイエツトのコルホーズよりずつと惡いのであります。ソヴイエツトのコルホーズは
農家の労働賃金を國家が
負担して拂うのでありますが、今の日本の
農業は、土地の所有権はあると言いますが、賣ることも買うこともどうにもならん、担保に入れようにもどうにもならん、土地を相手に公課を拂
つて、
肥料も全部自分が買
つて、値段の方は
政府が決める。百姓の方は勝手に作
つて取上げられたというふうに
なつておりまして、これ程実にみじめな業をや
つておる者は恐らくないと思います。そこでその賃金の決め方さえも決まらんという
お話でありますが、私の言いますことは、それ以上大切なことは、これも
パリテイ計算に入
つておらんということであります。これは
基準が非常に面倒で入らんそうでありますが、今の
農家が最も必要な道具として使
つております役馬、役牛の
價格を
一つも取
つておらんのであります。これは昔ならば、我々が百姓をいたしておりました今から十五、六年前には、何とかして一ケ年千五百円或いは千円の收入を取りたいと思
つて熱心に百姓をやる。その時分は馬を買えば七、八十円、高くて百円牛も同様の
價格で買えました。その時分ならそれで結構、千円の收入でも千五百円の收入でも百円の馬がなくなればその馬を買えたのであります。今の馬は大体十五万から二十万を目標にして百姓をせなければならんと思います。その收入を目標にとして百姓をいたしておりまして、若し馬が死にますと昔のときの比例から見て全然
比較になりません。若し北海道にしますと 十五万円借りますればどうにか五百町歩耕作する馬が買えるのであります。それが何年に一遍死ぬかという統計は面倒でありますが、併し統計的に出せば出ると思います。若し一頭馬が死にますともう代馬を買うことが、全然困難である、協同組合の
金融も困
つております。そういう面も考えますと実に遺憾千万でありますが、元へ戻
つて考えまして、米が三千六百円にいたしましても、一升の米が三十六円で買えます。ところがそれにはいろいろな
経費が入
つて実に高いものに
なつて
配給されております、ということは、これは当然のことでありまして、今の米は
政府が買上げて、役所の
経費が全部それに
負担をしてそれから公團という誠に怪しからん團体が実に栄耀栄華をしてそうしてその
経費も全部それに
負担をしておる。あらゆる面にそういうふうに
なつてお
つて結局
消費者は非常な高い米を
配給されて誠に怪しからんと怒
つておられるが、
農家の方では安くてどうにもならんと言うのであります。これは
肥料にしましても同樣であります。私は北海道で長年や
つておりまして自分が一人で四年間ほど過燐酸を十四万トン、硫安を六千五百トン、一人で内地に來て一人で買
つて発送した男であります。それが今はと見ますと
中央の公團の方からハイヤーを七台も使
つておる、これは百姓の
負担になる非常に高い
肥料を使
つておる、今藤野さんからの御
質問があ
つて、安本の部長の
お話に
補償金の問題が出ましたが、いろいろと
金融の
関係で
方法が付かなくてそういう策を講じられたと、こういう
お話でありますが、羊頭狗肉でありまして、若し部長がそういうおつもりでやつたならば商店のお手傳と同じで、そんなことを百姓がしようとしてもこんなことはできないと思います。僅か五億か十億の金でそういうことをしないで何でも
政府がや
つておりますから公團は
政府の事業であ
つて我々民間の事業ではありませんが、そのためにもう少し掘下げて百姓がどういう立場に立
つてどういう仕事をしているかということは一体お役所はちつとも分らない、これは分らないということは御尤ものことで、國民の百姓には分りません。併しながらそうではありませんから責めるわけには行きませんが、もう少し我々の納得の行くような施策をと
つて頂きませんと、こんな
数字ばかりあ
つて、下の不平ばかり殖えてさつぱり効果が挙がらない、いつ来ても我々の納得することが絶対ない。何と申しましても
パリテイ計算の
基礎なので三千六百円の枠が決まらんと同じなんです。それで今
物資部長の
お話で、例えば
補償金を成るべく早く止めたいという御
趣旨は了解します。そんなことは止めて、それが若し代金が取れんかも知れないから、少しでも取
つてやれということは別であります。そうでない、その莫大もない
予算を計上する世の中で、國の方でおやりになる、私に言わせますと食糧管理局の
特別会計でもそんな金は何時でもできると思う、それを下から取上げて、そうして今の藤野さんの
お話のようなことをして置くということは、全く今以て盛んにや
つておる昭電事件の手傳をしておるようにしか考えられません。こんなことは早速に止めて貰うことをお願い申上げます。今止めようという
お話でありますが 遠からず、遠からずでなく、即時そういつたようなことは止めて貰うようにすることは、私は安本の職務であり安本の職責であると思います。若し安本がやるとすれば、これは安本でない、どうも話が卑屈でありますが、物價局の方では
パリテイ計算の表を直ぐ出して貰うということと、それにはもう少し今度は本当に百姓に副う、現在の日本の百姓に副う考えで計算をして貰うと、決してあんな三千六百円の
價格は絶対に出ません。論より証拠で、一升三十六円のものが安いか高いかの問題ではない、直ぐお分りと思います。そうするとあんな
價格は出ません。そこで立つたついでにお願い申上げて置きますが、安本の方でお分りならお答えを願いますが、今の
肥料の
配給状態では、これは内地はどうにかやれるだろうと思いますが、北海道では絶対にやれないのであります。硫安や硝安を貰
つても、今年は幸いに天候に恵まれて穫れましたが、若しあれが普通に置かれるなら死ぬ苦しみであります。来年からは硫安が硝安より、できれば硫安と硝安の倍の過燐酸を貰わなければ普通の
農業はできないのであります。今年は天候のためにああいう作が穫れましたことは特別であります。これが今後穫れることは期待できんわけでありますから、北海道に対して過燐酸の増配ができますかどうか、どのくらい増して頂けますか、お分りならお聞かせを願いたいと思います。それからこれは長谷川部長にもう
一つお願いしておきますが、内地の方の
パリテイ計算の表と、北海道の
パリテイ計算の表を両方から出して、それをいろいろと研究をして、日本の
米價を決める
パリテイの表として出して貰
つたのです。ところがそれでも決らないが、これは、一体どういうわけか、そうすると一方的に單なる役所の方で
消費者のことを考えるか、或いは机上の理屈かどつちかにおいてお決めに
なつたと思うが、あれはどういうわけで、あの表の
通り決らなかつたかということをお尋ねいたしたいと思います。