○
岡元義人君 私が
企画の
関係で、今までの
経過を
簡單に御
説明申上げます。
生業資金を、今まで
一世帶で七千円
貸付を行な
つてお
つたのでありますが、
物價高等と睨み合せまして、どうしても
金額を
引上げて呉れという要望が全國からありましたので、それぞれ
政府当局でも非常に
努力を拂
つておるのであります。先日來、約二ケ月前でありますが、
一世帶法七千円を一万円に
引上げる、尚特別の
事情のある者は
一世帶一万五千円まで
引上げるということが、大体内輪において協定ができて、その件はすでに
援護廳から発表にもな
つたのであります。ところがその後におきまして、
関係方面との
折衝の結果、まだ完全な〇・Kが與えられないという段階に現在あるわけであります。この
生業資金の何は、一万円に
値上げされるというようなことが早く耳に入りましたために、全國みんなが
借入れを躊躇いたしまして、
値上げを待
つて借入れをしよう、非常に
資金は渇望して止まないのですが、そういうような現象を今來しておるわけであります。ここで各
委員の
方々にお諮りしてお願いいたしたいと思うことは、
生業資金の一万円と一万五千円に
値上げをいたします場合には、
只今本年度の本
予算に組入れられましたところの五億円のいわゆる
財源が、
交付世帶数を減らさずに行く場合には当然
追加予算等でこれを殖やさなければ
解決が付かないという問題にぶつかるわけであります。
関係方面におきましても、この点を非常に強調いたしまして、
財源は五億円しかないんだ、これに
関係しないという
範囲であれば一万円と一万五千円はよろしかろうというようなことを言
つておられるわけであります。この点につきましては、
交付世帶数は
減つてもよろしいという一應建前から、一万円と一万五千円の
値上げを早く確認して頂く、そうしてその後に
委員会として
考えなければならんことは、
最初要求額が二十八億円なんです。その二十八億円に対して五億円しか
政府は與えなか
つたのでありますから、その二十八億円の
目標額の
解決を
委員会が
努力すべきじやないか、こういう
結論に到達するわけであります。この点をよく各
委員の
方々がお呑込み頂きまして、
是非とも速かに一万円と一万五千円を取敢えず
解決を付けて置く、その後に第二段の問題として、
目標額二十八億円を今まで五億円しか頂いておりませんから、この方の
金額を殖やす、こういうような
方針で進んだら
如何かと
考えますので、私見として申上げて置きます。
尚
越冬対策もこの際
説明申上げて置きますが、非常に
越冬対策は大事な問題でありまして、そこにお配りしてございます
引揚者等の
越冬対策に必要な経費の一頁の一番
最後に
越冬住宅補修費というのがあるのであります。一億二千八百万円にな
つておりますが、この
予算は……全國を廻
つて見ますと、もう
引揚者の
住宅は殆んど修繕をしなければ凌げないという
事態に立ち至
つておるのであります。今までの
折衝経過を見ますと、
大藏当局はこの
越冬対策に対しまするところの費用を全然默殺しておるのであります。かか
つてこれが
解決はこの
特別委員会にあるのでありまして、
委員の
方々の
是非とも私は御
理解と御協力が願いたいと思うのです。これは全部で三億幾らにな
つておりますが、若しこの
予算が貰えないということになりますと、
北海道や東北六縣等における
越冬対策は完全にゼロなのであります。どこからも金の出所はありません。特に
寝具類でありますが、
毛布でも、今度一人
当りに渡りました
毛布の
金額は八千円にな
つておるのであります。八千円という
金額は、到底
引揚者には負担できないのでありまして、何らかこの
越冬対策の
予算を
解決付けまして、この冬を無
縁故者その他の
越冬に万遺憾なきを期してやらなければならんのではないかと
考えられます。これは非常に急を要しますので、この際ここにお諮りを願
つたわけでございます。
尚漏らしましたが、先程の
生業資金の一覽表がここにお配りしてありますが、これは八月三十一日現在でありまして、約一月半前でありますが、大体現在はこれから多少の違いはありますけれども、全國的に三億二千五百万円というものが
貸付未
交付にな
つて残
つておるのでございます。これらは当然
特別委員会としても、
簡單にこの問題を
檢討すべきじやないかと思うのであります。今非常に金が欲しい欲しいと
引揚者が言
つておるのにも拘わらず、
各地方々々におきますところの実際
行政面における
運営が
抽いために、三億二千五百万円というような
厖大な
金額がそのまま
金庫の中に
眠つておるということは、これは非常に大事な問題だと思うのです。その
意味におきまして、各
委員が全國を
調査に廻るというようなことが非常に
意味があるのでありますが、こういうような三億というような
厖大な
金額が八月三十一日現在で
眠つてお
つたというようなことに対しましては、各
委員におきましては、よく御檢討して頂きまして、
政府にこれが万全を期するよう要請をすべきじやないかと思うのであります。
以上
簡單に御
説明申上げます。